5/11 全日本キック 後楽園ホール興行 画像付き観戦記

今回はちょっぴり隙間興行チック

本日は後楽園ホール全日本キックを観戦。


今日の興行は、『ダブル山本』こと山本真弘山本元気ムエタイ越え、山本優弥 vs 湟川満正によるウェルター級王座決定戦が興行のウリ。う〜ん、なんとも山本だらけな興行だなぁ。とりあえず山本優弥の戴冠は鉄板として、ムエタイを相手に白星を挙げられない山本真弘、元ラジャダムナンのランカーを迎え撃つ山本元気は…正直、勝つのは厳しいかもねぇ。


ってなワケで、今回は見所が弱いので早々に前書きを切り上げさせてもらう(苦笑)。チケットを購入、立見席は4000円也。パンフレットも購入、1000円也。合わせて5000円、まずまずの値段だな。んで、観客の入りは…近年稀に見る大苦戦っぷり。5割強くらいかなぁ。いつなく厳しい入りだなぁ。確かに大きな話題には欠ける興行なんだけどね。


※第一試合 〜 第三試合は未観戦なので記述しません。あしからず。

第四試合 あらららら、金がまた負けちゃった

ウェルター級 3分3R + 延長3分1R
クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/全日本ウェルター級 六位)
金統光(藤原ジム/全日本ウェルター級 二位)
[3R 1分42秒 TKO]
※金が左目尻を負傷

この試合の2Rより観戦。この時、既に金は大ダメージを負っていた。先に見ていたフリジッドスター氏(id:frigidstar)とnar氏(id:nar-_-nar)曰く、プルボーが肘打ちと膝蹴りの連打で圧倒していたようだ。へっ?プルボーってそんな選手だったっけ?

んで、実際に僕が観てみても…成程、プルボーが前に出ての打撃で試合を圧倒していたが、金は左目尻をカットしながらも、残った体力を絞ってパンチで反撃、右ストレートがヒットすればプルボーの腰がガクッと落ちる。金の逆襲劇を観た観客からは歓声が。ふ〜む、金は藤原ジム所属なだけあって、追い詰められてからの根性が凄いな。

迎えた3R、トドメを刺すべく距離を詰めてボディブローや右ストレートを連発するプルボーに、金はフラフラになりながらも右ストレートや右ローを返していく。ややグダグダながらも一進一退の攻防、特に金の粘りは賞賛に値するものがあったが…。中盤、プルボーの右の肘打ちが金にヒット。これで金の出血が更にひどくなり、ドクターチェックが入る。幸い試合は再開したが…プルボーはダメ押しの右の肘打ち。この一撃で金の左目尻は素人が観てもすぐにわかる程にパックリと割れてしまった。程なくして、レフェリーが試合を止めた。


フリジッドスター氏曰く「難しいところですけど、止めるのがもう少し早ければ、金の傷は浅いうちに終わったんじゃないですかねぇ?」。確かにね。金は打撃を返していたけど、それまでの過程で攻めらまくっていたのだから、3Rの一度目のドクターチェックで試合を止めても良かったんじゃないかなぁ。

それにしても、金はよく顔面をカットするよなぁ。切れやすい皮膚ってあるのかなぁ。根性の据わり方が良い選手なので、結構好きなんだけどねぇ。対するプルボーは、全日本キックではこれで6戦全勝。今日は上位ランカーの金を倒したのだから、いよいよ山内裕太郎と望月竜介なんかとの対戦が観たいね。

第五試合 あだだだだ、痛そうな傷だなぁ

第十代 全日本ミドル級 王座決定トーナメント 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
○中村高明(藤原ジム/全日本ミドル級 一位)
●吉武龍太郎(アイアンアックス/前全日本スーパーウェルター級 五位)
[判定 3−0]
※中村がバッティングにより額を負傷/2R終了時の判定結果

一昨年行なわれた「全日本ミドル級王座決定トーナメント」で、圧倒的な強さを発揮して王者となった正道会館のTOMOだが、結局一度も防衛戦を行なわずに王座を返上。そこで、空位となったミドル級王座を巡り、今年もトーナメントが開催される事になった。

