12/11 藤原祭 後楽園ホール興行 観戦記 Ver1.0

♪今日は祭だ♪ワッショイワッショイ!

本日は後楽園ホールで藤原祭を観戦。


今年6月の金田敏男会長の逮捕劇により、数々のドラマを生み続んできた全日本キックボクシング連盟はアッサリと解散。これに伴い、12月の全日本キックの風物詩だった藤原祭も開催されなくなると思われた。だが、祭りは終わらない。連盟を引き継いだ株式会社グッドルーザーの主催により、今年も藤原祭は無事に開催されることになったのだ。うむ、そう簡単に無くなってもらっては困るよ。何せここ最近は、僕の「キック観戦納め」は藤原祭と決まっていたんだからねぇ。


さてさて、今年の藤原祭の目玉は、う〜ん…。「なんと言っても、ネット上で戦争状態に陥っていた高瀬大樹寒川直喜の決着戦!」という事になるんだろうなぁ…。

ぶっちゃけ僕は、彼らが具体的にネット上でどんなやり取りをして炎上して、最終的にこのカードが実現する運びになったのかは、そんなに詳しく知らないんだよね。なんかイマイチ「興味を持てなかった」というかねぇ。ま、寒川は昔から好きな選手だから、藤原祭で彼の試合が観れる事は嬉しいんだけどねぇ…。う〜ん、なんか気乗りしないんだよなぁ、このカード。

ま、それはそれとして。今日は藤原祭という事もあり、藤原ジムの所属選手が多数登場。セミファイナルには「闘う修行僧」こと前田尚紀が出場。メインイベントではKrush ライト級 GPを制覇したばかりの山本真弘が、真王杯 60kg級 準優勝の実績を持つ中須賀芳徳を迎え撃つ。おお、これはいいカードだなぁ。

また、毎年恒例の特別エキシビジョンマッチでは、敏ちゃんこと藤原敏男が本人と縁の深いプロレスラー達とプロレスで対戦。今年のエキシビジョンでは敏ちゃんは我々に何を見せようというのか?そして和田良覚レフェリーは、いつ敏ちゃんにボコボコにされるのか?こちらも注目したいところだな。


というワケでチケットを購入、A席は5500円。う〜む、キックボクシングのチケット代も近頃は高くなったなぁ…。観客の入りは約八割。この入りについて言えるのは、高瀬のブログに興味を持つ人は多くても、高瀬の試合に興味を持っている人は少ない、ということだ。ネットを使った商売というのも難しいモンだな。

第三試合 ♪ケツだけ観戦♪ワッショイワッショイ!

55kg契約 3分3R + 延長3分1R
○裕センチャイジム(167cm/55.0kg/センチャイムエタイジム/NJKFスーパーバンタム級 八位)
●一戸総太(163cm/55.0kg/WSRフェアテックスジム/元全日本バンタム級 四位)
[判定 3−0]

この試合の3Rから観戦。裕が肘打ちと膝蹴りで試合を優位に進める。裕の右の肘打ちにより流血に見舞われる一戸だったが、ドクターチェック後はワンツーの連打で猛反撃するも、判定は3−0で裕の勝利。



う〜ん、これだけじゃサッパリ試合の展開が判らんけど、とりあえず写真は載せておきますね。




第四試合 ♪成長株だよ♪ワッショイワッショイ!

フェザー級 3分3R + 延長3分1R
○森井洋介(170cm/57.1kg/藤原ジム/元全日本フェザー級 八位)
●長崎秀哉(166cm/56.6kg/WSRフェアテックスジム/元M−1スーパーフェザー級 王者)
[判定 3−0]
※長崎は3Rにダウン1

僕は長崎秀哉の試合ぶりについては、今まであまり記述した事がないのだが、過去には「NJKFの次世代エース」と目されている赤十字竜を撃破しており、M-1ではスーパーフェザー級の王者として君臨するなど、実は知る人ぞ知る強豪なのだ。対する森井洋介は、これまた僕の観戦記で書いた記憶がまったくないのだが…まだ21歳でありながらも、戦績は12戦10勝1敗1分3KOという素晴らしい実績の持ち主らしい。ふ〜む、これは意外に面白い試合になりそうだな。第四試合に組まれたのが勿体ないくらいだ。


