7/18 REVELS ディファ有明興行 観戦記 Ver0.5
今回は試合数が多いので、試合部分は手短な観戦記となります。
本日はディファ有明でREVELS(レベルス)を観戦。
今回のREVELSは「チケット代が高い(当日券で一番安い席が6000円!)」「全十四試合の長丁場」「アマチュアやジュニアや女子の試合も入っている」など、実にカオスな香りのする興行なのだが、それでも僕が観戦する気になったのは、メンバーに全日本キックの残り香を感じたからだ。まぁ、よく見ると藤原ジムの所属選手と藤原あらしくらいしか、全日本キックを感じさせる選手はいないんだけどさ(苦笑)。
でも、全日本キックが好きな人ならわかると思うけど、藤原あらしがそこにいるだけで全日本キックという雰囲気は強くなるんだよねぇ。ましてや、全日本キックが誇るフェザー級四天王(山本真弘、山本元気、石川直生、前田尚紀)が、他団体で敗北を繰り返す現状を考えると尚更、藤原を見たくなったのよ。PONさん曰く「今までに僕らは、何度『藤原あらしが最後の砦!』という状況を経験してきただろう」。ああ、元全日本キックのファンは、またしても藤原に頼らざるを得なくなってしまったなぁ…。
そんな藤原は今日、メインイベントで「日本キック界軽量級 頂上決戦」に挑む。対戦相手はTOMONORI、NJKFが誇る日本フライ級最強の男である。相手にとって不足なし。今日は52.5kgまで体重を絞り、TOMONORIの階級に合わせたあらし君の左ミドルが炸裂するのか?それとも、TOMONORIがパンチのラッシュで押し切るのか?
ってなワケで、チケットを購入したのだが…。一番安い席(B席、当日6000円)が売り切れだった為、8000円でA席を購入。こ、これは高い…。観客の入りは約七割。芳しい入りとは言い難いかなぁ。っていうか、B席にも空席があるじゃねぇか!売ってくれよぉ…。
第一試合 SHOHEIは元新日本キックの昇平が改名したものだそうです
クルーザー級 3分3R
○エド・リョーマ(バンゲリングベイ・スピリット)
●SHOHEI(小林道場/元日本ミドル級 六位)
[判定 3−0]
エド・リョーマを観るのって、バンゲリングベイ・スピリットの総帥である新田明臣の引退興行以来だなぁ。
1Rから2R中盤にかけてはSHOHEIが前に出てパンチで押し込み、組み付いての膝蹴りで試合を優位に進める。だが2R終盤、リョーマのパンチがクリーンヒットすると、これを契機にリョーマが逆転。
3Rは尚もプレッシャーを掛けて前に出るSHOHEIに対して、リョーマがキッチリとパンチで迎撃し続けた。SHOHEIは組み付いての膝蹴りで攻め込むも、試合終盤にリョーマのパンチがヒット。最後は殴り合いを展開した末、リョーマが判定3−0で勝利を収めた。
第二試合 左禅丸は日本拳法出身のベテランだそうです
ウェルター級 3分3R
○金統光(藤原ジム/WPMF日本ウェルター級 九位)
●左禅丸(レグルス池袋/元J-NETWORKウェルター級 四位)
[判定 3−0]
全日本キック時代はスキンヘッドだった金統光、今回は髪の毛を生やして試合に挑む。
1R序盤は金の右ローと、名前は左の右ローが交差。パンチでプレッシャーを掛けたのは金、左は首相撲からの膝蹴りでしのぐ。だが2R、金の右の肘打ちで左が出血すると、金はパンチでプレッシャーを掛けつつ、首相撲から肘を傷口に押し当てての嫌がらせ。
3R、左は左ストレートと右ローで反撃するも、金は組み付いてのパンチや右の肘打ちで攻め続けた。
判定の結果、3−0で金が勝利。
第三試合 シノが所属するKRSジムは、佐々木功輔がタイのウボンに開設したジムだそうです
