5/6 PANCRASE 大森ゴールドジム興行 観戦記

なんとも寂しいGWになっちゃったなぁ

今年のGWはどういうワケか、総合格闘技の興行が皆無。昨年までの反映ぶりを考えるとなんとも寂しい話だが、まあPRIDEもあんな事になったし、仕方がないんだろうなぁ。


というワケで、今日はpsyzoh(id:psyzoh)さんと一緒に大森GOLD GYMでPANCRASENEO BLOOD TOURNAMENTの一回戦を観戦。う〜ん、GW中なんだし、どうせなら本戦をやって欲しいんだけどねぇ。


チケット代は立見で3500円、観客は満員(200名前後)。

第一試合 う〜ん、弱点が大きいのは厳しいなぁ

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 フェザー級 一回戦 5分2R
○宮城友一(171cm/64.0kg/P's REAL)
●村山トモキ(170cm/61.0kg/AJジム)
[判定 3−0]

全日本キックの本隊であるAJジムから参戦している村山トモキ。さすがに打撃は素晴らしいのだが…、一度寝かされてしまうと防戦一方に。グラウンドでコツコツ殴り続け、バックを奪ってのスリーパーを仕掛け続けた宮城友一が、判定3−0で勝利した。


う〜ん、村山は立ち技の選手なだけに、寝かされると厳しいね。

第二試合 これはヒドい判定結果だなぁ

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 フェザー級 一回戦 5分2R
○長谷川孝司(167cm/63.0kg/PANCRASE 稲垣組)
吉本光志(171cm/65.0kg/AJジム)
[2R 3分20秒 反則]
※金的攻撃による

第一試合の村山トモキと同じくAJジムより参戦している吉本光志だが、こちらは村山よりも腰が重い。長谷川に組みつかれても倒れない吉本、遠い間合いから左右の打撃を次々に長谷川の顔面に叩き込む。さすがはキックの東洋王者。

こうして完全に主導権を握った吉本だったが、2R中盤に放ったテンカオがローブローになってしまう。長谷川は痙攣する程に悶絶、なんともダメージは深そうだ。

この状況の中、審判団がリングに登場。長い長い協議の結果、結局は「吉本の反則負け」という事になった。当然、吉本は納得できずに大暴れ。伊藤崇文が必死に止めている姿が印象的だった。


う〜ん、微妙だなぁ。どう見ても吉本のローブローはアクシデントだし、これで反則負けになっちゃう吉本は気の毒だなぁ。ま、一番いいのは「再戦」なんだろうけど…、次のトーナメントまで時間もないし、ちょっと難しいのかなぁ…。

第三試合 グダグダだけど逆転劇ではある、か…

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ライト級 一回戦 5分2R
五十里祐一(169cm/75.0kg/PANCRASE P's LAB東京)
●風間奨(171cm/71.0kg/パラエストラ東京)
[判定 2−0]

1R前半、テイクダウンを奪った風間奨が上から積極的にパンチを落とす。その勢いはかなりなもので五十里はピンチに陥ったが…五十里は終盤になんとか上を取り返すと、ポイントを挽回せんと必死にパンチを落としていく。

2R、今度は早々にグラウンドで上になった五十里。相手に逆転されまいと慎重にポジションをキープしつつ、ダメージを与えるべくパンチを落としていく。試合はやや退屈な展開となったが、2R中盤にはサイドを奪っての膝蹴りなども放った五十里が、判定の結果2−0で勝利した。


う〜ん、1R前半のアグレッシブさを観ていると、風間が勝つと思っていたんだけどなぁ。

第四試合 こっちは判りやすい逆転劇

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ライト級 一回戦 5分2R
松本晃市郎(171cm/70.0kg/今田道場)
●荒牧拓(178cm/69.0kg/PANCRASE P's LAB横浜)
[2R 4分48秒 TKO]
サッカーボールキック

