12/27 El Dorado 新宿FACE興行 画像付き観戦記

このトーナメントからEl Doradoの真の歴史が始まる

本日は新宿FACEにてEl Doradoを観戦。


VOODOO-MURDER:S、STONED、DISASTERS BOXといった各団体のヒールが集まる「悪役の桃源郷」El Doradoが、最近になって新局面を迎える。団体初となる一大イベント、TREASURE HUNTERS タッグトーナメントの開催だ。

所属選手の全員が参加するこのトーナメントの目玉は、近藤修司を裏切り、KAGETORAを追い出した上で、STONED入りを果たした菅原拓也のパートナーが誰であるか、という事だったが、残念ながら菅原は怪我で欠場。あっという間に最大の売りがなくなった…と思ったら、代わりに入ってきたのはミラノコレクションA.T.飯伏幸太の二人。うん、これなら充分に菅原の穴を埋められるってモンだ。

一回戦を終えて勝ち残ったのは、近藤修司ディック東郷によるKINGKONG POWERS、ミラノコレクションA.T.飯伏幸太のITALIAN CODE、清水基嗣&卍丸のCASHING MACHIN、そして辻本恭史&日野本裕介による南京 "FUCKIN" レスリング部の四チーム。いずれも劣らぬ個性派タッグだが、優勝するのはどのチームになるのか?そしてこのトーナメントは今一つ、方向性が定まらないこの団体に何をもたらすのか?


というワケで友人のPON君(id:pon-taro)を連れて会場入り。チケットを購入、6000円でチョット高め。で、観客は超満員。前から思っていた事だが、今のEl Doradoにはこの新宿FACEという会場が似合っているね。

第一試合 順当

TREASURE HUNTERS タッグトーナメント 準決勝戦
 近藤修司(173cm/103kg/KINGKONG POWERS)
ディック東郷(170cm/102kg/フリー/KINGKONG POWERS)
vs
●清水基嗣(170cm/72kg/CASHING MACHIN)
 卍丸(175cm/69kg/CASHING MACHIN)
[11分36秒 片エビ固め]
※ダイビング・セントーン

清水基嗣と卍丸が新木場 1st RINGを破壊しまくった事に端を発した「TREASURE HUNTERS タッグトーナメント」、弁償金である73万1850円はあれよあれよと優勝賞金に。借金を背負った清水と卍丸のCASHING MACHINにとっては優勝は絶対条件だ。しかし、準決勝戦の相手は…優勝候補の大本命、近藤修司ディック東郷によるKINGKONG POWERS。いつか当たらなくてはならない相手とはいえ、CASHING MACHINはなんとも運がない、というかねぇ。


試合は、やはり地力に優るKINGKONG POWERSが終始圧倒。四者の顔見せが終わった後、KINGKONG POWERSが負傷中の卍丸の左肩を攻めまくる。近藤のアームバーや脇固め、東郷のストンピングといったねちっこい攻めを前に卍丸は悶絶し続けた。

それでも卍丸はスーパーキックを連発して脱出。タッチを受けた清水はミサイルキック、ジャーマンスープレックスを放ち、得意の高角度ブルドッキングヘッドロックを決める。卍丸も必殺技の卍落としで加勢。息の合ったCASHING MACHINEの攻めを前にKINGKONG POWERSは一瞬、劣勢に回ったが…。

近藤は絶妙のタイミングで清水にキングコングラリアットを決めて試合の流れを引き戻すと、KINGKONG POWERSは近藤のパワーボム+東郷のネックブリーカーによる合体技、近藤&東郷のクロスフェイスの共演でCASHING MACHINを一気に攻め込むと、最後は東郷のペディグリー〜ダイビングセントーン。必殺技フルコースを前に清水は3カウントを聞いてしまった。


試合後、卍丸は清水とのタッグを「楽しかったよ」と評するも「借金は負けたお前が払え」と責任を押し付けて退場。観客の爆笑の中、一人残された清水は困った表情で会場を後にした。


