12/27 DDT 後楽園ホール興行 徒然観戦記 Ver2.0

2009/12/27の日記はDEEPで使っちゃいました

昨年の観戦の模様ですが、都合によりここに載せます。写真を掲載し、文章を追加しました。我ながら「見栄えが良くなった!」と満足しております(笑)。


密かな恒例行事

年末年始は実家で過ごす僕にとって、東京で観戦する年末最後の生観戦は、いつだって「後楽園ホールのDDT」になってしまう。これはDDTがいつも、12月の最終日曜日に興行を打っているせいなのだが、この事実は意外に知られていないように思う。ま、最近は大晦日に興行を打つのが当たり前になっているから、12月の最終日曜日なんて目立たないのかもね。


そんなこんなで、8月の両国国技館以来となるDDTの観戦なのだが、識者によると「今日はあまり盛り上がらないと思う」との事。理由を聞くと「11月の『全ブランド合同興行』で力を使い果たしたばかりだから」なのだそうで。確かにカードを観ると、あまりDDTらしい遊び心を感じるカードが少なく感じる。ま、DDTの場合は「蓋を開けてビックリ!」という事も多いから、そんなには気にならないけど。


チケットを購入、4000円。観客は北席を潰しているけど満員。カードが弱いという割にはギッシリだねぇ。しかしまあ、新藤力也リングアナはいつも異様なハイテンションだなぁ。隣で観戦しているどらちゃさん(http://dorastruggle.blog82.fc2.com/、以下、どらちゃん)が軽く引いてるよ(苦笑)。




第一試合 フレッシュファイト

六人タッグマッチ 20分一本勝負
○松永智充(169cm/100.0kg)
 美月凛音(171cm/58.0kg/RING)
 高尾蒼馬(173cm/75.0kg)
vs
 安部行洋(170cm/71.0kg/DISASTERS BOX 準構成員)
 伊橋剛太(158.0kg/115.0kg)
谷口智一(179cm/95.0kg)
[9分13秒 胴締めチキンウィングチンロック]

今日のDDTの第一試合は、ほぼ若手で構成された六人タッグマッチ。う〜ん、暫く観ないうちに随分と若手が増えたなぁ。おかげでコッチは誰が誰だかサッパリわからん(笑)。




試合中は特に目立つ仕掛けもなく、「全員によるブレンバスター」なんていうお約束を挟みつつ、若手同士らしいキビキビとした技の応酬がひたすら続いた。



そんなこんなで最後は、この中ではベテランの松永が谷口を胴締めチキンウィングチンロックで仕留めていた。随分と渋い技を使うなぁ。ヌルヌルブラザーズも昔の話。



ちなみに安部は「マクロスF」のランカ・リーのコスプレをしていた。そういえば長島 "自演乙" 雄一郎も、リーのコスプレしていた事があったな。よくわからんが、リーってそんなに人気あるのか?あの手のキャラクターって、人気の新陳代謝がやたらと激しい印象があるのだが…。

第二試合 いじられキャラから一転…してません

敗者仕分け十人タッグマッチ 30分変則三本勝負
中澤 "CEO" マイケル(180cm/90.0kg/CEO)
男色ディーノ(179cm/95.0kg/Belt Hunter×Hunter)
佐藤光留(174cm/90.3kg/PANCRASE MISSION/Belt Hunter×Hunter)
マサ高梨(170cm/70.0kg/Belt Hunter×Hunter)
石井慧介(171cm/76.0kg/Belt Hunter×Hunter)
vs
KUDO(177cm/80.0kg/KO-Dタッグ 王者)
ヤス・ウラノ(174cm/95.0kg/KO-Dタッグ 王者)
MIKAMI(163cm/72.0kg/スーサイドボーイズ)
タノムサク鳥羽(175cm/65.0kg/スーサイドボーイズ)
ポイズン澤田JULIE(182cm/90.0kg/蛇界転生)


※直接フォール、又は、ギブアップを取られた選手が、
 中澤CEOに無駄な選手だと判断され、仕分けされる。
 どちらのチームかが二本先取しても、そのまま三本目が続行される。

