7/27 PANCRASE 後楽園ホール興行 観戦記

なんだか色々と盛り沢山です

本日は後楽園ホールPANCRASEを観戦。


今日のPANCRASEは小ネタが盛り沢山。前座は「日韓対抗 三対三」と称して、日本人vs韓国人の対抗戦を行なう。そしてそれが終われば、NEO BLOOD TOURNAMENT勝戦が三階級で行なわれる。そしてセミファイナルとメインイベントには bodog からの刺客も出場。う〜ん、今日の興行に大きな話題はないけれど、そこそこ注目したくなるカード編成をしているかもなぁ。


ってなワケでチケットを購入、5500円。う〜ん、最近のPANCRASEは立見席を出さないから高くつくなぁ。観客の入りは約7割。う〜ん、それなりに話題性は豊富だと思うんだけど、観客動員数は相変わらず低迷しているなぁ。やっぱり、一つ一つの話題が小粒なのが悪いのかねぇ。

第一試合 伊藤さん、現役続行のようです

日韓対抗 三対三 先鋒戦 ライト級 5分2R
伊藤崇文(176cm/78.0kg/PANCRASE ism/PANCRASEライト級 二位)
△カク・サジン(168cm/72.5kg/韓国/チーム タックル)
[判定 0−0]

この試合は引退も噂されていた伊藤崇文の復帰戦だったが…、残念ながら未観戦。


人の話によると、伊藤はセコンドをつけずに入場。北岡が観客席から必死に声援を贈っていたが、その声とは裏腹に伊藤はサジンに苦戦。その試合ぶりに愛想をつかせたのかどうかは判らないが、北岡は2R途中で席から去ってしまったらしい。何があったのやら。


ってなワケで、判定の結果はドローだったそうな。う〜ん、この試合はちゃんと観たかったんだけどなぁ。正直、かなりガッカリだよ。

第二試合 坂口さん、勝たせてもらったようです

日韓対抗 三対三 中堅戦 ウェルター級 5分2R
坂口征夫(177cm/74.2kg/TEAM坂口道場)
●チェ・キーソク(166cm/74.0kg/韓国/チーム タックル)
[1R 44秒 スタンディング・チョークスリーパー]

この試合はプロデビュー戦で思わぬ敗北を喫した「荒鷲二世」坂口征夫のプロ二戦目なんだけど…、なんというか、試合前から思わず目を奪われる程に、対戦相手のチェとの体格差は歴然(身長差で11cm)。なんというか、ここまで露骨な「負け役」というのも、今時珍しいような。


ってなワケで、応援団の大歓声の中で行われた坂口のプロ第二戦は、あっという間の秒殺劇に。リーチ差を克服すべく必死に積極的に接近してパンチを放つチェだったが、坂口は首相撲から膝蹴りを乱打し、怯んだチェの背後からスタンディング・チョークスリーパーを極めた。応援団の大歓声の中、チェがギブアップして試合は終了。


う〜ん、これはなんとも酷い試合だなぁ。確かに坂口のデビュー戦は敗戦に終わったけど、だからといってここまで格下の選手を充てるとはねぇ。正直、かなりガッカリだよ。

第三試合 村山さん、本業で負けたようです

日韓対抗 三対三 大将戦 フェザー級 5分2R
○ジョン・ジンソク(170cm/68.0kg/韓国/ウルフ チーム マックス)
●村山トモキ(170cm/61.0kg/AJジム)
[1R 40秒 KO]
※パンチ連打

全日本キックの本隊であるAJジムより、総合格闘技への挑戦を続けている村山トモキだが、やはり勝手が違うせいか勝ち星には恵まれていない。今回はNEO BLOOD TOURNAMENT明けの一戦、敗戦の屈辱をこの試合で晴らしたいところだが…。


試合開始直後の序盤戦の中で、対戦相手のジョン・ジンソクが牽制で放った左ストレートが村山の顔面にモロにヒット。腰がガクッと落ちた村山にジョンがラッシュを浴びせ、ダウンしたところにサッカーボールキック。尚も追撃するチェをレフェリーが止めた。


ぬぬぅ、キックボクシング出身の選手が打撃戦で負けてはイカンでしょ。村山にはそれなりに期待しているんだけどなぁ…。正直、かなりガッカリだよ。もっと頑張れ、村山っ!

