6/27 StrikeForceサンノゼHPパビリオン(米国)興行 一試合だけ観戦記

Mask_Takakura2010-06-27

序文…その時、歴史が動いた!

とりあえず、StrikeForceで大事件が起こったので速報がてら観戦記をば。もちろん、いつも通り僕の備忘録としての色合いの方が強いです。基本的に海外の格闘技は、その時は頭に入ってくるけど、抜けるのも早いんだよねぇ…。

試合…その時、歴史が動いた!

ヘビー級 5分3R
ファブリシオ・ベウドゥム(193cm/108.1kg/ブラジル)
エメリヤーエンコ・ヒョードル(183cm/103.8kg/ロシア)
[1R 1分9秒 三角絞め]

StrikeForceでは無冠ながらも、無敗幻想により総合格闘技界の頂点の一角として君臨するエメリヤーエンコ・ヒョードル。今回の試合にあたり、下馬評の中には「試合の間隔が開きすぎて、モチベーションの維持ができていないのでは?」という意見もあったが、基本的にはPRIDE時代は格下だったファブリシオ・ベウドゥムに負ける事はないだろう、という楽観的な意見も多かったようだ。でも忘れてはいけない、ベウドゥムはアブダビ・コンバットを二度制し、ムンジアルの重量級を連覇したした実績の持ち主だという事を。っていうか、僕は観戦するまでスッカリ忘れてた(笑)。


試合開始、まずは牽制で大きな左ローを放つベウドゥム。だがヒョードルは意に介さず、プレッシャーを掛けてベウドゥムを追い詰める。意を決したベウドゥムが頭を下げてフックを連打すると、ヒョードルはこれを真っ直ぐ見据えてフックを返し、右フックがヒットしてベウドゥムはダウン。

観客の歓声の中、ベウドゥムの蹴り上げをかわしつつヒョードルインサイドへ。ところがその瞬間、ベウドゥムは既に三角絞めの体勢に移行。外したヒョードルは強引にサイドを奪おうとしながら鉄槌を放つも、ベウドゥムは横に一回転しながら再度ラバーガードの体勢へ移行、下から腕十字を極める。身体を潜らせてカバーしようとするヒョードル、ベウドゥムはこれを三角絞めに捕らえる。二度、身体を横に捻って逃れようとするヒョードルだが、柔術王者の三角絞めは簡単には外れない。やがてヒョードルがタップして試合は終了。


う〜ん、ヒョードルの敗戦が云々という前に、一つの試合の中に色々なドラマが凝縮したいい試合だった。特に最初にヒョードルが右フックでダウンを奪った場面が、あまりにも「今まで通りのヒョードル」だっただけに、ベウドゥムの三角絞めがいかにガッチリ極まろうとも「ヒョードルなら、アッサリと外すのでは?」という思いは最後まで消えなかった。それだけに、ヒョードルがタップした場面は衝撃的だったなぁ。

識者の意見を読んでいると、一回目の三角絞めはベウドゥムを担いで逃れたものの、その後の追撃で深追いし過ぎて二回目の三角が極まってしまった、との事。その後で身体を捻っていたのは。もう一度担ぎを狙っていたんだけど、結局ベウドゥムの三角が深く極まっていたから逃れられなかった、という事らしい。成程ねぇ。また、フィニッシュは三角絞めではなく、腕ひしぎ三角固めのようだ。確かに後で動画で確認したら、極まっていたのは腕の方に見えたなぁ。


まあ、いずれにせよ、チャンスを最大限に活かして勝利を得たベウドゥムには「お見事!」の一言だね。

雑感…その時、歴史が動いた!

ふ〜む、こうして考えると「ヒョードル幻想」には色々な副産物もついていて、その中には「ヒョードルは首が短いから、三角絞めは極まらない!」なんていうのもあったなぁ、と思い出した(苦笑)。あと、「ヒョードルのグラウンドパンチはダイヤも砕く」というのもあるから、それを自らが信じすぎちゃったところもあるのかなぁ、という気がした。いずれにせよ今回の敗北は、ヒョードルの身体的な衰えによる敗北ではなく、気持ちの問題だったのなぁ、という気がするね。


何にせよ、僕の中での「ヒョードル幻想」はまだ消えていないなぁ。まあ、この敗北を受けての次戦は真価が問われることにはなると思うけどね。頑張れヒョードル


以上、長文失礼。