前回4月15日の興行では、トーナメントの準決勝戦として「歌舞伎町のエース」白川裕規と「JMC横浜GYMのNo.2」佐藤皓彦が対戦。お互いにダウンを奪い合う大激闘の末、決勝の舞台に立つのは白川に決まった。

そして今日、その白川と対戦する相手を決定すべく、もう一つの準決勝戦が行なわれる。試合に挑むのは、前回のトーナメントの準優勝者である中村高明と、江口真吾の負傷欠場により急遽出場が決まった吉武龍太郎の二人。ちなみに僕は「ナチュラルな体格で勝る中村が、圧倒的な勝利を修める」と予想していた。


試合では、中村が体格差を有効に活用。1Rから積極的に吉武に組み付き、鯖折りを連発。上から全体重を浴びせてくる中村、吉武はこれを捌けずに大苦戦。おおよそキックボクシングらしくない光景が展開される中、中村は2Rになると、体力の減った吉武に尚も組み付き続けて膝蹴りを連打。吉武は反撃の糸口がまったく見えてない様子。試合は単調ながらも一方的な展開となり、「もはや中村の勝ちは動かない」と思われた。

だが2R終盤、至近距離での闘いの中でバッティングが発生、そしてこの一撃で中村は額から大流血。残り時間が短かったので、その場では試合再開となったが…結局、2Rが終了しても中村の出血が止まる事はなかった。結局、ドクターは中村を試合続行不能と判断。試合は2Rまでの判定で決着がつく事になった。



んで、結果は3‐0で中村が勝利したが…この不透明決着を前に、中村は不満顔だった。



中村の鯖折りは厄介そうだったのが印象に残る試合だった。んで、決勝戦は白川裕規 vs 中村高明かぁ。ここは今、勢いに乗っている白川に勝って欲しいところだね。

第六試合 あらららら、あわや逆転負けでしたな

第二十三代 全日本ウェルター級 王座決定戦 3分5R + 延長1R
山本優弥(176cm/66.6kg/青春塾/全日本ウェルター級 一位)
湟川満正(178cm/66.6kg/AJジム/全日本ウェルター級 三位)
[判定 3−0]
※山本が新王者に

この試合は、前王者の大輝が返上して空位となっていた全日本ウェルター級の王座決定戦。王座に争うのは「微笑みの神童」山本優弥と「名勝負製造機」湟川満正の二人である。


この両者、共に昨年は「我慢の年」となった。

K-1 MAXで連敗した山本の昨年の戦績は1勝3敗1KOと、非常に芳しくない結果に終わってしまった。右肩脱臼を再発させて以来、肉体改造やファイトスタイルの変更を余技なくされている山本、だが前回3月9日の試合では、金を相手に余裕の判定勝ち。試合中には、トレードマークである「相手を挑発する笑顔」も飛び出した。山本の復活の時は近い。再びK-1 MAXの舞台に立つ為にも、まずは全日本ウェルター級の王座を奪いたいところだ。

対する湟川は、これが二度目のチャンスとなる。昨年行なわれた全日本ウェルター級の王座決定戦では、当時無敗だった大輝に完敗。昨年末の藤原祭でも、金を相手に延長の末、苦敗。今日の山本戦は、湟川にとって正念場となるだろう。かつてはジムの先輩である山内裕太郎も腰に巻いていたベルトを、手にする事はできるのか?



試合では、守勢に回るとアゴの弱さを露呈してしまう湟川に対して、肉体改造によって上半身に筋肉がつき、以前よりも一発の打撃が重くなった山本が、試合を優位に運んでいく。

自ら前には出ず、下がりながら右ローを重ねる湟川に対して、山本は1Rにその右ローに合わせてカウンターの左フックを叩き込み、2Rには重い左ミドルで湟川のスタミナを奪う。3Rは笑顔で闘い、左フックをハードヒットさせると、単発ながらも左ボディブロー、左ミドル、右ストレートで湟川を圧倒。4Rは肘打ちで逆転を狙う湟川に、要所で左フックを叩き込む。

ここまでは山本が圧倒的に優勢、もはやその勝利は動かないもの、と思われた。


だが、迎えた最終5R。尚も左フックをハードヒットさせる山本に対し、湟川は左の縦の肘打ちを叩き込む。これで山本は左目の上が割れて流血、ドクターストップの可能性も出てきた。突然の展開に観客が驚きの声を上げる中、湟川は一発逆転を狙って前に出る。湟川応援団も大歓声でこれを後押しする中、山本はやや守勢に回りながらもパンチでよく応戦した。