本日の第二試合は、今日組まれた試合では一番DDTらしいカード。ヌルヌルブラザーズ、変態團、そして肛門爆破を経験した男が「まさかまさか」の大出世。11月の興行で行なわれた「監獄島プレゼンツ 運営権が欲しければ殺せ!バトルロイヤル」で優勝してDDTのCEOとなった中澤マイケルが、地味なタッグ王者と罵倒するKUDOヤス・ウラノDDTから排除すべく、Belt Hunter×Hunterの面々とタッグを組んで、自らが考案した敗者仕分けタッグマッチに挑んだが…。




一本目 お約束

○KUDO(177cm/80.0kg/KO-Dタッグ 王者)
●中澤 "CEO" マイケル(180cm/90.0kg/CEO)
[5分2秒 片エビ固め]
※バズソーキック/中澤が仕分け対象レスラーに

ネコ耳&メイド服姿の佐藤光留にどらちゃんが激しく反応。そうか、佐藤のコスプレ自体はPANCRASEでもお馴染みの光景だけど、この姿で闘うのは新鮮なのかもね。というワケでPANCRASEファンのzenさん(http://zenzen.jugem.jp/)&psyzoh兄さん(id:psyzoh)、いまでも佐藤は頑張っています!…メイド服姿で(苦笑)。




Belt Hunter×Hunterの力を借りて、憎きKUDOを倒そうとする中澤だったが…。正直、隠れた実力者であるKUDOに中澤が勝てるワケもなく、ダイビング・ダブルニードロップからのバズソーキックという必殺技フルコースにより、中澤は自らが仕分けの対象になってしまった。



うむ。これぞいじられキャラのお仕事だな。ちなみに中澤のCEOという役職については、観客は「CEO!CEO!…塩っ!塩っ!」といじっていた。ひょっとして、この声援を引き出すためのCEOという役職なのか?

二本目 ひどいお約束

○タノムサク鳥羽(175cm/65.0kg/スーサイドボーイズ)
●中澤 "CEO" マイケル(180cm/90.0kg/CEO)
[2分10秒 片エビ固め]
※イス攻撃の自爆/中澤が仕分け対象レスラーに(二度目)

一本目の余韻も醒めないうちに、すぐに二本目は開始。早速、タノムサク鳥羽が男色ディーノの尻に顔を埋めてしまう。う〜む、それにしてもディーノはこのキャラクターを続けて長いけど、まったく飽きられていないよなぁ。本人の努力なんだろうなぁ。たいしたもんだね。




そんな中、またしてもBelt Hunter×Hunterの力を借りて、憎くもない鳥羽を仕留めに掛かる中澤だったが…トドメを刺すべく持ち出したイスは、中澤がリングに試し打ちした時点で席の部分がスッポ抜けてしまう。観客の「え〜っ!?」という声の中、それでも構わず鳥羽に振り降ろしたが…鳥羽はアッサリとかわす。中澤のイスはトップロープにぶつかると、その反動で背もたれの部分が中澤の顔面にぶつかった。これで中澤は失神、鳥羽がフォールしてカウント3。



またしても中澤が、いじられキャラの本領を発揮したのだが…。イスを振り降ろす前から、席の部分が抜けることなんてあるのかねぇ。神懸りなムーブなのか、単に中澤のしょっぱいムーブなのか…判断に迷うところだ。ま、0.2秒ほど考えた結果、やっぱり後者だという結論になったけどさ。

三本目 ちょっと意外

○中澤 "CEO" マイケル(180cm/90.0kg/CEO)
●MIKAMI(163cm/72.0kg/スーサイドボーイズ)
[3分2秒 エビ固め]
※スク〜ルボ〜イを潰して/MIKAMIが仕分け対象レスラーに

さすがに三本目は全員が得意技を披露、試合はプロレスらしいプロレスとなったが、細々と書いても長くなるので大幅に省略、詳しい攻防は各自調査。そんな中でフィニッシュを決めたのは…意外にも中澤。MIKAMIのスク〜ルボ〜イ狙いを偶然、潰すことに成功したのだ。う〜ん、なんという偶然(苦笑)。




