12/17 R.I.S.E. ディファ有明興行 画像付き観戦記 Ver1.1

たとえ値段が高くてもどうしても観たいモノがある

本日はディファ有明R.I.S.E.を観戦。


今日のR.I.S.E.は毎年恒例、激戦区・70kg級のトーナメントDEAD OR ALIVEが開催される。K-1 MAXへの登竜門としても知られるこのトーナメント、今年はREAL DEALのエースである裕樹、R.I.S.E.のエースとしてSBに参戦を続けている尾崎圭司、今年のFLASH to CRUSH(R.I.S.E.の60kg級トーナメント)の優勝者である水谷秀樹J-NETWORKスーパーライト級王者である喜入衆が出場。

そして十一月に行なわれた我龍真吾との激闘も記憶に新しいJ-NETWORKのミドル級王者の寒川直喜も、中一ヶ月という短いスパンで強行出場。ズバリ言って僕は「寒川の続き」が観たくてここに来たようなモノだ。J-NETWORKでは死闘を制した寒川は、DEAD OR ALIVEも制して更なる高みに昇るのか?


ってな訳で当日券を購入、RS席10500円。前売りは完売状態だったので、こんなチケットしかないのも仕方ない状況。パンフレットは500円、こりゃ安い。客入りは超満員、本当にギッシリ。こんなに沢山入ったディファ有明を見たのは始めてだよ。

第一試合(未観戦) 観てないと書くこともない

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT リザーブマッチ 3分3R + 延長3分1R
○MIKOTO(180cm/70.0kg契約/アイアンアックス)
●拳士(170cm/70.0kg契約/シルバーウルフ)
[判定 2−1]

スポナビの記事を読むにつけ、クリンチが多くて噛み合わない一戦になったようだ。観戦しなくて正解だったかな?

第二試合 空手出身はキックボクシングで苦労する

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT リザーブマッチ 3分3R + 延長3分1R
○池井佑丞(181cm/70.0kg契約/クロスポイント吉祥寺/KAMIANRIMON '06 80kg級 優勝)
●小宮山大介(175cm/66.45kg/北斗会館/新極真会 第20回全日本ウェイト制軽量級優勝)
[1R 2分44秒 KO]
※2ダウン

空手で43回の優勝経験を持つ小宮山が、試合開始と同時に強烈な右ミドルキックを放ち観客を驚かせる。その後も威力のありそうなパンチを連打してペースを握ったが、池井はカウンターのストレートを叩き込んで逆転すると、首相撲からの膝蹴りを連打してペースを握り、左ストレートを叩き込んでダウンを奪う。立ち上がる小宮山に対して池井は一気にラッシュを仕掛け、最後は右フックを決めて二度目のダウンを奪った。


う〜ん、小宮山が弱いとは思わなかったけど、顔面パンチには慣れていない感じはしたかなぁ。もっと強い選手だと思うので、これに腐らず捲土重来を期待したい。

第三試合 大会イチオシの選手が他団体選手に苦戦する

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 一回戦 3分3R + 延長3分1R
○裕樹(170cm/68.1kg/リアルディール/R.I.S.E. DEAD OR ALIVE TOURNAMENT '04 準優勝)
喜入衆(170cm/契約体重70.0kg/ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKスーパーライト級 王者)
[判定 2−0]
※喜入は1Rにダウン1、裕樹は3Rにダウン1

DEAD OR ALIVE TOURNAMENTの一回戦、その第一試合は…REAL DEALのエースである裕樹と、J-NETWORKスーパーライト級王者の喜入衆との対戦。裕樹は九月に行われた復帰戦で村浜武洋を撃破。対する喜入、今年は他団体の強豪と対戦し続けて1勝3敗と振るわない。両者の勢いの差は試合に出てしまうのか?


試合は1Rから壮絶なワンツー〜右ローキック合戦となり、お互いの打撃が激しく交差した。ローキックの威力は喜入の方が上だったが、祐樹はアッパーや左ハイキックを駆使してプレッシャーを掛けると、左ストレートを決めてダウンを奪う。2R、裕樹は右だけでなく左のローキックをも駆使して喜入を崩していく。ラウンドが終了する度に自信満々にガッツポーズを取る裕樹、確かに試合のアドバンテージは奪っていたが、喜入が休む事なく放っている右のローキックが、祐樹の左足に確実にダメージを与えているようだ。

迎えた3R。喜入は更に右ローキックを重ねると、中盤には左右のフックがクリーンヒット。やや劣勢となった祐樹は果敢にパンチで反撃するも…試合終了直前、喜入が右ハイキックでダウンを奪った。おおっと、ここに来て喜入が追いついてきたっ!これはまだわからんぞっ!