1R、序盤に右ストレートをクリーンヒットさせた長崎がワンツー、右ロー、左ミドル、左テンカオを使って積極的に攻める。終盤には左の肘打ちも狙っていった長崎に対して森井はワンツーを返していくが、ここまでは苦戦しているねぇ。




ところが2R、今度は森井がワンツーと右ローで前に出るようになる。対する長崎はボディへのワンツーで反撃するも、ガンガン前に出続ける森井の勢いが止まらない。長崎も必死に反撃し、試合は白熱の好勝負に。そんな中で終盤、強引に前へ出ようとする長崎に森井のカウンターの右ストレートが連続でヒット。流れは少しずつ森井に傾いてきた。



3R、森井は2Rと同じく、ワンツーの連打を武器に前へ出る。対する長崎も前に出たが、再び森井のカウンターの右ストレートの餌食に。藤原ジムらしい回転の早いパンチで攻め込む森井に対して、長崎はテンカオで抵抗したが…前に出ようとしたところで、またしても森井のカウンターの右ストレートが炸裂。モロに喰らった長崎がダウンを喫する。



立ち上がった長崎はワンツーとテンカオで逆襲に転じるも、森井はワンツーと右ローで応戦。観客から歓声が上がる中、両者は試合終了まで打ち合い続けた。



判定の結果、3−0で森井が勝利。



おおっと。長崎の強さは知っているつもりなので、戦前は長崎が勝利すると思っていたのだが…。こりゃ、森井洋介の名前はしっかりと覚えなきゃイカンなぁ。

第五試合 ♪ムエタイ深いよ♪ワッショイワッショイ!

ライト級 3分3R + 延長3分1R
○ピンペット・ソートーサポン(身長不明/60.9kg/タイ/元ラジャダムナン フェザー級 一位 & ルンピニー フェザー級 四位)
●鈴木真治(174cm/61.5kg/藤原ジム/元全日本ライト級 三位)
[判定 3−0]

この試合、本来出場予定のあったKINGなる選手が新型インフルエンザに感染してしまい欠場となったため、藤原ジム期待のホープである鈴木真治の相手は、ムエタイの強豪のピンペット・ソートーサポンとなってしまった。この選手について僕は詳しくは判らないのだが、ラジャダムナン&ルンピニーというムエタイの二大殿堂でランカーを経験した選手が弱いワケがない。ふ〜む、鈴木としては厄介な事になっちゃったねぇ。



1R、どこかやる気のなさの漂うピンペットだが…さすがにムエタイの猛者だけあって、時折繰り出されるワンツーと左ミドルがメチャメチャ重い。対する鈴木はワンツーと右ローを時折放ちつつ、ピンペットの様子を見る。非常に静かな展開のまま1Rは終了したが、鈴木がピンペットの左ミドルを結構、被弾してしまったのが気になる。



2R、このラウンドも両者ともに作戦は変わらず。鈴木はワンツーと右ロー、ピンペットは重い左ミドルとパンチを少々。中盤に鈴木の左フックがヒットするも…ピンペットは気にすることなく、鈴木を遠ざけて強烈な左ミドルを重ね続ける。更には鈴木をロープに押し込み、返ったところに右のテンカオをグサリ。う〜ん、いやらしい。



3R、鈴木はワンツーと右ローに加えて、左のインローを武器にして攻める。対するピンペットは相変わらずの重い左ミドルとパンチ少々を淡々と続ける。追い込まれた鈴木は、ピンペットの牙城を崩すべく積極的に攻めたが、やはりピンペットは鈴木に動じることなく、前蹴りなどを使用して鈴木の勢いを殺して淡々と左ミドルを返していく。う〜む、完全に2Rで得たアドバンテージを使って逃げ切る作戦だな…。



結局、鈴木はピンペットに追い付けず、判定の結果3−0で敗れてしまった。



う〜む、今日の鈴木はムエタイの懐の深さにやられてしまった印象。ま、これも勉強だねぇ。次戦での活躍に期待しよう。

ちびっこキックボクシング 勝敗ついたよ♪ワッショイワッショイ!