スーパーウェルター級 3分3R
○シノ・KRSジム(KRSジム/WPMF日本スーパーウェルター級 七位)
●白神武夫(拳之会)
[判定 3−0]
シノ・KRSジムは見事なアフロヘアー。対する白神武夫は国崇も所属する拳之会の所属。
1R、序盤は距離を開けての蹴り合いとなる。シノは下がりながらの左ミドル、白神は前に出てのワンツーと右ロー。だが1R終盤頃から、シノの組み付いての膝蹴りが目立つようになる。
白神は1R終盤にパンチを入れる場面もあったが、2Rはシノの組み付いての膝蹴がひたすら続く。白神も組み付かれた時に肘打ちで応戦し、3R序盤に左肘を入れるも、シノは組み付いての膝蹴りをひたすら続けると、体力を失った白神に左ボディで追い撃ちを掛けていく。
こうして頑固にスタミナを奪い続けたシノが判定3−0で勝利した。
第四試合 堀口貴博はWSR日本選手団の重鎮だそうです
WPMF日本フェザー級ランキング戦 3分3R
○玲央(フォルティス渋谷/WPMF日本フェザー級 七位 & J-NETWORKフェザー級 四位)
●堀口貴博(ウィラサクレックフェアテックス)
[判定 3−0]
1Rから堀口はムエタイジムの所属選手らしく、玲央をロープ際に押し込んでは組み付いて、ボディへ右の膝蹴りを繰り出していく。対する玲央も膝蹴りを返しつつ、パンチと右ローで反撃していく。
すると2R中盤、玲央の左膝が堀口の腹を直撃する場面があり、ここからは玲央がパンチで押し込みつつ、組み付いての左の膝蹴りを連打するようになる。3Rは終始、堀口に膝蹴りを連打。体力を奪われた堀口は一発逆転の右の肘打ちを狙うも、玲央は試合終了まで膝でボディを蹴り続けた。
判定の結果、3−0で玲央が勝利。
第五試合 梅原タカユキは最近は、日本のチャンプクラスと闘い黒星が続いていたそうです
WPMF日本スーパーバンタム級ランキング戦 3分3R
○梅原タカユキ(TARGET/WPMF日本スーパーバンタム級 八位 & RISEバンタム級 三位)
●Dio(ALMERICK/WPMF日本スーパーバンタム級 十位)
[1R 1分51秒 KO]
試合開始と同時に距離を開ける両者。Dioは近付いてパンチを放つも、梅原はこれをパンチで迎撃。再び離れる両者だったが、不意に放った梅原の右ストレートがモロにヒットしてDioはダウン。
カウントが進む中、なんとか立ち上がったDioだったが…。梅原はプレッシャーを掛けてパンチで押し込み、再び右ストレートを叩き込む。バッタリと倒れたDio、この様子を見たレフェリーが試合を止めた。う〜ん、これはお見事!
第六試合 T−98は剛打者タイプだそうです
WPMF日本ウェルター級ランキング戦 3分3R
△渡部太基(藤原ジム/WPMF日本ウェルター級 四位 & 元全日本ウェルター級 九位)
△T−98(クロスポイント吉祥寺/WPMF日本ウェルター級 八位 & RISEウェルター級 五位)
[判定 1−0]
1R、パンチと右ローを武器にでプレッシャーを掛けるT-98(タクヤ)に対して、渡部は下がりながら左ロー&左右ミドル&パンチと多彩な打撃で応戦。だが渡部の反撃を意に介さないT-98は、2Rからは首相撲に捕らえての右フックや膝蹴りを多用して優位に立つ。
しかし渡部も3Rは前に出て、尚も首相撲を仕掛けてくるT-98に強引にワンツー〜左ロー、ワンツー〜左ミドルを叩き込むと、3R終盤はラッシュを仕掛けて攻め込んだ。
一進一退の攻防で判定は難しいものとなったが、渡部の1−0でドローとなった。
第七試合 そういえば寒川直喜の総合格闘技進出ってどうなったんでしょうね?
