4/30 ハッスル 後楽園ホール興行 観戦記 Ver1.0

ハッスルは死なず

本日は後楽園ホールハッスルを観戦。


ここ一年で色々な出来事が…。本当に色々な出来事があったハッスル。ここでは、その足跡を簡単に追っていく。


2009年2月、一足先にリング上から消えたインリン様とのギャラ未払い問題が露呈すると、2009年7月26日のハッスルエイド2009において団体の柱とも言える存在だった高田総統が姿を消す。これに伴い、高田モンスター軍ハッスル軍も解散。内部のゴタゴタがリング上の光景をも一転していく中で事件が起こる。2009年10月28日の記者会見でハッスルエンターテイメントの代表である山口日昇氏は、翌日に行われるハズだった後楽園ホール興行を含む四大会の中止を発表。これに対して、某プロレス誌は「興行の前日に中止発表」という前代未聞の事態を厳しく批判。まぁ、このプロレス誌は、山口氏がかつて編集長を務めていた雑誌に結構、攻撃されていたからねぇ。積年の恨みもあるんだろうなぁ…。


閑話休題。2009年11月22日には予定していたハッスル・マニア2009の中止を発表すると、2009年12月8日には選手の大量離脱が発生。所属選手がいなくなる勢いでゴッソリと抜けたハッスルに、もはや興行を打つ力など残されていなかった…。


いや、それは違う。大量離脱の中で唯一、ハッスル所属として残った選手がいたのだ。かつて新生ハッスル軍のリーダーを務め、小池栄子似の妖精さんと共に高田総統の化身であるザ・エスペランサーを倒した坂田亘、その人である。今年2月12日、リングもトレーニング器具もなくなった旧ハッスル道場跡地にて「ゼロからハッスルを再興する」と宣言した坂田は、3月26日には自身のリングネームを「坂田 "ハッスル"亘」に変更、4月30日にZERO1大谷晋二郎社長の協力の下で「坂田 "ハッスル"亘 審判の日」の開催を発表。こうしてハッスルは本当にゼロからの再出発をすることになったのだ。


だが、これに異論を唱えたのが、かつてはハッスル軍の軍師として活躍していた中村カントク。「坂田がハッスルできるわけがない。これ以降は我々がイベントを仕切る」と宣言すると、坂田は第一試合でナットーマンとして出場しないと、メインのリングには上げないことを発表。更にはこれからは黒の中村カントクとして罰ッスル軍を率いる事を宣言すると、メインイベントは代表の山口氏のさらし者マッチにすることを勝手に発表。やりたい放題の黒の中村カントクに対して、坂田 "ハッスル" 亘は、ハッスルすることができるのか?その時、山口日昇氏は?そして絶対に、絶対に出ないと思うけど…小池栄子似の妖精さんは?というのが今日の興行の主な流れ。まぁ、少ない陣容の中でハッスルらしさを失おうとしていないのは良い事だと思うね。


チケット代は3000円。大分安くていい感じなのはいいが…。かつては「進行命」だったハッスルが20分押しで興行を開始したのはいただけないねぇ。観客の入りは…ひいき目に見ても約四割程度かな。まぁ、あれだけのゴタゴタ劇&大量離脱がありながらも、よくもこれだけ入ったもんだなぁ…というのが正直な感想。

大事な場面に、あの英雄が登場!

まずはオープニング。大型スクリーンにこれまでのハッスルの歴史が映し出される。う〜ん、すっかり忘れていたけど、ハッスルって2004年1月4日にさいたまスーパーアリーナで旗揚げしていたのか。なんか一番最初がやたらと派手なのはWJを彷彿とさせるなぁ。それにしてもインリン様高田総統に加えて、橋本真也小川直也の映像まで流されると「本当にハッスルは堕ちるところまで堕ちたんだなぁ」という気にさせられる。


続いてリング上に登場したのは、坂田 "ハッスル" 亘と山口日昇氏の二名。坂田は「やると決めた以上、全身全霊で今後もハッスルしていきます!」と不退転の決意を現わす。




続いて山口氏は一連のゴタゴタ劇に対して「すべて私の不徳の致すところです!申し訳ありませんでした!」と四方に向かって謝罪。う〜む、あのハッスルのオープニングがこんなに重苦しいのは前代未聞だな。



と、ここで黒の中村カントクが登場。山口氏に試合出場への意思を問いただすと、返す刀で坂田を「お前は第一試合でナットーマンをやらないと、メインに出場できないんだぞ!早くナットーマンに着替えて来い!」と挑発。坂田は「あれは着替えじゃねぇ!変身だ!」と返し、観客の笑いを誘っていたが…。



