6/2 Dynamite!! ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム興行(地上波) 簡易観戦記・改

ちょっとヘタれた文章だったので、微妙に直しました。



今回、ξ ゚∀゚)ξは出てきません 裏でSMAP×SMAPを見ていたからです

日本の総合格闘技の象徴だったPRIDEは、母体であるDSEの崩壊と共に表舞台から姿を消しつつある。四月のPRIDEでは、あんなに力強く継続をアピールしていたのに…六月になっても、次の興行の予定がまったく立たないというのはどういう事か?しかも、かつてPRIDEで活躍していた選手は、相次いでライバル団体であるUFCへの参戦を表明。ミルコ・クロコップ、アントニオ・ホドリコ・ノゲイラダン・ヘンダーソン…etc。こりゃあ、もう「あの頃」のPRIDEの復活はないだろうなぁ。

ってなワケで「棚から牡丹餅」とばかりに浮上してきたのが、唯一の全国ネットの地上波を持つ総合格闘技となったHERO'Sの存在なのだが…、こちらもPRIDEに負けずと、かなりボロボロな状態。オリンピック出場を目指す山本"KID"徳郁の離脱、突然の須藤元気の引退、秋山成勲のオイル問題、桜庭和志の不振などの問題が次々と発生。う〜ん、なかなかヒドいねぇ。


そんな中、起死回生を狙ったのかどうかは知らないが、半ば唐突に開催される事となったのが…FEG最大のイベント「Dynamite!!」。しかも今回は日本ではなく、アメリカでの開催になるという。「なんでまた、このタイミングで?」という気になるが…、ひょっとしたらHERO'Sも、PRIDEと同じようにアメリカへの「身売り」を考えているのカモね。

そして、それ以上に理解不能なのが…この興行がアメリカ在住の韓国人に向けられた興行である事だ。う〜ん、なんでそういう発想になるのかがサッパリ判らん。アメリカで開催するのなら素直にアメリカ人に向けた興行をやればいいし、それがダメだとしても…せめて日本人向けの興行をやればいいのにねぇ。ま、最終的には…、興行にお金を払う習慣のない韓国人から、きっちりとお金を取る事を目標にしているフシがあるので、その流れの一環でこの興行を開催したのかなぁ?何にせよ、僕には今一つよくわからんよ。


そんなこんなで、超巨大会場のロサンゼルス・メモリアル・コロシアムには、何故か大量の韓国人が来襲。そしてテレビ中継のスポンサーには大韓航空ソフトバンクがつく。何から何まで韓国尽くめとなった今回のDynamite!!だが、肝心な出場選手の方は…、この興行の目玉の一つである韓国人ファイターのエース、チェ・ホンマンが欠場。世の中、なかなか上手い話はないようで。


しかしまあ、正直…今年の年末のDynamite!!韓国で開催しそうな勢いだな。日本の総合格闘技の歴史も、ここでおしまいなのかねぇ。DEEP、修斗CAGE FORCEPANCRASEZSTの皆さん頑張ってくださいな。あ、一応…掣圏真陰流もね。

第一試合 前哨戦は圧勝、今度は魔裟斗カルバン(狩る番)だな

HERO'Sルール 5分3R
○J.Z.カルバン(173cm/72.0kg/ブラジル/アメリカン トップチーム/'06 HERO'Sミドル級世界最強王者決定トーナメント 優勝)
●ナム・ファン(167cm/69.8kg/アメリカ/エイペックス柔術/Ma Du)
[1R 26秒 TKO]
※グラウンドパンチ

格闘ファンの誰もが、あらゆる意味で「さすがは谷川貞治」と関心したのが、'06 HERO'Sミドル級世界最強トーナメントの優勝者であるJ.Z.カルバンのK-1 MAX 世界大会への参戦。まったく脈略のない参戦には「谷川マジック」を感じずにはいられないのだが…、一回戦の相手はあの魔裟斗だという。こりゃあ、いよいよK-1 MAXも話題性がなくなってきた…って事なのかねぇ。いくらカルバンが「打撃が得意」といっても、畑違いの格闘技の中で実力を発揮できるのかなぁ?


