3/23 大相撲 平成二十年大阪場所 千秋楽 結びの一番のみ観戦記

いよいよ五月場所!そこで、前回の場所をプレイバック!

…したいんだけど、さすがに一ヶ月以上も経過した今となっては、どんな場所だったかを総括するのも一苦労というかねぇ(苦笑)。


んで、当時の印象を必死に思い出しつつネットなんかを漁ってみると…成程、大阪場所は大関陣がいつも以上にダメな場所だったのね。う〜ん、序盤の魁皇の好調ぶり(とにかく、足が動いていたね)を見ていると、まさか8勝7敗に終わるなんて想像もしなかったんだが…。残念だ。


そんなダメなベテラン上位陣はさておいて、三賞を受賞した力士を見てみると…。

殊勲賞:琴奨菊(番付は関脇、八勝七敗ながらも朝青龍から金星)
敢闘賞:黒海把瑠都(共に十二勝三敗)
技能賞:栃煌山(十一勝四敗)

ふむ、この中では把瑠都栃煌山といった若い力が台頭が目に留まるね。関脇の安馬や、小結の稀勢の里が8勝7敗で今場所も番付をキープしていることを含めて…いよいよ角界にも「世代交代の波」が押し寄せてきているという事ですな。

千秋楽、結びの一番 またしても東西横綱による相星決戦、だが初場所の時とは事情が違う

朝青龍(185cm/147kg/高砂/モンゴル/横綱/十三勝二敗)
白鵬(192cm/155kg/宮城野/モンゴル/横綱/十二勝三敗)
[小手投げ]
朝青龍が二十二回目の幕内最高優勝

大阪場所について、僕は辛口な感想を持ちました

さてさて。平成二十年大阪場所の優勝戦線は初場所と同じく「横綱同士の相星決戦」となった。この状況だけ見れば「さすがは横綱!」と言いたいところだが、両者の相撲内容は決して良いものではなかった。


朝青龍は十一日目までは「向かうところ敵なし!」という圧倒的な強さな上、ついでに勝った後の「ダメ押し」も随所で出しまくりで土俵を我が物顔で席巻していたものの…。十二日目の一番で琴奨菊に懐に飛び込まれると、廻しを捕ることも出来ずに寄り切られて完敗。続く十三日目には琴光喜との左四つの攻防からアッサリと崩れ、まさかの連敗となった。

正直、十二日目の負け方は『横綱』という肩書きからは程遠いような情けない負け方であり、朝青龍ファンの僕は大いに失望させられたものだった。横綱なんだから、もっとしっかりしてくれよ…。


対する白鵬だが、こちらも内容が悪い。持病の腰痛が場所中に悪化したという白鵬は、四日目の安美錦にて「本当は横から攻めようとしただけ」という立ち会いの変化についていけずに惨敗。それでも、その後は順調に白星を重ねたが…、十二日目に大関千代大海の右喉輪を前に上半身と下半身がバラバラになり、最後は得意技の引き落としの前に敗れ去ってしまった。

これに関して、十二日目の敗戦は「千代大海の得意な型に嵌ってしまった」という感じだが、四日目に関しては勝った安美錦ですら「こんなつもりじゃなかった、申し訳ない」と後悔するような内容で、「調子の良い時の白鵬であれば…」と思わずにはいられない、痛い黒星である。

大一番なのに、こんなにアッサリと終わっていいの?

とまあ、そんなこんなで…どこかピリッとしない状況で迎えた優勝決定戦は、そんな大阪場所の両横綱の状態を象徴するような一番となった。


立ち会いの後、まず白鵬が左下手を差すと、右上手を狙いながら一気に前に出る。初場所とは打って変わっての速攻勝負に出た白鵬だが、勝負を急ぐあまり上半身が前に出過ぎてしまった。バランスを崩した白鵬に対して、朝青龍は右脇で白鵬の左腕をガッチリと極めて小手投げ一閃。左腕を深く差していた白鵬は、抵抗できずにそのまま土俵下へと一直線。こうして大阪場所の大一番は、なんともアッサリと決着がついたのだった。


験の良い大阪で、貴乃花と並ぶ二十二回目の優勝を決めた朝青龍は土俵の上でガッツポーズを決めると、花道を歩きながら大阪のファンの声援に応え、優勝インタビューでは「大阪好きやで!ホンマに好きやで!まいど!おおきに!」と叫んでファンの大喝采を受けた。北の富士曰く「なんだか『最初から準備していた』かのような台詞だなぁ(苦笑)」。ま、強い奴は何を言ってもいいんですよ、ええ。

誰が横綱なんだか、わからんわい

しかしまあ、初場所の相星決戦は「大一番の末に白鵬の完勝」だったと思うんだけど…、今場所に関しては「焦るあまりに白鵬が自滅した」としか言いようがないよ。なんでまた白鵬は、ロクに朝青龍の廻しを取らないまま前に出たのだろうか?確かに十二日目の琴奨菊は、同じ形で朝青龍に勝っているけど、あの時の琴奨菊は上半身と下半身が安定していたしなぁ。同じ型にハマっておきながら横綱の方がバタバタしてしまうのでは本末転倒、というかねぇ。なんだかなぁ。

雑感

とまあ、両横綱に関しては「負ける時の内容の悪さ」が目立ったけど…。最初にも書いた通り「若い力の台頭」を感じさせる場所だったのも事実かな。序文で書かなかった若手力士では、初場所で技能賞を獲った鶴竜(大阪場所は前頭筆頭)も六勝九敗で健闘、豊真将は番付を落としながらも九勝六敗。うんうん、いい事だ。


んで、以上のことを踏まえて春場所の番付を見てみると…アレ?小結に朝赤龍がいる。なんだか意外な感じだが、前頭筆頭で八勝七敗なら小結になれるわな。んで、敢闘賞を受賞した黒海把瑠都は共に前頭筆頭。二人とも大器なだけに、春場所では上位陣を喰う活躍を期待したいね。鶴竜は前頭三枚目に踏み留まり、栃煌山は前頭五枚目に昇進。こちらも三役昇進に向けて虎視眈々といったところか。そして三役が安定した感のある安馬稀勢の里は、この場所を切欠にして大関昇進への道を歩んで欲しいところだ。


というワケで、今の相撲は上位陣を見るよりも、若手の活躍を見ていた方が面白いのです。ま、お試しでいいから、上に書いた力士に注目しながら大相撲のTV放送でも見てみて下さいな。


以上、長文失礼。どすこ〜い!