7/28 亀田の夏祭り 有明コロシアム興行(地上波) 簡易観戦記・改

状況が一転したので、最後に文章を追加しました。



今時の日本人は、夏祭りを望む人より、韓国と闘う日本を見たがる人の方が多いようです

サッカーのアジア杯の三位決定戦「日本 vs 韓国」の中継を裏にまわして放送された、TBSのキラーコンテンツ「亀田の夏祭り」だが…。残念ながら視聴率は16.5%と伸び悩む結果に(ちなみにサッカーは24.2%だそうで)。ふ〜む、世間の亀田離れも激しい上に、サッカーを敵に回せばこの視聴率も「やむなし」なのかなぁ。

とはいえ、かつては50%に手の届きそうな数値を叩き出していた事を考えると、この数値はいかにも寂しいねぇ。ま、また世界王座戦をやれば、多少は視聴率も回復するとは思うけど…。


ってなワケで、今回は同門の坂田健史が持つWBA世界フライ級への挑戦権を争う亀田兄弟。トレーナーの亀田史郎氏曰く「試合内容が良い方が坂田に挑戦する」そうなんだけど、なんで内藤大助には挑戦しないのかね?。イヤ、何となく理由はわかるんだけどさ。

第三試合 ちゃんと試合をする弁慶を見るのは久しぶりな気がする

51.5キロ契約 3分10R
亀田大毅(168cm/51.1kg/協栄/WBA世界フライ級 十位)
●ファーペッチノーイ・クラティンデーンジム(身長未調査/51.5kg契約/タイ/WBC世界フライ級 十五位 & 元WBCユースフライ級 王者)
[判定 3−0]

「浪花の弁慶」、今日は範馬勇次郎が「唯一、認めた男」と紹介されて入場。ふ〜ん、興毅や和毅の事は認めてないのね。


リングを周りつつ距離を置いてアウトボクシングを展開するファーペッチノーイに対し、大毅はガードを固めてのカウンター狙い。序盤は手数多く攻めるファーペッチノーイが主導権を握るも、大毅が反撃を開始した途端にアナウンサーが「ファーペッチノーイが下がる場面が多くなってきました!」と絶叫。

呆れたなぁ。ファーペッチノーイは基本的には下がりながら試合を作っているんだよ。ホント、最近のアナウンサーの実況って、その時の気分で喋っちゃうんだよなぁ。いい加減にして欲しいね。


とまあ、序盤は手を出さずに様子見モードの大毅だが、徐々にプレッシャーを強めると、クラティンデーンジムはコーナー際へ追い詰められるシーンが多くなる。1Rから変わらず、ガッチリとガードを固めてズンズン進む大毅に対し、ファーペッチノーイは下がりながらガードの上にパンチを連打。それでも前に出る大毅、相手を追い詰めて顔面にパンチを繰り出すも、ファーペッチノーイにかわされる…という展開が続く。

あらら、軌道を読まれちゃってるよ、とりあえず顔面にパンチを集めすぎなんじゃないかなぁ。


それでもラウンドが進むと、大毅のパンチが当たるシーンも増え、徐々にファーペッチノーイの動きが落ちてくる。ふ〜む、試合全般を通してチョコチョコと放っていた右のジャブが良かったのかな。

んで、コーナー際に追い詰めて強めのボディを連打する大毅。「いよいよ試合は大毅ペース」となった8R、大毅は右ストレートをガツンとヒットさせて一気にラッシュを仕掛ける。仕留める事はできなかったが、これで試合を決定づけた大毅は、これ以降も要所でガードの下がったファーペッチノーイにパンチの連打を浴びせる。とりあず、序盤の手数の少なさをカバーするには充分な攻めだねぇ。


試合終了。判定の結果は3−0で大毅が勝利。解説席の面々は「大毅のパンチは多彩になった」と褒めていた。う〜ん、これで多彩になったの? 昔の大毅って、どれだけパンチの種類が少なかったんだよ…。


さてさて。久々に大毅の「まともな試合」を観戦したんだけど…。まあ、確かにこのクラスの選手としては「強いね」と感じさせるだけの内容だったと思うけど…、じゃあ「これが世界戦だったら?」となるとねぇ…。

パンチがひたすら単調なのが気になるなぁ。顔面に打つなら顔面一辺倒、ボディに打てばボディ一辺倒。一撃KOする程の破壊力があるわけでなし、もっとコンビネーションを使わないと世界には勝てない気がするんだがなぁ。

あと、時折ピタッと動きが止まっちゃうのも「なんだかなぁ」と。もっとパンチを打つ選手と当たったら的にされちゃうぞ。

第五試合 なんだかんだで闘拳は安定している気がする

フライ級 3分10R
亀田興毅(166cm/50.7kg/協栄/WBA世界フライ級 一位 & WBCフライ級 三位 & 前WBA世界ライトフライ級 王者)
●セサール・ロペス(160cm/50.8kg契約/米国/元NABA北米スーパーフライ級 王者 & 元NABA北米フライ級 王者)
[判定 3−0]