76.0kg契約 3分3R
○ベッカーセーム・ユタギ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級 三位)
●寒川直喜(バンゲリングベイ・スピリット/M−1ライトヘビー級 王者)
[1R 1分16秒 TKO]
※寒川の負傷による
ユタギはかつて「ベッカーセーム野獣」の名前で、NKBの重量級戦線で破壊の限りを尽したムエタイの怪物なのだが、試合開始前のグローブチェックに引っかかって減点1。試合前からレッドカードを提示されたユダギには失笑も起きたが…。
いざ試合が始まれば、ユタギは半身になってのデトロイトスタイルのまま寒川に接近。いつも通りに左ジャブを刻む寒川を、プレッシャーでロープ際まで追い込んで肘打ちを一閃。この一撃で寒川は負傷、ドクターチェックが入った後で、アッサリと試合は終了。
う〜む、野獣恐るべし。
第八試合 ウエンツ☆修一はベビーフェイスで人気だそうです
WPMF日本スーパーフライ級ランキング戦 3分3R
○ウエンツ☆修一(スクランブル渋谷/WPMF日本スーパーフライ級 三位 & J-NETWORKスーパーフライ級 王者)
●薩摩サザ波(TARGET/WPMF日本スーパーフライ級 九位 & J-NETWORKスーパーフライ級 六位 )
[判定 3−0]
1Rは薩摩の左右のロー、ウエンツの左ミドルと左ローが交差する静かな展開だったが、2Rからはウエンツが薩摩を首相撲に捕らえて投げを放ちプレッシャーを掛ける。薩摩は左ミドルを重ねたが、2R終盤のウエンツのパンチ連打と肘打ちを浴びて出血。
するとウエンツは3Rは七回も投げを放ち、合間に左ボディを入れて薩摩の気力と体力を削いでいく。薩摩も前に出て攻め続けたが、その度にウエンツに組まれて投げられてしまっていた。
そんなこんなで、判定の結果3−0でウエンツが勝利を修めた。
第九試合 飯田なおはモデルプロダクション「Girls Tokyo」の所属だそうです
飯田なおは現役女子高生アイドルとして『週刊プレイボーイ』のグラビアでも紹介されたそうで、2007年〜2009年の三年間、ITFの全日本テコンドー王者なのだそうな。更には2007年〜2008年は世界大会でベスト8になっているそうな。ふ〜む、なかなか輝かしい実績だけど、ITFは派閥で言うと北朝鮮系で、オリンピックには出れないんだよねぇ。
そんなこんなで試合開始。1R、フリフリのスカートを履いた飯田がワンツー〜左ミドルで攻め立て、田村もワンツー〜右ミドルを返していく展開。田村は膝蹴りを駆使しつつワンツー〜右ミドルを重ねていくも、飯田は2R序盤と終盤にラッシュを仕掛けて印象点を稼いだ。
2分2Rの試合はあっという間に終了し、判定で飯田が勝利。
う〜む、正直に言うと、僕は田村の方が勝っていたと思うんだけどなぁ。まぁ、相手はスーパー女子高生ですからねぇ。色々あるさ、色々ね。
第十試合 近藤流星は14歳、石丸幸次朗は15歳です
KAMINARIMONジュニア50kg級王座決定戦 2分3R
○近藤流星(総合格闘技道場STF)
●石丸幸次朗(GT)
[判定 3−0]
※近藤がKAMINARIMONジュニア50kg級王者に
フルヘルメット&プロテクター&レガース姿で行われたKAMINARIMONのジュニア50kg級の王座決定戦は、近藤が組み付いてからの膝蹴りを連発し続けて、終始試合をリードした。石丸がパンチを返す場面もあったが、9分間に渡る再三再四の膝蹴りで石丸は体力を消耗、3R終盤頃には目に見えて動きが鈍っていた。う〜む、まだ若いのにこれ一本で攻めれるのは凄いな。
