5/2 K-1 MAX -63kg級 JCBホール興行 簡易観戦記

久しぶりにK-1を、お金を払って観戦しました

本日はJCBホールにて、K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Roundを観戦。


長年、開催が噂されながらも中々実現してこなかったK-1 MAX 63kg級がついに開幕。そこに名を連ねたのは、キックボクシングの各団体でトップを張る錚々たる面々!…なんてことはなく、K-1が開催しているK-1甲子園の面々が中心で、その中にキック界の大物がチョコチョコと参戦しているような感じ。う〜ん、これのどこが「最強決定トーナメント」なんだろう…とも思ったが、よくよくカードを見てみれば、カードのバランス自体はそれなりに取れている。若いメンバーの大量起用も「63kg級を長く続けていくこと見据えて」と思えば違和感もない。う〜ん、これが俗にいう『谷川マジック』というヤツか?

とはいえ、石井宏樹、桜井洋平、羅紗陀、山本元気前田尚紀といった面子が抜けているのは、長年キックボクシングを観戦してきた者にはちょっと悲しい。それでもキックファンにしてみれば、このドサクサに紛れて大和哲也vs山本真弘が実現するのは嬉しいし、今日はズバリ言って、その試合を生観戦するために会場に足を運んだワケだが。


チケットは当日に購入。SRS席とRS席としか売っていなかったので、少しでも安いRS席を購入。13000円也。う〜ん、ちょっと前なら後楽園ホールで4000円も払えば観戦できたメンバーが、今日は13000円か…。これがK-1という看板のブランド力なのだろう。観客の入りは満員。まずは興行としては成功したんじゃないかなぁ。



第一試合 裕樹というと九州のイメージがありますが、最近は兵庫に住んでいるそうです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
○裕樹(170cm/62.8kgリアルディール/元RISE 60kg級 王者)
●"狂拳"竹内裕二(170cm/62.95kg/菅原道場/WMAF世界スーパーフェザー級 王者)
[2R 1分53秒 KO]
※右ハイキック

この試合での選手コールは宮田和幸氏だったので、出ている面子を含めて「今日はKrushを見に来た」という気分になる。う〜ん、Krushで13000円かぁ…。


今日の竹内は得意のパンチに加えて、右ローも多用。地上波で試合を見直すとパンチの使い方もリングの使い方も巧い。なんか「喧嘩に強い」ってイメージが先行していたけど、実は技巧派だったのね。対する裕樹の代名詞と言えば右ローなのだが、今日はパンチや右ハイも多用。竹内の立ち回りには苦戦しながらも右ローを打ち続け、2Rに竹内の意識が下半身に移ったところに右ハイ一閃。これはお見事!と言いたいところだったが、僕は密かに竹内を応援していたので本当に残念。



第二試合 谷山俊樹は名門・谷山ジムの御曹司です

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
谷山俊樹(171cm/62.9kg/谷山ジム)
卜部弘嵩(169cm/63.0kg/チームドラゴン)
[延長判定 2−1]
※本戦判定 0−1

地上波ではダイジェスト扱い、その1。生観戦した時の感想としては…。お互いに手数も多くて実力拮抗の接戦だったと思うのだが、本戦の時点で卜部兄が手数やクリーンヒットの数で勝っていたと思う。だが延長戦ではスタミナが切れたのか、手数に差が出てしまった。僕は全日本キックに参戦していた頃から卜部兄を応援しているので、僅差の敗戦は本当に残念。



第三試合 嶋田翔太なのに「島田塾」なんですな、理由は不明です

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
麻原将平(171cm/62.65kg/シルバーアックス)
嶋田翔太(177cm/63.0kg/島田塾/K-1甲子園 62kg級 2009 準優勝)
[判定 3−0]
※嶋田は2Rにダウン1