んで、試合内容については…、短すぎて書く事がないっつーかねぇ。カルバンの強さだけが目立つ試合だった、というか。胴タックルから持ち上げてテイクダウン、半立ちからのグラウンドパンチで見事に秒殺。とりあえずは、魔裟斗戦を前にいいデモンストレーションになったんじゃないのかな?

第二試合 「『カツ(勝)』ヒコ」というナガ(名が)、い(体)を現していたね

HERO'Sルール 5分3R
永田克彦(170cm/70.2kg/日本/新日本プロレス)
●イザイア・ヒル(身長未調査/70.2kg/アメリカ)
[判定 2−1]

この試合に出場する永田克彦の存在で思い出すのは、やっぱり兄貴の永田裕志。最近は白目芸が浸透しつつある永田兄だが…この度、めでたく「キラー永田Tシャツ」の発売が決定!これは買わなきゃ!(白目を剥きつつ)

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んで、試合内容については…、山らしい山がなくて印象が薄いっつーかねぇ。スタンドではイザイア・ヒルが有利、寝技は永田弟が有利。それ以上でもそれ以下でもない試合だったなぁ。まあ、勝者は永田弟で問題はないと思うけどさ(白目を剥きつつ)。

第五試合 フィニッシュの右フックはアッカん(圧巻)だったなぁ

HERO'Sルール 5分3R
○ベルナール・アッカ(186cm/93.2kg/コートジボアール/フリー)
ジョニー・モートン(183cm/95.9kg/アメリカ/フリー)
[1R 38秒 KO]
※右フック

外国人ながらも、日本でお笑い芸人をやっているベルナール・アッカ。日本の家にムコ入りしているという事で、その肩書きは「マスオさん芸人」。

ケンシロウ:「お前のような『マスオさん』がいるか」
レイ   :「化けるなら、牛にでも化けるんだったな」
(以上、「北斗の拳」より)


対するのは元NFLのスーパースター、ジョニー・モートン。その肩書きは「最強セレブ」。この上なく恥ずかしいミドルネームだと思うのだが、よくよく考えればコレってハッスルの「『ハッスルセレブ』小川直也」のパクリじゃないのか?まあ、そんな事は全然意識していないだろうし、小川がハッスルを離脱した今となっては、まったく問題もないだろうけどさ。


んで、試合内容については…、短すぎて書く事がないっつーかねぇ。タックルの突進力は素晴らしいモートンだったが、アッカの強烈なカウンターの右フック一発でKO負け。短いながらも全体的にバタバタした試合だったが、それが逆に喧嘩っぽくてよかったかな。

さて、アナウンサーはこの勝利を「まさにアメリカン・ドリーム!」と表現していたけど…。なんつーかさぁ、この試合が全米中の注目を集めていたんならともかく、会場に集まっていたのは韓国人ばかりなんでしょ?どこが「アメリカン・ドリーム」なのよ?ま、アッカがこの試合でモートンの財産をすべて奪ったり、モートンの本業であるNFLで偉業を達成すれば話は別だけどさ。安易な言葉で興行を飾るなよ。もっと勉強してこい!というかねぇ。

第六試合 マイティぁう(まいっちゃう)なぁ、モー(もう)止まらない、この強さ

HERO'Sルール 5分3R
マイティ・モー(185cm/131.4kg/アメリカ/フリー)
●ウォーパス(193cm/121.5kg/アメリカ/ノーリミッツ)
[1R 1分33秒 KO]
※グラウンドパンチ

試合前には、マイティ・モーの過去について簡単に触れていたが、成程ねぇ。彼には「やさぐれ少年時代&逮捕歴」があるのか。サモアン人でありながら、なにかと暗さが際立つモーだが、この辺の経歴が身体に染み付いているんだろうな。明るさの楽観の塊であるマーク・ハントとは似て非なる存在だねぇ。コインの裏と表というか。


んで、試合内容については…、短すぎて書く事がないっつーかねぇ。ウォーパスはネイティブ・アメリカンの血が流れるプロレスラーらしいけど…、モーにはそんな事はまったく関係なかった。超大振りな右フックの返しで放った左フックがウォーパスにヒット、ダウンしたウォーパスにもう一撃。相変わらずモーの強さは底知れない。っていうか、そろそろハントとのサモアン対決が見てみたいなぁ。

