2/26 PRIDE さいたまスーパーアリーナ興行(PPV) 簡易観戦記

気楽

本日は龍頭亭にてPRIDEのPPV観戦。参加者は龍頭さん、フリジットスター(id:frigidstar)さん、セイントマンKブラック(id:the_saintK)さん。龍頭亭には「おみや」を買っていくのが慣わしで、今回は渋谷でデパチカで餃子を買っていった。結構高い餃子で確かに具沢山だったのだがどうにも冷えていて味はイマイチでガッカリ。Kさんが買ってきたケンタッキーが妙にうまかった。

第一試合 一撃

無差別級 10分1R + 5分2R
○ローマン ゼンツォフ(185cm/103.2kg/ロシア/レッドデビル)
●ペドロ ヒーゾ(185cm/111.5kg/ブラジル/ファス バーリ トゥード)
[1R 25秒 KO]
※左フック

「一撃」。僕はヒーゾが「一撃」で勝つと思っていたが…格闘技の予想って難しいモンだ。

第二試合 向上

ミドル級 10分1R + 5分2R
○クイントン "ランペイジ" ジャクソン(185cm/92.8kg/アメリカ/ゴッド ストリート ソルジャー)
●ユン ドンシク(183cm/92.9kg/韓国/高田道場/)
[判定 3−0]

ユンは打撃も良くなったし寝技も良くなった。向上が見える選手を見るのは気持ちが良い。特に1Rに下からの腕十字をパワーボムで返されそうになった時、十字に拘らずに腕を巻き変えてジャクソンの足を巻き込んで防御、グラウンドで再び腕十字…って流れは巧かったな。あれで極まればカッコ良かったんだが…。
対するジャクソン、今日は慎重に勝ちに行った感じ。荒々しさがなかった、というか。神様に牙を抜かれたのか?それとももう闘う事に執着していないのか?

第三試合 不振

無差別級 10分1R + 5分2R
ファブリシオ ヴェウドゥム(193cm/108kg/ブラジル/チーム クロコップ)
●ユノラフ エイネモ(198cm/107.3kg/ノルウェー/フロントライン アカデミー)
[判定 3−0]

グラウンド合戦になるかと思ったら…、あっと驚く打撃勝負。もしこの二人の寝技が見たいのなら打撃なしのルールでないとダメなのか?で、その打撃も…いかに身体が大きくともお互いに手打ちの打撃ではダウンは奪えない。ヴェウドゥムの首相撲からのヒザ蹴り&アッパーは唯一良かったと思うが…残念だ。

第四試合 殊勲

無差別級 10分1R + 5分2R
○高阪 剛(181cm/100.6kg/日本/チーム アライアンス)
●マリオ スペーヒー(180cm/104.8kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
[1R 1分20秒 KO]
※右フック

TKの顔がガチでガッツ 石松にソックリになってきたのには驚いた。ああいう顔っていうのは系譜でもあるのかねぇ?試合でのTK、今回は相手のレスリングに付き合わずスタンドでの右フック一閃、セコンドの高橋 義生が得意とする勝ち方を義生以上にキレイに実践した。イヤイヤ本当に見事。
それにしても、TKが相手に向かって「立て!」と指図するシーンが見れるとは思わなかった。回る回るよ、時代は回る。

第五試合 巨躯

無差別級 10分1R + 5分2R
アリスター オーフレイム(195cm/103.2kg/オランダ/ゴールデン グローリー)
●セルゲイ ハリトーノフ(194cm/110.6kg/ロシア/ロシアン トップチーム)
[1R 5分13秒 TKO]
※頭部への膝蹴り

アリスターが何だかランデルマンみたいな身体になっていた。それも無理して巨大化…というのではなく自然な巨大化だった。で、あのハリトーノフに何もさせずに勝利してしまうという…。ミドル級GPでアローナ相手に前半は圧倒していた、あの実力は本物だったって事だ。こりゃ強いよ、無差別級GPの注目株だな。