ここで試合は終了。判定の結果は2−0で山本が勝利。若き新王者の誕生を、青春塾応援団が祝福する。



マイクを握った山本は「ベルトを巻いたら、今すぐにでも飛び上がりたいくらい嬉しいですっ!」と、自身の初戴冠を大いに喜びつつも「王者として、全日本キックの先輩である魔裟斗選手、佐藤嘉洋選手、小林聡選手のようなオーラのある選手になりたい」と、更なる高みに挑むことを表明。だが、やはり初戴冠は相当に嬉しかったらしく、リングから降りる時も大声で「ヤッタァァァーーーッ!」と叫んでいた。



まあ、僕としては「予想通り」という感じかなぁ。

このところの湟川は、以前の「前に出るファイト」を封印して、自ら下がるファイトスタイルになっちゃったから、魅力が半減しちゃったなぁ。湟川は元々、一発の打撃が重いタイプの選手でもなければ、頑丈な身体を持つ選手でもないから結局、手数多く攻めるしか残された道はないと思うんだけどねぇ。ま、ここで腐る選手ではないと思うので、再起に期待しますかね。

対する山本、最後に大逆転を許しながらも、試合全体を通して湟川を圧倒して念願の初戴冠。なかなか見事だったが…、二連敗している濱崎一輝、勝利を上げられない山本裕太郎、山本の休場中に頭角を現した大輝など、彼にはまだまだ超えなくてはならない『壁』が多い。ベルトの価値を向上させる為にも、彼らとの一戦は是非実現させて欲しいね。

あれれれれ、復帰しちゃうの?

休憩の後、会場に突如「キッズ・リターンのテーマ」が流れる。この曲は、つい先日引退してしまったあの選手の入場曲。観客の多くが状況が呑み込めないながらも、条件反射的に手拍子を合わせる中、颯爽とリングに現われたのは、ジャケット姿の「野良犬」小林聡だ。

「えっ!? まさか、舌の根も乾かぬうちに現役復帰っ!?」とばかりに観客が騒然となる中、宮田充リングアナが小林が全日本キックのGM(ゼネラル・マネージャー)に就任した事を報告すると、観客は拍子抜けしながらも小林の「現場復帰」を歓迎する歓声に包まれた。

マイクを持った小林GMは「GMって言われても、何をすれば良いのか判らないので、誰か教えてください」と身も蓋もない事を言いだす。客席が笑いに包まれる中、助け舟を渡したのは6月にタイ遠征が決まっている「自分大好き」石川直己。タイ遠征の引率者になって欲しいと提案すれば、小林GMはこれをアッサリと承諾。こうして小林は、全日本キック・タイ遠征の総監督となる事が決定した。



最近、自身のブログで「小林と話した時の事」を書いていた石川だけど、今日はいい役を務めたね。ブログの文章を知っている者としては、微笑ましい光景だったというか。

石川直生 ◇ナオキックの日記◇」より 野良犬とナオキック

http://blog.livedoor.jp/soruto_nt/archives/2007-04.html#20070429

あやややや、青春塾が去るとこんなモンかねぇ

これは余談だが、山本優弥の試合が終わり、石川直生の挨拶が終わると、青春塾応援団は一斉に会場を後にしたらしい。お陰で、タダでさえ少ない観客の入りが更に減り、最終的には約四割程度の入りになってしまった。ぬぬぬぬぬぅ、こんなに客入りの悪い全日本キックを観たのは久しぶりかも…。

第七試合 あたたたた!山本のパンチが炸裂

58kg契約 3分5R
山本真弘(165cm/57.8kg/藤原ジム/全日本フェザー級 王者)
●モンコントーン・ポンソンクラーム(166cm/57.9kg/タイ)
[3R 56秒 KO]
※左ストレート

