2/17 全日本プロレス 両国国技館興行(地上波) 簡易観戦記

一ヶ月遅れのテレビ放送にはワケがある

2/17に行われた全日本プロレスの両国興行、その模様を一ヶ月以上遅れた3/25の深夜に放送していた(テレビ東京、関東Only)。

「何故こんなタイミングで放送するの?」と思ったら、3/26から後楽園ホールで五夜連続でチャンピオン・カーニバルをやる為、その宣伝として放送したようだ。とはいえ、放送時間は深夜2:45。これってどの程度の宣伝効果があるのかなぁ?

ってなワケで、観戦した感想をツラツラと。

第四試合 大相撲の聖地で、相撲レスラーが大暴れ

タッグマッチ 45分一本勝負
○曙(204cm/216kg/フリー)
 大鷲透(180cm/120kg/El Dorado)
vs
 スモー・リキシ(186cm/182kg/アメリカ)
●ジョニー・ダン(185cm/120kg)
[9分37秒 体固め]
※64

ジョニー・ダンって名前にはまったく聞き覚えがないのだが、ジョニー・ダン→ジョニダン→序二段…ってなワケで、リキシの横には金髪の荒谷さんが(元・序二段)。「出落ち」じゃねぇか。

ってなワケで、試合については「推して知るべし」の一言で充分だな(苦笑)。それにしても曙は、楽にお金になりそうなところに転がっていくから嫌いだねぇ。節操なくホイホイと色んな団体に上がっちゃうから、格闘技もプロレスも身につかないんだよ。

最後はリキシのダンス。噂には聞いていたが本当に巧い。そういえば昔、CMで舞の海がバリバリ踊っていたな。

第五試合 「夢のまま」にしておいた方がいい夢もあるようで

タッグマッチ 45分一本勝負
グレート・ムタ(188cm/110kg)
 TAJIRI(176cm/93kg/フリー)
vs
●ゴールド・ダスティン(198cm/118kg/アメリカ)
 白使(180cm/108kg/みちのくプロレス)
[14分22秒 体固め]
シャイニング・ウィザード

全員、アメリカのメジャー団体で活躍したメンバーによる試合。確かにゴージャス感はあるものの、普段は肌を合わせない者同士の試合では名勝負は期待できないだろう、と思っていたら…やっぱりバタバタしていた。これまた「出落ち」じゃねぇか。

ってなワケで、試合については「推して知るべし」の一言で充分だな(苦笑)。それにしてもムタは、何かというとTAJIRIの顔面を舐めているけど…あれはよろしくないよ、ホモっぽくて。おかまキャラのゴールド・ダスティンに失礼だろ。

第六試合 今の全日本のジュニアは、本当に信頼感がある

世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分一本勝負
中嶋勝彦(175cm/82kg/健介オフィス)
近藤修司(173cm/103kg/フリー/El Dorado/VOODOO-MURDER:S/世界ジュニアヘビー級 王者)
[24分25秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド]
※中嶋が新王者に

今日の中嶋は近藤の動きを研究していたなぁ。徹底した右腕攻めは本当に見事、とても未成年がやるプロレスには見えなかった。それでいて得意のキックには若々しさがあるんだよねぇ。試合終盤に放ったR15の高さも申し分ないし、フィニッシュの人間橋も美しかった。伝説の団体、WJでデビューしてから三年…凄いレスラーに成長したものだ。ここまで出来るのであれば、丸藤正道との試合なんかも見てみたいね。

対する近藤も出した技は少なかったけど、それぞれの技にインパクトがあった。特にカナディアン・バックブリーカー 〜 ドリル・ア・ホール・パイルドライバー、ジ・オリジナル 〜 ツームストン・パイルドライバーの二つはシャレにならない凄さじさ。昨年一年でプロレス界での番付を一気に上げた近藤、この試合でもその番付に恥じない実力を発揮したと思う。悪冠一色時代から見ていた者としては感慨深いね。近藤のシングル戦にハズレなし。


文句なく、名勝負でした。

中嶋vs近藤

第七試合 伝統の王座戦が、アクシデントによりボロボロに

世界タッグ王座決定戦 時間無制限一本勝負
 川田利明(183cm/105kg/フリー)
太陽ケア(185cm/106kg/アメリカ)
vs
 諏訪魔(188cm/120kg/VOODOO-MURDER:S)
●RO’Z(196cm/163kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)
[22分31秒 横入り式エビ固め]
※川田&ケアが新王者に

