2/25 PRIDE ラスベガス トーマス&マックセンター興行 簡易観戦記

Mask_Takakura2007-02-25

今回は仕事が忙しかった関係で「予想」というモノをまったくやっていません、あしからず

本日は朝から、龍頭亭にてPRIDEをPPV観戦。


観戦の参加者は…、家主・龍頭さん(http://blog.livedoor.jp/nhbnews/)、フリジッドスターさん(id:frigidstar)、セイントマンブラックKさん(id:the_saintK)、psyzohさん(id:psyzoh)さん、そして僕の計五名。う〜ん、今年一年の龍頭亭はこの五人が基本メンバーになるんだろうな。


さて本日の「おみや」は、渋谷のデパ地下で勝ってきた「藤兵衛」のうなぎ重。朝からヘビーなものを食っているワケだが、このところは仕事が忙しくていいものを食っていなかったので「タマには栄養のあるモノを食おう!」と思った次第。

味は…まあまあだった。温かいうちに食ったほうが旨そうな味ではあったかな。

藤兵衛

http://www.tokyu-dept.co.jp/norengai/shop/tobei/index.html


で、このうなぎ以上に旨かったのが、Kさんが持って来た「わさびいなり」。わさびのヒリヒリ感といなりの甘さが喧嘩しない感じがなんとも絶妙で「いくらでも食いたい!」と思わせられるようないい味を出していた。ヨシ、今度は僕もコレを買って来よう。


さてさて。今回のPRIDEはアメリカ・ラスベガスでの興行。今回が二回目となる今大会だが、観客の入りはガラガラ。「一回目の客入りと比べると、大苦戦してるな」という気がしたが、Kさん曰く「アメリカ人っつーのは、最初の方の試合を軽く見る傾向があるから、あとになったら入るんじゃないの?」だそうで、実際興行の後半に入ってから観客の足は伸びていた。それでも最終的な客入りは今一つ。う〜ん、厳しいね。

第一試合 ハンセンのミドルネームが「ヘルボーイ」になっていた、カッコいいね

ライト級 5分3R
ヨアキム・ハンセン(175cm/73.0kg/ノルウェー/フロントライン アカデミー)
●ジェイソン・アイルランド(175cm/73.0kg/アメリカ/TAP OR SNAP)
[3R 2分33秒 腕十字固め]

煽り映像によると、ジェイソンは大事故を負ってからの復帰戦だそうで。だとしたら、その相手がハンセンというのは荷が重過ぎると思うねぇ。んで、試合でもハンセンがグラウンドで終始圧倒、最後は腕が折れんばかりの下からの腕十字で一本勝ち。お気の毒に。

それにしても、最後の腕十字は…。腕が完全に「へ」の字になっているのに、アメリカ人のレフリーは様子を見るばかり。折れなくて良かったよ、ホントに。

第二試合 PRIDEアメリカ放送の解説者・トリッグ、PRIDE王者に勝利

ウェルター級 5分3R
○フランク・トリッグ(173cm/83.0kg/アメリカ/RAWトレーニングアカデミー)
三崎和雄(178cm/82.1kg/日本/GRABAKA/PRIDE GP 2006 ウェルター級トーナメント 優勝)
[判定 3−0]

三崎はチャンピオンとして試合に挑んだものの、蓋を開ければトリッグがグラウンドで一方的に攻めまくり。得意のアウトボクシングも不発、GRABAKAの本分である寝技も不発。まるでいいところなく三崎は敗北。デニス・カーンに勝利した時に吹いた神風は、アメリカでは吹かなかった、というかね。

それにしても、しっかりと計量はしているハズなのに…なんであんなに体格差が出てくるのかなぁ。日本人とアメリカ人の体格差かねぇ?しかも本来はトリッグの方が軽いハズなんだけどねぇ。

んで、最後にテレビに映っていた赤いドレスのネーチャン、思いっきり乳輪がハミ出ていたんだけど…ああいうのが気にならないのって文化なのかねぇ?