地上波ではダイジェスト扱い、その2。嶋田はヒットマンの構えから左のフリッカーを伸ばすスタイル。キックボクシングでもたまに見かけるスタイルだが、相手を遠ざけるためではなく、遠距離から突進する「相手を倒すためのフリッカー」だったと思う。麻原が近づくと前蹴りなどで遠ざける嶋田だったが、空手出身の麻原はお構いなしに詰め続けて、2Rには飛び膝蹴りでダウンを奪う。観客が「嶋田!もっと左のガードを上げろ!」と怒っていた。こんな事を言われてしまうヒットマンスタイルだというのが、嶋田の敗因だと思う。



第四試合 卜部兄弟はフィリピン人と日本人のハーフです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
卜部功也(170cm/62.9kg/チームドラゴン/K-1甲子園 62kg級 2008 準優勝)
大石駿介(171cm/63.0kg/OISHI GYM/J-NETWORKスーパーライト級 一位)
[判定 3−0]

地上波ではダイジェスト扱い、その3。でも、卜部弟の戦い方はダイジェストにするには勿体無いほどに巧みで、試合全体においてK-1ルールに合わせたコンビネーションを多用していた。特にワンツー〜左テンカオ〜右ミドルのコンビネーションは目からウロコだったなぁ。とにかく試合全体を通して出されていた左のテンカオが巧かった。卜部弟はこの先、K-1 MAX 63kgを引っ張る存在になる可能性は高いと思う。



第五試合 ファイヤー原田は、早い話が「キック界の高見盛」なのです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
○才賀紀左衛門(168cm/62.3kg/大誠塾)
ファイヤー原田(170cm/62.35kg/ファイヤー高田馬場/J-NETWORKライト級 二位)
[判定 3−0]

地上波では今一つ伝わらなかったかもしれないが、会場では間違いなく今日一番盛り上がった試合。理由はファイヤーさんだから(キリッ)。会場では僕も声を枯らして応援していた。理由はファイヤーさんだから(キリッ)。


地上波での煽り映像では「引き篭りだったのが、プロレスを見て人生が変わった」と紹介されていたファイヤーさん。実は会場での煽り映像では、彼の人生を変えたプロレスラーであるザ・グレート・サスケ(!?)からビデオレターが届いて、感極まって号泣しているファイヤーさんの映像が流れていたのよ。もうねぇ、この映像を見たらみんなもファイヤーさんを応援したくなるよ、マジで。

それにしても、こんなに堂々とファイヤーさんの姿が地上波に流れる日が来るとは。フリジッドスターさん(id:frigidstar、以下フリフリ)曰く「ファイヤーさんは地上波の放送コード的にOKだったのか」。答えた僕は「ヤベェ!ファイヤーダンスが地上波に流れた!放送事故だ!」。


対する紀左衛門、会場の空気を読んだのかノリノリでヒールを演じて試合に挑む。リングアナによる選手コール時にはブーイングも飛んでいた。試合中も、終始ニヤニヤしながらファイヤーさんを挑発し続ける紀左衛門。ブーイングを楽しむ余裕があるのは良い度胸だねぇ。まぁ、アレは本人が心から楽しんでいる感じだったけどね。地の性格なんだろうなぁ。




だがその裏で、紀左衛門の身体が63kgという体重に合わせてバキバキに仕上がっていた事は見逃してはならない。1R序盤にズバリと決まった右のソバットはかなり効いていたんだろうなぁ。そして、その後での繰り出したラッシュ、左右のパンチと膝蹴りでファイヤーさんの体力はあっという間にスッカラカン。そして、このラッシュで自分のスタミナも激しく消耗してしまった紀左衛門。う〜む、これで性格のムラっ気とスタミナ配分、そして打撃の破壊力が増したら結構怖い存在になりそう…って、色々と足りないじゃねぇか(笑)。



そしてどんなにボロボロになっても、自分の武器である左ボディと右フックを頼りに前進を続けるファイヤーさん。嗚呼…。フリフリ曰く「ファイヤーさんのセコンド『冷静にいつも通り』って、ファイヤーさんが冷静だったことなんてあったのか?」、ごもっとも(笑)。