契約体重なし 90秒1R
○原田優音(119cm/23.0kg/藤原ジム)
●東原享介(118cm/21.5kg/WSRフェアテックスジム)
[判定]

ここからは藤原祭の恒例行事、ちびっこキックボクシングが二試合続く。その一試合目は、お互いに年齢は7歳という文字通りのちびっこ対決だ。そうか、7歳ってことは二人とも2002年生まれなのか…。その頃の僕は30歳、なんとなく凹むなぁ…。


試合は一方的な展開に。原田はワンツーと右ミドルを武器にガンガン前に出続けたのに対して、東原はパンチで応戦しつつもずっと防戦一方…という展開が90秒間続いた。試合は終了、判定の結果は原田の勝利。



おおっと、この試合はエキシビジョンだと思っていたけど、ちゃんと勝敗が着くのか。ちょっとビックリだな。ちなみに勝った原田優音(ないと、と読むらしい)はキック業界では割と有名な子らしいよ。




ちびっこキックボクシング 本当は空手だ♪ワッショイワッショイ!

契約体重なし 2分1R
○岩田実沙(140cm/35.0kg/拳枠会空手道宮越道場)
星樹里亜(129cm/25.0kg/格斗空手道武拳会館)
[優勢勝ち]

同じ11歳でありながら体格差が激しい女の子同士の一戦は、「ちびっこキックボクシング」と銘打ちながらも実際は空手の試合に。特に説明はなかったけど、恐らくは顔面パンチはなしだったんだろうなぁ。


試合では、体格差に任せて前に出た岩田が、突きと左中段蹴りを武器にガンガン攻める。対する星は防戦一方、打撃を喰らい続けたその表情には疲れの色が。結局、そのまま試合は終了。判定の結果、岩田が勝利した。



ふ〜む、確かに年齢は一致したんだろうけど…もう少し、体格の事は考慮すべきだったんじゃないかなぁ。




演舞 ♪名前を募集だ♪ワッショイワッショイ!

どのメディアでも取り上げていなかったので、なんて人がやったのかは判らないんだけど、ちびっこキックボクシングで豪快な瓦割りを披露して、観客の喝采を浴びていた人がいました。いや〜、これは豪快だった!




第六試合 ♪退屈退屈♪ワッショイワッショイ!

68kg契約 3分3R + 延長3分1R
○ガンスワン・BeWell(176cm/67.5kg/タイ/元ラジャダムナンスーパーライト級 王者)
クリストフ・プルボー(身長不明/67.8kg/スイス/スクランブル渋谷/元全日本ウェルター級 王者)
[判定 3−0]

全日本キックでは山本優弥を破り、最後のウェルター級王者となったクリストフ・プルボーは、今年はどういうワケかムエタイ選手との対戦が続いている。クンタップ・ウィラサクレック、ジャオチャラーム・シッカノックジムといったキック王者を次々に破ったプルボーだが、9月に行なわれた試合では元ムエタイ三冠王ナルポン・フェアテックスとの対戦で敗北を喫してしまった。今日の相手は元ラジャダムナンスーパーライト級王者、ガンスワン・BeWell。一度くらい負けただけでは、プルボーのムエタイ超えへの道は終わらない。



1R、ガンスワンはいきなり左のハイで牽制、これをプルボーはスウェーでかわす。その後、ガンスワンは左ミドルで淡々と蹴り続け、プルボーは右ローで応戦。ガンスワンは投げでプルボーを転等させる。対するプルボーは、得意の首相撲で肘打ちや膝蹴りを狙うも、ムエタイの猛者たるガンスワンがこれを許すわけがない。比較的静かな展開で1Rは終了。う〜ん、第五試合と流れが変わらんなぁ。



2R、距離を置いて淡々と蹴り合う両者。プルボーは右ロー、ガンスワンは左ミドルが中心。そして時折組み合っては、コツコツと膝蹴りを入れ合う両者。ぬぅ、どうにも試合展開が地味だな…。



中盤、ガンスワンは右の肘打ちでプルボーの左頬をカット。劣勢に追い込まれたプルボーはこれに奮起…することもなく、今までと変わらず組み付いての膝蹴りで攻めていく。ガンスワンは肘打ちを狙いつつ、左ミドルを蹴り続ける。むぅ、このままだと3Rも同じような展開だな。



