3/17 CAGE FORSE ディファ有明興行(地上波) 簡易観戦記

この週は色々と大変な週だったのです。

この週末(3/16〜3/18)っていうのは、中小の総合格闘技団体ファンにとっては大変な事になっていたんじゃないかなぁ。

3/16は修斗佐藤ルミナの出場&バンタム級タイトルマッチ。3/17はCAGE FORCE、ライト級&ウェルター級のトーナメントを開催。んで、3/18はPANCRASE、急成長株の川村亮金原弘光と対戦。「どの興行も見所があるけど、全部いくとお金がかかるし…」なんて悩んだ人は少なくないのでは?

で。もっと言えば、選択肢から最初に「CAGE FORCE」を落とした人は多いんじゃないかな?なんといっても、この大会は地上波でTV放送があるしね。


ってなワケで、この観戦記は3/24のお昼にテレビ東京で放送されたCAGE FORCEの模様の観戦記です。ちなみに放送は関東オンリーだったようです。プロレスと違って格闘技興行は地方巡業しないから、関東だけで放送してもそれなりに集客効果はあるんだろうなぁ。

第一試合 ま、負けちゃった…

ウェルター級トーナメント一回戦 5分3R
吉田善行(東京イエローマンズ)
井上克也(和術慧舟會RJW/PANCRASEウェルター級 一位 & 前暫定王者)
[1R 1分45秒 KO]
※右アッパー

「井上は打撃が得意です!」と紹介するアナウンサー&宇野薫

「そうかなぁ?井上の打撃はどこか危なっかしい印象があるんだけどなぁ…」なんて事を思いながら見ていたら、吉田の右ストレートがヒット。グラつく井上を金網際へと追い詰めた吉田、首相撲からパンチを連打。フックとアッパーをバコバコと貰って崩れる井上、レフェリーが試合を止めた。

PANCRASEウェルター級の暫定王者、惨敗。最近は明るい話題が少なくなってきたPANCRASEだけど、また暗いニュースが一つ増えちゃったなぁ。この世は格差社会へ一直線だが、PANCRASEは他団体との差が開く一方だなぁ。尾崎社長、秘策はないんですかねぇ?

第二試合 お、勝ったのか、珍しい

ライト級トーナメント一回戦 5分3R
高橋渉(フリー)
キム・インソク(韓国/CMA KOREA KPW 大義館)
[2R 3分6秒 KO]
※グラウンドパンチ

あ、高橋渉って高田道場を離脱してたのね。というワケでこの試合も2Rから。

高田道場時代は黒星が先行していた印象のある高橋だが、この試合では鮮やかなタックルでテイクダウンを奪い、サイドから腕十字を狙う。キムはこれを返すも、しつこく組み付いて再びテイクダウンを奪う高橋。バックから肘打ちとパンチを放ち、マウントを奪ってパンチを連打。嫌がるキム、レフェリーが試合を止めた。

う〜ん、こんなに強い高橋を見るのは初めてだ。高田道場を離れて、逆に強くなったんじゃないのかな(笑)。

第三試合 す、凄い勝ち方をしたなぁ…

ライト級トーナメント一回戦 5分3R
○鹿又智成(パラエストラ八王子/ケージ ウォリアーズ ライト級トーナメント 優勝)
ダイナソー・ジェイコブ・シデック(オーストラリア/プーマジム/ウォリアーズ レアム推薦)
[1R 9秒 KO]
※グラウンドパンチ

もっとも放送時間が短く、そしてもっともインパクトが残ったのがこの試合。

なんといっても選手紹介映像では散々「寝技魔術師」と煽っておきながら、実際の試合は「鹿又の右ストレートでシデックがダウン → 鹿又のグラウンドの左フックでシデックがグッタリ」って展開。寝技もヘッタクレもない内容だけど、その鮮やかは「お見事!」の一言に尽きるね。

なんでも鹿又のセコンドには、桜木裕司瓜田幸造掣圏真陰流コンビがついていたとか。だとすれば、この勝ち方は掣圏真陰流の理想通りだね。生まれ変わった「寝技魔術師」の試合ぶりに、これからも注目しよう。

第四試合 さ、さすがは元スペツナズ

ライト級トーナメント一回戦 5分3R
ウマハノフ・アルトゥール(ロシア/SKアブソリュート ロシア/PANCRASEライト級 三位)
●カイナン・カク(アメリカ/BJペンMMA/ランブル オン ザ ロック推薦)
[2R 3分57秒 KO]
※グラウンドパンチ

スペツナズウマハノフの試合は2Rからの放送。

左ローキックを放ちつつカクをテイクダウンしたウマハノフ、ボディへ膝蹴りを入れ、首をとりつつパンチを放ち、マウントから重い鉄槌を放つ。亀になったカクに容赦なくパンチを入れるウマハノフ、カクがグッタリして試合終了。

実況を聞く限りでは、1Rはカクのグラウンドテクニックに翻弄されたように聞こえたのだが、TV放送のみを見るとウマハノフの完勝でしたな。早くもPANCRASEの強さの象徴になりつつあるウマハノフ、優勝候補の呼び声も高いけど、この試合を見る限りでは「磐石!」って感じだねぇ。