形はどうあれ、自らの力で勝利を得た中澤は大喜び。だが、負けたMIKAMIが真剣にDDTからの撤退を口にすると急に慌てだし、「ちょ、ちょ、ちょっと待って!なんか最近、『仕分け』って単語が流行ってたから、ちょっと使ってみたかっただけなんだよ!こんな試合形式、ウソウソ!実は全部ドッキリでしたぁ〜!」とまさかのウヤムヤ宣言。当然、観客からは「え〜っ!」の声が。もしウラノやKUDOが負けていたら、追放する気満々だったクセにねぇ。



この中澤の態度に、MIKAMIは怒り心頭。「(お前に取られたのは)一生の恥だよっ!俺はお前の5万倍、DDTを愛してるんだよっ!こうなったら来年、本当にリスクのかかったシングルでやってやる。お前なんて早々に片付けてやるからな!」と、早い段階での再戦を約束。



そんなこんなで、この試合の締め。最後は中澤のチェリーに対する熱い想いが、Belt Hunter×Hunterによって暴露される中で、勝利者チーム全員で決めポーズ。それにしても、妻帯者が年増女に欲情したり、豊胸手術を強要したりするのはどうか?どうなのか?


第三試合 DDTでは珍しいパワーファイト

シングルマッチ 30分一本勝負
大鷲透(185cm/115.0kg/フリー/DISASTERS BOX)
●星誕期(183cm/135.0kg)
[10分53秒 変形ストレッチマフラーホールド]

第三試合は、突如組まれた元大相撲出身者同士による対決。大鷲は元若松部屋で、最高位は序二段の四十二枚目。力士の戦績としてはまったくパッとしていないワケだが、これは膝の怪我が原因。これに対して星誕期の最高位は十両三枚目で、大鷲が大相撲に在籍していた頃には既に関取(十両以上の力士)だったようだ。つまり、大鷲にとって星誕期は、大相撲時代は「雲の上の存在」だったのだ。だが、ここはプロレスのリング。大鷲としては、過去の番付など関係なく全身全霊でぶつかっていくのが礼儀と言えるだろう。




試合では、両者は真正面から激突。タックル合戦、手四つの攻防、喉輪の応酬など力と力のぶつかり合いを展開する二人。ふ〜む、おおよそDDTらしくないパワフルで大真面目な攻防だなぁ。



そんな中、パワーで主導権を握ったのは…大相撲の先輩、星誕期。豪快なブレンバスターで大鷲を投げ飛ばす。う〜ん、本当にDDTらしくない豪快な光景だ。



これに対して大鷲は、星誕期の右足に攻撃の焦点を絞る。一点集中の攻撃は、プロレスにおける巨漢崩しの定石だ。更に大鷲は、普段は滅多に見せない正面飛びのドロップキックまでも披露。更には得意のフライング・ボディプレスで星誕期を押し潰す。パワーで星誕期に劣る大鷲だが、プロレスの先輩として弱みは見せられない。持てるもののすべて駆使して、星誕期と対等に渡り合っていく。



そんなこんなで一進一退の攻防は続いたが、最後は大鷲が変形ストレッチマフラーホールドで星誕期の右足を粉砕。う〜む、大鷲の全力ファイトを観たのって久しぶりかも。



勝った大鷲は、マイクでこの一戦への想いを語る。話によると、大鷲は出稽古で星誕期の胸を借りたこともあるそうだ。最後は「誕期さん!まだまだやりますよ!」と勝った大鷲自ら再戦をアピール。う〜ん、こういうのを観ると、久々に大鷲のシリアスファイトも観てみたくなるなぁ。


第四試合 壮行試合なのに全然、悲しくないのは何故だ

さよならPIZAみちのく イタリア同郷対決 タッグマッチ 30分一本勝負
 フランチェスコトーゴー(170cm/80.0kg/フリー/Italian four Horsemen)
アントーニオ本多(168cm/94.0kg/Italian four Horsemen)
vs
 PIZAみちのく(175cm/83.0kg/(親戚は)KAIENTAI-DOJO/Italian four Horsemen)
●ササキアンドガッバーナ(168cm/77.0kg/Italian four Horsemen)
[16分2秒 片エビ固め]
※ダイビング・フィストドロップ

DDTの人気チームであるItalian four Horsemenの構成員であるPIZAみちのくが本国に戻ることになったため、PIZAの壮行試合としてイタリア同郷対決が行われた。なかなかにウェットな背景があるにも関わらず、試合から悲壮感を感じないのは、Italian four Horsemenの面々のファイトの成せる業なのか?それとも観客が「どうせPIZAが本国に帰っても、親戚のTAKAがどっかで頑張るんだろ?」と思っているからなのか?