第七試合 韓国五千年のユンきゅう(悠久)の歴史に、新たなる1ページが刻まれた

HERO'Sルール 5分3R
ユン・ドンシク(183cm/85.5kg/韓国/フリー)
●メルヴィン・マンホーフ(177cm/86.4kg/オランダ/ショータイム)
[2R 1分17秒 腕十字固め]

しかしまあ、アメリカの地で「テーハミングク!(ドドンがドンドン!)」を聞くことになろうとはねぇ。アメリカの韓国コミュニティに、どれだけの招待券をバラ巻いたんだか。


んで、試合については…、イヤこの試合は面白かったね。いつも通りに勢いに任せて前に出るメルヴィン・マンホーフに対して、巧いこと潜り込むユン・ドンシク。以前は高田道場に所属していた為に弱かったユンだが(苦笑)、今回フリーになった事で寝技に安定感が出てきたな。PRIDEでのvs クイントン・"ランペイジ"・ジャクソン戦で見せた寝技の切れ味が、フロックではない事を証明したと思う。最後の腕十字もかなりの鮮やかさ。イヤイヤ、本当にお見事でしたな。

そりゃそうと、ユンもいつの間にか高田道場を離脱していたのね。こういう末端の選手までもがPRIDEから抜けるとはねぇ。この流れはもう止まらないんだろうなぁ。ま、身の軽い外国人選手はともかく、吉田秀彦とか、五味隆典とか、川尻達也とか、郷野聡寛とか、PRIDEを主戦場に闘ってきた日本人ファイターはこれからどうするんだろ?マジでさ。あ、田村潔司は今日の中継の解説をやっていたなぁ。身が軽いね。

第八試合 トコロ(ところ)がどっこい、「闘うフリーター」はアメリカでも強かった

HERO'Sルール 5分3R
所英男(170cm/68.9kg/日本/Team ZST)
●ブラッド・ピケット(168cm/69.3kg/イギリス/エリート ファイティングシステム)
[1R 2分41秒 腕十字固め]

テレビ放送の一発目は、人気者の所の試合だった。う〜ん、掴みとしてはこれが一番無難なんだろうなぁ。そして所の所属ジムは、いつの間にか「Team ZST」に。ああ、そういえば今週末はディファ有明ZSTがあるんだよなぁ。でも新宿FACEでは全日本キックもあるし、後楽園ホールではMAキックもあるしねぇ。今週は大いに迷うねぇ…。ま、宍戸大樹が出場するMAキックに行く可能性が一番高いんだけどさ。


んで、試合内容については…、短すぎて書く事がないっつーかねぇ。ま、なかなかに「電光石火」という言葉が似合う腕十字だった。本当に「掴みはOK」といいたくなるような鮮やかな一本勝ち、ごっつぁんです。

第九試合 グレイシー一族また出たホイずしい(涼しい)顔でリベンジ達成

HERO'Sルール 5分3R
ホイス・グレイシー(185cm/84.6kg/ブラジル/ホイス グレイシー柔術)
桜庭和志(180cm/84.2kg/日本/フリー)
[判定 3−0]

しかしまあ、この試合を今やる意味って何なんだろうなぁ。確かに七年前の桜庭和志 vs ホイス・グレイシーは、現在の日本の総合格闘技ブームの火をつけた試合だとは思うけど…、あれから月日は随分と経過しているワケだしねぇ。今更このカードを組まれても、日本人としては何とも反応しにくい…というか。大体、現在のアメリカの総合格闘技ブームって、日本のブームとはまったく別なトコロから来ているモノでしょ。いくらUFCのレジェンドであるホイスが参戦しても、このカードでアメリカ人が大挙として来襲!なんて事にはならないと思うんだけどねぇ。


んで、試合内容については…、「七年前に感動した思い出の1ページ目をめくった」という以上の事はないね。あの時、90分も闘った彼らが、たかだか15分で決着がつくワケがないしねぇ。どうせやるんなら、こんな試合時間の短い形式で勝負させちゃダメだよ。それこそ時間無制限くらいでやらないと、あの時の感動は再現できないでしょ。ま、アメリカ人がそんな膠着時間の長そうな試合形式に黙って付き合ってくれるかどうかは話が別だけどさ。で、韓国人は…そういうのはどうなんだろ?