試合終盤、スタミナが切れたせいか、いつまで経っても攻め込まない紀左衛門に対して、魔裟斗谷川貞治氏が「倒さないと」と厳しく批判。確かにここまで攻め込んだのならKOを期待したくなるんだろうけど、実はファイヤーさんってどんなに打撃を喰らっても簡単に倒れないんだよねぇ。だからでこそ昔、石川直生ファイヤーさんをKOした時は心底驚いたんだけどさ。



というわけで最後は、必死にインファイトを挑むファイヤーさんを、紀左衛門が憎らしい顔をしながら前蹴りで遠ざけ続けて判定勝利。勝った瞬間、紀左衛門は会場全体に向かってベロを出していた。悔しい、僕は本当に悔しい。でも紀左衛門は良いキャラだなぁ。


第六試合 久保優太は「ガチャピンに似ている」と言われているようですが、弟の久保賢二はもっと似ています

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
久保優太(175cm/62.95kg/アンリミテッドジム/Krush ライト級GP 2009 準優勝)
DJ.taiki(172cm/63.0kg/フリー)
[判定 3−0]

久保は地上波で、堂々と「優勝候補」として紹介されていた。物凄いプッシュぶりだなぁ。僕の周りには「60kg級ではなく63kg級にしたのは、実は成長期にある久保の身体に合わせて体重設定をした」なんて噂も流れているんだけど、その話が説得力を持つくらいのプッシュぶりだなぁ。会場での煽り映像では、DJは自らの顔を「ブサイク」と言い切り、ハニーフェイスの久保を喰うような事を言っていたが、僕はDJがブサイクだと思った事は一度もないんだけどね。


戦前の僕の予想では「意外にDJが右ローを効かせて喰い下がる」と思っていたのだが、試合は久保が左ロー、左ミドル、左膝の使い分けてDJに何もさせずに完勝。まさかここまでのワンサイドゲームになるとは思ってもいなかった。素直に驚いたな。DJは早い段階で、ボディにダメージを負ったね。あと、2RにDJが前に出ようとした時に入れたカウンターの右ストレートも、DJの心理に大きな影響を及ぼしていたと思う。DJのパンチをダッキングでかわす等、随所に「らしさ」が出ていた久保。改めて文章を書いていても「完勝」って感じだな。強いよ、久保きゅん強いよ。



第七試合 大月のセコンドというと「マスクマン軍団」ですが今日は不在、でも瀬尾尚弘氏は会場にいたようです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
松本芳道(175cm/62.85kg/八景ジム/(新日本)日本ライト級 王者)
大月晴明(165cm/63.0kg/フリー/WPKC世界ムエタイライト級 王者)
[判定 3−0]
※大月は3Rにダウン1

地上波の煽り映像では、大月の爆腕ぶりを必要以上に強調。今の大月にそこまでの力は残ってないのに。事実、会場での煽り映像では「大月は自らの死に場所を求めている」と、引退間近である事を強調した映像だったしね。


元々、大月のスタイルは「圧倒的な圧力で相手の打撃を封印し、抜群の当て勘で爆腕を叩き込んで一撃で相手を仕留める」というモノなんだけど、相手の松本が大月の圧力などお構いなしに前に出た上、それを大月が手数でカバーしようとしていた時点で、彼のスタイルは崩壊していたのだ。それでも試合終了直前にヒットした裏拳は大月の全盛期の思い出させる素晴らしい一撃だった。しかし、あの一撃で一発で松本が倒れなかったのが『現実』なのだ。嗚呼、全日本キックは遠くになりにけり…。



第八試合 城戸康裕は記者会見でファイヤー原田のモノマネをしていたようです

70kg契約 3分3R + 延長3分1R
ヴァヒド・ロシャニ(173cm/69.8kg/イラン/大誠塾/イランキックボクシング 70kg級 王者)
城戸康裕(181cm/70.0kg/谷山ジム/K-1 MAX 日本代表決定トーナメント 2008 優勝)
[判定 3−0]

後で気がついたのだが、城戸の対戦相手であるロシャニは昨年1月のムエロークで、あの「怪物」ボーウィー・ソーウドムソンと対戦して、ボーウィーにパンチでボッコボコにされながらも、真正面からパンチを打ち返し続けて5Rまで粘った選手だったのだ。ようするに「無名なのに強豪」ってことだね。


