6/25 K-1 アムステルダムアリーナ興行(地上波) 簡易観戦記

「あのビーストが復活っ!」という割には、あんまり話題になっていないような

藤原紀香
いよいよです。去年このオランダのリングから突如として逃げ去ってしまった、あのボブ・サップ選手が今夜、復活のリングに上がりますっ!


「一年前、このオランダの地で『ドタキャン』という前代未聞の事態をやってのけたボブ・サップが、ついに「復活!」という事で、これ以上ない話題を得た今回のK-1。視聴者の誰もが、かつてはお茶の間の人気者だったサップの動向に注目が集まった…かどうかは知らないが、今回のサップはある意味、視聴者の期待を裏切らないような大活躍をしてくれた。


あ〜あ、これはもう、格闘技ブームも本格的に終焉を迎えそうだなぁ…。

第一試合 早ぇ

スーパーファイト 3分3R + 延長3分2R
○メルヴィン・マンホーフ(177cm/88.9kg/オランダ/ショータイム)
ルスラン・カラエフ(188cm/95.0kg/ロシア/フリー)
[1R 31秒 KO]
※左フック

試合の感想
試合開始から30秒、マンホーフの右ストレートから、返しの左フックがカラエフの顔面にヒット。カラエフは力なくダウンし立ち上がれず。地元の選手の劇的勝利に、観客はスタンディングオベーション。すごいすご〜いっ!

んで、スローでその瞬間を見ると…、カラエフはマンホーフの右ストレートをガードした後、何かパンチを返そうとしていたね。で、右のガードが一瞬だけ開いた、その瞬間にマンホーフの左フックがハードヒット。ぬぬぅ、確かに「一方的に殴られたくない」というカラエフの気持ちは判るけど、なんだか不用意だなぁ。

…というワケで、カラエフは前回のバダ・ハリ戦に続いての壮絶KO負け。脳へのダメージも心配だし、三ヶ月くらいはゆっくりと休養して欲しいね。シャレにならんがな。


藤原紀香
最初からバッチバチの試合になると思っていましたけど…、やはりバッチバチでしたねぇ!

思わぬ秒殺劇を目撃し、思わずバトラーツのキャッチフレーズを使って興奮度を伝える紀香姉さん。そんな姉さん、夜は陣内友則とバッチバチ…とか、そんな事を言ってはいけない6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。


第二試合(ダイジェスト) 短けぇ

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/マイクスジム/K-1 EUROPE GP '06 王者)
ブレクト・ウォリス(194cm/115.3kg/ベルギー/サイアムジム/ルーマニア予選 優勝)
[判定 3−0]

K-1 EUROPE GPの一回戦は、すべてダイジェスト放送。

とりあえず、その断片的な映像を見る限りでは…。「ウォレスの勢いに呑まれる場面もあったものの、カウンターの右ストレートでダウンを奪ったブレギーが判定勝ちを修めた」って展開みたいだな。

まあ何にせよ、打倒巨神兵(シュルトの事ね)の最右翼たるブレギーが勝利し、ホッと一安心…と、この時は思っておりましたよ、ええ。

第三試合(未放送) 見てねぇ

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
○マゴメド・マゴメドフ(187cm/91.0kg/ベラルーシ/スコーピオンジム/チェコ予選 優勝)
●マキシム・ネレドバ(183cm/88.0kg/ウクライナ/キャプテン オデッサ/ハンガリー予選 優勝)
[判定 3−0]

見てないものは語れません。あしからず。

第四試合(ダイジェスト) 判らねぇ

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
ポール・スロウィンスキー(190cm/105.0kg/オーストラリア/ファインダーズ ユニ ムエタイジム/K-1 OCEANIA GP '06 優勝)
天田ヒロミ(185cm/105.0kg/日本/コシ トラスト/推薦選手)
[1R 1分50秒 KO]
※左ローキック

またまたダイジェスト放送なんだけど…、なんちゅうか、天田はいつまでローキックが苦手なつもりなんだろうねぇ。まあ、既に十年選手と化している天田に「ちゃんと、ローキック対策をして来い!」と期待する方がムチャなんだろうけどさ。

とはいえ、左ローキックを喰らい続けて1RでKO負け、っていうのもなぁ…。嗚呼、K-1 JAPAN

第五試合(未放送) 見れねぇ

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
ザビット・サメドフ(183cm/89.0kg/ベラルーシ/チヌックジム/リトアニア予選優勝)
●ジェームス・フィリップス(190 cm/91.0kg/ドイツ/タイ ボム マンハイム/クロアチア予選優勝)
[判定 3−0]