判定の結果、3−0で近藤が勝利し、KAMINARIMONのジュニア50kg級王者となった。
第十一試合 小笠原瑛作は14歳、大竹涼介は13歳です
KAMINARIMONジュニア45kg級タイトルマッチ 2分3R
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KAMINARIMONジュニア45kg級 王者)
●大竹涼介(BOXING-WORKS水龍會)
[1R 40秒 KO]
※左ストレート/小笠原が防衛に成功
またまたフルヘルメット&プロテクター&レガース姿で行われたKAMINARIMONのジュニア45kg級のタイトルマッチ。王者の小笠原に対して、試合開始と同時に軽快なフットワークで撹乱していく大竹。だが小笠原がパンチでプレッシャーを掛けると、左ストレートをズバン!と叩き込み、大竹を完全KO。
防具で身を固めたアマチュアの試合での失神KO劇に観客は騒然。大竹はしばらくの間、立ち上がる事が出来ず、最後はセコンドに担がれて退場していた。いや〜、これはビックリしたなぁ!
第十二試合 Little Tigerは元青春塾で、実家は寿司屋だそうです
WPMF日本女子ミニフライ級王者決定戦 2分5R
△Little Tiger(F TEAM TIGER/J-GIRLSアトム級 王者)
△渡辺久江(BLUE DOG/元インターナショナル女子ムエタイライトフライ級 王者 & 元DEEP女子ライト級 王者)
[判定 1−1]
※タイトルは主催者預かりに
藤原敏男の秘蔵ッ子であるLittle Tiger。Tigerの名前は佐山サトルから貰った由緒正しいもの。対するのは、お馴染み渡辺久江。今年四月に復帰してからはハイペースで試合を続ける渡辺は、今日も「私からダウンを奪ったら賞金を出す!」と豪語。そんな二人の対戦は、WPMF日本女子ミニフライ級王者の決定戦に。
タイガーマスクを被って入場したTigerは、1Rから積極的に前に出て美しい蹴り技を見せる。右ローと右ミドルを放つTigerに対して、渡辺はワンツーと左ミドルで応戦。2Rも前に出たのはTiger、突き刺すような右の前蹴りが渡辺の腹を急襲、吹っ飛ぶ渡辺。だが体格に優る渡辺は組み付いての膝蹴り、そしてワンツーの連打で応戦。ふむ、両者の闘い方はまったく違っていて面白いな。
3R、両者の蹴りが交差する中、渡辺はパンチから左ミドルを連打するも、Tigerはプレッシャーを掛けて前に出てパンチを連打。渡辺もパンチを返し、首相撲からの膝蹴りで応戦。4R、左右のミドルに前蹴りと、得意の蹴り技でプレッシャーを掛けるTiger。押され気味の渡辺はワンツーのラッシュから膝蹴りへと繋げるも、Tigerは華麗な右ハイをヒットさせて反撃。若干、Tigerが押し気味だなぁ。
5R、両者が蹴りを交換する中、渡辺はワンツーで突進すれば、Tigerはワンツーでこれを迎撃。残り時間は僅か、渡辺は最後のラッシュを仕掛けるも、Tigerはこれをしのぐと左ミドルを合わせていく。渡辺が帳尻を合わせてきたけど、Tigerがよくしのいでいるなぁ。