城戸にとっては「査定試合」的な意味もあったであろうこの試合だが、城戸は最後までロシャニの圧力を返せなかった。ひょっとしたら、今年の城戸のK-1 MAXは終わったかもしれんな。



第九試合 キック好きにとっては「NJKFvs元全日本キック 頂上決戦」なこの試合がメインイベントです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
大和哲也(171cm/62.95kg/大和ジム/WMCインターナショナル 王者&WBCムエタイルール日本ライト級 王者)
山本真弘(165cm/61.3kg/藤原ジム/Krush ライト級GP 2009 優勝)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 1−0/山本は延長Rにダウン2

やはり真弘に63kgは「重すぎた」というのが正直な感想。


63kgがリミットの今回の大会で最軽量で調整してきた真弘だが、スピードを保つためなのか、目一杯上げた結果なのか。本来の体重の時と比べて動きが落ちていた…とは言わないが、ラウンドが増すごとにギアが上がっていくのが真弘の真骨頂なのに、延長Rであの真弘の足がピタリと止まっていたのはショックを受けた。大和のパンチを潜ってかわしてカウンターを入れたり、たとえパンチを喰らっても自ら首を回したりして、随所でテクニックを駆使していたけど…根本的なパワーの差はどうしようもなかった、という感じだね。真弘、完敗。


といっても、地上波が煽る程にこの結果が意外だとは思わない。大和の一撃の破壊力の大きさは、NJKFで何度も観戦していたからなぁ。真弘とのパワー差を活かした接近戦、そして会場の煽り映像で語っていた「みんな、僕のボディの音で驚きますよ(笑)」という言葉通りの試合運び。この日、彼の左ボディで何度、会場の観客が声を上げていたか。正直、このメンツの中では実力がズバ抜けていると思う。


いや〜、久保といい大和といい「NJKF、恐るべし!」と言わざるを得ないね。



第十試合 尾崎は昔、SBで70kg級の下積みをしていた

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
尾崎圭司(169cm/62.95kg/チームドラゴン/K-1 MAX 日本代表決定トーナメント 2007 第三位)
小宮山工介(170cm/62.5kg/北斗会館/RISE RISING ROOKIES CUP 2008 60kg級 優勝)
[判定 2−1]

尾崎はテコンドーがベースの蹴りが得意とし、小宮山は空手ベースの蹴りを武器とする…ということで、試合はお互いのスタイルを意識したケンカマッチに。二人とも飛ぶわ回るわ蹴るわで、試合展開はもうガチャガチャだ。そんな中、小宮山は首相撲からの膝蹴りを二連発。モロに喰らった尾崎は反則をアピールして一時休憩。有効な主張といえばそうなのだが、僕は素直に「チキンだな」と感じた。フリフリ曰く「尾崎のバックヒジの方がよっぽど悪質な反則」、まったくだよ。当たらないから反則じゃないのかい?そういう問題じゃないよねぇ。


小宮山は要所で派手に回転しながらも、尾崎の回転に合わせてカウンターを狙う冷静さを失っていなかった。対する尾崎は一度回り出すと止まらないのは良いが、回り過ぎてスタミナを失っていたのでは本末転倒だ。SB参戦時から、スタミナのなさには定評がある尾崎、フリフリ曰く「これが本当の『空回り』」。


派手な展開のまま試合は3Rへ。地上波で見ると確かに小宮山の方が疲れているように見えるのだが、このラウンドで有効打が多かったのも小宮山だと思う。実際、小宮山の膝蹴りを喰らって尾崎が下がるシーンとかあったし。このラウンドで尾崎を評価した御座岡正人氏はちょっとおかしいと思う。



第十一試合 地上波では上松大輔がモデルとして紹介されていたけど、石川直生だってオスカー所属のモデルなのです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
石川直生(177cm/63.0kg/青春塾/元全日本スーパーフェザー級 王者&Krush ライト級GP 2009 第三位)
●渡辺理想(170cm/62.85kg/極真会館/極真会館 第二十四回全日本ウェイト制中量級 準優勝)
[判定 3−0]

ナオキックは今年1月の、Krushでの「K-1査定試合」に敗北してからのトーナメント出場。査定試合って何だったんだろう?


