12/4 Krash 新宿FACE興行 二試合のみの観戦記 ver1.0

二試合しか観戦していなくても、観戦記は書きますよ

いきなり私事で恐縮なのだが、この先は平日の観戦が難しくなる。というのも、職場が都心から離れてしまった上、仕事の定時が異様に遅くなったのだ。で、今日は職場での初日だったのだが…。いや〜っ、まるでダメだぁ!定時に上がって『特急』で新宿に向かっても、到着は20:30なんだもんなぁ!これが後楽園ホールだったら、もっと時間が掛かるワケで。

あ〜あ、今日は本当は…後楽園のMAキック大和哲也の勇士が観たかったんだけどねぇ…。


そんなこんなで、今日は新宿FACEでKrashを観戦。本日のKrashは山内裕太郎チェコ壮行試合をメインイベントに据え、元全日本キックランカーの卜部弘嵩K-1甲子園2008準優勝の卜部功也による卜部兄弟の試合や、2008年の新空手王者などが試合に出場した…のだが。先に書いた通り、なにせ僕の会場到着時刻は驚きの20:30。ズバリ言って、セミファイナルとメインイベントしか観戦できなかったのでした…。まあ、真のお目当ては山内だったから、別に良いっちゃあ良いんだけどね…。


チケットを購入。3500円 + ドリンク代500円。う〜ん、今日は二試合で4000円かぁ。一試合毎の単価は高いんだから、しっかり元は取らせて欲しいねぇ。

第五試合(未観戦) この試合には間に合いたかった…

60kg契約 3分3R + 延長3分1R
卜部弘嵩(169cm/60.0kg契約/チームドラゴン)
●伊藤将彦(167cm/60.0kg契約/STRUGGLE)
[1R 1分13秒 KO]
※ヒザ蹴り




あ〜あ、この試合には間に合いたかったんだけどなぁ…。とりあえず贔屓(ひいき)している卜部弘嵩は、鮮やかなKO勝利を飾ったみたいだね。良かった良かった良かねぇよ。良かった良かった観たかった…。

第六試合 『K-1甲子園2008 準優勝』の実績は伊達じゃない

60kg契約 3分3R + 延長3分1R
卜部功也(170cm/60.0kg契約/チームドラゴン)
大沢文也(172cm/60.0kg契約/P.O.D.)
[3R 1分24秒 KO]
※左膝蹴り

兄の卜部弘嵩を差し置いて、セミファイナルには弟の卜部功也が登場。昨年末のK-1甲子園で準優勝を果たした卜部、この時はまだ高校生だったが…。高校卒業後はイメージを一新したのか、髪の毛をオレンジに染めて登場だ。う〜ん、昨年末に見たときよりも、ずっと精悍さを増している気がするが…まあ、こっちの姿の方が本来の卜部っぽいな。西山道場からチームドラゴンへと移籍した卜部功也の対戦相手は卜部よりも一歳年下、まだ18歳の新進気鋭、大沢文也


今日はこの試合の1R途中より観戦を開始。オーソドックスの構えの大沢に対して、サウスポーの卜部が強烈な左ローを放ったが、これがローブローとなる。かなりいい音がした上に大沢のダメージも大きそうだったが、幸い試合は再開。大沢の反撃のボディブローがいい感じだが、卜部もワンツー〜左ボディで反撃する。二人ともまだ未成年なのに、いい打撃を放つなぁ。末恐ろしいね。



2R、卜部は左ローを連発するのに対して、大沢は右のテンカオで反撃。卜部はボディへのワンツー〜左ローというコンビネーションを多用、大沢の動きを止めに掛かる。大沢は右ローで反撃するも、卜部はボディブローと左ローをしつこく放ち、加えて左の膝蹴りも多用。

下半身に攻撃を集中された大沢は、右脚のダメージも手伝って徐々に下がる場面が増えていく。それでも大沢は接近戦になると、ワンツー〜右ローのコンビネーションで反撃。う〜ん、大沢は頑張ってはいるけど、卜部が完全にペースを掴んじゃったなぁ。