本日のセミファイナルとメインイベントには、全日本キックが誇る看板の一つである「ダブル山本」がムエタイ超えに挑む。

その先陣を切るのは、日本キック界が誇る「スピードスター」山本真弘だ。現在は全日本キックフェザー級の王座に君臨している山本だが、実は意外な弱点がある。それはムエタイ。これまで山本はムエタイ選手と三戦しているのだが、未だに勝ち星がないのだ。

初めての試合は元ルンピニーのランカーを相手に、自慢のスピードを活かして試合を圧倒するも、一発の肘打ちで失速してドローに持ち込まれた。二戦目の相手は、あの「新たなる怪物」ワンロップ・ウィラサクレック。山本を上回るスピードで襲い掛かるワンロップは、山本に初のKO負けをプレゼント。三戦目はまったく無名の選手だったが、右ミドルを連発された山本は何もできずに完敗してしまった。

そして迎えた、山本のムエタイ超え・第四戦。今日の相手は、三戦目と同じく肩書きのない無名の選手。これに負けてしまうような事があれば、山本は自身のファイトスタイルから考え直すハメになるだろう。


だが、そんな心配は懸念に終わった。実際の試合では、のらりくらりとしながら自分から打撃を打たないモンコントーンに対して、山本のヒット&アウェイが冴え渡った。

1Rこそ両者共に様子見の状態だったが、2Rは山本が積極的に動き、インアウトを繰り返しながら打撃を重ねていく。左ストレートや右アッパーがヒットする中、ガードの甘いモンコントーンに山本のコンビネーションが炸裂。左ストレートが顔面を打ち抜き、モンコントーンがダウンを喫する。観客は山本の動きを支持する歓声に包まれたが、モンコントーンは立ち上がった後、KOを狙って距離を詰めてくる山本に、逆襲の右肘と膝蹴りを喰らわせる。思わず膝が崩れる山本、油断は禁物だ。

しかし3R、接近戦に活路を見い出すモンコントーンに、山本は左右のフックをヒットさせると、尚も肘打ちを狙うべく接近してくるモンコントーンに、右ストレート〜左ストレートのコンビネーションをブチ込む。最後の左ストレートが再び顔面を打ち抜けば、モンコントーンはその場にグシャっと倒れた。素人目に見ても、モンコントーンが立ち上がれそうにない事は明らか。レフェリーが試合を止めれば、観客は山本の鮮やかなKO劇を祝福する歓声に包まれた。



勝った山本はマイクを握り、「タイに行っても勝ちますので、応援よろしくお願いします」と挨拶。シンプルな内容ながらも、タイ遠征に向けて意欲を見せた。




いや〜っ、山本がやっとムエタイの選手に勝利したなぁ。ま、相手が無名の選手だとか、言いたい事がないワケではないけど、こういう白星で悪い流れをスパッと断ち切るのもいいんじゃないかな?

第八試合 あわわわわ、やっぱり強豪だったのね

58.5kg契約 3分5R
山本元気(164cm/58.4kg/DEION GYM/全日本フェザー級 一位、前王者)
△セーンチャイ・ジラグリアングライ(162cm/58.4kg/タイ/元ラジャダムナンバンタム級 五位)
[判定 0−0]

本日のメインイベントは、ダブル山本のハードパンチャーの方、「右の殺し屋」山本元気が出場。

昨年はムエタイ選手との試合に明け暮れた山本。三月の試合では、過去に前田尚紀をKOした経歴を持つカノンスック・フェアテックスを1RKO、そして六月には「新たなる怪物」ワンロップ・ウィラサクレックと対戦、激戦の末にドローに持ち込んでいる。だが九月、満を持して出陣したタイ遠征では…、グーピー・ウォー・スレィラーに流血TKO負けを喫してしまった。そして今日は、そのグーピー戦以来、約七ヶ月ぶりの復帰戦となる。

ムエタイ選手と闘って欠場に追い込まれた山本は、その復帰戦もまたムエタイ選手となった。対戦相手に選ばれたのはセーンチャイ・ジラグリアングライ、元ラジャダムナンのランカーであるのと同時に、今年に入ってグーピーに連勝しているという強豪。復帰戦の相手としてはハードルが高く設定されているが、山本には是非乗り越えて欲しいところだ。