第五試合 な、長いよこの試合の放送時間

ライト級トーナメント一回戦 5分3R
光岡映二(和術慧舟會RJW)
●ブライアン・コッブ(アメリカ/チーム ペイン&サファーリング/パンジア ファイト推薦)
[3R 1分38秒 フロントチョーク]

テレビで最初に放送されたのはこの試合。正直、地味な試合展開だったので「これを最初に放送するのは、どうなんだろ?」なんて思いながら見ておりました。しかもノーカットだったしねぇ。編集して、もう少し派手に放送すればいいのに。

んで、全体的には光岡が押されていた。スタンドではコッブの身長の高さに手を焼き、グラウンドでも何度も上になられる等で大苦戦。だが3R、左ミドルでコッブを崩した光岡は、そのまま組み付いてフロントチョークへ移行。持ち上げるコッブだが光岡はお構いなしに極める。やがてコッブがタップして試合終了。

大苦戦した光岡だけど、最後は鮮やかでした。

第六試合 ミ、Mr.肘ってそれは…

ライト級トーナメント一回戦 5分3R
朴光哲(KILLER BEE/修斗ウェルター級 環太平洋十位 & 元王者)
●ヤルッコ・ラートマキ(フィンランド/シュートファイティング ラペランタ/ザ ケージ推薦)
[1R 2分33秒 KO]
※グラウンドパンチ

TVでインタビューに応える朴。気は強そうだけど素朴な感じが伝わってきて好印象でした。

タックルからテイクダウンを奪うラートマキ、グラウンドで上からフロントチョークを仕掛けるも、朴は返して上になる。下になったラートマキを金網際まで運んだ朴、マウントから右の肘打ちと左右パンチを連打。防戦一方となるラートマキ、レフェリーが試合を止めた。

何故か解説席にいた「ますだおかだ」の増田、朴を評して「肘が似合う!Mr.肘!」だそうで。いや、肘といえば三沢光晴という金字塔が…。

第七試合 さ、さすがは寝技大魔神

ウェルター級トーナメント一回戦 5分3R
菊地昭(KILLER BEE/修斗ミドル級 世界二位 & 前王者)
●ジャネット・ローリンズ(アメリカ/チーム オーヤマ / ノーリミッツ/パンジア ファイト推薦)
[2R 1分34秒 KO]
※グラウンドでの肘打ち

「寝技大魔神は読書が趣味」ってなテイストで紹介される菊地。月に30冊前後は読むらしい。なかなかに活字の虫だな。んで、この試合は1Rから放送。う〜ん、何を基準にカットしたり、しなかったりしているのかがわからんなぁ。

1R、タックルでテイクダウンを奪い、グラウンドでジックリとポジションを移行する菊地。約二分かけて腕十字を仕掛けるも、ローリンズは腕を伸ばされながらも身体を返して逃れ、上からパンチを落とす。再びローリンズに組み付く菊地だが…これ以降は試合に展開はなくブレイクに。菊地は再びタックルを仕掛けてマウントを奪い、またしても腕十字。これをローリンズが逃れたところで1Rは終了。う〜ん、ローリンズは腕十字をスルッと抜けていくねぇ。さあ、どうする菊地?

2R、タックルでテイクダウンを奪い、マウントへ移行する菊地。今度は腕十字には拘らずに右の肘打ちを連打。嫌がるローリンズにしつこくパンチを放つ菊地、ダメ押しの右の肘打ちを放ったところでレフェリーが試合を止めた。

一本奪うまでは苦戦したものの、終わってみれば「菊地の完勝!」って感じですなぁ。

第八試合 も、門馬はこの大会のエース扱いなのね

ウェルター級トーナメント一回戦 5分3R
門馬秀貴(和術慧舟會A-3)
●ヤンネ・トゥリリンタ(フィンランド/ヘラクレス リーヒマキ/ザ ケージ推薦)
[1R 1分48秒 KO]
※アームロック

今大会のメインでありイケメンという事もあってか、門馬の紹介映像は長めに放送していた。HERO'Sに出場した時はライト級に合わせて激ヤセしていた門馬だが、今日はウェルター級での試合。やはり門馬はこの階級の方が安心して見ていられるねぇ。

試合では、トゥリリンタがタックルでテイクダウンを奪うも、門馬は下からオモプラッタを極める。腕を極められて苦しいトゥリリンタは下になるも、門馬はそのまま足で腕を極めてしまった。トゥリリンタがタップして試合終了。

門馬、お見事でしたな。このところは連敗していただけに、この一本勝ちは本人にとっても気持ちが良かったんじゃないかなぁ。

雑感

「全試合、一本勝ち!」という素晴らしい内容だったんだけど、全体的にはちょっとコンパクトに収まり過ぎていて印象に残りにくいかな、というのが素直な感想ですな。

僕はこのTV放送を2chの実況板を見ながら観戦していたんだけど、ここでの書き込みを見ていても…放送内容よりも番組中に散々流れていた「Dream Pure」のCMの方がインパクト大だったみたいだし。「どこまで丸い顔の女なんだ?」「なんだ、この素人演技はっ!?」「ああ、もう頭に焼き付いちゃったよ!」。確かにあれだけ散々にリピートされるとねぇ。

そりゃそうと、次回大会はTV放送するのかな?テレビ東京CAGE FORCEの前身であるD.O.G.を放送した経緯があるだけに、期待したいところだけどね。


以上、長文失礼。