5/18 修斗 後楽園ホール興行 Aクラスの試合のみ観戦記

Mask_Takakura2007-05-18

仕事をしていると、平日は半分しか観戦できません

本日は後楽園ホール修斗を観戦


さてさて。前回の後楽園ホール興行では、寸劇のようなドラマチックな展開でリオン武佐藤ルミナが対決を約束する「佐藤ルミナ劇場」が賛否両論を呼んだ修斗。しかし、結局ルミナの世界王座挑戦は怪我によってお流れになった。チッ、つまらん。

んで本日、佐藤の代わりに王座に挑むのは、ミャンマー・ラウェイの経験者でもある田村彰敏。おっと、これはこれで興味深いカードだねぇ。ってなワケで、今日はこのカードが観戦の動機。あと、最近は修斗が一番、観戦仲間の集まりが良いのも動機かな。


というワケでチケットを購入。本日は立見席の販売はなし。一番安い席も売り切れていて、結局A席を8500円で購入。う〜ん、これって立見席を買えば、NJKF全日本プロレスDRAGON GATEが見れる値段だよなぁ。ホント、総合格闘技って高いねぇ…。観客の入りは満員。なんだかんだと客が集まるねぇ。


ちなみに本日は第七試合からの観戦。う〜ん、前半戦を丸々観戦できないのは残念だけど、Aクラスの試合は全部見れるだけでもヨシとしよう。

第七試合 なんともやるせない展開

バンタム級 5分3R
○阿部マサトシ(163cm/55.9kg/AACC/修斗バンタム級 世界一位)
●ダニエル・オテロ(164cm/56.0kg/ブラジル/ファブリシオ柔術/修斗バンタム級 世界十位)
[2R 4分38秒 失格]
※グラウンド状態の相手の頭部への蹴りによる反則/オテロは1Rに反則による減点2

このところはシュートボクシング(SB)にチョコチョコと参戦していた阿部マサトシが、久々に総合に試合に挑む。対戦相手は柔術では世界王者になった経験も持つダニエル・オテロ。今回が初来日なんだそうな。


1R、序盤は両者共に様子見だったが、まずオテロが胴タックルでテイクダウンを奪うが、阿部はタイミングを見て立ち上がる。その後、オテロはローや膝蹴りを連発するも…、これが運悪く次々にローブローに。股間に攻撃を集中的に浴びてしまった阿部は悶絶。結局、計三度のローブローオテロは減点2という厳しい処分を受けた。う〜ん、オテロの攻撃は明らかに故意ではないモノだっただに、なんとも不運だねぇ。

2R、序盤にオテロが引き込む。阿部はグラウンドで上になったが、オテロは阿部が中腰になったタイミングに合わせて下から蹴り上げる。顔面に蹴りを喰らった阿部はまたしても悶絶したが、この攻撃は修斗では反則行為。恐らくオテロは、ルールを知らずにこの攻撃を繰り出したものと思われるが…、度重なる反則攻撃を重く見たレフェリーは、ついにオテロに反則失格が宣告。


オテロはやるせない表情で敗北を受け入れ、勝った阿部にも笑顔はない。両者ともに気の毒になるような、なんとも後味の悪い結末だな。

第八試合 なんとも打つ手なしな展開

フェザー級 5分3R
○岡嵜康悦(171cm/59.8kg/総合格闘技道場コブラ会/修斗フェザー級 世界六位&環太平洋四位)
山本篤(169cm/59.8kg/KILLER BEE/修斗フェザー級 世界七位&環太平洋五位)
[判定 2−0]

山本“KID”徳郁のリングドクターへの暴行が原因で、公式戦への出場停止処分を受けていたKILLER BEEが、ようやく修斗と和解。これに伴い、山本篤修斗へ帰ってきた。疎開先のPANCRASEでは「フェザー級四天王」の一人で活躍した山本、その実力が修斗でどこまで活かされるのかに注目が集まったが…。