第六試合 磐石

無差別級 10分1R + 5分2R
○ジョシュ バーネット(115.5kg/アメリカ/新日本プロレスリング)
●中村 和裕(102kg/日本/吉田道場)
[1R 8分10秒 チョークスリーパー]

前回(vs ミルコ戦)よりは全然グッドシェイプになっていた「青い目のケンシロウ」、今日は全く危なげのない勝利。パンチは早さを増しグラウンドでも安定感を発揮。「やっぱこの人は強いな」と改めて思った…のだが、この時より更にグッドシェイプだったvs 近藤戦を思い出すと、やっぱり近藤ってスゲーなぁと思った次第。

第七試合 厚顔

無差別級 10分1R + 5分2R 四点ポジションでの蹴りはなし
○アントニオ ホドリゴ ノゲイラ(191cm/109kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
●田村 潔司(180cm/85kg/日本/U-FILE CAMP)
[1R 2分24秒 腕十字固め]

煽り映像がメチャクチャカッコ良かった。レニーハート女史のコールと共に、PRIDE人気を支える要素の一つかね。
PRIDEでの田村の試合は勝っても負けても印象に残るものが多いのだが、今日の試合も強烈なインパクトを放った。何故なら今までの田村の試合の中で、もっともみっともない負け方をしたからだ。散々桜庭戦を拒否しながらノゲイラ戦を受諾…したのはいいが、スタンドでもグラウンドでも何もできないまま腕十字で敗戦。全くもって何を考えているかわからない、というか。しかも、そんな時でも入場曲の「FLAME OF MIND」だけは妙にカッコいいから始末が悪い。どうしてくれる?
反対にノゲイラはパンチが更に上達していたのが印象に残った。またヒョードル戦へ一歩近づいたか?

第八試合 受身

無差別級 10分1R + 5分2R
○マーク コールマン(185cm/101.7kg/アメリカ/ハンマーハウス/PRIDE GP 2000覇者)
●マウリシオ ショーグン(182cm/103kg/ブラジル/シュートボクセ アカデミー/PRIDEミドル級 GP 2005覇者)
[1R 49秒 TKO]
※ショーグンの右肘の脱臼により試合続行不能

フィニッシュについて。「倒れる時は手を先に付いてはいけない」というのは柔道でも基本だし、先人達の失敗(ドスカラスJr vs 謙吾、ネイサン マーコート vs 三崎和雄、ミルコ クロコップ vs ジョシュ バーネット(1回目))から考えてもこれは「アクシデント」とは言えないと思う。この試合はコールマンが実力で勝ったのだ。ま、正直勝つとは全然思ってなかったけど。
それにしても熱血オヤジ・コールマン、身体絞りすぎ。発表体重がショーグンより軽かったし。

第九試合 壮絶

無差別級 10分1R + 5分2R
○マーク ハント(178cm/132.5kg/ニュージーランド/オシアナ スーパーファイタージム)
●西島 洋介(182cm/95.5kg/日本/高田道場)
[3R 1分18秒 KO]
※右ストレート

まず印象に残ったのが西島の入場曲。調べてみたら尾藤イサオだった(「あしたのジョー」を唄った人)。
で、何だか凄い試合だったな。打撃に拘ったんだか単に寝技に自信がないんだか知らないが、とにかくハントの闘い方には「男」を感じたし(ブロディばりのジャンピング ダブルニードロップには驚いた)、それに応えるかのような西島の鋭い打撃、特にボディストレートには惚れ惚れだ。スウェーも巧かったし。最後はハントが夢を打ち砕くかのようなストレート。最近は闘いが洗練されてきたPRIDEのマットで、久々にリング上に「男」を感じた試合。それにしてもハント絡みの試合は面白い試合が多いな。

雑感

「カードがショボイ」といわれたこのカードも、終わってみれば番狂わせ続きの波乱続き。名勝負は少なかったが、メインはその事を吹っ飛ばすような素晴らしい試合。結果的には面白かったが、心配なのはハリトーノフとショーグンの怪我。特にショーグンは今年一年を棒に振る勢いの大怪我だしな。どうなる無差別GP!?


以上、長文失礼。