試合なし 吉本さん、マイクはスベッていたようです

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 フェザー級勝戦 5分2R
吉本光志(AJジム)
●宮城友一(P's REAL)
[不戦勝]
※宮城の引退による/吉本が優勝

本来はこのタイミングでフェザー級 NEO BLOOD TOURNAMENTの決勝戦が行われる予定だったのだが、なんと試合に出場する予定のあった宮城友一が引退してしまった為、試合が中止となってしまった。何でも宮城は、旅行先の北海道でカヌーによる川下りをしている間に大事故に遭い、人生を考え直したんだそうな。う〜ん、人生いろいろ。


こうして、準決勝戦で一度は反則負けの憂き目に遭った吉本が、決勝戦では労せず優勝を飾った。優勝コメントを求められた吉本は、息巻いた口調でフェザー級王者である前田への挑戦意思を表明していた。観客は唐突な吉本の強気な態度にやや面食らっていた様子。


まあ、かく言う僕も呆気にとられたんだけどさ(苦笑)。吉本のマイクには…正直、かなりガッカリだよ。

第四試合 五十里さん、入場曲の「抱きしめてTONIGHT」(田原俊彦)はよかったです

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ライト級 決勝戦 5分2R
五十里祐一(169cm/75.0kg/PANCRASE P's LAB東京)
松本晃市郎(171cm/70.0kg/今田道場)
[判定 3−0]
※五十里がライト級 NEO BLOOD TOURNAMENT 優勝

ライト級 NEO BLOOD TOURNAMENTの決勝戦は、PANCRASEに所属する選手の中では唯一、決勝戦に残った五十里祐一と、一回戦で逆転KO勝利を飾った松本晃市郎による対戦。PANCRASE所属選手という事もあり、個人的には五十里を応援。


んで、試合は単調だったのでダイジェストで。GRABAKA系のジムである今田道場に所属する松本は1R序盤にグラウンドでマウントを奪うも、これを五十里がリバースしてからは一方的な展開に。上になってコツコツとパンチを落とす五十里、2Rも上になって同じ事の繰り返し。

お互いに決めてに欠けた上、2R中盤にはスタミナもボロボロの状態だったが、上になる機会が多かった上、2R終盤にはマウントパンチを落としまくった五十里が判定3−0で勝利した。


うん、五十里の勝ち方は一回戦と同じような闘い方だったので、基本的にはレスリングで勝負する選手だという事が判ったぞ。ただ同時に、極めっ気にも欠ける選手だという事も判っちゃったけどね…。とりあえずは「優勝おめでとう!」というコトで。まあ試合内容には「正直、かなりガッカリだよ。」って感じなんだけどね。

第五試合 ヨシロックさん、やっぱりあなたは強かった

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ウェルター級 決勝戦 5分2R
○ヨシロックT(174cm/74.2kg/和術慧舟會A-3)
●高田谷悟(175cm/78.0kg/格闘技吉田道場)
[1R 3分12秒 KO]
※グラウンドパンチ連打/ヨシロックTがウェルターNEO BLOOD TOURNAMENT 優勝

ウェルターNEO BLOOD TOURNAMENTの決勝戦は、好勝負を期待できそうな一戦に。既に本戦で実績を残しているヨシロックTと、一回戦で鮮やかな腕十字を披露して一本勝ちを修めた高田谷悟との一戦だ。ふ〜む、この一戦は楽しみだな。


てなワケで試合。試合開始直後から、レスリングをベースに持つ高田谷がしつこくタックルを仕掛けるも、ヨシロックはこれを抑え込んで高田谷を亀の状態にすると、横から鉄槌を連打していく。最初は抵抗していた高田谷もやがてグッタリ、尚もパンチを連打するヨシロックをレフェリーが止めた。