3R、序盤は両者これまでと同じく、ガンスワンは左ミドル、プルボーは右ローを中心に攻め合う。だが、ここに来てガンスワンの手数が増え始めた。左ミドル〜ワンツー〜ボディーというコンビネーションを見せると、ボディブローやアッパーといったパンチも多用。派手な攻めで印象点を稼ぐガンスワンに対して、プルボーはこれに触発…されることなく、今まで通りに首相撲からの膝蹴りをコツコツ入れるばかり。ああ、これはだめだな…。



結局、退屈な展開なまま試合は終了。判定の結果、3−0でガンスワンが勝利。



ふ〜む、序文こそ勢いよく書いてみたが…試合自体は異様に単調だったなぁ。この試合に関しては特にコメントはなしです、ハイ。

第七試合 ♪内容イマイチ♪ワッショイワッショイ!

無差別級 3分3R
寒川直喜(182cm/80.7kg/バンゲリングベイ・スピリット/M-1ライトヘビー級王者)
高瀬大樹(180cm/92.8kg/フリー)
[判定 3−0]

冒頭にも書いた通り、この試合は寒川直喜高瀬大樹がネット上で舌戦を展開したことで実現することになった一戦である。そのやり取りについては、僕はあまり興味がなかったのだが、れでも「知っておいた方が、面白いのかな?」と思って調べてみた。要約すると、以下のような感じ。


まず、高瀬が自身のブログ上で「実力3割、マネージメント7割」の選手がいると言い出し、この選手の事を批判。次に、批判した選手が桜井 "マッハ" 速人のことだということをバラす。これに対して、マッハ本人はブログ上で高瀬に反論しつつも、基本的には事態を静観。すると高瀬は、2003年の男祭りでの対戦を持ち出して「俺との試合の時、コイン握ってたじゃねぇーかっ!」と炎上し、今年の年末のDynameite!!での対戦を提案。すると、このやり取りを見ていたマッハの弟分である寒川直己が「俺とやりましょう!」と言い出し、高瀬がこれを受けてこのカードが実現した…という事らしい。


う〜ん。なんか今年の夏にこの話が出た時は、ネット上は物凄い盛り上がりを見せていたように思うけど、こうやって見てみると…。

高瀬はまとまった金が欲しくなり、Dynamite!!への出場を目指した。そこで話題作りのためにマッハを担ぎ出そうとしたら、意外にも寒川という横槍が入ってきた。高瀬にしてみれば、寒川の存在は無視しても良かったんだけど、日が近づくに連れてDynamite!!への出場は難しくなったから、少しでもお金を稼ぐために今回の試合を引き受けた…って流れに見えるなぁ。僕が何となくこの試合に乗れないのは、これが理由だな。いや〜、文章に書いていて初めて気がついたよ(苦笑)。

そう考えると、どうせなら高瀬も秋くらいから挑発を始めれば良かったにねぇ。いや待てよ、そんな事を言ったら…PRIDE3でエマニエル・ヤーブローと闘った後で、変なマイクアピールをしなければ、もっと活躍も多かったように思うのだが。ま、それができていれば高瀬は高瀬じゃなくなるけどね(苦笑)。


まずは露骨にガラの悪そうな高瀬応援団の声援を受けて、高瀬が二人の女性レゲエダンサーを引き連れて入場。レゲエダンサー達はダンスの中で逆立ちし、大股を開いて痙攣していた。う〜む、レゲエダンスはいつ観ても意味不明でエロイな。



対する寒川は、迫るX'masにちなんで入場曲に「もろびとこぞりて」をチョイス。トナカイを引き連れて、自らはサンタクロースに扮して入場だ。バンゲリングベイ応援団から大歓声が上がる中、寒川は「Samba de Janeiro」に合わせてダンスを披露。



バンゲリングベイ応援団がノリノリになる中、袋一杯に詰め込んだうまい棒(寒川の好物)を客席にバラ撒きながら花道を歩いてきた。そのセコンドにはニコラス・ペタスの姿もある。リングインの前に円陣を組んで気合いを入れる姿がカッコイイね。