第三試合 代役・リーが思わぬ秒殺勝利

ライトヘビー級 5分3R
○ジェームス・リー(180cm/95.5 kg/アメリカ/マッシュ アカデミー)
●トラビス・ビュー(190cm/92.9kg/アメリカ/チーム エクストリーム)
[1R 39秒 フロントチョーク]

怪我で欠場した中村和裕の代役は、見た目が「冴えない中年」そのもののリー。「さて、どうなるやら?」と思ったら、右フックがバッチリとヒットし、怯んだビューをフロントチョークに捕らえて秒殺勝利。

ま、実力による勝利というよりは、狙いがバッチリとハマッた…って感じではあったけど、何かと泥仕合の多い中村よりも、この選手を起用したのは大正解、というか。

第四試合 「キリンを極める男」ソクジュが大番狂わせを起こした

ミドル級 5分3R
○ソクジュ(182cm/92.9kg/カメルーン/チーム クエスト)
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(191cm/92.9kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
[1R 23秒 KO]
※左フック

「キリンを極める男」として話題になっていたソクジュ、最初に繰り出したハイキックはかなりの美しさ。「こりゃ、打撃もいけそうだな」なんて思っていたら、前に出るノゲイラに左フックがカウンターでヒット。軌道はかなり短かったが…、鉄槌の部分がヒットしてノゲイラは一発でダウン、今大会最大のアップセットに観客は大熱狂!いや〜、お見事お見事!

この左フックは凄かった。最初にソクジュを見た時に「腕が太いな」とは思っていたけど、あの軌道の短かさでダウンを奪うのだから、打撃はかなり重かったのだろう。フリジッドスター氏曰く「ガゼルパンチ気味に入りましたね」だそうで。「アフリカではガゼルがキリンを殺す事もある」。

第五試合 解説のジョシュは「不死身のエレキマン」を「Electronic Man Never Dies」と約していたらしい

ライト級 5分3R
桜井“マッハ”速人(171cm/74.4kg/日本/マッハ道場)
マック・ダンジグ(175cm/73.0kg/アメリカ/LEGENDファイトチーム/チーム エクストリーム)
[2R 4分1秒 KO]
※右フック

体が小さいダンジグを相手に、桜井の投げが冴える。一本背負いに腰投げと、鮮やかな投げが決まっていく。だがスタンドではどこか危なっかしい桜井。投げやグラウンドの過程の中で疲れたのかねぇ…なんて思っていたら、2R終盤に右フックが鮮やかに決まってKO勝ち。

…という試合の流れ自体はあんまり記憶にないんだけど、アメリカの地で鳴り響いた「不死身のエレキマン」はちょっと田舎の音楽っぽく聞こえちゃった。「ムエタイ選手がタイの流行曲で入ってくる時に、我々日本人が感じている違和感」を、この曲でアメリカ人が感じてたんじゃないかな?ま、名曲ではあるんだけどね。

第六試合 ロシアの空挺師団出身選手 vs アメリカの現役警察官

ヘビー級 5分3R
セルゲイ・ハリトーノフ(194m/109.8kg/ロシア/ロシアン トップチーム)
●マイク・ルソー(188cm/115.6kg/アメリカ)
[1R 3分46秒 腕十字固め]

「ま、ハリトーノフが勝つだろう」と思っていたら、当の本人は体格差に大苦戦、マウントまで奪われてピンチの連続。アメリカ人の観客はアップセットを期待するUSAコールの大合唱。「ふ〜む、冷戦は終わったといえど、やっぱりロシアは隣人ではないのかねぇ?」と思っていたら、ハリトーノフが下から逆転の腕十字をガッチリと極めた。ルソーはタップしているのに、試合は全然とまらなかった。よろしくないね。

ま、取りこぼしが多かったハリトーノフが無事に勝利したのが良かった、かな。それ以外は特に感想はないや。っていうか、ハリトーノフって昔はもっと強いイメージがあったんだけどねぇ…。

第七試合 久々に見たヴァレンタイン・オーフレイムは、かなりハードなモヒカンだった

ミドル級 5分3R
マウリシオ・ショーグン(182cm/92.9kg/ブラジル/シュート ボクセ アカデミー/PRIDE GP 2005 ミドル級トーナメント 優勝)
アリスター・オーフレイム(195cm/92.9kg/オランダ/ゴールデン グローリー)
[1R 3分27秒 KO]
※グラウンドへのパンチ