う〜ん、一回戦の鮮やかを観た時は「高田谷ならヨシロックを止められるかも」と思っていたが…、やはりヨシロックは強かったかぁ。いやいや、終わってみればブッチギリの優勝劇だったなぁ。「出来レース」と思える程の結果には正直、かなりガッカリ…するような事ではないな(苦笑)。

第六試合 藤井さん、一回戦で観せたスピニング・チョークをもう一度…

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ミドル級 決勝戦 5分2R
○藤井陸平(185cm/81.2kg/和術慧舟會RJW)
●岩見谷智義(173cm/85.0kg/高田道場)
[判定 2−0]
※マスト判定 3−0/藤井がミドル級 NEO BLOOD TOURNAMENT 優勝

ミドル級 NEO BLOOD TOURNAMENT勝戦は、一回戦で長身を利用したスピニングチョークを披露した藤井陸平と、PANCRASE ismの鳥生将大を破った岩見谷智義による一戦。正直、一回戦の闘いぶりを観る限りでは、藤井が圧勝すると思うんだけどねぇ。


というワケで試合。体格で圧倒的に優る藤井だが、スタンドでは大きな身体を持て余している上、パンチにも腰が入っていない。対する岩見谷は、得意のタックルで藤井をテイクダウンするも、こちらは一回戦と同じで「祈る」ばかりで次の一手が出てこない。

こうして、なんとも退屈な展開が続いたが、それでも1Rにパンチで流血を誘い、2Rはスタンドでリズムよく攻めた藤井が、マスト判定3−0で勝利した。


ぬぅ、正直、藤井の鮮やかな一本勝ちが観たかったなぁ。まあ、それでも藤井が優勝した事自体は「良かったなぁ」とは思うけどねぇ。でも、この試合展開には…正直、かなりガッカリだよ。いや、本当はちょっとガッカリ、程度なんだけどさ。

第七試合 福田さん、変わりすぎです、いい意味で

ミドル級 5分2R
福田力(182cm/90.0kg/KILLER BEE)
佐藤光留(174cm/79.0kg/PANCRASE ism/PANCRASEミドル級 三位)
[1R 1分9秒 KO]
※グラウンドパンチ連打

WJ出身にしてKILLER BEE所属の福田力は、最近までAKAなる打撃のジムで練習していたらしい。対する佐藤光留は、相変わらずのメイド服姿。本当に佐藤は、どこへ行こうとしているのやら…。


試合では福田が、AKAでの打撃修行の成果を存分に見せつけた。試合開始から間もなく、リーチ差を克服すべく飛び込んできた佐藤に左ストレートを叩き込むと、グラウンドでも上からパンチを浴びせる。佐藤は一旦脱出するも、再び上になった福田がパンチを連打すると万事休す。レフェリーが止めて試合は終了したが、ダメージの大きい佐藤は担架で運ばれてしまった。


正直、福田という選手は僕の記憶には薄かったんだけど、今日の試合は強烈なインパクトが残ったな。スタンドでもグラウンドでも打撃も的確だったしねぇ。しかしまあ、アメリカ修行だげで人はこうも変われるものなのかなぁ。凄いな。

そして佐藤は…。嗚呼、佐藤。いつから君は道化者の地位で満足するようになったのか…。正直、かなりガッカリだよ、本当に。

第八試合 アルドさんは、厄介な強さの持ち主だったなぁ

ライト級 5分3R
ジョゼ・アルド(175cm/70.0kg/ブラジル/ノヴァ ウニオン/bodog)
昇侍(171cm/69.0kg/K.I.B.A.)
[判定 3−0]

またまた bodog から刺客が送り込まれた。この試合に出場するジョゼ・アルドは、名門ノヴァ ウニオンに所属する選手である。対戦相手は、このところPANCRASEのライト級戦線でKOの山を築いている昇侍だ。この一戦、もし昇侍が勝てば、彼は更なる上のステージでの闘いも可能となるだろう。そういう意味では、非常に注目すべき一戦といえるだろう。