1R、高瀬は右腕をダラリと下げたサウスポーのデトロイト・スタイルから左ローと左ミドルで蹴ると、体格差でプレッシャーを掛けつつ前に出て右ストレートと左フックを振り回し、至近距離で寒川に組み付いて体重を浴びせて倒す。ぬぬぅ、何やら動きが自信ありげなのが、妙に鼻に突くねぇ。



対する寒川はガードを固めて防御しつつ、前蹴りで高瀬の勢いを殺して右ローを放つと、ガードもできずにモロに喰らった高瀬は早くも効いている様子。これを見た寒川は、バンゲリングベイ応援団の歓声の中で右ローを何度も連打。嫌がる高瀬は、浴びせ倒しで寒川に圧力を掛けつつ左右のパンチを振り回す。ふ〜む、高瀬の打撃は当たれば威力がありそうだ。ま、当たればだけどね。



終盤、高瀬は前に出てワンツーを放つも、寒川はかわして右ストレートを顔面に叩き込む。更には右ハイもヒットし、バンゲリングベイ応援団は大歓声を上げた。


2R、序盤に寒川は重い右ミドルを叩き込む。対する高瀬は1Rのダメージが残っているようだが、尚もガードを固めないデトロイト・スタイルを維持。寒川は自分からは前に出ず、高瀬の動きに右ストレートを合わせてスリップさせると、もう一発右ストレートを顔面に叩き込む。喰らった高瀬が苦しそうだ。正直、この時点で勝負あり!だな。



高瀬が悪あがきを見せる。キックルールであるにも関わらず首投げを放ったり、当たりもしない浴びせ蹴りを連発したりして休憩時間を稼いでいく。だが寒川はこれに動じず、要所で右ストレートを入れていく。組み付いての浴びせ倒しでプレッシャーを殺そうと高瀬だが、スタミナを失っていて動きがかなり悪い。だが寒川はラッシュを仕掛ける事はなく、高瀬の様子を観察しながらじっくりと攻略していく。



3R、やはり高瀬はデトロイト・スタイルをキープしながら左ローを放つも、寒川は右ストレート、右ボディ、右ミドルを確実に当てていく。これまでのダメージでレスリングを仕掛ける力もなくなった高瀬に対して、寒川は首相撲からの膝蹴りで攻め込んでいく。う〜ん、ここまで一方的な展開が続いているのなら。そろそろ寒川にKOを期待したくなるのだが…。



途中、高瀬の右ハイがヒットする場面もあったが、基本的にフラフラの状態。当たらない浴びせ蹴りを多用して休む高瀬にブーイングが浴びせられる中、寒川は焦ることなくワンツーを刻んでいく。終盤、もはや反撃もままらない高瀬に対して、寒川はようやくワンツーのラッシュを仕掛けて、一気にコーナーへと追い詰める。最後の最後にダウンを奪うか!と思われたが、残念ながらここで試合は終了。



こんな展開なのに、高瀬はガッツポーズをとって自軍コーナーへと戻っていった。なんでよ?


リングの外から、高瀬応援団の一人と思われるチンピラ風の男が中指を立てて寒川を挑発する中で判定は読み上げられ、3−0で寒川が勝利。高瀬応援団の一人がリング外で尚も炎上する中、勝った寒川は来年から、総合格闘技へ転向することを宣言していた。



ふ〜む、これまでもラウェイや総合格闘技の経験がある寒川だけど、本格的な転向となると大変そうだなぁ。その道程は楽ではないと思うけれど、日本王者クラスの打撃系選手の総合格闘技転向は非常に珍しいので、是非頑張って欲しいところだなぁ。

あと高瀬については…ま、こんなモンじゃないのかなぁ?キックルールは初めてではないけど、打撃は高瀬の専門外だしね。ただ、最後にガッツポーズを取ったのは謎だなぁ。いくらなんでも、あれで勝ちはないでしょ。高瀬って、要所要所で空気の読めない行動をするよなぁ。PRIDEから干されたのも、本当はそれが原因だと思うのだが…。

特別エキシビジョンマッチ ♪今年もグダグダ♪ワッショイワッショイ!