またまたですが、見てないものは語れません。あしからず。

第六試合 若ぇ

スペシャルファイト K−1特別ルール 2分3R
○HIROYA(164 cm/60.0kg/日本/フリー)
●ロイ・タン(163cm/60.0kg/オランダ/メジロジム)
[判定 3−0]

試合の感想
立ち技は意外にスタミナを消耗する競技。2分3Rという短い時間であっても、スタミナ切れを起こす選手は結構、多い。そんな中、まだ15歳という年齢のK-1戦士が、アウェーの地で自分の闘い方を貫いたのだから、これはもうそれだけで立派だと思う。大真面目にね。


藤原紀香
10代の若きアスリート達がスポーツ界にねぇ、今ドンドン生まれていますけれどもぉ、『K』の世界にも来ましたねぇ。

若きHIROYAの姿に、自らの若き時代を重ねながらコメントする紀香姉さん。しかし我々は忘れてはいけない、紀香姉さんにも10代があった事を。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。



…っていうか、昔からK-1みたいなコメントを吐いていたんだなぁ、紀香姉さんって。

第七試合 でけぇ

K-1 EUROPE GP 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/マイクスジム/K-1 EUROPE GP '06 王者)
●マゴメド・マゴメドフ(187cm/91.0kg/ベラルーシ/スコーピオンジム/チェコ予選 優勝)
[2R 2分12秒 KO]
※右ストレート

試合の感想
TV放送は2Rからだったが、この時点でマゴメドフが足を使って逃げ続けていたところを見ると、1Rの時点でリーチの長いブレギーに対して「打つ手なし!」の状態だったのだろう。対するブレギーは、そんなマゴメトフを追い回した挙句、左ストレートを叩き込んでダウンを奪う。

「う〜ん、こりゃあブレギーが無難に勝つのかなぁ?」なんて思っていたら…、トドメのラッシュを仕掛けるブレギーに対して、マゴメドフは意を決して猛反撃を開始。そして左右のフックがヒットすれば、観客は大歓声でマゴメトフを攻勢を支持。ほほぅ、意外な展開だな。

だが、反撃もここまで。ブレギーは接近戦で右ストレートをヒットさせ、怯むマゴメトフに連打を入れる。そして、防戦一方のマゴメトフの様子を見たレフェリーが試合を止めた…が、観客は「マゴメトフはまだやれる!」とばかりに大ブーイング。まあ気持ちは判るが…あの展開であれば、どうあろうとブレギーの勝ちは動かないでしょ。

そりゃそうと、アナウンサーはマゴメドフの事を「小さいけれど頑張った!」みたいな実況をしていたけど…、いやアンタ、単にブレギーがデカすぎるだけですがな。


藤原紀香
観客はもっと、やっぱり観たかったんでしょうね。

試合では敗北を喫しながらも、観客からは大歓声を贈られ、セコンドに祝福されるマゴメドフ。そして、この状況を、非常にシンプルな言葉で表現する紀香姉さん。う〜ん、微力ながらも…このブログではいつでも紀香姉さんに大歓声を贈っていこうと思う。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。

第八試合 逆転はねぇ

K-1 EUROPE GP 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
ポール・スロウィンスキー(190cm/105.0kg/オーストラリア/ファインダーズ ユニ ムエタイジム/K-1 OCEANIA GP '06 優勝)
ザビット・サメドフ(183cm/89.0kg/ベラルーシ/チヌックジム/リトアニア予選優勝)
[1R 3分00秒 KO]
※左フック

試合の感想
自分より大きいスロウィンスキーに真正面から向かっていくサメドフに観客は大歓声、「小さい選手の頑張りに声援を贈る」というのは万国共通らしい。そして右ストレートでダウンを奪えば、その歓声が更に大きくなるのは必然だな。

だが、やはり「大は小を兼ねる」。アーネスト・ホーストを師匠に持つスロウィンスキーは、ダウンに動揺する事もなくサメドフの左足に右ローを重ねてコツコツとダメージを与える。そして1R終盤、ついにそのローでダウンを奪い返すと、玉砕覚悟で突進するサメドフを捌いて更なる右ローを入れていく。最後は、突進力を更に強めたサメドフが自らバランスを失いスリップ。これを見たレフェリーが試合を止めた。う〜ん、ミスジャッジっぽいねぇ。

観客は第七試合と同じく、「サメドフはまだやれる!」とばかりにレフェリーにブーイングを浴びせていたが…まあ、サメドフの左足のダメージは大きそうだったし、たとえそのまま2Rに入ったとしても、スロウィンスキーの勝ちは動かなかっただろうね。


藤原紀香
あああぁぁぁーーーっ!