だが、実際の試合では、昇り調子の昇侍の勢いを殺すようなアルドの闘いぶりに、観客は声を失うことになる。


1R、昇侍は得意の打撃でアルドを攻めるも、アルドは逆に打撃を返していき、終盤にはテイクダウンを奪ってマウントへ移行。昇侍は隙を見て立ち上がったが、ここまでの展開は「非常に苦戦している」といえるだろう。

そして「昇侍はグラウンドに弱点がある」と見たアルドは、2R以降はグラウンドに固執して昇侍にスタンドの展開を許さない。何度もテイクダウンしては、何度もマウントを奪いにかかる。その都度、昇侍は必死に立ち上がるも、アルドはしつこくしつこく昇侍を倒し続ける。こうして試合の主導権は完全にアルドが握ったが…。アルドはポジション取りこそ巧いものの、肝心な極めっ気が皆無なのだ。

ってなワケで、昇侍がグラウンドで翻弄されるも、一本勝ちはなさそうだ…という展開が散々続いた末、アルドが判定3−0で勝利した。


う〜ん、試合内容はやや退屈ではあったけど、あの昇侍をここまで黙らせるのだから、やはりアルドは実力者ということになるのだろう。とはいえ、試合ぶりが面白い選手とは言い難いかな。こんな内容では、もう呼ばれることはないかもねぇ。

いやいや、こりゃ昇侍は負け損だったかな?もし、そうだとしたら…正直、かなりガッカリだよ。

第九試合 井上さん、またまた定位置に帰ってきちゃった

ウェルター暫定王者 決定戦 5分3R
井上克也(175cm/81.9kg/和術慧舟會RJW/PANCRASEウェルター級 二位)
ファブリシオ・ナシメント(176cm/77.0kg/ブラジル/ノヴァ ウニオン イタリア/bodog/PANCRASEウェルター級 五位)
[2R 2分33秒 KO]
※井上が暫定王者

この試合は本来、PANCRASEウェルター級王者である石毛大蔵が、井上克也を相手に王座防衛戦を行なう予定だったが、石毛は練習中の怪我の為にこの試合を欠場。かくして井上はbodogからの刺客、ファブリシオ・ナシメントとPANCRASEウェルター級の暫定王座を争そうことになった。あらら、井上はまたしても暫定王座になっちゃうのかねぇ。


1R、ナシメントは何かにとりつかれたかのように、突進しながら大振りな右ストレートを連発。対する井上は、自分から攻めずに様子見の状態。ナシメントの勢いが落ちるのを待っているのかな?

2R、大振りなパンチを連発したナシメントは、こちらの予想通りにスタミナ切れの状態に。そこで自ら井上をグラウンドへ引き込んだが、これが運の尽きだった。

ここまでロクに攻め込むことのなった井上はスタミナ充分。待ってましたとばかりに、狙いすました右のパンチを連続でナシメントの顔面に叩き込む。顔面にパンチを喰らい続けたナシメントはやがてグッタリし、レフェリーが試合を止めた。こうして井上は再びウェルター級の暫定王者に。


う〜ん、何の巡り合わせかは判らないけど、井上はなかなか正規の王者にはなれないよなぁ。ま、とりあえずは…来たるべき石毛との一戦に…正直、かなりガッカリ…イヤ、間違えた。正直、かなり期待しております。

雑感

う〜ん、ヨシロックや福田が鮮やかな勝ち方をしたけれど、全体的には今一つかなぁ。坂口の対戦相手にゲンナリし、打撃で倒れる村山に失望し、佐藤は非常に残念な存在となり、昇り調子の昇侍の敗北に正直、かなりガッカリだよ。

まあ、ひいきの選手がピリッとしなかったのが大きいのかな?試合内容自体はいい試合もあったけど、やっぱり今日の感想としては「正直、かなりガッカリだよ」ってことでいいと思うね。


以上、長文失礼。