そんなナオキックの対戦相手である渡辺は極真出身。…ということは「首相撲に対する免疫がない」「上段の膝蹴りにはあまり慣れていない」という事が言えるので、僕はこの試合は「いかにナオキックが、飛び膝蹴りで勝利するのか」という観点から試合を観戦していたのだが…まぁ、相手の渡辺が予想外に頑張ったのは認めよう。左ミドルと左ハイは綺麗だった。


対する今日のナオキックは右ミドルがよく伸びたものの、ちょっと飛び膝蹴りや右ハイに拘り過ぎていた印象がある。「なんとしてもKOを!」というモチベーションで試合に挑んだのだろうけど、あれだけ乱発しちゃうと相手に警戒されるのは仕方がないよね。それでもナオキックにはKO勝ちして欲しかったんだけど…。ま、次戦に期待ですな。



第十二試合 wikiによると、上松はMen's eggって雑誌の読者モデルなんだそうです

K-1 MAX -63kg Japan Tournament 1st Round 3分3R + 延長3分1R
上松大輔(173cm/62.85kg/チームドラゴン/ISKA世界ライト級 王者)
チョン・ジェヒ(168cm/62.5kg/韓国/プサン・テサン・ジム/韓国ムエタイスーパーフェザー級 王者)
[1R 1分9秒 KO]
※左フック

まず驚いたのは、実際の興行ではメインイベントだったこの試合が地上波では一番最初の放送だったこと。地上波での煽り映像も会場で流れたものとは全く違い、上松のオシャレさばかりを強調したミーハーな内容。更にはK-1 MAXでは無敗なのをいいことに「無敗」という単語を必要以上に強調。K-1ルールで行われているKrushでの、石川直生戦や前田尚紀戦はなかったことになっていますか、そうですか。


とはいえ、今日は僕も素直に上松を賞賛したい。上松の対戦相手のチョンは、かつてK-1 MAXで山本 "KID" 徳郁をKOした実績の持ち主。圧力も凄くパンチも的確な上、自ら仕掛けた乱打戦でもパンチの精度自体はチョンが上だったと思う。KIDを倒した実力は伊達ではなかったのだ。そんなチョンを左フック一撃で逆転したのだから、観客が盛り上がるのは仕方がないことだろう。



雑感

トーナメントと銘打っているのに「試合に勝っても、次の試合があるとは限らない」という狂気のシステムを持ち込んだK-1 MAX -63kg Japan Tournament。今日勝利した面子を次回は八名まで絞り込み、更にはKIDを参戦させようとしている谷川貞治氏は素敵な鬼だと思う。

んで、地上波の放送を見た限りでは、ダイジェスト放送扱いとなった谷山、麻原、卜部弟が落選候補のように思えた。この時点で八名には絞られているのだが、仮に噂通りにKIDが参戦した場合は、解説陣に酷評されていた紀左衛門が落選候補かなぁ。反対にファイヤーさんは、今日の人気ぶりでリザーバー候補になったかもしれんが(苦笑)。


興行全体の感想としては…。実力拮抗のマッチメイクが続いたため、逆にK0は少なくなったなぁ、と。更に言えば大和の実力が他を圧倒し過ぎている印象も受けた。正直、彼がK-1甲子園出身の選手と対戦したら、シャレにならない事態を招きそうな気がする。う〜ん、それ故に次回の興行が楽しみ、というのもあるんだけど…。正直、大和の存在は「バランスクラッシャー」だよなぁ。

というワケで、ひょっとしたら大和も落選候補かも。理由は「強過ぎるから」(苦笑)。ま、そんな大和ですら、ムエタイの神様の前には歯が立たないのがこの階級の真実なんだけどね。




以上、長文失礼。