5/17 ボクシング 内山防衛戦 SSA興行(TV) 観戦記
長谷川穂積が敗れた今、僕はベルトの長期防衛をこの男に期待したい
今年一月、当時の王者であるファン・カルロス・サルガドを相手に圧倒しながらも最後までKOを狙う姿勢を崩さず、最終ラウンドに右ストレートを叩き込んで劇的なKO勝利を修めたWBC世界スーパーフェザー級王者、内山高志。その初防衛戦の相手は身長185cm、「ベネズエラの大巨人」アンヘル・グラナドスだ。
ふ〜む、確かに60kg近い体重の格闘技で185cmって「大巨人」かもなぁ。キックボクシングにも桜井洋平とか米田貴志など、55kg〜60kg級でありながら長身の持ち主っているにはいるけど、さすがに185cmっていうのは聞かないねぇ。でも、ランキングは十三位、戦績は26戦18勝8敗(8KO)なんでしょ?これはこれで立派な戦績だけど、さすがに15戦15勝無敗11KOの内山と比べると、ちょっと見劣りする戦績だよなぁ…。となれば、今日は内山が『大巨人』をどう攻略するのか、じっくりと観戦させてもらいますかね。
う〜ん、今一つ緊張感のない試合だったような…
WBC世界スーパーフェザー級 タイトルマッチ 3分12R
○内山高志(171.5cm/58.9kg/ワタナベジム/WBC世界スーパーフェザー級 王者)
●アンヘル・グラナドス(185cm/58.6kg/ベネズエラ/WBC世界スーパーフェザー級 十三位)
[6R 1分42秒 TKO]
※右フック
1R、構えはお互いにオーソドックス。内山は序盤から左ジャブを繰り出しつつ、リングを周りながら左ジャブを伸ばすグラナドスにプレッシャーを掛ける。序盤、内山が右のボディストレートを伸ばすと、これはグラナドスの股間に命中。う〜ん、身長が高いのも考えモンだなぁ(苦笑)。そして中盤以降、内山はどんどん距離を縮めてグラナドスにプレッシャーを掛けていく。う〜ん、グラナドスは随分と簡単に懐に飛び込まれているなぁ。
2R、左のジャブを伸ばして牽制するグラナドスだが、内山はまったく恐れることなく前に出て左ボディを入れる。接近戦でパンチを交差させる両者だが、中盤にはロープ際で動きが止まったグラナドスにワンツーを当て、更には右フックをヒットさせる。対するグラナドスは詰めてくる内山を前に下がる一方で、パンチの手数も出ていない。
3R、グラナドスは左のジャブを連発して内山のプレッシャーを殺しに掛かるが、内山はまったく臆することなく前に出て、中盤に右フックをハードヒットさせると、時計周りにリングを回るグラナドスを追い詰めていく。終盤には右ボディもヒット、グラナドスの左ジャブにはワンツーを合わせていく。強いなぁ、内山は。
4R、このラウンドも図式は同じ。下がるグラナドスにプレッシャーを掛ける内山。相手のリーチをまるで気にする素振りを見せずに接近する内山、グラナドスは左ジャブや右アッパー、右ストレートを繰り出すも、内山はこれらをかわしながら右フックを当てていく。このラウンドはグラナドスも手数を出したが、攻めているのは内山の方だ。
5R、序盤に左ジャブを伸ばしつつワンツーで前に出てきたグラナドスに、内山の左フックがヒット。思わずヨロけるグラナドスに対して、内山がガンガン前に出て攻め込んでいく。グラナドスは左ジャブを伸ばして距離を離そうとするが、内山はお構いなしに前に出る。だが終盤、グラナドスも左ジャブをカウンターを当てて反撃、おっと油断は大敵だ。
6R、グラナドスは左ジャブをよく伸ばして距離を稼ごうとするも、内山はこれまでと同じく前に出て右フックを振るう。グラナドスは手数多く左ジャブを伸ばすも、中盤に内山の右フックがハードヒット!この一撃でグラナドスはダウン。レフェリーのカウントが進む中、膝立ちになるグラナドスだが意識がないのか呼びかけに反応しない。この様子を見たレフェリーが試合を止めた。グラナドスはその直後に意識を回復したが、すべては後の祭りである。
勝った内山は、観客に感謝の言葉を述べると「まだまだ練習して、もっと強くなります!」と宣言し、観客の喝采を浴びていた。
う〜ん、今日の内山はまったくの無傷の勝利かぁ…。リーチ差を気にせず前に出て、相手にパンチを当てさせなかった内山が強いのか、それとも簡単に懐に飛び込まれ続けるグラナドスが弱いのか…。見事なKO勝利ではあるけれど、なんか物足りなさを感じたのは僕だけだろうか…?