ちなみに、下の写真で攻めている白いトランクスは大沢、紺のトランクスが卜部。なんか文章と写真が逆になっちゃっているけど、優勢なのは卜部。



3R、卜部は2Rと同じく前に出て、ボディへのワンツー〜左ローのコンビネーション、そして左の膝蹴りで大沢を追い詰める。対する大沢は下がりながらのワンツー〜右ローで反撃するも、2Rに負ったダメージは大きい様子。



こうなると卜部の勢いは止まらない。強烈なプレッシャーと共に前に出た卜部は、大沢をロープ際へと追い込んで…顔面に強烈な左の膝蹴りを叩き込んだ。観客の歓声の中、モロに喰らった大沢はその場に倒れる。カウントが数えられ、何とか立ち上がる大沢だが足元はフラフラ。この様子を見たレフェリーが試合を止めた。



新進気鋭同士の対決はを制した卜部は「もう若手とはやったと思うので、今度はランカーとやらせてください!」とアピール。う〜ん、自分だって若手のクセに一人前なことを言うねぇ。まあ僕も、彼がランカーと闘う姿を観てみたいね。とはいえ実際は、新しく出来たばかりのKrashにはベルトもランカー制度も存在しないんだけどさ(苦笑)。



第七試合 山本優弥だってドラゴを倒したんだ!お前にも絶対に出来る!

70kg契約 3分3R + 延長3分1R
山内裕太郎(180cm/69.6kg/P.O.D./team pitbull/元全日本スーパーウェルター級 王者)
●濱崎一輝(171cm/69.8kg/シルバーアックス)
[判定 3−0]
※濱崎は3Rにダウン1

今日のメインイベントは、山内裕太郎チェコ壮行試合だ。


今年に入ってからは三連敗。かつての強さを知る者にしてみれば「何があった?」と聞きたくなるような不本意な戦績を残してしまった山内。序盤は様子を見つつ、5Rをたっぷり使って相手を追い込み、肘打ちや膝蹴りを含めたあらゆる打撃を駆使して相手を仕留めるスタイルの持ち主である山内にとって、肘打ち&首相撲なし、そして3分3RのKrashルールは明らかに不利なルールと言える。

それも手伝ってなのか…今年の出場したKrashでは、廣野祐中島弘貴といった選手に敗北を喫してしまう。う〜ん、この二人には失礼だけど、本来は山内が負けるような相手じゃないと思うんだけどなぁ…。五月にはNJKFにも出場するも、強豪である健太を相手に激闘の末に敗北を喫している山内だが、本人は三連敗しても尚「まだ始まってもいねぇよ!」と息巻いている様子。

二月にはチェコでドラゴへのリベンジ戦が待っている山内の対戦相手は、接近戦でのパンチを得意とする濱崎一輝。この両者は過去に一度対戦し、この時は山内が完勝している。だが濱崎は過去に山本優弥を撃破している強豪、決して油断はできない相手だ。



1R、スロースターターの山内は、この日もいつもと同じく序盤は様子見の状態。何もしてこない山内に対して、濱崎は接近してのワンツーと右ローで攻め込んで行く。そして、相手が出てくると反応するのが山内の強さ。濱崎の動きに敏感に反応してワンツー〜右ローや、右ミドル〜ワンツーといったコンビネーション、そして右のボディストレートを放って反撃する。相変わらず山内は、持っている武器が多彩だなぁ。

だが、山内の戦術は基本的にはカウンター狙い。自らは下がりながら濱崎の様子を見ている。対する濱崎は終盤、ワンツーの連打で山内を攻め込んでいく。ガードを固めて身を守る山内、あくまでこのラウンドは様子見らしいな。



2R、序盤に濱崎の右フックがヒット。対する山内は距離をとって、リーチ差を活かした右ミドルを返す。だが濱崎はチャンスと観たか、積極的に前に出てワンツーの連打と左の膝蹴りを浴びせて山内を追い詰める。対する山内はクリンチを多用して濱崎のプレッシャーをしのぎ、時折ボディへ膝蹴りを放つが…、Krashルールでは肘打ちや膝蹴りの連打は禁物。持っている武器を封印されている山内、どうにもやり難そうな印象を受ける。