試合途中、アントンのニースタンプに観客が「Perfect!」の掛け声をかける(元ネタは「Mr.Perfect」カート・へニング)も、中々噛み合わず。そんな中、その光景を東側バルコニーから観戦していたエージさん(id:eg_2)が、お手本とばかりにジャストタイミングで「Perfect!」の声を掛けると、アントンは満足そうにサムアップしながら「Perfect!」の声で応えていた。さすがエージくん、ホントDDTの陰のフィクサーだよなぁ(笑)。

そんな中、試合は派手な攻防を挟みながらも淡々と続いていく。う〜む、Italian four Horsemenって試合巧者の集まりだとは思うけど、試合中の自己主張ってあんまり強くないから、試合が平坦になっちゃうんだよなぁ。パフォーマンス自体は派手なアントンですら、試合での主張はそんなに強くないしね。




試合の行方だが、意外にもPIZAは勝敗に絡まず。イタリアン・インパクトでササキを追い込んだアントンが、最後は得意のダイビング・フィストドロップを決めて決着。



ふ〜む、PIZAは今日でいなくなるけど、親戚のTAKAはこれからはどこで試合をするんだろ?ひょっとして、全日本プロレスあたりに戻るのかな?PRO-WRESRING NOAHで持て余しているディーロ・ブラウン&ブキャナンあたりを取り返して、またRO&Dを結成してくれないかなぁ。


第五試合 期待していただけに、非常に残念

タッグマッチ 60分一本勝負
高木三四郎(175cm/108.0kg/大社長)
 澤宗紀(173cm/85.0kg/格闘探偵団バトラーツ)
vs
飯伏幸太(181cm/85.0kg)
 ケニー・オメガ(183cm/92.0kg/カナダ)
[17分7秒 ゲイ道クラッチ]
※澤のシャイニングウィザードから

今日のセミファイナルは、恐らく今日のカードでは一番ファンの期待が掛かった試合。飯伏幸太ケニー・オメガDDTが誇る人気&実力No.1コンビが、DDTの大社長である高木三四郎&これまた人気者の澤宗紀と激突する。おおっ!澤の試合を観るのは久しぶりだ!飯伏やオメガとの対決は楽しみだな!なんて事を試合前には考えていたのだが…。

この試合に挑む飯伏の姿を観てビックリ。その胸部と左腿にはグルグル巻きにされたテーピングが。正直、この試合の数日前に参戦したSuper J-CUPで何かあったのかっ!? と問いかけたくなるほどに、その姿は痛々しかった。そしてその想いは観客も同じだったらしく、会場には「今日の飯伏には期待せずにいよう」という空気が流れてしまう。そんな中、久々のDDT参戦となる澤が小さな身体を駆使して人気コンビと真っ向勝負するも…一度沈んだ会場の空気は、なかなか変わる事がない。う〜ん、澤も頑張っているんだけどねぇ…。




実際、この日の飯伏の動きは本調子とは程遠い状態。ケニーとの同時バミューダ・トライアングルを披露するなどで観客を沸かせた飯伏だが、その場飛びのシューティングスターやムーンサルトムーンサルトといった得意技は観られなかった。う〜ん、飯伏の場合、普段何気なく使っている技も超難易度の技が多いからなぁ…。



試合途中、飯伏&ケニーの最大の見せ場である『ゴールデンシャワー』に対抗しようと、高木&澤は二人でトップロープに登って「いくぞ!『黄金シャワーッ!』」と叫ぶも、これはオメガが慌ててカット。うむ、『黄金シャワー』がどんな技かは想像もつかないが、何となくカットされて良かったと思うぞ(笑)。