試合は一進一退の攻防となったが、有利に進めたのは山本ではなく岡嵜の方だった。

山本は試合全般において、岡嵜から何度もテイクダウンを奪うが…。岡嵜は1Rには下から腕十字を仕掛け、山本のバックからのスリーパーをリバースしてサイドを奪う。2R序盤、スタンドで伸びる右ストレートと右ローを何発も当てた岡嵜は、山本のテイクダウン&マウントに対してリバースを決め、上からパンチを落とす。3Rは、山本の強引なテイクダウンに対して下から三角絞めを仕掛け、逆に上になるとパンチを落としていく。う〜ん、山本も決してやられてばかりではなかったんだけど、うまいこと岡嵜に「次の一手」を封じられちゃている感じ。


という事で試合は終了。判定の結果は2−0で岡嵜が勝利。ふ〜む、PANCRASEでは強豪の一人だった山本も、修斗ではこれぐらいの実力なんだねぇ。まあ逆に言えば、修斗のこの階級には、いい選手が沢山いるって事でもあるか。岡嵜康悦かぁ、覚えておこう。

第九試合 なんとも静かな展開

フェザー級 5分3R
マルコ・ロウロ(170cm/59.8kg/ブラジル/ノヴァ ウニオン/修斗フェザー級 世界九位)
大沢ケンジ(169cm/59.9kg/和術慧舟會A-3/修斗フェザー級 世界一位&環太平洋一位)
[判定 2−0]

修斗はたまにしか観戦しない僕にとっては正直、二人ともあんまり知らない選手なので詳しい事は書けないんだけど…。ただ一つ言えるのは、僕は今回は大沢応援団のそばに座ったので、周りの声援がやたらと凄かったという事だ。ちなみにこの試合、外薗晶敏が持つ、修斗フェザー級王座の次期挑戦者決定戦と見る向きがあるらしい。ふむ、そういう事らしい。


しかし試合は、大沢応援団の大声援に反して、非常に静かな展開となった。

試合は全ラウンドを通してスタンド勝負。大沢は左腕をダラリと下げるデトロイトスタイルから左ジャブを何度も放つが…、対戦相手のロウロを牽制するばかりで、いつまで経っても踏み込んでの打撃が出てこない。これに対してロウロは、単発のパンチを細かく大沢に叩き込むと、積極的に大沢に組み付つき、スタンドでバックを奪って大沢を崩そうとする。大沢は倒されまいと重心を低くして堪えるも、ロウロはバックから太腿へ膝蹴りを入れ続ける…というのが主な攻防。

試合中、大沢のパンチがクリーンヒットし、ロウロをコーナーへ追い詰める場面もあるにはあったが…、試合の殆どの場面は「ロウロがスタンドでバックを奪い、大沢の太腿へ膝蹴り」というもの。う〜ん、これで観客にどう盛り上がれというのか?


ってなワケで試合は終了。判定の結果は2−0でロウロが勝利。ぬぅ、この展開でドローっていうのはないよなぁ。そして、それ以上に退屈な試合だったなぁ。ネガティブな感想しか出てこないよ…。

第十試合 なんとも意外な展開

ライト級 5分3R
アントニオ・カルバーリョ(173cm/65.0kg/カナダ/シャオ フランコ マーシャルアーツ/修斗ライト級 世界二位&米大陸二位)
日沖発(178cm/65.0kg/ALIVE/修斗ライト級 世界八位&環太平洋二位&TKOフェザー級 王者)
[判定 2−1]

カナダの総合格闘技団体、TKOにてフェザー級王者となった日沖発修斗に凱旋、アントニオ・カルバーリョとの一戦に挑む。カルバーリョはライト級の王座にも挑戦した事もある強豪、日沖が勝てば王座挑戦への道も見えてくるが、果てして?


1R、日沖がカルバーリョを圧倒する。胴タックルに来たカルバーリョを逆にテイクダウンしてマウントを奪った日沖は、カルバーリョにリバースを決められても下から腕十字を仕掛ける等で試合を優勢に進める。

だが2R、カルバーリョは右ハイとパンチで日沖にプレッシャーを掛けると、逆に日沖からテイクダウンを奪う。日沖はどうにか立ち上がったが、カルバーリョは終了直前にも片足タックルでテイクダウンに成功。このラウンドは完全にカルバーリョのものだ。う〜ん、1Rの展開を考えると意外だなぁ。

3Rは打撃戦となったが、カルバーリョのワンツーが次々にヒットして日沖は流血。それでも日沖は終盤、パンチにあわせてのタックルで豪快なテイクダウンを奪うが…、ここで試合終了のゴングが鳴った。かぁ〜っ、惜しい!