相変わらず東郷のダイビングセントーンは美しかった。それにしても順当すぎる結果だったなぁ。もうちょっとCASHING MACHINには頑張って欲しかったかな。

第二試合 傷心

TREASURE HUNTERS タッグトーナメント 準決勝戦
○ミラノコレクションA.T.(183cm/92kg/ITALIAN CODE)
 飯伏幸太(181cm/75kg/DDT/ITALIAN CODE)
vs
●辻本恭史(173cm/80kg/南京 "FUCKIN" レスリング部)  ※"brother" YASSHI
 日野本裕介(178cm/95kg/南京 "FUCKIN" レスリング部) ※火野裕士(KAIENTAI-DOJO)
with
 沖本摩幸(165cm/68kg/南京 "FUCKIN" レスリング部) ※ジャンピングキッド沖本
[11分53秒 片エビ固め]
※IRⅡ

第一試合から続いてのTREASURE HUNTERS タッグトーナメントの準決勝戦、まずは南京 "FUCKIN" レスリング部(以下、南京組)の三人が入場。辻本は「勝ったら優勝賞金でハワイや!もう予約したで!」と意気込み、日野本は「残りのお金ステーキですね!」と気合を入れる。そんな中、補欠の沖本も「俺もハワイに行けるんですね!」と主張するも辻本は無視。相変わらず沖本はオミソ扱いなのね。対するITALIAN CODE、ミラノは颯爽と入場。相変わらずスター性が高い。



試合では、いきなり南京組が短期決戦を狙って奇襲をかけるも、辻本がITALIAN CODEの反撃にあう。ミラノは飛び付き式のメキシカンストレッチで絞め上げると、パラダイスロックで固定しつつドロップキックを浴びせる。捕まった辻本は、ITALIAN CODEにニコタマ(二人の股間を掴む攻撃)を決めて日野本にタッチ。

ここからは飯伏にターゲットを絞った南京組が猛攻を見せる。日野本は重いチョップを浴びせ、辻本は腰の入った逆片エビ固めを極める。この間、エプロンに控えていたミラノは日野本と辻本のエルボーを浴び続け、怒ったミラノは何故か沖本にジャンピングニーパットを浴びせる。逆恨みだな。


この後も南京組の攻撃を喰らいまくった飯伏だが、辻本にニールキックを放ってどうにか脱出。タッチを受けたミラノは辻本にスペースローリングエルボー、ショルダースルーを浴びせるも…カットに入った日野本が俵投げを決め、息を吹き返した辻本はヘッドバットを浴びせる。更にはビッグボーイ(日野本のパワーボム+辻本の回転式ネックブリーカー)も決まった。今日の南京組はかなり強いが、続いての辻本のダイビングビッグヘッドはミラノにかわされてしまう。

先輩のピンチに補欠が動く。辻本に「俺達がピンチの時には助けてくれよ」と言い含められていた沖本はプラスチックボックスでITALIAN CODEを攻撃しようとしたが…、ボックスは次々と南京組の脳天に叩き込まれる。一気に大ピンチを迎えた辻本に飯伏のスワンダイブ式のミサイルキック、ミラノのIRII(クロスアーム式フェースバスター)が決まり、辻本はあっさりとカウント3を聞いてしまった。


勝利したITALIAN CODEが足早に会場を後にする中、敗れた南京組の日野本は「ハワイまでの旅費など払えない」とばかりに走って逃げる。残された辻本はハワイ行きを止め、沖本と福島県にあるスパリゾートハワイアンズに傷心旅行へ行く事を発表、力なく会場を後にした。


ふむ、やはり決勝戦に残ったのはKINGKONG POWERSとITALIAN CODEになったか。この激突であれば、試合内容は保障されたも同然だな。今から試合が楽しみだな。

第三試合 苦戦

六人タッグマッチ
 ジャンピングキッド沖本(165cm/68kg)
ベアー福田(177cm/110kg)
 ギジェルモ”チャンゴ”秋葉(168cm/73kg)
vs
 Ken45°(172cm/80kg)
●バナナ千賀(162cm/72kg)
 キング・ポコダ → 高梨将弘(170cm/70kg)
[15分35秒 片エビ固め]
ファイナルフラッシュ

この試合は闘龍門Xのメンバー達による六人タッグ。El Doradoの興行は純闘龍門X系の試合ではあまり盛り上がらない傾向があるが、この試合はそのエピソードを打ち破る事ができるか?