藤原敏男(168cm/62.5kg/藤原ジム)
 初代タイガーマスク(178cm/92.0kg(ウソツケ!)/リアルジャパンプロレス)
 日高郁人(172cm/80.0kg/ZERO1)
vs
藤原喜明(183cm/102.0kg/プロフェッショナルレスリング藤原組)
 ウルティモ・ドラゴン(172cm/83.0kg/フリー)
 小林聡(170cm/62.5kg/藤原ジム)
[12分22秒 体固め]
※全員によるドロップキック

ついにやってきた、毎年恒例のエキシビジョン。最近はハッスル提供試合という色合いが強かったが、今年は敏ちゃんの身内で固めた感じ。プロレス技をウルティモ・ドラゴンから習ったのか、今年の敏ちゃんはルチャ仕様で、キックだけではなく二人まとめてのヘッドシザースや、回転しての足払い、リープフロックなんかを披露していた。…残念ながら、その決定的な瞬間は残ってないんだけどね(苦笑)。ってなワケで、今年のエキシビジョンの模様をフォトギャラリーにしてご紹介。


今年の小林聡は、組長こと藤原喜明、そしてウルティモ・ドラゴンとトリオを組んだ。ちなみにスーパータイガーのコスチュームに身を包んでいるのが小林。何故だっ!?



対する主役の敏ちゃんこと藤原敏男は、伝説の虎こと初代タイガーマスク、そして小林聡とは師弟関係にある日高郁人とのトリオ。日高はいつものプロレスの試合と同じくオーバーマスクを着用する気合の入れようだったが、先発を買って出たのは敏ちゃん。これに小林が呼応して試合は開始。



師弟関係の深さを証明すべく、バチバチの殴り合い&蹴り合いを見せる敏ちゃんと小林。敏ちゃんは組長に首相撲を仕掛けるなどで、まずは健在ぶりをアピール。




この中では第一線でプロレスを続けているウルティモと日高の絡みだが、この日は敏ちゃんが主役ということもあってかあまり活躍しなかった。続いて小林と日高の絡み。日高が使う「野良犬ハイキック」は小林が伝授したもの。だが、プロレスの舞台では日高が小林の師匠だ。



組長とタイガーの絡みは昭和の新日本プロレス、そして旧U.W.F.を観てきたマニアなら誰もが反応するカードだろう。タイガーのスピニング・レッグロックに対して、組長は伝家の宝刀・脇固めで対抗。マニアなら感涙もののシーンだ。




組長に代わってウルティモが登場。タイガーや敏ちゃんとの絡みはなんとなく新鮮。



今度は敏ちゃんと組長による「藤原対決」。敏ちゃんのキックに対して、組長は往年の得意技であるボディブローで対抗。懐かしいなぁ。



試合は再び敏ちゃんと小林による師弟対決へ。バチバチの打撃の応酬の後、お互いに腕を捕っての腕十字合戦。師弟を超えた両者の意地の張り合いに、観客が歓声を上げる。




再び日高とウルティモが登場、ピリッとしたレスリングによる攻防で観客を惹きつける。でも正直に言うと、ウルティモのラ・ケプラーダや、日高のアイル・ビー・バックが観たかったなぁ。



そんな中、敏ちゃんは和田良覚レフェリーを苛めるのに必死だった。何故だっ!?



そんな事をしているうちに、日高が掴まった。組長&ウルティモのラフプレイに苦しむ日高に対して、敏ちゃんの怒りのキックが炸裂。だがこの後、敏ちゃんは組長のパワーの前に場外へエスケープしてしまう。




だがタイガーが偶然、隠し持っていたワインを一気呑みすると、敏ちゃんは一気にパワーアップ!そして、これにあやかろうと今年は組長も一気呑みに参戦。



こうしてリング上に誕生した「二匹の大虎」が、敵味方関係なく選手達に襲い掛かる。う〜ん、実にタチが悪い。



「二匹の大虎」は残りの選手をボコボコにしたが、今度は大虎同士が争い始めた。体重差に任せて敏ちゃんを持ち上げる組長。だがその瞬間、残りの選手が全員でドロップキック。哀れ組長は後ろに倒れ、敏ちゃんはそのまま組長をフォールしてカウント3。



だが、試合終了後も敏ちゃんは、やっぱり和田良覚レフェリーを苛めるのに必死だった。何故だっ!?



