6/4 PRIDE武士道 さいたまスーパーアリーナ興行(PPV) 簡易観戦記・改

Mask_Takakura2006-06-04

レイアウトを見やすくして、文章をちょっぴり付け足しました。



それにしても全十一試合っていうのは長い

本日は龍頭亭にてPRIDE武士道のPPV観戦。観戦参加者は…家主・龍頭さん(http://blog.livedoor.jp/nhbnews/)、frigidstarさん(id:frigidstar)、saint_kさん(id:the_saintK)、タカハシさん(http://blog.livedoor.jp/hardcore_heaven/)、ドキタローさん、そして僕の計6名。

本日の「おみや」は…前回の予告通り、ハンバーガー界の異端児・マミドバーガーの「ビックマミド」。ハンバーガーを名乗りながらもバンズの間に生クリームが挟まっているシロモノである。だが、いざ食べてみるとフルーツが多く使われている為、爽やか甘さで非常に口あたりが良い。周りの評判も良好だったし、また機会があれば買っていこう。

ハンバーガー界の異端児・マミドバーガー

http://www.mamido.jp/site/index.htm

さて今回のPRIDE武士道は、今一つ盛り上がらない「PRIDEウェルター級GP」の一回戦が興行の中心…なのだが。今日の僕の「心のメインイベント」は、ライト級のワンマッチ「石田光洋 vs マーカス・アウレリオ」である。ま、今日はそう思っている人が多いと思うけどね。ウェルター級の面々には、この僕の下馬評を覆すようなファイトを期待。

第一試合 数字にダマされてはいけません、その1

ライト級 1R10分 + 2R5分
○ジェイソン・ブラック(178cm/72.9kg/アメリカ/ミレティッチ マーシャルアーツ)
オ・ウォンジン(170cm/72.9kg/韓国/正進MMAジム&CMA KOREA)
[1R 4分25秒 TKO]
※頭部へのヒザ蹴り

戦前の予想

ジェイソンが1R、チョークスリーパーで勝利。調べたところウォンジンは「中尾 受太郎とドロー、池本 誠知にTKO負け」と出ている。対するジェイソンはここまで戦績21戦19勝1敗1分3KO10Sと、関節技による勝利が多い。となれば、既に実戦経験の多いジェイソンが、もっとも得意とする勝ち方をするのかなぁ…と予想。

試合の感想

開始直後、いきなりバックを奪ってチョークスリーパーへ移行するジェイソン。「よっしゃ、予想通り!」と思っていたが極めきれず。その後は両者共にガス欠。それでもジェイソンが再びオを倒し、上四方からヒザ蹴りでKO。う〜ん、後半はスタミナを切らしていたし、戦績の数字程にはジェイソンが強くなかったな。危ない危ない。

予想の結果

展開はやや当たり、勝者は当たり、フィニッシュはハズレ。ま、最初はこんなモンでしょ。

第二試合 選手の闘いぶりを忘れてはいけません

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
○アマール・スロエフ(176cm/82.8kg/アルメニア/レッドデビル)
ムリーロ・ブスタマンチ(185cm/82.9kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
[判定 3−0]

戦前の予想

ブス先生が1R、腕十字で勝利。ブス先生はスタミナが心配なんだけどねぇ…。極めっ気のないフィリオに一本負けしているスロエフなので、ここは熟年パワーを期待して一本で。多分ムリだと思うけど。

試合の感想

ブス先生のタックルはすべて切られ、スタンドでのパンチは悉くスロエフにかわされ、スロエフのローキックやミドルキックは捌けない。決定打こそなかったけれど、正直ブス先生がここまで完敗するとは思わなかった。プレッシャーを掛けていたのはブス先生なんだけど、ローキックを捌けないのが痛かった。

予想の結果

展開はハズレ、勝者もハズレ。っていうか、スロエフの前回の試合ぶりをすっかり忘れてしまっていたのが最大の敗因だな。ちなみに龍頭亭でもこの予想をハズした人が多かった。これを「いや、スロエフはそんなに弱くないよ」と言いながら当ててしまった saint_k さんは凄い。

第三試合 選手を国単位で差別してはいけません

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
パウロ・フィリオ(172cm/82.9kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
●グレゴリー・ブーシェラゲム(190cm/82.3kg/フランス/フレンチ トップチーム)
[判定 3−0]

戦前の予想

フィリオが1R、腕十字で勝利。先ほども「極めっ気がない」と書いたフィリオだが、僕はそれ以上にフランスの総合格闘技という世界が信用ならないのでコレで。それにしても第三回D.O.G.にはヤラれまくったなぁ。