そこに突如現れたのは、黄色いマントを身に着けた「ランディに扮した東北のバカ社長」にそっくりな男。「ナットーマン・ザ・グレート参上!」と名乗り出たこの男に観客が唖然。坂田もポカーンとしながら「…サ●ケさんですよね?」と問いただすも、男は「いえいえ、私はナットーマン・ザ・グレートです!」と堂々と答える。坂田は「今日は何をしに?」と尋ねる、男は「いえいえ、ここは大豆な場面ですから!」と返答し観客は爆笑。う〜ん、この男…ただ「大豆な場面」と言いたいダケに見えるのだが、この受け答えを聞く限り、彼も立派なナットーマンなのだろう。まぁ、ただ「大豆な場面」って言いたいダケにも見えるが(二度目)。



というワケで第一試合は、ナットーマンに変わってナットーマン・ザ・グレートが試合に挑むことになった。う〜ん、ただ「大豆な場面」って言いたいダケに見えるんだがなぁ(三度目)。

第一試合 大人気ない、貴方はいつでも大人気ない

シングルマッチ
○ナットーマン・ザ・グレート(みちのくプロレス…かもしれない)
●ロボットマン(罰ッスル軍)
[11分54秒 片エビ固め]
※ラムジャム

ナットーマン・ザ・グレートの相手は、黒の中村カントクが連れて来たロボットマン。カントクは「言っておくがなぁ〜、ロボットマンはメチャメチャ強いぞ!」と太鼓判を押す中で現れたのは、マイケル・ジャクソン主演の映画「ムーンウォーカー」に出てきた『メカマイケル』ばりのロボットレスラー。まるでロボットダンスのように動くロボットマン、その妙技に観客からは声援が沸く。

リングに上がると、身に着けているオーバーコスチュームを、一つ一つ丁寧にロボットの動きで脱いでいくロボットマン。試合開始の時間まで異様に時間が掛かったのは言うまでもない。う〜ん、それにしても登場時の姿と試合時の姿にギャップが酷いなぁ。




そして、いざ試合を開始しても…。カクカクとロボットのように動き続けるばかりのロボットマン。さすがのグレートも「試合にならねぇよ!」と不満を漏らしたが、これを聞いたロボットマンは自らの腕に装着されたスイッチを押す。これでモードが変わったのか、急に動きが良くなったロボットマンは、巧みなレスリングテクニックでグレートを翻弄。腕のスイッチでモードチェンジねぇ。なんだか、仮面ライダー・スーパー1みたいな奴だ。



主戦場は場外へと移動。一進一退のズンドコな攻防が繰り広げられる中(どのようにズンドコなのかは各自調査)、グレートはどこからともなくバケツを取り寄せる。この時は「なんだよっ!いつもの和桶じゃねぇのかよっ!」と思った僕だったが、どうやらグレートには考えがあるらしい。



そんなグレートの考えなど理解できないロボットマンは、再びスイッチを切り替えてロボットモードへと戻る。どうやらこのモード時は身体が頑丈になるらしく、グレートは攻撃を加える事にダメージを受けていた。恐るべし、ロボットマン。



だが、これがグレートの狙い目だったのだ。ロボットモードへと戻ったロボットマンに、突如グレートがバケツ一杯に汲まれた水をぶっかける。案の定、電気回路がショートして動けなくなるロボットマン。「ここがチャンス!」とばかりに襲い掛かるグレート、だがロボットマンに触れた途端に自らも感電してしまう。…アホだ、この人アホだ(笑)。



労せずにピンチをチャンスに変えたロボットマンは、ギロチンドロップでグレートを追い込むも、トップロープからのダイビング・ギロチンドロップはグレートにかわされてしまう。



反対にグレートは、ロボットマンをサンダーファイヤーパワーボムで投げ捨てると、最後はラムジャム(映画「レスラー」の主人公であるランディの必殺技。トップロープからのダイビング・ダブルエルボードロップ)を決めてロボットマンからピンフォール勝ちを修めた。



この勝利に上機嫌のグレートは試合終了後にムーンウォークを決め、股間を押さえて「ポウっ!」と叫ぶと、観客にも「ポウっ!」と叫ぶよう強要していた。



うむ、ロボットマンは面白かったけど、グレートはいつも通りって感じかなぁ。グレートは「自分の面白いと思っているものを、他人に無理強いするところがある」のが難点だよなぁ。ま、それがなくなるとグレートっぽくはなくなっちゃうから難しいところだとは思うけど、ここはハッスルなんだから、彼にもハッスルならではの役割を与えて欲しかった。