試合後はノーサイド。全員でプレゼントを客席に投げ入れていた。


最後は小林による「4649、ヨロシクッ!」で締め。




第八試合 ♪やっぱり強いよ♪ワッショイワッショイ!

60kg契約 3分3R + 延長3分1R
前田尚紀(59.9kg/藤原ジム/元全日本フェザー級 王者)
水落洋祐(59.9kg/はまっこムエタイジム/元全日本フェザー級 三位)
[1R 2分5秒 KO]
※3ダウン

本日のセミファイナルには「闘う修行僧」こと前田尚紀が登場。


今年は「肘なし&膝なしルール」のKrushで活躍した前田だが、本人曰く「来年は、キックルールを主体に闘う」との事。うむ、それでこそ「野良犬」小林聡の魂を受け継いだ男だよ。今日は「キックルールへ本格復帰するための前哨戦」というところだね。本日の対戦相手である水落洋祐は、Krushの舞台で強豪の桜井洋平を下した実力者だけど…正直、前田と比べると格下の選手である事は否めないなぁ。となれば、今日の前田は勝敗はおろか、その勝ち方も問われる一戦となるね。



試合開始、前田は得意のワンツーと右ローを武器に前に出る。これに水落もワンツーと右ローで応戦するも、前田はプレッシャーを掛けて水落を追い詰めると、ワンツーをヒットさせて大ダメージを与える。



観客の歓声の中、フラつく水落に対して前田はワンツーのラッシュで畳み掛け続けて、一気に3ダウンを奪ってしまった。




久々のキックルールで快勝した前田は藤原祭だという事もあってか、珍しくもマイクを握って挨拶。「今日はご来場、ありがとうございました。印象に残る試合で、今日の大会を楽しんでいただけたらなぁ、と思います。よろしくお願いします」。うん、前田らしい朴訥とした挨拶だ。



うむ。「これぞ前田の試合!」という感じだね、文句なし!…っていうか、せっかくKrushで名を馳せた水落を、わざわざキックルールで貶める事はないと思うんだけどなぁ。マッチメイクに難あり、というかねぇ…。

第九試合 ♪名勝負だよ♪ワッショイワッショイ!

60kg契約 3分3R + 延長3分1R
山本真弘(167cm/59.7kg/藤原ジム/Krush ライト級 GP優勝 & 元全日本フェザー級 王者)
中須賀芳徳(180cm/59.8kg/OGUNI-GYM/NJKFスーパーフェザー級 一位)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 1−0

今日のメインイベントは、Krush ライト級 GPを制覇したばかりの山本真弘が登場。IKUSA-GP 60kg級、Kick Returnに続き、三つ目のトーナメント制覇し、この階級では最強である事を改めて証明した山本。だが彼は優勝した時のコメントで、新日本キックで名を馳せる石井宏樹の名前を挙げて「真のライト級最強」を決定する一戦を実現をすることを宣言。この一戦が実現すればキック界では大きな話題となるのは間違いないのだが、果たしてキック界ではガチガチの鎖国として知られる新日本キックが門戸を開くかどうか…。実現するとすれば、出島であるTITANSの舞台なのだろうけど、どうなることやら…。

そんな山本に待ったを掛けたのが、NJKFで行なわれた真王杯の60kg級トーナメントで準優勝を果たし、NJKFスーパーフェザー級で一位に君臨する中須賀芳徳だ。180cmという長身に加えてサウスポーという、全日本キックフェザー級には存在しないタイプの選手である中須賀に対して、山本はどのように攻略するのだろうか。



1R、山本は距離を保ちながら頭を振ってフェイントを織り混ぜ、回転の速いワンツー、右ロー、左インローで攻め込む。対する中須賀はサウスポーの構えから、リーチ差を活かしつつ右ストレートと左ローで応戦。

中盤、中須賀の左ストレートがヒット。反撃したい山本だが、懐の深い中須賀の間合いの中に飛び込めずに苦戦。たとえ接近しても、中須賀が膝蹴りを入れたり組み付いたりで主導権を握れない。それでも終盤、中須賀が前に出ようとしたところに山本のカウンターのワンツーがヒット。観客からは歓声が沸いたが、中須賀は怯まずに飛び膝蹴りを狙っていく。うむ、中須賀が堂々としていていいね。