ラウンドをフルに闘った両者の激闘は判定へと委ねられたが、その結果は三者三様のドロー。う〜ん、僕個人の意見としては、蹴り技の美しいTigerに渡辺が手を焼いていた印象があるから、Tigerの勝ちだと思ったんだけどなぁ。渡辺は要所でラッシュや、首相撲からの膝蹴りを仕掛けていたのが評価されたのかな。まぁ、今回はLittle Tigerという良い選手を覚えられたのが大きいかな。
第十三試合 「スネーク」加藤督朗はアンディ・オロゴンを育てた名伯楽です
WPMF日本スーパーバンタム級王者決定戦 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/WPMF日本スーパーバンタム級 暫定一位)
●裕・センチャイジム(センチャイムエタイ/ニュージャパンキックボクシング連盟/WPMF日本スーパーバンタム級 暫定三位)
[判定 3−0]
※梅野が初代王座に
「スネーク」加藤督朗の教え子である梅野源治は、スーパーバンタム級でありながら178cmという長身の持ち主で、長身を活かした首相撲からの膝蹴りや肘打ちを得意としている選手で、今年5月にはムエタイの本場・ルンピニースタジアムで、タイの選手を右肘の一撃で血まみれにして昏倒させている。
対する裕・センチャイジムはNJKFでお馴染みセンチャイ・トングライセーン氏の弟子である。今回、梅野を相手にするに当たり、センチャイ氏は裕に秘策を与えたようだ。「日本人には絶対に負けない」と豪語する梅野に、裕が与えられた秘策は通用するのか?
1R、まずは距離をあける両者。梅野は左右のローで牽制しつつ肘打ちを放つも、裕はことごとくブロックしつつワンツーを返し、梅野のローには肘打ちを合わせる。2R、肘打ちを狙う梅野に対して、裕は蹴りで距離をあけ、接近すれば首相撲で応戦して両者の膝が交差。この後、裕は梅野の肘をブロックし続けたが、2R終盤にパンチの打ち合いの中で梅野の左フックとアッパーがヒット。う〜む、センチャイさんが裕に与えた秘策って、肘打ち対策のことかなぁ?
3R、なかなか肘打ちが入らない梅野だが、ここに来て上背を活かした首相撲からの膝蹴りで徐所に優位に立ち始める。3R中盤の裕の右肘打ちや右ストレートがヒットする場面もあったが、梅野は首相撲からの膝蹴りでダメージを与えると、左ボディや左ストレートを入れて、尚も首相撲からの膝蹴りで追い撃ち。ふむ、ここに来て梅野が優位に立ったな。
4R、右ストレートで攻め込む裕に対して、梅野は首相撲からの膝蹴りを多用。背丈で劣る裕も膝を返すも、股関節をガンガン回して膝蹴りを放つ梅野を捌ききれずに苦戦。4R中盤にはついに右肘をヒットさせた梅野は、首相撲から投げを放って体力を削っていく。5R、梅野は左ローを連打しつつ、やはりここでも首相撲からの膝蹴りを多用。そして5R中盤、梅野はワンツーと右ローでラッシュを仕掛ける。すっかり劣勢の裕もパンチを返すが、梅野は首相撲から膝蹴りを連打し、最後は打撃のラッシュで裕を攻め込んだ。
試合終了、判定の結果が3−0で梅野が勝利したが、倒せなかったのが悔しかったのか、梅野は泣きながら「凄くダメな試合をしてベルトを巻いています。次の試合は不甲斐ない試合をしないので、応援をお願いします」とコメント。う〜ん、そんなにダメな試合だとは思わなかったけどねぇ。これって裕に対して、凄く失礼なコメントだと思うんだけどなぁ。新しい王座を獲得したのだから、もっと堂々としていて欲しいのだが…。
第十四試合 青木真也も認めた男、藤原あらしは日本の至宝!