そして、本家『ゴールデンシャワー』こと、ゴールデンシャワー・プレス(二人同時のファイヤーバード・スプラッシュ)を繰り出すべく飯伏&ケニーがトップロープに登るも、これが澤がカットして不発に終わる。ぬぬぅ、今日は観客の誰もが、彼らが生み出した芸術品『ゴールデンシャワー』に期待していたと思うんだけどねぇ。まあ、飛び技は本人に掛かる負担も大きいだろうから、飯伏の負傷を考えると今日は仕方がないのかなぁ…。



こうなると久々に来日したケニーの活躍を期待をしたいところなのだが…。残念ながら試合は長丁場になる事はなく、高木のシットダウン・ひまわりボム〜ゲイ道クラッチ(外道クラッチと同型)で決まってしまった。う〜ん、今日は飯伏がダメなのだと言うのなら、せめてもう少しだけでもケニーを堪能したかったなぁ。



勝った大社長はマイクを持ち、久々の来日になるケニー、久々のDDT参戦となる澤、そしてSuper J-CUP帰り&プロレス大賞で技能賞を獲得した飯伏に「お帰り」と声を掛けるも、Super J-CUPでまさかの一回戦負けを喫し、そして今日また負けた飯伏には「お前、悔しくねえのかっ!?悔しかったら…、新日本に乗り込んで来いっ!」と激を飛ばす。



これを受けた飯伏は「絶対に、新日本にやり返しますっ!」と宣言。観客は歓声で飯伏の決意に応えた。



でもなぁ…。どんな試合でも、無茶な飛び方を連発する飯伏の「一年間の活躍の代償」があのテーピングだというのなら…。正直、新日本に殴り込む前に、怪我をしっかり直して欲しい。今年は三沢光晴の事故死の例もあったわけだしねぇ。

第六試合 期待していなかったら、意外に面白かった

KO−D無差別級選手権試合 シングルマッチ 時間無制限一本勝負
石川修司(195cm/130.0kg/ユニオンプロレス/KO-D無差別級 王者)
●HARASHIMA(178cm/90.0kg/DISASTERS BOX)
[21分57秒 エビ固め]
※クロスアーム・スプラッシュマウンテン/石川が防衛に成功

今日のメインイベントは、11月に飯伏幸太を破ってKO-D無差別級 王者となった石川修司HARASHIMAが挑む一戦。これが今年のDDTにとっては最後の試合なのだが、僕は正直、この試合にはあまり期待していなかった。単純に石川の試合はあまり観たことがないのと、これまでの興行の流れが低調だったので、あまりテンションが上がっていなかったのが原因である。う〜ん、やっぱり期待していたセミファイナルがイマイチだったのはデカいなぁ。




でも蓋を開けてみれば、この一戦は二人の技量が噛み合った良い試合となった。煽り映像で、石川と同じくユニオンプロレスに所属する大家健が何故か「石川のベルトは俺が守るっ!俺がベルトを防衛するっ!」と捲し立てる中、HARASHIMAは徹底した左足殺しで石川を攻めていく。やはり巨漢攻略の一番の近道は「足攻め」なのだ。



これに対して195cmという巨体を活かしたパワーで勝負する石川。特に要所で繰り出されたヘッドバットは迫力があった。更には強烈なバックドロップが決まる。ヘビー級の体格を活かした、一発一発の攻めが重い。



しかしHARASHIMAも持ち前のテクニックで真っ向から勝負。足りない上背を雪崩式のフェースクラッシャーでカバーすると、左足にアンクルホールドをガッチリと極める。やはり攻める手自体は、HARASHIMAの方が持ち駒が多いようだ。



だが、石川も負けていない。まさかのトペで宙を舞うと、持ち前のパワーを活かした攻めでHARASHIMAを呑みに掛かる。だが、HARASHIMAは倒れない。さすがはKO-D無差別級の前々王者だ、王座に掛ける執念がすさまじい。



ここでHARASHIMAが勝負に出る。スワンダイブ式のミサイルキックをズバリと決めると、必殺技である蒼魔刀(ランニング・ダブルニーアタック)をグサリ!



