3/22 ボクシング・亀田興毅復帰戦 幕張メッセ興行 一試合のみ観戦

あ〜あ、とうとうこうなっちゃったかぁ…

今秋にも興毅vs坂田…協栄ジムと契約解除

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20080510-00000009-spnavi_ot-fight.html

ボクシングの元WBA世界ライトフライ級王者の亀田興毅(21)、弟の大毅(19)と、所属する協栄ジムの選手契約が9日、正式に解除された。この日、同ジムと亀田プロモーションが、それぞれ契約解除の合意書にサインをした。9日付で無所属となったことで、興毅が協栄ジム所属のWBA世界フライ級王者・坂田健史(28)に挑戦することが可能となった。現在、興毅はWBA一位にランクされ、指名挑戦者としての資格を有しており、早ければ今秋にも"因縁マッチ"が実現する。

ふ〜む、「協栄ジムと亀田一家の関係が悪化している」という噂は、昨年10月11日の『事件』(http://d.hatena.ne.jp/Mask_Takakura/20071011)以来、ずっと絶える事がなかった話だけどねぇ…とうとう、ここまで話がこじれちゃったかぁ。「毒入りオレンジ事件」で有名な協栄ジムですら、亀田一家を飼いならす事はできなかったのね。


ってなワケで、このニュースを見ながら思い出したのが「そういえば、この前の興毅の試合の観戦記を書いてないなぁ」って事。まあ、こういうのは思い立ったが吉日。今更ながらビデオテープ(我が家は未だにビデオなんです)を引っ張り出して、ゆっくりと観戦してみた。ついでに観戦記も書いてみた。本当に『今更!』な話ではあるんだけどね。

う〜ん、感想らしい感想が出てこないなぁ

フライ級 3分10R
亀田興毅(165cm/50.80kg/WBC世界フライ級 三位 & WBA世界フライ級 一位)
●レクソン・フローレス(162cm/50.58kg/フィリピン/WBAライトフライ級 十三位 & WBO世界ライトフライ級 二位)
[判定 3−0]

今までは必要以上にド派手な入場シーンで話題を提供していた興毅だが…例の事件後の試合の為か、今回はかなり地味な入場に終始。セコンドには末弟の和毅の姿が。今日の対戦相手は一階級下のフローレス。成程、並んでみると興毅の方が大きいように見える。


1R、両者が様子を見る中、興毅が接近戦で放った左のショートフックがクリーンヒットし、フローレスはダウン。う〜ん、これは狙った一発じゃなくて、たまたまタイミングよく当ったダケだな。んで、形はどうあれ試合のイニシアチブを握った興毅だが…要所で固め打ちを見せるものの、必要以上に深追いはせずに相手の出方を伺う。そういえば興毅は基本的に、カウンター狙いの選手だったっけ。


迎えた4R、クリンチの離れ際、フローレスの右フックがクリーンヒット。反則スレスレの攻撃を前に激高するかと思いきや、興毅は冷静さを失わずに右のボディでお返し。その後、フローレスはこれまでよりも前に出て大きなパンチを振り回すも、興毅はカウンターを返して応戦。ここまでの攻防は互角だが、1Rのダウンの分だけ興毅が有利だね。


この後も興毅は要所で左のカウンター、左右のボディを叩き込んでいく。フローレスは大振りなフックを振り回して応戦するも、要所でカウンターを喰らい続けた結果、ラウンドが進む毎に下がる場面が増えていった。興毅はノーガードでの挑発を交えつつ、前に出て尚もパンチを入れ続ける。流れは完全に興毅のものだ。


9R、前に出てきたフローレスに興毅の左フックがクリーンヒット。グッタリするフローレスを見た興毅が一瞬、ラッシュを仕掛けるも…今日はそれほどKO勝利には拘っていないようだ。この後、興毅は最後まで積極的に前に出てパンチを繰り出して試合をリードしたが、相手を強引に攻めるようなシーンは一度もなかった。


試合終了、ジャッジの判定は100-91、100-91、100-90でいずれも興毅。まあ確かに、フローレスが試合をリードしていた場面はなかったような気がする。勝った興毅は試合後のインタビューで「変な試合になってしもうたなぁ、申し訳ないなぁ」「練習が足りんなぁ」「いや〜っ、悔しいなぁ」と、KO勝ちが出来なかった事実に対して反省することしきりだった。

雑感

う〜む…。僕は素人なりに、この一年間で色々な日本人の世界王者(元王者を含む)を見てきたけど…。


強烈なパンチと華麗なスウェー、そして勝ちパターンをシッカリと持って王座防衛を重ねる長谷川穂積。人生最後のタイトル戦で、一貫して強烈なパンチを振り続けた川嶋勝重。真正面から相手を撃破し、七度目の王座防衛を果たした新井田豊。そして大振りなフックを中心とした、変則的なスタイルでポンサクレックと互角に渡り合った内藤大助


これら四人の選手と比べると…そのキャラクターこそ個性的であれど、興毅の試合スタイル自体はどこか消極的でつまらないんだよなぁ(笑)。今日の試合でもKO勝ちを修めていれば、それなりにカッコ良く見えたんだろうけど…。クリーンヒットが多いのにダウンが奪えないのは、破壊力が今一つって事だよなぁ。闘い方は正直すぎるくらい正直だし…正直、今の興毅ではポンサクレックあたりには絶対に勝てない気がするなぁ。まあ、噂されている坂田との試合なら勝機はあるかもね。坂田はスロースターターな上、序盤にポカをやらかす癖があるからさ。ま、その分だけ後半の追い上げがかなり厳しいんだけど。


それにしても協栄ジムという強力な後ろ盾を失い、トレーナーだった父がボクシング界を追放されてしまった今の興毅が、再び世界王座へ挑戦するようなチャンスはそうそうないだろうなぁ。ひょっとしたら、坂田との試合は「最後の世界王座挑戦」になるかもね。


とりあえず、僕としては…たとえファイトスタイルは面白くなくても、たとえ王座奪取の際には政治力が強く働いていたとしても、一度は世界王者になった選手がこのままメディアに消費されてしまうのは「なんとなく嫌」なので、興毅には逆風に腐らずに頑張って欲しい。またTBSは、彼が小さい頃からずっとカメラで追って来たのだから、こんな状況になったとしてもしっかりと彼の足跡を追ってほしい。それがメディアとしての義務なんじゃないかな。


以上、偉そうで失礼。