Ken&千賀&ポコダ組が入場、Kenはいつものようにエアギターを奏でるも、それ以上に熱演したのがポコダ。最後はエアギターを破壊したポコダ、観客はややウケ。ちなみにこの間、千賀はエアバナナを食べていた。

一通り終えた後でKenは突如、ポコダに高梨将弘として試合に挑むよう命令。渋々リング上で生着替えする高梨、但しタイツを脱ぐ事はなし。女性客が「えぇ〜っ!?」と不満を漏らせば、高梨は「俺に何を求めているんだっ!?」と反論、観客は爆笑。


しかし試合は…顔だけ金色に塗られている高梨が爆笑をさらった程度で、全体的には特に見所はなし。千賀の恥ずかしい衣装、沖本のラ・ケプラーダ、チャンゴのプランチャ、Kenのトペ・コンヒーロ、そして福田の一回転ドロップキックが目を惹いた程度かな。観客もあまり盛り上がる事はなく、最後は千賀が福田のファイナルフラッシュ(フライングボディプレス)の前に力尽きた。



う〜ん、相変わらず闘龍門Xは観客を相手に大苦戦しているなぁ。旧闘龍門(現DRAGON GATE)を経験していない事が大きなハンデになっている、というかねぇ。

第四試合 兄弟

TREASURE HUNTERS タッグトーナメント リザーブマッチ
エル・ブレイザー(165cm/65kg/ARTISTIC SKYHIGH) ※義経
 ミラニートコレクションa.t.(162cm/60kg/ARTISTIC SKYHIGH)
vs
 バラモンシュウ(169cm/73kg/バラモン兄弟) ※佐藤秀
バラモンケイ(168cm/70kg/バラモン兄弟)  ※佐藤恵
[14分18秒 片エビ固め]
※ライトニング・ストラック

第四試合はTREASURE HUNTERS タッグトーナメンのリザーブマッチ、闘うのはエル・ブレイザー&ミラニートコレクションa.t.によるARTISTIC SKYHIGHと、毎度おなじみバラモン兄弟。「♪バぁ〜ラぁ〜モンッ!バぁ〜ラぁ〜モンッ!」というテーマソングと共に入場するバラモン兄弟、PON君曰く「味のある曲ですねぇ」。確かに一度耳にすると、忘れられない曲ではあるね。


試合はお約束の場外乱闘から始まった。ペースを握ったのは…やはりバラモン兄弟、ARTISTIC SKYHIGHは汚水攻撃を次々に浴びて悶絶。この後、バラモン兄弟はミラニートを集中攻撃。ラフファイトとキックの連打で主導権を掴む。この間、常に「お前ら、こいつを応援しないと死んでしまうぞ!」と観客にアピールするバラモン兄弟、相変わらず徹底したヒールぶりだな、ちょっと人の良さが出ているのが玉にキズだけど。

ラニートはスーパーキックを連発してピンチを脱出、タッチを受けたブレイザーはスワンダイブ式ミサイルキック、飛び付き回転DDT、トペコンヒーロといった飛び技を連発。しかしバラモン兄弟はキックの連打で反撃する。今日のバラモン兄弟は譲らないなぁ。

やがて試合は両チームの合体攻撃合戦に発展、バリエーションが豊富なバラモン兄弟の合体キック、ARTISTIC SKYHIGHのサンドイッチニールキックや合体スワントーンボムといった攻撃が交差する中、ARTISTIC SKYHIGHはシュウのイス攻撃をケイに自爆させる。チャンスと見たブレイザーは、ロープの上を走ってからのコーナー際へのミサイルキックを決め、最後は必殺ライトニング・ストラックでケイから3カウントを奪った。