…と思ったら、判定の結果は3−0で裕樹が勝利し、準決勝への進出を果たした。


あれ?僕は1Rは祐樹の10−8、2Rはドロー、3Rは喜入の10−8でドローだったのだが…。試合自体は実力拮抗だっただけに、延長戦が観たかったなぁ。

第四試合 苦労人が華のある選手に敗れてしまう

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 一回戦 3分3R + 延長3分1R
尾崎圭司(170cm/69.6kg/チームドラゴン)
水谷秀樹(169cm/67.35kg/スクランブル渋谷/R.I.S.E. FLASH to CRUSH TOURNAMENT '06 優勝)
[判定 3−0]
※水谷は2Rにダウン1

DEAD OR ALIVE TOURNAMENTの一回戦、第二試合は…R.I.S.E.のエースとしてSBに参戦して白星を重ね、宍戸大樹の首を狙い続ける尾崎圭司と、昨年のDEAD OR ALIVEでは奇跡の逆転勝利で観客を沸かせ、今年のFLASH to CRUSHでは奇跡の優勝を果たした水谷秀樹が対戦。


1R、水谷は前に出てワンツーやローキックを繰り出したが、尾崎は下がりながらも徹底して右ローキック、そして首相撲からの右ローキックを連発。喰らい続けた水谷の動きが徐々に動きが落ちていく。早くも試合を支配した尾崎は2R、前に出る水谷をいなしつつ右ローキックを繰り出すと、終盤には左ストレート〜右ストレートのコンビネーションを叩き込んでダウンを奪う。

こうなると尾崎の勢いは止まらない。勝利を確信した尾崎は3Rに大技を連発。大振りなフックとアッパーで水谷にプレッシャーを掛けると…裏拳とソバットを連発、グルグルと大回転して観客を沸かせる。

試合終了。判定の結果は3−0、尾崎の準決勝進出が決定した。


そうかぁ、始めから「勝てないだろうなぁ…」とは思っていたけど、やっぱり水谷が負けちゃったか。FLASH to CRUSHでの活躍は生観戦していたので、密かに応援していたんだけどねぇ。ま、実は尾崎も好きな選手なのでノー問題なんだけど。それにしても…この人、こんなに強いのになんで須藤信充に負けたんだろ?事故としか思えん。

第五試合 試合を優勢に進めていても一回のダウンで敗れてしまう

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 一回戦 3分3R + 延長3分1R
○川端健司(180cm/69.9kg/チームドラゴン)
●水町浩(173cm/67.8kg/士魂村上塾/MA日本ウェルター級 一位)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 0−1/水町は延長Rにダウン1

DEAD OR ALIVE TOURNAMENTの一回戦、第三試合は…士道館空手の強豪でもある水町浩と、尾崎圭司とは同門の川端健司が対戦。

「う〜ん、二人とも初見なのであまり気の利いた事が書けんなぁ」と思ったので色々と調べてみた。川端は今年五月にゲンナロン・ウィラサクレックと激闘を繰り広げた経験を持つそうな。対する水町は徐々に体重を増やしているらしい。K-1 MAXへの出場を狙っているのかな?


1R、主導権を握ったのは水町、右ローキック、左ボディブロー、左フックの連打が川端を襲う。川端は真正面からのパンチで対抗するも、一撃の破壊力が大きい水町の打撃を前に押され気味。ならばと川端は2R、身長差を活かすべく積極的に組み付き、首相撲からの押し倒しや投げで水町にプレッシャーを掛ける。「首相撲版トンコツドロドロファイト」って感じだな。

川端は3Rも首相撲を多用して試合展開を五分に戻そうする。しかし水町は要所で左ボディブローを叩き込んで川端のスタミナを奪い、終盤には右フックがハードヒット。尚も川端にワンツーの連打を叩き込む水町、これで勝敗は決定しただろう。