第二試合 もとのCではないようです

℃軍初登場vs旧モンスター軍選抜 六人タッグマッチ
 アイアム℃(℃軍)
 アーモン℃(℃軍)
ジャイアン℃(℃軍)
vs
 ザ・ピラニアン・モンスター(旧モンスター軍)
●長州か(旧モンスター軍)
 猛毒コブラ男爵(旧モンスター軍)
[10分42秒 ジャーマンCプレックスホールド]

この試合は℃軍と旧モンスター軍による対抗戦なのだが…。アイアム℃はそんなことに目もくれず、今日も今日とてCポーズに忙しい。入場時にCポーズ、試合が始まってもCポーズ。こうしてアイアム℃はCポーズを取るだけとってジャイアン℃にタッチしようとするも、ジャイアン℃は「調子に乗るな」とばかりにアイアム℃を殴りつける。




やがてアーモン℃とジャイアン℃も試合に参加。だがアーモン℃はジャンピング・ニーの後で「オー!」を決め、ジャイアン℃は技を決めた後で敬礼ポーズ。どうにも℃軍の足並みが揃わない。



すると、ここまで℃軍のペースに飲まれていた旧モンスター軍が反撃を開始。「パワーホール」に乗って入場してきた長州かが、かラリアートとサソリ固めで℃軍を追い込んでいく。う〜む、見事なハイスパートレスリングだ。



だが、尚も攻め込んでくる旧モンスター軍に対して、℃軍は入れ替わり殺法を利用して混乱を誘う。長州かのかラリアートを喰らえば、全員で倒れる℃軍。観客も「わからない!わからない!」コールで後押し。



そんなこんなで、両軍は攻めたり攻められたりしながら…。



最後はジャイアン℃が、長州かにジャーマンCプレックスホールドを決めてフォール勝ち。



う〜ん、最初は面白かったけど、Cポーズに飽きてからはイマイチだったなぁ。



第三試合 まあ、この二人と試合をするとこうなるんだよね

日本魂vsハワイアンエキスプレス タッグマッチ
 大谷晋二郎(ZERO1)
越中詩郎(フリー)
vs
 LOCO(罰ッスル軍/ハワイアンエキスプレス)
●MOCO(罰ッスル軍/ハワイアンエキスプレス)
[9分44秒 体固め]
※ダイビング・ヒップアタック

第三試合では、かつてハッスルに参戦していた大谷晋二郎越中詩郎がタッグを結成し、罰ッスル軍のハワイアンエキスプレスを迎え撃つ一戦に。う〜ん、大谷とエッチューさんかぁ…渋いながらも暑苦しいタッグだなぁ。




対するは未知の強豪、ハワイアンエキスプレス。イケメン風なのがLOCOで、やたらとデカいアフロの持ち主がMOCOなのだそうだ。リングに上がるなり、ハワイの先住民族のダンスを披露する二人だったが、ひとしきり踊り終わると大谷とエッチューさんに奇襲を掛けた。



エッチューさんをつけ狙うMOCOに対して、大谷に襲い掛かったのはLOCO。まずはハワイアンエクスプレスが試合の主導権を握る。



ちなみにこの二人、かつてはWWEの傘下団体であるOVWに所属していたのだそうな。連携や合体なども非常にスムースなあたりに、タッグ歴の長さが出ているな。



「やられてばかりでは、示しがつかない!」とばかりにエッチューさんがエキサイトして向かっていくも、意外にもハワイアンエクスプレスの二人は強い。ダイビング・エルボーを喰らって青息吐息のエッチューさん。



どうにかピンチを脱したエッチューさんだが、タッチを受けた大谷もハワイアンエクスプレスの好連携に捕まってしまう。



しかし大谷も自力でピンチを脱出、「いよいよエッチューさんが反撃を開始!」と来ればやることは一つ。ケツバット、そして伝家の宝刀であるジャンピング・ヒップアタックが炸裂。越中ハッスルぶりに観客から歓声が沸く。



ハワイアンエクスプレスも負けていない。LOCOが首四の字固めからの腕立て伏せでエッチューさんの頭をリングに何度も叩きつけると、得意技であろう二人掛かりでの合体フェースバスターを炸裂させる。う〜ん、意外に強いなこの二人。



しかし今度は大谷が猛反撃。得意の顔面ウォッシュでMOCOの顔面を蹴り続けると…。



最後はエッチューさんがダイビング・ヒップアタックを叩き込み、MOCOからピンフォール勝ちを修めた。



ま、エッチューさんも大谷も、今日も元気でした!って事ですな。それにしてもハワイアンエキスプレスは意外な拾い物かも。いいですよこの二人。


WWEのスーパースターが登場

休憩後、WWEを退団したばかりのFUNAKIリングイン、観客の歓声の中で挨拶。次回5月5日のZERO1後楽園ホール興行で日高郁人と師弟タッグを結成し、試合に挑むことをアピール。まぁ、今日の興行はファースト・オン・ステージが主催のなので宣伝ですな。