試合終了後のブーイングが、この試合のすべてですな。強いて言うなら、テレビであのエリオ・グレイシーの姿を見れたのは大きな収穫だったなぁ。もう90歳を過ぎてるでしょ、エリオの爺さんもさ。元気そうで何より。

第十試合 あの胴タックルはブロックのような固さレスナー(ですなぁ)

HERO'Sルール 5分3R
ブロック・レスナー(190cm/117.9kg/アメリカ/ミネソタ マーシャルアーツ アカデミー)
キム・ミンス(186cm/114.8kg/韓国/リングス コリア)
[1R 1分9秒 KO]
※グラウンドでのパンチ

この試合は、本来であればチェ・ホンマンが出場する予定だったが…、カリフォルニア州のアスレチック・コミッションから「脳に腫瘍と血痕のある人は、試合に出てはイカン!」という鶴の一声で出場停止に。更にはその一連のやりとりの中で、彼が『巨人症』である事が公にされてしまった。

思い出すのは、ミゼットレスラーの故リトル・フランキー。70年代〜80年代、脅威の視聴率を叩き出していた「8時だョ!全員集合」に出演して大人気を博した彼だが、視聴者の「可哀想な人を出さないで」「小人を笑いものにするな!」という声のせいで、不本意ながらもテレビから消える事になってしまう。当の本人は「俺から仕事を奪うな!」と大層ご立腹だったそうな。

んで、FEGがチェを闘わせるベクトルとしては、フランキーとなんら変わりがないワケだが、日本では「大きい事は良い事」のようで、チェは「可哀想な人」とも言われず「笑いもの」にもならず、今日まで『お茶の間の人気者』として君臨している。なんとなく世の中の無常を感じる話ではあるが、その舞台がアメリカに移った途端、彼はフランキーと同じ運命を辿ってしまったワケだ。

ま、日本のテレビでは『巨人症』の『巨』の字にも触れていなかったから、チェは今までとなんらかわる事なくテレビに出続けると思うけどね。


んで、試合内容については…、短すぎて書く事がないっつーかねぇ。元WWEのスーパースター、ブロック・レスナー総合格闘技デビュー戦という事で大いに注目はしてたけど、さすがにアマチュアレスリング出身なだけあってグラウンドになってからの安定感は抜群だったなぁ。あっという間にマウントを奪ってパンチを落とし続けてキム・ミンスがタップ。なんともアッサリとした試合だったというかねぇ。

というワケで、今回は見事に秒殺勝利を得たレスナー。だけどまあ、この試合だけでは強さを正当には評価できないねぇ。レスリングがちゃんどできる事わかったけど、相手はキム・ミンスだしねぇ。

レスナーはこんな事もできます。美技・シューティングスタープレス(但し大失敗)

雑感

話題性は「アメリカで開催!」「ブロック・レスナー参戦!」「桜庭 vs ホイス再戦!」など、派手ながらも今一つ日本の格闘技ファンにはピンと来ないモノが多く、肝心な試合内容は印象に薄い秒殺決着が続き、桜庭 vsホイスに至っては「やらない方がよかった」と思わせるような内容になってしまった。そして観客の入りも全体的にスカスカ。ま、アメリカ初進出が、いきなり十万人規模の会場というのも多分に無謀な話なワケだが。


ってなワケで、色々な意味でこの興行で出た『負債』は大きいんじゃないかなぁ。


少なくとも僕は、今回の興行で「やっぱりFEGでは、総合格闘技の興行を引っ張る事はできないだろうなぁ」と思ってしまったよ。もっとも、そんな事はこの興行の前から判っていたんだけど…今日の興行はその考えにトドメを刺した、といえるね。


イヤイヤ、日本の総合格闘技はどうなっていくんでしょうなぁ…。DEEP、修斗CAGE FORCEPANCRASEZSTの皆さん頑張ってくださいな。あ、一応…掣圏真陰流もね。


以上、長文失礼。

追伸

ダジャレの小見出しはもうやめよう。苦しいよ…。