試合の感想

「グラウンドで長い間押さえ込み、しっかりマウントを奪ってパンチ連打」。ここまでやりながらも「一本勝ちできない」のがパウロ・フィリオという事なのかなぁ…。ま、思っていたよりブーシェラゲムが頑張ったって事か。D.O.G.での一件以来、フランス総合格闘技界を信頼していなかったのだが…、私が悪うございました。

予想の結果

展開ハズレ、勝者は当たり、フィニッシュはハズレ。フィリオには一本極めて欲しかった。

第四試合 数字にダマされてはいけません、その2

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
長南亮(175cm/82.6kg/日本/チームM.A.D/DEEPミドル級 王者)
●ジョーイ・ヴィラセニョール(183cm/82.9kg/アメリカ/ジャクソンズ サブミッション ファイティング)
[判定 2−1]

戦前の予想

ヴィラセニョールが1R、スタンドパンチで勝利。現在のところ戦績24戦21勝3敗9KO10Sという脅威の数字を持つヴィラセニョール。「立ち技寝技、なんでもござれ」状態というか、その決まり手を考える方が難しいくらいだ。いずれにせよ技術的には粗があって穴のある長南が勝てる相手ではないと思う。

試合の感想

戦績自体は脅威の数字を持つヴィラセニョールだが、フリジット氏曰く「ヴィラセニョール?あんまり強くないでしょ。DEEPで白井 祐矢に辛勝していたのを見たし」。そ、そうなのか!? 早くも予想に暗雲が…。

それでも試合は一進一退。スタンドで打撃を交換し、お互いに倒したり倒されたり。そして両者に決定打がなくちょっと退屈。ヴィラセニョールは1R中盤から口が開きっぱなし、スタミナ切れだ。で、これが決め手になったかどうかは知らないが、判定は2−1で長南が僅差の勝利。う〜ん、ヴィラセニョールは口を閉じながら試合をしてれば印象が良かったのかもしれんが…、あんなに観る側にスタミナ切れをアピールしちゃイカン。

予想の結果

展開ハズレ、勝者ハズレ。完全に数字にダマされた。しっかり予想するなら、ちゃんと対戦相手の欄も見ておかないとねぇ。

第五試合 自分が観ていた事実に自信を持ちましょう

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
ゲガール・ムサシ(186cm/82.5kg/オランダ/レッドデビル インターナショナル)
瀧本誠(174cm/82.3kg/日本/吉田道場)
[1R 5分36秒 TKO]
※グラウンドパンチ連打

戦前の予想

ムサシが1R、グラウンドパンチで勝利。DEEPでの入江 大和戦では圧勝していたムサシ。入江と瀧本を同列に見るのは非常に危険ではあるが、自分より重い相手に圧勝するのだから瀧本にも勝てるだろう、と。でもちょっとこの予想は危険な気もするなぁ、判定で瀧本って線もありそうだ。

試合の感想

最初は瀧本が電光石火のテイクダウン、サイドからあっという間の腕十字。「ヤバイ!やっぱり金メダリストは強いのかっ!?」と思ったが、これをしのいだムサシがバックマウントからパンチを連打。瀧本は逃げまくったが、ムサシは入江戦でも見せたポジションキープ力を披露。最後はパンチの強打、瀧本は目を負傷しドクターストップ。

瀧本の負傷は見た目には重傷。両目の焦点があわなくなっているように見えた。ドキタローさん曰く「こりゃ、ヘタしたら引退かもなぁ…」、そのレベルのヤバさである。今後が心配だ。

予想の結果

展開は…ありゃ書いてない。ま、勝者とフィニッシュは大当たりだし、展開も僕がDEEPで観た時と同じだったし、そこそこ完璧な予想だったんじゃないかなぁ、と自画自賛してみる。

第六試合 時には願望や希望を持ってみましょう

ライト級 1R10分 + 2R5分
石田光洋(168cm/72.0kg/日本/T-BLOOD/修斗ウェルター級 環太平洋王者 & 世界一位)
マーカス・アウレリオ(178cm/72.5kg/ブラジル/アメリカン トップチーム)
[判定 3−0]

戦前の予想

石田が判定勝利。これは予想ではなく「願望」なんだけどね。ここで石田が勝ったら、この先のライト級戦線が面白そうだなぁ、と。いずれにせよ今大会随一の好カードである事には間違いない、というか。

