1/10 ボクシング(二大王座戦) 大阪府立体育館興行 TV観戦記
いやいや、今朝まですっかり忘れてたなぁ
「あ、忘れてた。今日は長谷川の防衛戦があるんだった。ボヤボヤした日記を上げてる場合じゃないや」ってなワケで、今年最初の観戦記はボクシングに。う〜ん、新日本プロレスと全日本キックの観戦記も書かなきゃいかんのだけどなぁ。
さてさて。日テレが放送するボクシングの世界王座戦は「二大王座戦」とか「三大王座戦」が多い気がするのだが、今日放送される試合もまたまた「二大王座戦」。う〜ん、日テレは「二時間枠をボクシング一試合では埋められない」と考えているんだろうなぁ。
シドレンコ、あなたはやっぱり強かった…
WBA世界バンタム級 タイトルマッチ 3分12R
○ウラジーミル・シドレンコ(162cm/53.4kg/ウクライナ/WBA世界バンタム級 王者)
●池原信遂(169cm/53.5kg/大阪帝拳)
[判定 3−0]
※シドレンコが防衛に成功
僕は先週、たまたまテレビに映っていた「ダイナミック・グローブ」で二人の紹介映像を見ていたのだが…。その映像を見た感想は「池原がシドレンコに勝つ可能性は低いだろうなぁ」ってな具合。なんていうか、モノが違うというか、キレが違うというか、破壊力が違うというかねぇ。
序盤、リーチで7cmも優りながら前に出てのインファイトを挑んだ池原だったが…、目立ったのはシドレンコの恐るべきパンチの破壊力だった。2R中盤、4R前半に強烈なストレートを叩き込んで池原をヨロめかせる。う〜ん、アマチュア270戦の実績は伊達じゃないねぇ。
中盤、5Rには右アッパーをヒットさせた池原が攻勢に出る場面もあったが、シドレンコは足を使って体勢を立て直すと右アッパー、左右フック、そしてボディブローで再びペースを握る。池原も手数多くパンチを繰り出して応戦したが、細かい場面でのクリーンヒットの数が違っていた。う〜ん、シドレンコは巧い。
終盤、しつこく前に出続けて休みなくパンチを出し続ける池原に対して、シドレンコが疲れを見せる場面もあったが…10R終盤には強烈な右ストレート〜左フックで池原をグラつかせる等で印象点を稼いでいく。
試合は判定へともつれ込むも、シドレンコが116-112、118-110、119-110とジャッジ三人の支持を得て勝利した。
「ダイナミック・グローブ」で見たときの印象よりは池原がよく喰らいついたように感じたけど…なんていうか、細かい部分での技術差は大きかったかな。シドレンコは相手の打ち終わりにパンチを入れるのが巧かった。
長谷川よ、やっぱりあなたは強かった!
WBC世界バンタム級 タイトルマッチ 3分12R
○長谷川穂積(168cm/53.4kg/真正/WBC世界バンタム級 王者)
●シモーネ・マルドロット(170cm/53.3kg/イタリア/WBC世界バンタム級 一位)
[判定 3−0]
※長谷川が防衛に成功
「日本のエース」と紹介されながらも…今一つ、陰の薄い存在になっている長谷川穂積。う〜ん、この人は本当に強いチャンピオンだと思うんだけどねぇ。世界王者を四度も防衛している実績はもっと世間に知られてもいいと思うんだが…。
そういえば長谷川といえば、昨年九月に発表された「世界王者のジム移籍劇」には大いに驚いたなぁ。よく千里馬神戸ジムがOKを出したモンだ。
序盤、サウスポーの構えから右のジャブで牽制しつつ、左ストレート&フック、そして左右ボディをブンブンと振るう長谷川。前回の試合とうって変わって、積極的な攻めを見せる長谷川に観客から歓声が上がる。対するマルドロットは構えをスイッチしながらジリジリと前に出てパンチを放つも、長谷川は積極的にパンチを繰り出して迎撃。
長谷川は2R、相手のパンチで左目尻をカットするアクシデントに見舞われるも、4Rには固め打ちで観客を沸かせる。
4R終了時のオープンジャッジの結果は40-36、40-36、39-37、ジャッジ三人は全員長谷川を支持。僕も40-36で長谷川かな。
中盤、左目尻のカットこそ目立つものの、長谷川の攻めは変わらず。サウスポーに構えて右で牽制しつつ、強烈な左を放つスタイルだ。対するマルドロットは前に出て一定の距離から単発のパンチを顔や腹に放ち、時折インファイトを仕掛ける。
6R、マルドロットの左右フックがヒットする場面もあったが、長谷川は打ち合いの場面では一歩も引かずにパンチを振るう。7R終盤には右フック〜左ボディがクリーンヒット、8R終盤にも壮絶な打ち合いの中で左ストレートがクリーンヒット。う〜ん、長谷川はやっぱり強い。
8R終了時のオープンジャッジの結果は78-74、78-74、79-73、ジャッジ三人は全員長谷川を支持。僕は79-73で長谷川かな。マルドロットは打ち合いを挑む場面での果敢な攻めは評価できるけど、距離が離れた時の打撃戦はかなり単調かも。
終盤、長谷川はこれまでの闘い方から一転、得意のスウェー&ダッキングを駆使しての逃げ切り体勢。マルドロットはこれまでと変わらず前に出続けるも、長谷川が打ち合いを望まないために攻めが単調に。逆転狙いの大振りなフックを放つマルドロットに対し、長谷川はその打ち終わりにパンチを合わせる。
11R中盤、マルドロットのフックが連続ヒットする場面もあったが、長谷川はすぐに左ストレートと右フックを叩き込んで自らをフォロー、終盤には再び左ストレートを叩き込む。12R終盤、挑戦者が挑んできた打ち合いの場面では、一歩も引かずにパンチを連打するなど、最後までマルドロットに試合のペースを握らせなかった。
試合終了、ジャッジ三人の判定結果は116-112、117-111、118-110。3−0で長谷川が同王座の五度目の防衛に成功した。
うん。前回の試合とは一転、今日の長谷川は素晴らしかったね。攻めも積極的だったし、見せ場も作ったし。まあダウンを奪う場面がなかったのは残念だったけど、反対に危ない場面もまったくなかたっしねぇ。まったく文句がないです、ハイ。
それにしても、日本にはこんなにも強い世界王者が存在するのに、その存在が世間一般にあまり知られていないのは残念だなぁ。日テレもTBSばりに大売出しキャンペーンを展開すればいいのに。
雑感
なんていうか、やっぱり長谷川は強いねぇ。「ラスベガスでの防衛戦」はなかなか実現しないみたいだけど、これからも諦めずに頑張ってほしいところ。「王者になっても尚、夢に向かって努力を続ける男」の今後に期待したいねぇ。
以上、長文失礼。