2R、序盤に中須賀が前に出ようとしたところ、山本の右ストレートがカウンターでヒット。これでリズムに乗った山本は、右ジャブで牽制しつつ左ローを放って積極的に攻める。細かいフェイントを入れてのヒット&アウェイ、リーチ差は左右のミドルでカバー。段々とエンジンが掛かってきた山本、いつも通りの軽快な動きになってきたね。

これに対して中須賀は山本の動きの変化に動揺することなく、遠距離からは右のジャブと左ストレート、そして左ローを重ね、至近距離では組み付いての肘打ちと膝蹴りで迎撃。リーチ差を活かして腰を据えて構える中須賀、こちらは非常に落ち着いているように見えるね。



3R、山本は2Rからのヒット&アウェイ戦法を継続。主にワンツー、右ボディ、左ローで攻める。これに対して中須賀は、山本の出方を見ながらパンチと左ローで応戦。中盤になると中須賀は首相撲を仕掛けて膝蹴り。更には左ストレートをヒットさせて攻勢に出る。



だが、中須賀が更に攻めようと前に出たところで、今度は山本の左ストレートがカウンターでヒット。観客から歓声が起こる中、再び中須賀が左ストレートをヒットさせて逆襲に出る。最後は両者ともに足を止めての打ち合い、ここで山本のカウンターのパンチがヒット。観客の拍手と歓声が沸き起こる中、激しい展開のまま試合は終了。



判定の結果は山本がジャッジ一人の支持を得るも、残り二人はドロー裁定。試合は延長戦へと突入だ。う〜ん、僕としては僅かに中須賀が勝ってるんじゃないの?と思ったのだが…ま、ドローでもおかしくはないね。



延長R、いきなり「3Rの続き!」とばかりに打ち合う両者。先制したのは山本、右ストレートをヒットさせると、これまでよりも左ローを多用して中須賀の意識を下半身へと逸らす。そして再び、山本のワンツーがヒット。手数を増やす山本の攻めが冴えまくる。



だが中須賀はこれに怯まず前に出ると、山本も負けずに前に出る。再び両者が激しく打ち合う中、今度は中須賀の左ストレートがヒット、更には前蹴りを入れて山本をスリップさせる。観客の歓声の中、勢いに乗った中須賀はガンガン前に出て再びワンツーをヒットさせる。だが山本は劣勢になりながらも、最後まで中須賀との打ち合いに応じた。



延長Rが終了。判定の結果は3−0で山本の勝利。う〜む、通常の判定なら両者互角だと思うのだが…。今回はマスト判定だからなぁ。手数の差と「『藤原祭』だから」という点で差がを付けたのかなぁ?ちなみに勝った山本はマイクを握ることなくリングを降りていた。恐らくは、自分自身では納得のいかない勝利だったんだろうなぁ。



うん、これは良い試合だったなぁ。そして山本は予想以上に苦戦したねぇ。前回の久保優太戦といい、山本は長身のサウスポーが苦手なんだろうなぁ。正直、今回は辛勝を拾った山本だけど、もう一回キックルールで中須賀とやれば、勝敗はどうなるかわからないね。中須賀は今日は負けちゃったけど、この一戦には胸を張っていいと思う。やっぱりNJKFは選手が充実しているなぁ、と改めて実感した一戦だったね。

♪雑感雑感♪ワッショイワッショイ!

正直、中盤のムエタイ絡みの二試合で興行の空気はグダグダになり、それなりに期待されていた寒川直喜 vs 高瀬大樹も盛り上がりに欠けたため、全体的には今一つな興行になってしまったが…。


まあ、セミファイナルの前田尚紀の秒殺劇、そしてメインイベントの山本真弘 vs 中須賀芳徳の激闘で「モトはとれたかなぁ」と思う。特にメインは良い試合だったなぁ。思えば山本は三回もトーナメントを制覇しているけど、NJKFの選手との対戦経験は少ないからなぁ。大和哲也赤十字竜、桜井洋平…etc。まだまだ対戦して欲しい選手が一杯いるのは、キックファンとしては夢が膨らんでいいね。


勿論、新日本キックの石井宏樹との一戦も実現して欲しいけどね。


以上…♪長文失礼♪ワッショイワッショイ!