試合の感想

あれだけインサイドから強烈なパンチを休む事なく連打できる石田はいいね。タックルも良かったし、アウレリオの下からの仕掛け(フロントチョーク、三角絞め、腕十字)はしっかり捌いていたし、もう文句のない勝利でしょ。普通、下からでもアレだけ仕掛けられたらグラウンドでの攻めは躊躇しそうなモンだけどねぇ。秘めたる気持ちの強さが前に出ていた、というか。2R終盤の「無尽蔵」と言われたスタミナが尽き果てるまでグラウンドパンチをやめない姿も良かったなぁ。

まあ、やっている事は「修斗での石田」と変わらないんだけど、同じ事を武士道の舞台でアウレリオを相手にできるのが素晴らしい。お見事でした。

予想の結果

イヤ、この試合は展開がどうとか考えられなかったよ。単純に石田に勝って欲しかったんだよねぇ。で、勝者と判定については大当たり。たまには願望を予想に変えてみるのもイイもんだね。

第七試合 ままならない展開でも不平不満を言ってはいけません

ライト級 1R10分 + 2R5分
川尻達也(171cm/72.8kg/日本/T-BLOOD/修斗ウェルター級 世界王者)
●チャールズ “クレイジーホース” ベネット(170cm/70.8kg/アメリカ/フリー)
[1R 2分35秒 膝十字固め]

戦前の予想

川尻が1R、グラウンドパンチで勝利。イカれているけど粗も多いベネットに負ける選手ではないよ、川尻は。フィニッシュは勘。

試合の感想

絶対に打撃中心の展開になると思っていたんだけど…あっという間のグラウンド、腕十字がダメなら膝十字、極まってフィニッシュ。打撃は皆無だった…というのがそもそも予想の範疇外。ましてや膝十字なんてフィニッシュは予想できませんよ。ええ、ムリです。

予想の結果

展開は書いてなかったけど上記の通りなのでハズレ。勝者は当たったけど、フィニッシュもハズレ。ま、「ベネットには粗が多い」という部分については当たったかな。

第八試合 「一発当てよう」なんて夢を見てはいけません

ライト級 1R10分 + 2R5分
○桜井 “マッハ” 速人(171cm/72.9kg/日本/マッハ道場)
●オラフ・アルフォンソ(175cm/72.9kg/メキシコ/オド ファイトクラブ)
[1R 1分4秒 KO]
※右フック

戦前の予想

1R、アルフォンソがスタンドパンチで勝利。これは今回のバカ博打。桜井は例の事件で骨折してるし、本領発揮とはいかない気がするんだよねぇ。アルフォンソは戦績5勝4敗3KO1Sで、勝つ時は一本が多いのよ。このところは1R秒殺KO負けが多いみたいなんだけど、逆に言えばスタンド勝負してるからなぁ、と。ならば怪我でスタンドに不安の残る桜井が喰われる展開もあるんじゃないかなぁ…。ないと思うけど(笑)。

試合の感想

あのねぇ。ボカァ好きでアルフォンソ勝利を予想したわけじゃないのよ。この勝敗予想には競争相手もいるわけで、百戦錬磨の彼らに勝とうとするのであれば、どこかで予想に「差」をつけなきゃならないんだよね。そこで今回はここにヤマを張った訳で…。

………私が悪うございました。

アルフォンソは結局、僕が「このところは1R秒殺KO負けが多い」と書いた通りの負け方をしてしまった、というか(苦笑)。あれだけ無警戒に突っ込んだら、そりゃ一発貰うわな。それでも桜井の顔の怪我が回復していなければ勝敗は逆転していた…、バカ言え、あの負け方じゃ言い訳もできんわい(苦笑)。

予想の結果

もうカンベンしてください(嘆)。

第九試合 試合前の報道に左右されてはいけません

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
郷野聡寛(176cm/82.8kg/日本/GRABAKA/全日本キックヘビー級 王者)
ヘクター・ロンバード(175cm/82.8kg/キューバ/吉田道場)
[判定 3−0]

戦前の予想

郷野が1R、スタンドパンチで勝利。ロンバートは伝聞だけ聞いていると鬼のように強い感じがするし、グラウンドで下になれば郷野もやばいと思うんだけど…、まあスタンドで郷野がのらりくらりとやって1発入れてくれるかなぁ…と。

試合の感想

DJ OZMAの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」と共に踊る金髪アフロの郷野&GRABAKA勢。結構一生懸命練習してきたらしく息は合っていた。二回戦は何で踊るんだろ?