試合序盤に放った川田のスピンキックがテンプルに入り、「これ以降は記憶が飛んだ」いう諏訪魔の出番は一気に減ってしまった。こうなるとRO’Zが活躍するしかないのだが、色々な技を持ち合わせていながらも「劣化版ジャマール」の烙印を押されているRO’Z。その不器用さが発揮され、試合はこの日一番の大凡戦に。前の試合が激闘だっただけに、会場の失望ぶりはハンパではなかった。もちろん、テレビで見ていた僕も大いに落胆させてもらった。

映像で見る限りでは…RO’Zの不器用さも去る事ながら、川田とケアが巨体を攻め切れなかった…って感じだな。川田なんかヘトヘトになっていたしね。ま、四十路&事実上ジュニアの体格で、163kgのレスラーと正面からぶつかるのにはムリがあるか。それにしても、20分以上も闘った試合のフィニッシュがスクールボーイというのも締まらない話だな。

まあ試合はつまらなくとも、この試合で全日本プロレス世界タッグ王座が復活。でも今の全日本プロレスには、王者となった川田&ケアの対抗馬となるタッグが思い当たらんなぁ。これを機に、大胆なチーム再編成なんかが行われるのかねぇ。

第八試合 三冠ベルトは粗末にしても、試合内容は粗末にするな

三冠ヘビー級選手権試合 60分一本勝負
鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION/三冠ヘビー級 王者)
小島聡(183cm/112kg)
[23分58秒 体固め]
※スリ−パーホールドで失神した小島をフォール

小島は全日本プロレスの大舞台の要所で抜擢されるけど、今ひとつ活躍できないんだよなぁ。いい試合をする時は凄くいい試合をするんだけど…相手と噛み合わないと全然試合がダメになる、というかね。んで、この試合では、中盤あたりまでチグハグしていたように見えた。まあ終盤は、そこそこ噛み合っていたように見えたので一安心したけどね。

対するみのるは…あくまでみのる、いつもと変わらぬみのるぶり。どんな相手でも「みのる流」を貫けるのは凄い事なのか?単に不器用なのか?ま、持ち技は少ないのに20分を越える試合をし、観客を満足させるのは、大したものだと思うけどね。

試合全体の感想は…つまらなくはないんだけど、歴代の三冠王座の激闘を思い出すとちょっと、って感じだな。

チャンピオン・カーニバルへの布石

んで、最後は時期シリーズとなるチャンピオン・カーニバルの大宣伝。鈴木みのるが「今回はオレへの挑戦者決定リーグ戦。オレは出ない」と大見得を切るや、佐々木健介諏訪魔・RO’Z・大鷲透小島聡武藤敬司といった面々が次々に名乗りを上げる。ふむ、全日本プロレスの現状のオールスターだねぇ。

で、最後に登場したTAJIRI、みのるに向けて毒霧噴射。ケタケタ笑いながら「アナタなんか『世界で1番性格の悪い男』なんですって?だけどさあ、世界なんて知ってんのホントに?」と表情豊かに挑発。う〜ん、さすがはWWE経験者、たった一言で観客の流れを変えてしまったな。

これに怒ったみのるが「オレもチャンピオン・カーニバルに出る!」とアピールしたところで、テレビはチャンピオン・カーニバルの宣伝に入った。これは宣伝効果が高そうだなぁ。みのるとTAJIRIの絡みは見たくなるもんなぁ。

雑感

正直、全体的には凡戦が続いたように見えたが、それをカバーして余りある程に第六試合の世界ジュニアヘビー級選手権は素晴らしい内容だった。今日はこの一戦で救われたなぁ。あと、最後のチャンピオン・カーニバルを巡るやりとりも面白かった。この二つが突出していたかな。

ちなみにこの両国興行、PON君(id:pon-taro)から聞いたところによると客入りは今一つだったらしい。リキシだのダスティンだの、結構ギャラの高そうなメンバーを揃えたのにねぇ…。ま、彼らに集客能力があるのかどうかは、話が別になるけど。

いずれにせよ全日本プロレスは…新日本プロレスNOAHよりは面白い事をしていると思うんだけどねぇ。テレビ放送、復活しないかなぁ。


以上、長文失礼。

最後に、今回の興行の模様をダイジェストで