だが、カウントは2!観客の大歓声の中、両者が真正面から睨み合う。う〜ん、大熱戦だなぁ。



そんな中、勝負を決めたのは石川。HARASHIMAの粘りには苦戦したが、最後はクロスアーム式のスプラッシュマウンテンという豪快な荒業で相手の息の根を止めた。うむ、正直、こんなに良い試合になるとは思っていなかったよ。二人ともゴメン。


試合後、石川は「強敵のHARASHIMAさんに勝って、最高です!」と話していると…。



空気の読めない中澤が現われ、「Super J-CUP 2009『第三位』」を自称する男色ディーノとの一戦を言い渡す。忘れちゃいけないが、中澤はDDTのCEOなのだ。これに対して石川は「ユニオンでやらなきゃならない相手がいる。そいつに勝ったらディーノとやる」と宣言。中澤はベルトがDDTが所有するものであることを理由に、石川の発言に対して怒りを露わにしたが、当のディーノは「いいんじゃない?」とアッサリと認めてしまった。意外な発言に驚く中澤の姿に観客から笑いが起きた。う〜ん、中澤はトコトンいじられているなぁ。




ちなみに「ディーノってSuper J-CUP 2009って二回戦負けでしょ?第五位という言い方なら兎も角、なんで第三位なんだろ?」なんて事を考えていたんだけど、つまりディーノに勝ったプリンス・デイビッドが準優勝しているから、自分は第三位だ!っていう主張らしい。なるほど、物は言いようだな。

来年に向けてのDDTの決意表明

全試合終了後、メインイベントからマイクを引き継いだ男色ディーノが全選手を呼び寄せて、来年に向けてのDDTの決意表明を行なった。

以下、スポナビの記事(http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/text/200912280008-spnavi.html)より引用

男色ディーノ

(高木三四郎に向かって)アタシ先日、業界最王手の団体に出て気がついたことがあるの。やっぱり新日本プロレスにしかないものってあったのよ。でも、新日本プロレスになくてDDTにしかないものは確実にあった。だから胸を張っていいと思う。高木三四郎、アンタが作り上げたDDTが、最王手に一歩も引かないところまで来たのよ。次はどんな夢を見せよう。アンタのやってきた方向性は間違っていなかった。アンタが舵を取りなさい、わたしたちは全力で漕ぐだけ。



高木三四郎

(ディーノに向かって)ありがとう。昨年は、両国国技館進出を発表させてもらって、全力投球してきた。2010年も7月25日、両国国技館が決まっています。でも、それで終わりじゃない。2010年、2011年…2500年までDDTやるぞ!何百年、何千年経ってもみんなが楽しんでいただける、歩んでいける団体にしていきたいと思います。みんな、一年間ありがとう!



最後は高木の音頭による三本締めで、DDTは勝負の年を終えた。




正直、僕は語れる程にはDDTを熱心に観戦しているワケではないけど…この一年間、DDTという団体が本気でプロレスで取り組む姿は、そんな僕にも何度か届いてきた。

8月に両国国技館での興行を成功させ、9月には銀座ベノワという新しいプロレス会場を獲得。そして12月には「プロレス&スポーツバー ドロップキック」「フレンチカレー ミツボシ」に続く第三の飲食店「居酒屋エビスコ」を開店するDDT。大きなところで、そして小さなところでアイデア勝負し、密かにプロレス界を牽引していくシタタカさと逞しさには敬服するばかりだなぁ。

雑感

う〜む、今日の興行自体は正直、イマイチだったかなぁ。DDTらしいアイデア勝負の試合が少なかったし、期待していたセミファイナルもイマイチだったし。まあ、11月の全ブランド合同興行で力を使い果たした感があるから、今日はこんなモンなのかなぁ、という気もするけどね。まあそれでも、メインの石川 vs HARASHIMAは見応えがあったし、最後の決意表明もいい内容だったので、最終的な満足度は高いかな。


次回の両国国技館の興行も是非、大成功させて欲しい。勿論、僕も観戦に行く予定だ…。仕事が忙しくなければね(苦笑)。


以上、長文失礼。