試合後、敗れた腹いせにバラモン兄弟卍丸がARTISTIC SKYHIGHを襲撃。小さな体の二人がボコボコにされる中、これを救出したのは欠場中のKAGETORAだ。予期せぬ乱入でボコボコにされたバラモン兄弟は「ポンコツが何をしに来た!」とKAGETORAを罵しると、「今日は調子が悪くて負けたが…お前ら死んで、地獄に落ちて、今度生まれ変わったら…ウジ虫になるぞ!」と絶叫して退場していった。この台詞は大好きだ。

バラモン兄弟の去ったリングの上でKAGETORAは「前から言おうと思っていたが、お前らの決め台詞は変なんだよ」とポツリと呟いて観客の爆笑を誘うと、やがて本題を切り出した。「どうやら復帰の時期が決まりそうです。来年春…早ければ2月。近藤、大鷲、菅原、谷嵜、ミラノ…やりたい奴が沢山いるこのリングで、復帰しようと思います」と挨拶、観客の歓声を浴びた。


う〜ん、バラモン兄弟は結構好きなんだけど…観客の反応はもう一つなんだよなぁ。メインの攻撃が打撃技ばかりで、試合の組み立てがやや単調なのが悪いのかなぁ。まあ闘龍門Xの選手は体が小さいから、どうしても組み技とかに迫力が出ないんだよねぇ…。

第五試合 大壁

シングルマッチ
大鷲透(180cm/120kg)
谷嵜なおき(172cm/75kg)
[18分28秒 エビ固め]
パワーボム

本日のセミファイナルでは…先日、DRAGON GATEを離脱した谷嵜なおきが復帰戦に挑む…のだが、前回の興行では近藤修司に「お前はDRAGON GATEで何か実績を残したのか?」というキツイ先制攻撃を浴びてしまう。DRAGON GATE時代は他のレスラーの影に隠れてしまった谷嵜のEl Doradoでの初戦の相手は…あの大鷲透だ。DRAGON GATE時代には最巨漢選手として幅を利かせていた大鷲を相手に、谷嵜は勝利する事ができるか?


試合の序盤では、圧倒的な体格差を利用した大鷲が一方的に谷嵜を攻め込む。全体重を掛けて谷嵜の顔面を踏みつけ、谷嵜の胸には重いチョップを連続で叩き込み、コーナーに振ってのラリアットを決め、仕上げにWARスペシャルをガッチリと決める大鷲。対する谷嵜、チョップを喰らった胸がミミズ腫れの状態になっている。痛そうだなぁ。



しかし谷嵜は重い大鷲を持ち上げてのブレンバスターで反撃すると、かちあげ式の顔面への膝蹴りやミサイルキック等で追撃。主導権を奪った谷嵜は大鷲を場外へと誘うと、観客席のイスを山盛りにしてのインプラントを狙うも…待っていたのは大鷲のイスの上へのノド輪落としだった。喰らった谷嵜は悶絶し、カウント19までリングへ戻る事ができなかった。


試合のペースを奪い返した大鷲がいよいよフィニッシュへと取り掛かる。ノド輪落としを連発した大鷲、谷嵜は雪崩式ブレンバスターで一矢報いて観客の歓声を浴びるも、大鷲は更に非情のノド輪落としを連発してフォールの体勢へ。カウント2で返す谷嵜に観客は大歓声を上げたが…谷嵜はもはや虫の息。大鷲はトドメとばかりにフライングボディプレスの洗礼。この時点で観客の誰もが谷嵜の敗北を確信したが、谷嵜は尚もカウント2で跳ね返す。