第四試合 頑張ったけど、ハッスルはしていなかったような…

ハンディキャップさらし者マッチ「いい日旅立ち
○ジョーメガロドン(罰ッスル軍)
 ブラックジョーカー(罰ッスル軍)
 LOCO(罰ッスル軍/ハワイアンエキスプレス)
 MOCO(罰ッスル軍/ハワイアンエキスプレス)
vs
●坂田 "ハッスル" 亘(ハッスル軍)
 山口日昇(ハッスルエンターテインメント代表)
[20分13秒 体固め]
※罰ッスルボム

今日のメインイベントは、黒の中村カントク率いる罰ッスル軍による山口日昇氏への制裁マッチ。第一試合でナットーマン・ザ・グレートが勝利した事により、山口氏には坂田 "ハッスル" 亘が加勢することにはなったが、かつてはハッスル軍で軍師を務めていた黒の中村カントクがこの試合を普通に開始するわけがない。果たしてこの二人には、どんな試練が待ち受けているのだろう?


まず、このカードが組まれた経緯、そして今日の興行に至る経緯が大型スクリーンに映し出される。山口氏曰く「最近は腰が弱くなった俺が、リングで闘えるワケがない!」、そして渋谷でビラ配りをする坂田。なんというか、ハッスルらしくない泥臭い演出だな。




いよいよ山口氏&坂田がリングイン。山口氏は空手着を着用して試合に挑むが、坂田と並ぶと華奢な身体が一層目立つ。



対する黒の中村カントク率いる罰ッスル軍の入場だが、現れたの屈強な体格を持つ外国人レスラー四人組。黒の中村カントク曰く「誰が二人って言った?こっちは四人で闘わせてもらうぞ!あとな、この試合のレフリーは俺だから!」。汚い。さすが軍師汚い…と言いたいところだが、罰ッスル軍の四人のうちの二人が、さっきまで試合をしていたハワイアンエキスプレスだというあたりに、そこはかとなく哀愁を感じる。金がないんだろうなぁ…。



試合開始。先発は坂田だったが、多勢に無勢な上に体格で劣っていることもあり、あっという間に罰ッスル軍に捕まってしまった。やりたい放題に坂田を攻め込む罰ッスル軍、そして坂田の反則は見逃さず罰ッスル軍の反則は見ぬフリをする黒の中村レフリー。わかりやすい悪の構図に、観客もどんどんヒートアップ。




そんな中、山口氏はやられている坂田を見守るばかり。これには観客も「行けよ山口っ!」「助けろよ山口っ!」と、その意気地のなさを激しく非難。そういえば昔、山口氏は自身が編集長をやっていた雑誌で「リングに上がった選手は強さを証明しなくてはならない。もちろん、馬場さんもだ」なんて事を書いていたなぁ…なんて事を、ボンヤリと思い出す。



早くもボロボロの状態の坂田をブラックジョーカーが片逆エビ固めに捕らえる。ここに来てようやくタッチを要請する山口氏、坂田は窮地を脱出できるか?



だが、山口氏が意を決してタッチをしても、黒の中村レフリーは見て見ぬフリをしてタッチを認めない。当然、観客からは大ブーイングが起こったが、坂田は意地になって「ここは俺一人でいい!」と山口氏を制止。う〜む、ハッスルする事とムチャする事とは別だと思うのだが…。



坂田の猛反撃が始まった。フライング・ニールキック、バックドロップ、袈裟斬りチョップ、ダイビング・フットスタンプ。罰ッスル軍四人組を相手に八面六臂の活躍を見せる坂田を観客が大歓声で後押しするが、坂田のフォールは黒の中村レフリーのスローなカウントで台無しに。歓声が一瞬にしてブーイングと野次に変わる。




そして、四対一の不利は変わったわけではない。いざ罰ッスル軍が動き出せば、坂田一人ではどうする事もできない。ジョーメガロドンパワーボムを喰らった坂田、完全なグロッキー状態だ。



そんな中、坂田のピンチを救うべく、ついに山口氏がリングイン!屈強な外国人達を相手にペチペチと張り手を見舞う山口氏。与えているダメージは微々たるものだろうが、山口氏の心意気に胸を打たれた観客が声援を贈る。