サメドフがダウンを喫した瞬間、思わぬ逆転劇を目にして大いに驚く紀香姉さん。最近はすっかりセクシーショットも少なくなったけど、僕はいつだって紀香姉さんの逆転劇を期待しているのだ。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。

第九試合 逃げねぇ

スーパーファイト 3分3R + 延長3分2R
澤屋敷純一(184cm/100.0kg/日本/チームドラゴン)
●ニコラ・ヴェルモン(190cm/93.0kg/フランス/ファウコンジム)
[2R 1分53秒 KO]
※3ダウン

試合の感想
バンナを倒して以来、すっかりK-1の常連と化した澤屋敷。明らかに「次世代のエース」としての道を歩み始めている澤屋敷だが…。僕は好きだからいいけど、果たしてあの「徹底したアウト・ボクシング」はお茶の間に浸透するのかな?


今回の試合で澤屋敷は、得意のアウト・ボクシングを封印。積極的に前に出て、ワンツー〜右ローというコンビネーションを連発してヴェルモンを圧倒。ふ〜む、今回は澤屋敷より全然軽い相手だったから、結構余裕があったんだろうな。ってなワケで、試合ではヴェルモンに右ローを効かせまくった澤屋敷は、そのまま右ローでダウンを奪い、後はイケイケの攻勢で立て続けに3ダウンを奪ったのだった。

とりあえず、澤屋敷は「アウト・ボクシング」だけじゃない!という事はよくわかりました。わかりやすい試合でした。


藤原紀香
やはりあの、バンナ選手を倒したという事で、すごくやっぱり、色んなとこからマークされますし。でも、それはね。澤屋敷選手の背負った宿命というか、ねぇ。

三回連続でK-1に出場。「次世代のエース」と期待される澤屋敷の過酷なスケジュールについて、芸能界を生き抜いた先輩の立場からコメントする紀香姉さん。なんだかんだで、10年以上もK-1のゲスト席に君臨している紀香姉さんもまた、「いつかは世代交代」という宿命を背負っているワケだな。モチロン、まだまだ若い者には負けられないけどね。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。

第十試合 くだらねぇ

スーパーファイト 3分3R + 延長3分2R
ピーター・アーツ(192cm/108.0kg/オランダ/チームアーツ)
ボブ・サップ(200cm/155.2kg/アメリカ/チームビースト)
[1R 26秒 KO]
※膝蹴り

試合の感想
あのサップが突如、お茶の間に帰ってきたっ!そして、アーツの膝蹴り一発で、嵐のように去っていったっ!以上っ!

…なんていうか、失望の念すら出てこねぇ。ま、「お前はそれでいいや」って事で。


藤原紀香
なんか一杯、飛んでる…。

新婚ホヤホヤだというのに、観客が投げるゴミの餌食となる紀香姉さん。それでも気丈にコメントを続けるのだから、さすがはコメンテイター歴が十年を越える大ベテラン!といわざるを得ない。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。

第十一試合 目立たねぇ

K-1 EUROPE GP 決勝戦 3分3R + 延長3分2R
ポール・スロウィンスキー(190cm/105.0kg/オーストラリア/ファインダーズ ユニ ムエタイジム/K-1 OCEANIA GP '06 優勝)
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/マイクスジム/K-1 EUROPE GP '06 王者)
[2R 2分25秒 KO]
※右フック/スロウィンスキーがK-1 WORLD GP '07 の出場権を獲得

試合の感想
ぬぬぅ、打倒巨神兵の最右翼、今年は決勝で散ったか…。まあ、序盤の方でスロウィンスキーの右ローが効いていたようなので、「これはスロウィンスキーが勝つなぁ」とは思っていたけどさ。

とはいえ、あんな強烈なダウン劇を演じるとは想像もしていなかったけどね。特に一回目のダウン、あれは一体なんだっ!? 右フックを喰らい、二〜三歩ほど歩いた後にいきなりダウン。なんていうか、あれは「リアル・フレアーウォーク」だな。