タレントの今田耕司が開いた道場、今田道場からトーナメントに出場する松本晃市郎今田道場の門出の為にも負けられないところだったが…。


松本は1R序盤こそ、スタンドでのパンチの連打で荒牧拓を圧倒するも…、試合が進むに連れて徐々にリーチの長い荒牧の打撃に押されるようになる。う〜ん、荒牧の手足は長いなぁ。7cmという身長差以上にリーチ差があるだろうな。

そんなこんなで、試合は荒牧ペースで終了しつつあったが…。試合終了、松本が不意に放ったパンチが荒牧の顔面にクリーンヒット。崩れ去る荒牧、松本はすかさずサッカーボールキックを入れると、慌ててレフェリーが試合を止める。

この逆転劇には、わざわざ観戦に来ていた道場主の今田耕司も「いや〜っ、良くやったわっ!」と大はしゃぎ。確かに鮮やかな逆転劇だったなぁ。


ちなみに休憩時間中には、全日本キック山内裕太郎今田耕司が談笑。なかなか面白い2ショットだ。

第五試合 見事な秒殺劇だな

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ウェルター級 一回戦 5分2R
○高田谷悟(175cm/78.0kg/格闘技吉田道場)
●八島勇気(171cm/76.0kg/PANCRASE P's LAB東京)
[1R 1分22秒 腕十字固め]

高田谷悟は「格闘技吉田道場」の所属なのだが、ここでいう吉田道場とは我々が良く知っている吉田秀彦の道場ではなく、レスリングをベースとした道場なのだそうな。


んで、試合はその高田谷が終始圧倒。いきなりスタンドでパンチを喰らわせると、嫌がる八島が仕掛けたタックルで倒されるのと同時に下から腕十字を極めた。一度持ち上げて、頭から落とす八島だったが、高田谷はガッチリと極めて離れず。程なくして八島がタップ、試合は終了した。


う〜ん、これはお見事。高田谷は決勝でも活躍が期待できそうだなぁ。

第六試合 何だか、存在自体が大人気ないような…

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ウェルター級 一回戦 5分2R
○ヨシロックT(174cm/74.2kg/和術慧舟會A-3)
●TOSHI(175cm/75.0kg/空柔拳会館)
[1R 3分11秒 TKO]
※マウントパンチ

今年のウェルター級ではブッチギリの優勝候補、ヨシロックTがリングに登場。ぬぅ、本戦で小路伸亮をKOした実績を持つ彼がNEO BLOOD TOURNAMENTに出場しているのには違和感を覚えるなぁ。


試合開始早々、あっという間にTOSHIから簡単にテイクダウンを奪ったヨシロックは、サイドから強烈な鉄槌で殴り続けると、あっさりとマウントを奪い、必死に逃げようともがくTOSHIを逃がさずに尚も強烈なパンチを落とし続ける。TOSHIはグッタリ、あまりに一方的な展開を見たレフェリーが試合を止めた。


あ〜あ、やっぱりこうなっちゃったか…。やっぱりヨシロックはこのトーナメントに出ちゃイカンよなぁ。まあまあ、第五試合で勝利した高田谷は結構強いみたいだし、決勝戦だけはいい試合が期待できそうだな。

第七試合 意外な技が飛び出した

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ミドル級一回戦 5分2R
○藤井陸平(185cm/81.2kg/和術慧舟會RJW)
阿部健太郎(178cm/83kg/ハイブリッドレスリング山田道場)
[1R 3分20秒 スピニングチョーク]

この試合では、大きい身体の持ち主である藤井陸平が終始、山田学の弟子である阿部健太郎を圧倒。


試合開始早々、藤井はテイクダウンを奪うも、上になったのは阿部。だが藤井はスルスルとグラウンドを脱出すると、阿部に組み付つき、ロープ際で鯖折りを仕掛けて阿部を場外へ落とそうとする。