判定の結果、2−1のスプリットながらもカルバーリョが勝利。勝ったカルバーリョは泣きながら、セコンドの阿部兄ィや藤井惠に感謝の意を示していた。おっと、意外に涙もろいのね。それにしても、1Rの勢いだけ見ると日沖が圧勝すると思っていたんだけどねぇ。対するカルバーリョは、これでライト級世界王者の決定戦で敗れたリオン武へのリベンジ戦に一歩、近づいたかな?

第十一試合 なんとか一方的な展開

修斗世界ライト級 チャンピオンシップ 5分3R
田村彰敏(175cm/65.0kg/総合格闘技津田沼道場/修斗ライト級 世界三位 & 環太平洋王者)
リオン武(172cm/65.0kg/シューティングジム横浜/修斗ライト級 世界王者)
[判定 3−0]
※田村が新王者に

残念ながら「修斗のカリスマ」佐藤ルミナとの王座戦は流れてしまったが、ライト級世界王座の防衛戦は実現する。王者のリオン武に挑むのは、同階級の環太平洋王者にしてミャンマー・ラウェイの経験者、田村彰敏。ふ〜む、佐藤の欠場は残念だけど、結果的には修斗らしい良いカードに変わったなぁ。


さてこの試合、僕は「勝手に接戦になるかなぁ?」と予想していたが…、蓋を開ければ田村がリオンを圧倒。

全ラウンドを通して、田村はリオンから次々にテイクダウンを奪っていく。リオンは近藤有己が言うところの「尻で立つ技術」を駆使して完全に抑え込まれる事を拒むも、田村はこれをジックリと潰して上からコツコツと、そして時にガツガツとパンチを落としていく。

たとえグラウンドの流れの中でリオンに上を取られても、下から三角絞めを極めようとする。長い時間、田村に上の状態を許してしまったリオンは、下から両足を駆使して必死に田村を崩そうとするも、田村はまったく崩れる気配がない。う〜ん、こんな展開になるとは予想もしなかった。

迎えた3R、田村は序盤に左ミドルを重ねてリオンにダメージを与える。中盤、リオンの右ストレートを喰らった田村の腰が落ちる場面もあったが、田村は続くリオンのタックルを切ってグラウンドで上の体勢に。リオンは下からの三角絞めやアームロックで大逆転勝利を狙うが…、田村はこれらのリオンの狙い潰して上からパンチを落としていった。


試合終了、判定の結果は3−0のストレート。田村が文句なしの判定勝利を修め、修斗ライト級の新王者となった。試合後、インタビューを受けた田村は「修斗を諦めずによかったです。デビュー戦は黒星で、新人王も逃しましたが、好きな事だったのでここまでやって来れました。そして今日、王者になれたのは仲間達のお陰です」とコメントし、堂々と勝利者撮影に望んでいた。

ぬぅ、体の線が細いリオンだけど、今日は田村にパワー負けしているように見えた。それにしても、僕の知っている田村はスタンドの選手だったんだけど、今日はグラウンドで安定した実力を発揮していたねぇ。まあ噂で「最近の田村は、グラウンドが強い」という話は聞いていたけど…、聞くのと見るのでは大きな違いがあったなぁ。「男子三日会わざれば、活目して見よ」って奴だね。

雑感

う〜ん。つまんなくはなかったけれど、面白かったワケでもないような。派手な一本勝ちもなかったし、好勝負もなかったしねぇ。そしてそれ以上に…、やっぱりチケット代が高さが気になってしまうねぇ。今日のチケット代ってPRIDEよりも高いしねぇ。たとえ、一番安い席をキープできたとしても6000円でしょ。一般ファンの獲得の為には、せめて立見席くらいは出すべきだと思うんだけどねぇ…。


以上、長文失礼。