というワケで、今年のK-1 EUROPE GP 王者はスロウィンスキーに決定したのだが…。ホーストを師匠に持つのなら、できれば90年代初頭のホーストの再来であって欲しかったなぁ、というのは欲張りな要求かなぁ。なんていうか、またK-1に地味な選手が一人増えたって印象ですな(苦笑)。まあ、KOを奪ったフックも得意技だから、そんなに地味じゃないような気もするけどね。


藤原紀香
もう、びっくりしましたねぇ。まさかまさかの…、わ〜っ、でも、た、た、倒れるんですねぇ。

ブレギーの壮絶なKO負けを目の当たりにした紀香姉さん。動揺しながらも、一生懸命に言葉を搾り出している様が伝わってくる。まあ僕は、紀香姉さんの完璧な美しさに、いつだって動揺しっぱなしなワケだが。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。

第十二試合 つまんねぇ

K−1スーパーヘビー級 タイトルマッチ 3分3R + 延長3分2R
セーム・シュルト(212cm/131.4kg/オランダ/正道会館/K−1スーパーヘビー級 王者)
マイティ・モー(185cm/134.0kg/アメリカ/フリー)
[判定 3−0]
シュルトが防衛に成功

試合の感想
戦前、僕は「目下6連続KO中と波に乗るモーではあるけど、さすがにシュルトとの身長差は如何ともし難いのでは?」と思っていたんだけど、蓋を開ければ…思った以上に「思った通り」の展開になってしまったな。なんていうか、まさかここまで一方的な展開になるとはねぇ。

モーはシュルトに対抗すべく、いつもより増量していたようだが…当のシュルトは、そんな事はお構いなしにマイペースに試合を進めた。前蹴りと右ローでモーの動きを封じると…1R中盤、早くも左足にダメージを負ったモーの身体が泳ぐようになる。

「ありゃ〜、こりゃあもうダメだな」と思いつつ、「とはいえ、モーには『一発』があるからなぁ」と考えながら観戦を続けたが…、残念ながらモーに再浮上の芽はなかった。サンドバックのごとく動けないモーに対して、シュルトはマイペースに左ミドル、右ロー、前蹴りを浴びせ続ける。モーは時折、意を決して前に出るも…、シュルトはすかさずクリンチを仕掛けて難を逃れる。う〜ん、こうなってしまっては「モーに勝ち目なし!」だな。

試合終了。派手さには欠け、決め手にも欠け、観客からはブーイングを浴びせられたものの、結果的にはシュルトの完勝でしたな。それにしても手堅い勝ち方だったなぁ。あれだけモーを痛めつけたのだから、もう少し「KO勝ち」に対して色気を出してもいいんじゃねぇの?「K-1の『K』は、KOの『K』」なんだからさ。


藤原紀香
堅いですねぇ、ホントに!こんなにチャンピオンの、壁が、高いというのはやっぱり、つくづく、あのマイクがこうなる!というのはねぇ、う〜ん…感じましたねぇ。

「なんで『マイティ』ではなく『マイク』なの?}という素朴な疑問はさておき、シュルトの無難にして完璧な勝ち方に絶句する紀香姉さん。まあ正直、僕は最近の紀香姉さんのCMでの崩れっぷりに絶句しっぱなしなワケだが。6月28日で36歳になる『21世紀の峰不二子』。藤原紀香が今夜、あなたのハートを盗みに行きます。



…が。多分、盗まれる事はないでしょう。

雑感

う〜ん、興行全体に対する感想はないなぁ。今回はなんだかんだで、番狂わせとかはなかったし。


そんな事よりも、僕の目に留まったのは…オランダの観客の熱狂ぶりかな。頑張った選手には素直に大歓声を贈り、気に入らない選手には容赦なくブーイングを浴びせる。これらは日本でもよく見かける光景だけど…、なんていうか、それらの声が帯びる「熱」が、日本人が発するソレとは全然、違っていたなぁ。オランダの格闘技事情っていうのは正直、よく判らないんだけど…大きな興行の開催とかって聞かないから、きっとあの規模の興行そのものが珍しいんだろうなぁ。

大箱での興行が日常化していた今の日本の格闘技界で、再びあれだけの「熱」を感じ取れる興行を見れるのは、いつの日になることやら…。


以上、長文失礼。