こうして試合のペースを握った藤井は、何度目かのグラウンドで阿部をガブると、首を捕らえてスピニングチョークをガッチリと極めた。阿部がタップし試合は終了。華麗な技で観客を沸かせた藤井が決勝戦へと駒を進めた。


ふむ、これは意外な技が出てきたねぇ。今日は全体的にいい試合が続いているなぁ。

第八試合 こ、ここで負けてしまうとは…

NEO BLOOD TOURNAMENT 2007 ミドル級 一回戦 5分2R
○岩見谷智義(高田道場)
●鳥生将大(PANCRASE ism)
[マスト判定 3−0]
※通常判定 0−0

今日のメインイベントを任されたのは…NEO BLOOD TOURNAMENT 2007の中では唯一のPANCRASE ismからの出場となる鳥生将大。レスリングと空手を格闘技のベースに持つ鳥生は、非常にガッシリとした体格の持ち主でもある。一回戦の相手は、勝ち星に恵まれていない高田道場の岩見谷智義。相手が相手なだけに、鳥生には圧勝を期待したが…。


試合全般において、鳥生は空手仕込みの綺麗な左ハイを連発。これには会場も沸きまくったが…クリーンヒットは皆無では左ハイを出す意味がない。そして、いざ岩見谷に脇を差されると…鳥生はコーナー際で耐えるのが精一杯の状態に。なんだかなぁ、地味でもいいからもう少し有効な打撃を使えよ。ローとかさぁ。

対する岩見谷、打撃には圧倒されつつも何度か鳥生をコーナー際に押し込むも…こちらはなかなかテイクダウンを奪えない。なんだかなぁ、展開が地味すぎてコメントもできないよ。


こうして試合は「鳥生の当たらない打撃 vs 岩見谷の倒せないタックル」という、非常に辛い展開が続くことになったが…2R中盤、ついに岩見谷がテイクダウンに成功。観客からは「やっとかぁ…」と言わんばかりの声が上がったが…岩見谷はグラウンドで上になった後も、次の技を仕掛ける事ができない。観客の熱がどんどん冷めていく中、やがてレフェリーが二人をブレイク。なんだかなぁ、どうせこうなるとは思っていたけどさ。


なんとも煮え切らないグダグダな展開が続く中、鳥生は試合終了直前に岩見谷の引き込みにより、グラウンドで上になるチャンスを得たが…、このシーンでも岩見谷の下からの鉄槌を何発も喰らってしまった。なんだかなぁ、鳥生ってこんなにグラウンドが苦手だったのかぁ?


こうして試合は、両者の応援団以外は殆ど盛り上がる事なく終了。ハッキリ言って差なんてつけられない内容だが…、2Rに自らの意思で奪ったテイクダウンが功を奏し、マスト判定3−0により岩見谷が勝利を上げた。


う〜ん、唯一のism所属選手がこんなしょぼい負け方をしてしまうとはなぁ…。試合内容にに観るべき点もなかったしねぇ。なんていうか「PANCRASEの希望の星」である鳥生が、こんな内容の試合をしちゃイカンよぉ。この手の内容はベテラン勢に任せて(苦笑)、鳥生には勝つにせよ負けるにせよ、内容のある試合をして欲しいんだけどなぁ。


雑感

今日は全体的に面白かったんだけど、やっぱりメインの鳥生の敗北がねぇ…。

昔からPANCRASEを観てきた人間としては、やっぱり最後はシッカリとPANCRASEの選手が締めて欲しい、というかねぇ。

ま、鳥生はまだデビューして間もない選手だし、長い目で観ていこうとは思うけど…今日の負け方は痛いよなぁ…。


以上、長文失礼。

ちなみに

帰りはpsyzohさんと二人で、大森ゴールドジムの隣にある「タパス&タパス」でパスタを食いました。大森のタパスは雰囲気が良くて好きなんですよねぇ。ちなみに僕は「渡りガニのトマトクリームソースのスパゲッティ」を食べました。美味でした。

タパス&タパス(公式HP)

http://www.tapas-tapas.com/