52.5kg契約 3分5R
○藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット/WPMF日本バンタム級 一位 & 元WPMF世界スーパーバンタム級 王者 & 元全日本バンタム級 王者 & MACH 55 優勝)
●TOMONORI(OGUNI GYM/WBCムエタイ 日本王者 & UKF世界バンタム級 王者 & WMCインターコンチネンタルスーパーフライ級 王者 & 元NJKFフライ級王者 & 元NJKFスーパーフライ級王者 & MACH GO! GO! 〜フライ級最強決定トーナメント〜 優勝)
[3R 1分18秒 KO]
※左肘打ち
日本キック界バンタム級の至宝、藤原あらしの最近の五試合はすべてタイ人で、常に互角の闘いを続けている。また最終的には2勝1敗となったワンロップ・ウィラサクレックとの激闘を記憶に留めているマニアも多い事だろう。先日、古巣のS.V.G.を離れて、兄貴分である新田明臣が主宰するバンゲリングベイ・スピリットへと移籍した藤原は、今後はスーパーフライ級での闘いを中心に据えるそうだ。だからでこそ、今日の試合には深い意味があると言えるだろう。
藤原の対戦相手のTOMONORIは、日本キック界フライ級の至宝。かつては現役のルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級一位のラッタナデェ・KTジムをKOした事もある男だ。最近はバンタム級で試合に挑むことも多かったTOMONORIだが、今日は自分の本来の階級での試合。相手が魔裟斗とならぶ「日本キック界のパウンド・フォー・パウンド」だとしても、この体重では絶対に負けられない。
1R、藤原はいつも通りに左ミドルを重ね続けて、時折、首相撲から膝蹴りを放っていく。対するTOMONORIはワンツー〜右ローによる攻め。淡々と打撃が交差する静かな展開が続いたが…。1R終了直前、藤原は首相撲の離れ際に左肘を叩き込んでダウンを奪う。いきなり放たれた強烈な一撃を前に、観客は騒然となる。
ここから、試合は一方的だった。2R、左ミドルを重ねる藤原に対してTOMONORIは右ミドルを重ねて応戦、更にはワンツーを繰り出して距離を詰めるも、藤原は右の肘打ちで再びダウンを奪う。完全に追い詰められたTOMONORIは、藤原の首相撲や左ミドルをしのぎつつ2R終盤にラッシュを仕掛けたが…。藤原はこれをしのぎ、TOMONORIをロープ際へと追い詰めての右の肘打ちで三度目のダウンを奪う。う〜ん、やはりこの男は強い!
もはや決着が着いた事は誰の目にも明らかだった。3R、TOMONORIはラッシュを挽回を図ったが、これをしのいだ藤原は得意の左ミドルで動きを止め、首相撲から膝蹴りを放った後、その離れ際に左肘一閃。TOMONORIはダウンを喫し、これ以上は危険と見たレフェリーが試合を止めた。
正直、肘打ちによるダウン劇を生で観ると、僕は一瞬混乱する癖がある。特に肘の振りが小さかったりすると「えっ?何っ?何があって、相手はあんなにバッタリ倒れているの?」という感じになるのだ。まぁ、そういうパニック感もまた、キック観戦の醍醐味なんだけど、今日は久々にそれを味わえたのは大きいなぁ。そして、やっぱり藤原は強い!本当に強い!
雑感
全十四試合というと長丁場に見えるけど…。第十一試合が「同じ曲で選手が同時に入場」だった上、休憩後のアマチュアの試合は2分2R〜3R、第十二試合の女子王座戦は2分5R。勝利者撮影も手早かったし、終われば次の選手がすぐ入場。ひたすら早さを追求した興行だった為、思いのほか早く終わったように思う。午後四時に開始で、午後八時半に終了…だったかな?なんだかんだで四時間半だけど、全十四試合でこの時間に収まっていれば上々じゃないの?
反面、演出がシンプルでテンポが良過ぎる為、一試合毎の余韻を楽しむ暇がなく、淡々と試合が流れていった感は否めない。出ている選手はプロなのに、興行の作りがアマチュアだったという感じ。試合自体は…特に王座戦の三試合は見応えはあったと思うけど…。正直、これで当日券8000円は高く感じたなぁ。気分的には4000円くらいの感じかな。
以上、長文失礼。