中盤になっても、濱崎はこれまでと変わらず前に出てワンツーを放つ。対する山内は下がって距離を取り、まず右のボディストレートをヒットさせると、続いて右ストレートを叩き込む。山内応援団から歓声が上がる中、山内は右ローで濱崎の動きを封じに掛かる。だが濱崎も左ローを連打して反撃すると、山内の顔面へ左の膝蹴りを一閃。この一撃で山内は額から出血したが…。この一撃が山内の目を覚ました。様子見モードから攻撃モードへと切り替わった山内は、ここから前に出てワンツーの連打で濱崎を攻め込んでいく。



3R、流血が止まらない山内だったが、インターバル中のドクターチェックはクリア。それでもポイント的には追い込まれた山内が猛反撃を開始する。前蹴りや右ミドルを使用して容易に濱崎を近づけず、自らのタイミングで前に出て濱崎との打ち合いを挑んでいく。両者のパンチは激しく交差、両者の応援団の歓声が増えていく中で、山内は右アッパーを多用してプレッシャーを強めていく。気がつけば濱崎は、下がる場面が増えている。やはり山内は攻めると強い…のだが、それでも山内の流血は止まらない。再びドクターチェックが入る。額の出血は結構激しい。大丈夫か?



山内応援団の歓声の中で試合は再開。いよいよ後がなくなった山内は、尚も打ち合いを挑む。ガンガン打ってくる濱崎に負けないくらいにパンチを連打する山内に歓声が集まる中、山内は右のボディストレートで濱崎の腹を打ち抜く。これが効いた濱崎が力なく後退すると、左の飛び膝蹴りで追撃。尚も怯む濱崎に、山内は右ストレートを叩き込み、観客の大歓声の中でついにダウンを奪う。いや〜っ、この多彩な攻め手こそ山内の真骨頂だねっ!



なんとか立ち上がった濱崎に対して、山内はトドメを刺すべく打ち合いを挑む。濱崎のワンツーに対して、山内はパンチや膝蹴り、そしてトラースキックで反撃。観客の歓声が鳴り止まない中で試合は終了。う〜ん、最初は苦戦しながらも、最後は帳尻を合わせてくるあたりが、なんともスロースターターな山内らしいなぁ。



判定の結果は全員が29−28を付け、3−0で山内の勝利。ふ〜む、やっぱり2Rは取られていたのね。危ない危ない。勝った山内は「今年は三連敗だったんですけれど、終わりよければすべてよし!来年はチェコに行って一発かましてきます!」とアピール、観客の歓声を浴びた。



う〜ん、終わってみれば「いい意味でも悪い意味でも山内らしい試合」だったように思うなぁ。ラウンド数の短いKrashルールになっても、相変わらずスロースターターなのは気になるけど、まあ今年最後に「自分らしい試合をして勝てた」というのは本人にとってもプラス材料になるんじゃないかなぁ。

山内の次戦の相手はドラゴ。オーレ・ローセンアルバート・クラウス寒川直喜佐藤嘉洋をも破っている強豪にして、山内自身もK-1MAXの舞台で一度は敗れている選手である。あの強烈なプレッシャーと山内のスロースターターぶりは相性が悪いように感じるが、序盤をしのげば山内なら絶対に勝てる相手だと思うし、山内はそれだけの実力がある選手だと思う。山本優弥だって勝てたんだ、山内が勝てないワケがない!


来年二月、日本のファンに吉報が入ることを祈る。



雑感

う〜ん、ぶっちゃけ二試合観戦しただけなのに、総括のようなものを書くのは失礼だよなぁ(苦笑)。ま、今日の興行で僕が感じたのは「やっぱり、これからは平日の興行観戦は本当にキビしくなるなぁ」という事だね。あ〜っ、卜部弘嵩の試合、観たかったなぁ…。


とりあえず、僕が観た試合は二試合とも好きな選手が勝ってくれたので、今日は「ヨシっ!」としなきゃいけないかな。でもなぁ…。卜部弘嵩の試合、観たかったなぁ…。


以上、長文失礼。