観客は谷嵜の頑張りに更なる大歓声を上げたが…、大鷲は全体重を乗せた延髄蹴りで谷嵜の意識を飛ばすと、強烈なパワーボムへと繋いで、谷嵜を完膚なきまでに叩きのめした。


試合が終わればノーサイド。勝った大鷲は「お前はゾンビか?」と大鷲流の言葉で谷嵜の健闘を称えると、「お前の半年間はムダじゃない。お前はこれから自由を背負い、谷嵜物語を創っていくんだ。その1ページ目に俺の名前が刻まれるのが嬉しいぜ」とコメント。久々となる大鷲の真面目なコメントに観客からは拍手と歓声が上がる。

大鷲が去った後、谷嵜は「久々の試合でしたが、今の俺のレベルはこんなものです。半年間のブランクがありましたが、これから一歩一歩上に昇り、いつか必ず勝ちに行きます。これからも歯向かい、立ち向かっていきます!」と挨拶、観客の歓声を浴びながら若手の肩を借りて会場を去った。


PON君曰く「大鷲が真っ向勝負するのを久々に観ましたよ」。そうか、DDTやマッスルでは強豪でありながらも、お笑い担当だったけ。ま、DISASTERS BOXも解散したし、これからしばらくは再び暴れん坊として活躍するんだろうねぇ。対する谷嵜、今日はなかなかインパクトのある試合をしたと思う。だが、本当に大変なのはこれからだろう。龍の門から飛び出した男の活躍に期待したい。

第六試合 激闘

TREASURE HUNTERS タッグトーナメント 決勝戦
近藤修司(173cm/103kg/KINGKONG POWERS)
 ディック東郷(170cm/102kg/フリー/KINGKONG POWERS)
vs
 ミラノコレクションA.T.(183cm/92kg/ITALIAN CODE)
飯伏幸太(181cm/75kg/DDT/ITALIAN CODE)
[11分53秒 片エビ固め]
キングコングラリアット

いよいよTREASURE HUNTERS タッグトーナメントの決勝戦、勝ち残ったのは戦前から優勝候補とされていた二つのタッグチームだ。一つは現在は新日本プロレスで大暴れするミラノコレクションA.T.と、DDTでは若手No.1の飯伏幸太によるITALIAN CODE。そしてもう一つは全日本プロレス世界ジュニアヘビー級王者である近藤修司と、インディー界では知らぬ者なき試合巧者のディック東郷によるKINGKONG POWERS。

いずれも劣らぬジュニアの名選手、これだけの面子が揃えば「試合がつまらない」なんて事は絶対にありえない。ハッキリ言って今日の僕は、このタッグマッチを観るためにこの会場に来たようなモノなのだ。




んで、試合は…戦前の予想通り、一進一退の大激闘となった。

先発はミラノと東郷。お互いの技量を確かめあうべく、みっちりとレスリングで勝負。続いて近藤と飯伏、こちらは飯伏のキックと近藤のチョップは互角。で、全員の顔見せが終わると、KINGKONG POWERSが飯伏の腹に攻撃を集中。

東郷はキチンシンク、フットスタンプ、ニードロップといったクラシカルな技で飯伏を悶絶させれば、近藤は飯伏をコーナーに吊して、腹めがけタックルやドロップキックを突き刺していく。東郷得意のシルバーブレット(ロープを使ったセントーン)やサマーソルトドロップまでも決まった。腹を抱えてうずくまる飯伏に声援が集まる中、飯伏はスーパーキックの連打で危機を脱出。



タッチを受けたミラノはフライングボディアタックやスペースローリングエルボーで、かつての盟友・近藤を攻め込む。近藤のジ・オリジナル(ロープに飛ばし、戻ってきた相手を持ち上げてからのアバランシュホールド)を両腕を縛っての三角絞めで切り返すミラノ、だが近藤は強引に持ち上げてパワーボム。袂を分けても二人のライバルストーリーは終わらない。