試合の前半は、山本ペースで試合は進んだ。

浅黒い肌がテッカテカになる程、ワセリンを塗っていたセーンチャイに、山本のコンビネーションが冴え渡る。左フック、右ストレート、左ボディブローをシャッフルしつつ連続で放つ山本。ワンツー、ワンツースリー、ワンツースリーフォーとパンチが決まり、最後は右ローで締めれば、完全復活を確信した観客から歓声が沸く。

対するセーンチャイは防戦一方の状態。ガードを固めながら様子を伺い、時折右ローを放つのが精一杯。この様子を観た観客の一部が「このタイ人、弱ぇよっ!」「もっと強い奴とやらせてあげてっ!」と野次を飛ばす中、山本のハイペースな攻めは止まる事なく続く。こうして3Rまでは、表面上は「山本がいつ、セーンチャイをKOするのか?」が試合の焦点となっていた。

だが。このセーンチャイ、ちょっと不気味なのだ。殴られているシーン、特にボディへの打撃はしこたま喰らっているのだが、その動きが落ちる気配がまったくないのだ。その目も、輝きを失っていない。これまで、自分からは殆ど手を出していないだけに、「こういう選手は、スイッチが入ると怖いんだよなぁ…」と、僕、nar氏、フリジッド氏、そして後から観戦に来たPON君(id:pon-taro)の間で話していた。


そして試合の後半は…眠れる獅子だったセンチャーイが、その牙を剥いた。

4R、セーンチャイが動く。おもむろに山本に接近したセーンチャイは、首相撲を駆使して山本をコントロールすると、ボディへ膝蹴りを連発。更には強烈な投げも多用し、山本から一気にスタミナを奪っていく。観客が驚きの声を上げる中、距離が離れれば右ミドルを多用するセンチャーイ。何とかペースを戻すべくパンチを放つ山本だが、セーンチャイはこれを潜りながらタックルを決めてしまう。

土壇場で思わぬ実力を披露するセンチャーイを前に、先ほどから野次を浴びせていた一部の観客も黙ってしまった。ホラ観ろ、やっぱりスイッチが入れば怖い選手だったジャン。


5R、セーンチャイはこれまでとは一転、山本との打ち合いに応じる。まずは山本のワンツー〜左ボディが何度もヒットするが、相変わらずセーンチャイにダメージはない。今度はセーンチャイの番、やや大振りなワンツーに、縦に横にと肘打ちを織り交ぜて放てば、山本は肘を被弾したのか左目の上からは出血が。

観客の悲鳴と歓声の中、最後に両者は至近距離での打ち合いに挑んだ。お互いのパンチが激しく交差する中で試合は終了。観客からは、山本の頑張りを支持する拍手が起こった。


判定の結果は0−0でドロー。1R〜3Rは山本が取っていたのだから山本の勝ちでもいいような気がするのだが、4R〜5Rにおけるセーンチャイの強さを観てしまうと、この判定結果にも納得せざるを得ないだろう。



恐らくセーンチャイは、単にジャパンマネーを稼ぐのが目的で来日したのだろう。そういうタイ人を本気にさせたという意味では、今日の山本は良かったように思う。だが。これが復帰戦であり、セーンチャイは強豪だったという事を重々承知の上で言わせてもらうが…、やっぱりKO勝利が観たかったのも事実だな。殺しの右が観たかった。

っていうか、山本って選手は、安心してそういう期待をする事ができる選手なんだよなぁ。その信頼感、安定感は山本にとって大きな財産だと思うなぁ。ま、終わった事をゴチャゴチャ言っても仕方がない。ここは素直に、次の試合での活躍、そしてKO勝利に期待しますか。

雑感

全体的に、なんかスッキリしない興行だったなぁ。


フリジッド氏&nar氏の話では、第四試合のクリストフ・プルボー vs 金統光はかなり面白かったらしいんだけど…所詮、僕は途中観戦の身分だし。

「じゃあ、それ以降の試合はどうなんだ?」と言われれば…。第五試合は不透明決着だし、第六試合は予想の範疇内に収まっちゃったし、第七試合はタイ人の実力不足が露骨だったし。まあ、第八試合のセーンチャイの不気味さな強さは良かったけど…、結局あんまりスッキリするような展開には欠けたなぁ。


「ま、こんな日もあるさ」って事なのかなぁ。次回興行に期待するしかないか…。


以上、長文失礼。