しかし、やはり山口氏は素人でしかない。あっという間に屈強な罰ッスル軍に捕まった山口氏は、強烈な逆水平チョップの連打を浴び続けることになる。Tシャツが破かれ、鍛えていない胸元が露になる山口氏。そこへ容赦なくチョップを叩き込む罰ッスル軍。観客がブーイングを浴びせるのも当然の話だ。




これで山口氏は戦線離脱、罰ッスル軍の照準が坂田へと戻る。ジョーメガロドンの超垂直落下式ブレンバスター、ブラックジョーカーのドリル・ア・ホール・パイルドライバー、MOCOのサモアンドロップ、そしてLOCOのムーンサルト・プレス。ここに来て罰ッスル軍が本気になってきた。坂田、大ピンチ。




だが坂田はフォールをカウント2で返す。これには罰ッスル軍も大いに驚き、観客からは大歓声が起こった。



ならばと、今度はハワイアンエキスプレスが合体フェースバスターを敢行。だが、坂田はこれもカウント2で返す。『大豆な場面で粘りを見せる』坂田、ナットーマンは黒歴史ではなかった。ええ、これは僕が言いたいだけです。



すると、罰ッスル軍のやりたい放題の攻撃に我慢ができなくなった、セコンドの若鷹 "ジェット" 信介が試合に乱入するも、罰ッスル軍はジェットに何もさせないまま蹴散らしてしまった。容赦がないな。



だが、ジェットの心が坂田に届いたのか、ここから坂田は猛反撃を開始。罰ッスル軍の四人に次々とスーパーキックを見舞った坂田は、返す刀で黒の中村レフリーにも一撃。胸がスッとなるシーンに観客から大歓声が沸く中で、坂田はフォールの体勢へ。代役のレフリーがカウントを数えるも、これはカットされてしまう。当たり前だが、四対一は分が悪すぎる。




そして、この反撃が坂田に残された最後の力だった。ブラックジョーカーのアルゼンチン・バックブリーカードロップ、そしてジョーメガロドンの罰ッスルボム(ラストライド式のリバース・パワーボム)を喰らった坂田は、罰ッスル軍の前についにカウント3を許してしまった。



勝ち誇る罰ッスル軍「罰ッスル!罰ッスル!罰ッスル!」罰ッスルポーズを決めた後(3回やるのがミソ)、コーナーに登って勝利をアピール。観客からは当然のようにブーイングが浴びせられた。



試合の後、何の挨拶もなく立ち去っていくる山口に観客から厳しい野次が飛ぶ。「それで何かしたつもりか!」「リングに上がって何か言え!」。だがリングに上がって来たのは、試合の一部始終を見ていた大谷だった。大谷は坂田に向かって「本当に強い男ってのはな、何度倒されても何度でも立ち上がる男のことを言うんだ!坂田、一生懸命がんばれ!」と激を飛ばす。う〜ん、暑苦しい。



この激を受けて立ち上がった坂田は、泣きながら「俺はまだ死んでねえぞ!俺が死んでねえってことは、ハッスルは終わってねえんだよ!」と絶叫すると、「こんな状況の俺や山口にも、新しい仲間がいる。そして、なにより今日会場に来てくれたファンのみなさんがいる限り、俺は一人になったって、どんな壁が来たって乗り越えてみせる!俺は一生ハッスルし続ける!」と、生涯ハッスル宣言。観客は拍手と大歓声で坂田の決意を支持した。



最後は坂田の音頭で「3・2・1、ハッスル!ハッスル!」で締め。



う〜ん、Do The Hustleがこんなに暗い曲に聞こえたのは初めてかも。なんだか妙に泥臭いこの感じは、ハッスルというよりはZERO1の興行を見ている気分だ。まぁ、色々なゴタゴタ劇が起こってからの復帰興行第一弾だから、あんまり派手なことはできないか。でも、もっとハッスルらしい、派手で明るい終わり方をして欲しかったなぁ。

雑感

メインイベントの締め方が、ある意味ではWJ以上に伝説の団体であるキングス・ロードの旗揚げ戦にソックリなのは気になったが…。まぁ、陣容が少ない団体の再出発戦なんて、どこも同じようなもんか。最後は観客も熱くなっていたし、少ない陣容の割には結構盛り上がったと思うし、興行自体は成功だと思う。


でも本当に厳しくなるのは、5月に控えた第二回の興行だろう。今回は復活興行ということで、ご祝儀で来た人も多いと思うし。今日の後楽園ホールの来た観客のうち、果たして何割がリピーターとなったのか?僕としては、そういう『正念場の興行』こそ観戦したいんだけどね。


以上、長文失礼。