代わって飯伏と東郷。飯伏は新空手出身の選手らしくキックを連発して東郷をダウンさせる。そして序盤の腹攻めのお返し、とばかりにムーンサルトプレスで宙を舞うが、東郷はこれをアッサリとかわすと、グッタリする飯伏にペディグリーを決め、必殺技のダイビングセントーンを狙う。飯伏に訪れた絶体絶命のピンチ、しかしこれはパートナーのミラノが雪崩式ダイヤモンドカッターで未然に防ぐ。そしてミラノはライオンサルトを決め、飯伏は二度目のムーンサルトプレスをバッチリと決めた。ITALIAN CODEが一気に勝負に出てきた。


これまでの展開とは一転、追い込まれたKINGKONG POWERS。パートナーのピンチに近藤が立ち上がった。キングコングラリアット、ショルダースルーを飯伏に決めて東郷のピンチを救出すると、ミラノにはジ・オリジナルとランサルセで大ダメージを与える。そしてトドメのキングコングラリアット、近藤の太い腕がミラノの首に叩き込まれた。だがミラノは仁王立ちでこれを耐え切ると、得意のシャイニング延髄蹴りで反撃。

ここから試合は乱戦へと突入。近藤のキングコングラリアット、飯伏のニールキック、東郷のスーパーキック、ミラノのシャイニング延髄蹴り。四人の選手がそれぞれ得意な打撃技を決め、全員ダウン。観客の声援が飛び交う中、最初に起き上がった飯伏は東郷をジャーマンスープレックで投げ捨てると、勝負を賭けたフェニックススプラッシュを完璧に決めた。近藤がカットしたものの、KINGKONG POWERSのピンチは続く。



だが、立ち上がった東郷は飯伏のキックには張り手で対抗すると、ラリアット、そして必殺ダイビングセントーンを決める。今度はITALIAN CODEが大ピンチ、ミラノが慌ててカットに入る。東郷は尚も飯伏をパワーボムで持ち上げるが、飯伏はヘッドシザースで切り返すと、再び勝負に出る。東郷に対してレッグラリアット、側転からのボディプレス。更に近藤にもドラゴンスープレックスを決めたが…近藤はこれを跳ね返すと、飯伏に完璧なキングコングラリアットを叩き込む。そしてもう一発、キングコングラリアット。さすがの飯伏も、近藤の必殺技を二連発で決められてはカウント3を聞くしかなかった。



観客の大歓声の中、マイクを握った近藤は「東郷さん、ありがとうございます。分け前はキッチリ半分づつで(観客笑)。えっと35万………よくわからねぇ(観客爆笑)」と笑いを誘い、ライバルのミラノには「お前との闘いはまだまだ続くぞ!」とエールを送り、最後は「俺はこの優勝賞金である事を考えている。それは1月の興行に来ればわかる」と、次回大会へ伏線を張った。



うん、期待に違わぬ激戦だった。そしてこの試合のMVPは飯伏だね。意外に使える技が多いし、打撃技もキレがあるし、なんといっても飛び技が綺麗だったねぇ。PON君がしきりに「ね!飯伏って本当にいい選手でしょ!」と強調するのも頷けるね。素晴らしかったッス。

ま、この試合にあえて欲を言えば…もう少し近藤とミラノの絡みが見たかったかな?



雑感

うん、良かったと思いますわい、色々とね。


観客動員という点では苦戦が続いていたEl Doradoだけど、狭い新宿FACEの会場ではさすがに超満員。更には、今までは観客の声援もイマイチだったんだけど、観客とレスラーの距離が近いこの会場であれば、少しではあるけど観客が熱を持ち始めていたのを感じた、というかね。まずはこの会場で常打ちしていれば、そのうち後楽園を満員にできる体力を持つんじゃないかなぁ、と。

トーナメントに関しては、とにかくメインの完成度が高かった。四人の選手が全力でぶつかった、というのが観客に充分すぎる程に伝わってきたしね。そして、そんな試合を新宿FACEという狭い小屋で観戦できたのが、何よりも贅沢というかねぇ。やっぱり新宿FACEはいい会場だね


熱戦の連続となったこのトーナメントで、ようやくEl Doradoに歴史が生まれたような気がするね。これからの飛躍には大いに期待してまっせ。


以上、長文失礼。