今年限りで引退が噂されている千葉真一の紹介で「浪花の闘拳」が入場。Survivorの「Burning Heart」を入場曲として、ゴンドラで運ばれて入場する興毅。なんだかバブル期の結婚式みたいな入場シーンだったけど、とりあえずBurning Heartはカッコいいねぇ。

Survivor「Burning Heart」


試合は、両者ともに足を使い、一定の距離を置いての攻防に。

お互いにリングを周りながらパンチを交差させる中、興毅は遠距離から右のフリッカーを連発。ふ〜ん、こんな事もできるんだねぇ。時折、ロペスが前に出てコンビネーションを繰り出すも、興毅はガッチリとガードを固めてカウンターを放つ。そして興毅が前に出れば、今度はロペスが同じ事を返していく。ふ〜む、なかなか面白い試合だな。


だが4R、興毅はパンチを上下に散らしてロペスのガードを崩し、パンチを次々に叩き込む。多少、前に出るロペスに追い詰められる場面もあったが、興毅は要所でクリーンヒットを連発して試合をリード。そして中盤以降、ボディを効かせてロペスの体力を奪った興毅は前に出続けてパンチを連発。1Rと比べてロペスが下がる場面が多くなる中、興毅は手数が少なくなったロペスに対して更なるプレッシャーを掛ける。


終盤、ロペスは劣勢を挽回すべくパンチの手数を増やすも、興毅のプレッシャーは治まることはなく、逆に前に出てボディや顔面にコンビネーションを連発。10R、パンチの連打を喰らったロペスの腰が浮くと、興毅は一気にラッシュ。嫌がるロペスは背を向けて逃げまくり。興毅は追いかけてパンチを連打するも、無理にKOを狙う様子はなかった。


試合終了。判定の結果は3−0で興毅の勝利。ま、今日は完勝といってもおかしくないんじゃないかな。


うん、KOを期待する亀田ファンが満足する内容だったかどうかはともかく、今日の興毅の試合内容はなかなか良かったんじゃないかなぁ。正直、大毅の試合内容とは雲泥の差というかね。この内容なら、世界王座の挑戦は興毅で決まりでしょ。

…ええ、色々と知ってて書いてますとも。

雑感

結局、トレーナーの亀田史郎氏は坂田への王座挑戦者を大毅する事を発表。「いや〜っ、お父さんも随分と血迷ったねぇ。恐らく、試合後のピアノの弾き語りに感動しての事なんだろうけど…」、な〜んてね。


ま、お父さんは最初から大毅を挑戦させるつもりだったんだろうさ。実力で一枚劣る大毅の場合は、こうでもしない限りはなかなか世界王座に挑戦できないと思うし。まあ「果たして大毅は、ボクシングの世界最年少王者の記録を塗り替えられるかっ!?」っていうのは大きな話題になるだろうし、たとえ大毅が負けても「次は兄貴が敵討ち!」って感じでドンドン話題を作れるしね。そして何より、これらの大きな話題を協栄ジムの中の力だけで作れるのが大きいよ。ズバリ言って「内藤に挑戦しているヒマなどない!」って感覚なんだろうねぇ。金は天下の回り物とはよく言ったもんだ。


ってなワケで、政治的に協栄ジムを敵に回した内藤だが、これを受けて彼がどういう話題作りをしていくか、大いに注目していきたいと思う。頑張れ内藤。


以上、簡単すぎて失礼。



急転直下!大毅が内藤に挑戦!

ここに来て、驚くべきニュースが飛び込んできた!

元ネタ(スポナビへのリンク)

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20070805-00000011-spnavi_ot-fight.html

 ボクシングの亀田大毅(18)=協栄=が、WBC世界フライ級王者・内藤大助(32)=宮田=に挑戦することが濃厚となった。現地3日(日本時間4日)、大毅の父・史郎氏(42)がメキシコシティーにあるWBC本部を訪れ、マウリシオ・スライマン事務局長(37)から大毅のフライ級ランクインを“約束”された。最新ランキングで世界挑戦権を有する15位以内が決定的となり、今秋に計画する世界戦が現実的となった。“浪速の弁慶”が、世界王座奪取の最年少記録をかけ今秋、WBCの王座に挑む。

ほほう、これはまた大胆な意趣返しだねぇ。やっぱり「同門対決はご法度」なのか、それとも「勝つ算段」がついたのか、それともそれとも実はタダのハッタリで、蓋を開ければWBCのランカーになれずに挑戦はなし…ってな展開でお茶を濁すのか。もし大毅が挑戦すれば、その実力の真価を問われる一戦になりそうだけど、どうなることやら。


この話の行く末には大いに注目したいと思う。