「試合開始後の五分間は超強豪」でお馴染みのアリスター、今日もスタンドで絶好調。「やはり、この男を攻略するにはガス欠を待つしかないのか?」と思っていたら、ショーグンは強引にアリスターを崩す。だが猪木アリ状態になってもショーグンは棒立ち状態。あ、そうか。アメリカでは『グラウンド状態への踏みつけ』は禁止だったっけ。しかし強引にパンチを落とせば、これが見事にアリスターの顔面にヒット。一発でアリスターはグッタリ。

いや〜、意外といえば意外な結末というかねぇ。あのアリスターを五分以内で倒したのだから、ショーグンはやっぱり強いね。

第八試合 ラスカル(いたずらっ子) vs ロージー(だだっ子)という煽りはカッコ良かった

ライト級 5分3R
ニック・ディアス(183cm/73.0kg/アメリカ/シーザー グレイシー柔術)
五味隆典(173cm/73.0kg/日本/久我山ラスカルジム/PRIDEライト級 王者)
[2R 1分46秒 フットチョーク]

龍頭亭の面々の誰もが「打撃の鋭さは五味の方が上なんだけどねぇ…」と呟いていたスタンドでの打撃戦。ダメージは五味の方が上だったけど、流血量はディアスの方が上。

特にディアスが左目の下に負った傷は相当に深く、ドクターストップが掛かってもおかしくない状態。スタミナを切らしながらも殴りあう両者、ここで決定的な差となったのはリーチ。確実にパンチを刻むディアスに対して、五味のパンチは空を切るばかり。それでもボディへ打撃を集める等で逆転を図ったが…。

2R序盤、五味がグラウンドに活路を求めると、これに呼応したディアスは下から三角絞め…と見せかけてのフットチョーク。この仕掛けはかなり鮮やかだった、恐らく何度も練習していたのだろう。で、五味はあっさりとタップ。今日何度目かのアップセットを前に観客は大熱狂。

う〜ん、スタンドでの打撃戦では劣勢だったけど、これを続けていた方が五味に勝機があったんじゃないかなぁ?ディアスもかなり疲れていたように見えたしね。

第九試合 ダンヘンアメリカでも「成功者」のイメージなのね

PRIDEミドル級タイトルマッチ 5分5R
ダン・ヘンダーソン(180cm/90.5kg/アメリカ/チーム クエスト/PRIDEウェルター級 王者)
ヴァンダレイ・シウバ(182cm/92.9kg/ブラジル/シュートボクセ アカデミー/PRIDEミドル級 王者)
[3R 2分8秒 KO]
※左ストレート/ヘンダーソンが新王者に

いつもに比べて、露骨に張りのない体をしているシウバ。筋骨隆々であるハズの体は弛み、表情もどこか精彩を欠いている。スタンドでの打撃にもキレはなく、首相撲でも押され気味。グラウンドでは上になって何もできず、下になってはホールディングの嵐。『アメリカ仕様』のシウバは本当に「弱い」としか言い様のない有様。最後の左ストレートを喰らう様を含めて、色々と様式美だったと、いうか。

しかしまあ、「『使用前』のシウバ」って、こうまでも「こんなもの」なのかねぇ。正直言って、アメリカ仕様のシウバであればダンヘンでなくとも、同じくらいの強さを持つ選手であれば誰でも簡単に倒せるんじゃないのか?っていうくらいに「まるでダメ」というかねぇ。

雑感

なんともアップセットの多い大会で、その主役がアメリカ人である事が多かった事もあり、観客は大いに盛り上がったと思う。

でも…なんというか、こうも王者が立て続けに敗れてしまうと、PRIDEの商品価値自体はガタ落ち、っていう感は否めないかなぁ。王者ともあろう者が揃いも揃って簡単に負けすぎ、というねぇ。特にシウバはヒドすぎ。アメリカ人はあんなシウバを見たかったワケじゃないだろ。ゲンナリだよ。

シウバはこの一戦がターニングポイントになるのかな?それとも、日本で再戦を組んで『使用後』の『日本仕様』のシウバで勝っちゃうのかな?ま、僕としては再戦するなら、是非アメリカでやって欲しいんだけどね。


以上、長文失礼。