で、このパフォーマンスに怒ったのがロンバード。筋肉質の身体を全力疾走させて、強烈な圧力で郷野を圧倒。郷野はテイクダウンを奪われて「まさかの秒殺負けっ!?」とも思ったが…、ロンバードの破壊力抜群のパンチはグラウンドでしっかりとガード。で、この時点でロンバードは早くもガス欠。いいエンジンを積んでいると燃費もかさむのよねぇ。

後は「郷野殺法」が爆発、ロンバートはローキック、組み付いてのヒザ蹴り、ストレートをしこたま貰うハメに。ロンバードは時折テイクダウンするもグラウンドで有効打を出せない。これでは郷野に負けるのは必然。まあ身体能力は非常に高そうだから、この先で本格的に練習すればどんどん強くなりそうだけどね。

予想の結果

展開は半分当たり、勝者は当たり、フィニッシュはハズレ。ロンバートの圧力が想像以上だったのは誤算だったが、終わってみれば郷野らしい試合。

第十試合 勢いや運気も見ていきましょう

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
デニス・カーン(180cm/82.7kg/韓国/アメリカン トップチーム)
ムリーロ・ニンジャ(181cm/82.7kg/ブラジル/シュートボクセ アカデミー)
[1R 15秒 KO]
※グラウンドパンチ連打

戦前の予想

カーンが1R、グラウンドパンチで勝利。これはもう単純に、最近のカーンの勢いを買った。韓国出身という売り込みの割にはアメリカン トップチーム所属なのは気になるけどね。

試合の感想

いきなりのパンチで倒し、グラウンドパンチでフィニッシュ。予想では「カーンの勢いを買った」と書いたが、いくらニンジャが下り坂だからといって、ここまで如実に差が出るとは思わなかった。いや〜、「日の出を落とす勢い」とはまさにこの事って感じだねぇ。

予想の結果

一応は大当たりかな。まあ僕が思った以上にカーンに勢いがあったのには素直に驚いたけど。

第十一試合 予想通りだからといって驕ってはいけません

PRIDEウェルター級GP 一回戦 1R10分 + 2R5分
三崎和雄(178cm/82.6kg/日本/GRABAKA)
フィル・バローニ(180cm/82.4kg/アメリカ/ハンマーハウス)
[判定 3−0]

戦前の予想

三崎が判定勝利。試合の構図は「逃げる三崎、追うバローニ」という事になるのだろうが、三崎のパンチは手打ちが多く判定になりがちなのに対して、バローニのパンチは相手をKOできるもの。最初は危ない展開が続くと思われるが、何となく三崎が逃げ切っちゃいそうなのでコレで。逃げ切れない可能性もあると思うけどさ。

試合の感想

そうかそうか、三崎にはミドルキックやローキックという武器もあるのか。こりゃ、バローニの最初の猛攻さえしのげば、僕が考えている以上に三崎の勝利は確実だったという訳ですな。

試合は、まさに僕の予想通り。最初こそバローニが猛ラッシュを仕掛けたけど結局はガス欠を起こして、三崎のローキックやミドルキックやストレートでスタミナを奪われていった。こうしてバローニがあっさりと「攻略」される姿を見ると、近藤 有己の敗北が本当に悔やまれる。こういう相手に真正面から闘っちゃイカンよなぁ…。

予想の結果

ズバリ何もかも予想通り。っていうか、三崎とバローニのことを知っている人なら、この展開を予想した人は多いだろうけどね。

雑感

兎にも角にも、興行が長かった!PPVを観戦しているだけでもこんなに疲れるのだから、生観戦した人はもっと疲れた事だろう。正直「5時間超の興行」っていうのは考えものだねぇ。しかも五試合が「一本勝ち」だから、まだこの時間にまとまったわけで、「これがすべて判定だったりしたら…」と思うとゾッとするなぁ。

興行の内容については…、ウェルター級GPは「いい試合もあったけど、全体的には小粒だなぁ」という感じ。突き抜けて良かったのはロンバートの圧力、郷野のダンス、カーンの勝ちっぷり、くらいかな。

まあ、今日の主役はライト級の石田でしょ。あれだけ「ひたむきさ」や「一生懸命さ」が周りに伝わる選手というのも珍しい。今日は「ライト級王座のNo.1 コンテンダー」であるアウレリオに勝ったんだし、この先で五味 隆典とライト級王座戦とかをやるのかなぁ。ま、いざやったら相性の問題であっさり負けそうだけど(笑)。


以上、長文失礼。