試合終了、判定の結果は…なんと水町の1−0で延長戦へと突入。えぇ〜っ、これはどう見ても水町の勝ちでしょ?第三試合といい、この試合といい、どうもキナ臭い判定が多いなぁ。


延長R、ペースを握ったのはやはり水町、左右のフックと右ローキックが川端を襲う。しかし川端はボロボロになりながらも正面から殴り合うと、逆転の左右ストレートが連発で水町の顔面を捉える。ここに来て痛恨のダウンを喫する水町。当然、水町応援団からは悲鳴が上がり、チームドラゴン応援団からは大歓声が起こる。

立ち上がった水町が失点を挽回すべく必死に打撃を繰り出す。まずは飛び膝蹴りをヒットさせると、フックの連打で川端を追い込むが、最初は打ち合いに応じていた川端も終盤は劣勢を悟り、自ら逃げるように下がってアドバンテージを守る。なんとしてもダウンを奪いたい水町はガンガン接近しワンツーを猛連発、だが川端は首相撲を使って水町のラッシュをやり過ごす。

延長Rが終了。判定の結果は3−0で川端が逆転勝ち。


う〜ん、この試合では密かに水町を応援していたので残念だなぁ。っていうか、本戦の時点で水町の勝ちだと思うんだけどねぇ…。

第六試合 自信満々のビッグマウスも2分半で木っ端微塵に砕かれる

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 一回戦 3分3R + 延長3分1R
寒川直喜(183cm/70.0kg/バンゲリングベイ/J-NETWORKミドル級 王者)
●牧野智昭(186cm/契約体重70.0kg/ソーチタラダ渋谷/KAMIANRIMON CLIMAX '06 70kg級 優勝)
[1R 2分39秒 KO]
※2ダウン

DEAD OR ALIVE TOURNAMENTの一回戦、最後の試合は…今年はJ-NETWORK我龍真吾と二度に渡る大激闘を繰り広げた寒川直喜が登場。一度目の対戦では大流血に見舞われながらも辛勝するも、納得できない我龍応援団が猛抗議した為に会場は暴動寸前の騒ぎとなった。これを受けて行われた二度目の対戦では、徹底したストレートとローキックで終始リードした寒川が我龍応援団も納得の判定勝利を得たのだった。

そして寒川は、我龍との対戦から約一ヶ月という短いスパンでDEAD OR ALIVEに参戦、R.I.S.E.での頂点を目指す。対戦相手は、この試合がプロデビュー戦となる牧野智昭。「トーナメントに出場する選手の中で最大のライバルとなるのは、ズバリ『風邪』!」というビッグマウスぶりを発揮する牧野を相手に、修羅場を経験している寒川が何を見せるかに注目したい。


試合は寒川の横綱相撲となった。

試合開始早々から前に出て膝蹴り、前蹴り、右ローキックを連発する牧野だが、寒川はガードを固めて相手の様子を見ている。

で、相手の実力を見切った寒川が反撃開始。まずはローキックで牽制し、首相撲で牧野を押し倒す。そして左右のフックが連続でヒット、牧野は脆くもダウンを喫する。バンゲリングベイ応援団の歓声の中、立ち上がった牧野に襲い掛かる寒川。パンチのラッシュが次々にヒット、嫌がる牧野が横を向いた時点でレフリーがスタンディングダウンを採用、牧野の2ダウンで試合終了となった。


勝利を得た寒川はランニングで花道を退場、その後ろを寒川の師匠であり、セコンドを務めている新田明臣がピョンピョンと飛び跳ねながら退場していった。誰だよ、新田に「悲しみのキックボクサー」なんてミドルネームをつけた奴は!

そりゃそうと、寒川はノーダメージ。他の選手の状況を見るにつけ、こりゃあ優勝する可能性もあるかもなぁ。ヨシヨシ。

第七試合 優勝候補であっても一回戦のダメージが大きいとどうにもならない

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
尾崎圭司(170cm/69.6kg/チームドラゴン)
●裕樹(170cm/68.1kg/リアルディール/R.I.S.E. DEAD OR ALIVE TOURNAMENT '04 準優勝)
[2R 1分58秒 KO]
※2ダウン

ここからはDEAD OR ALIVE TOURNAMENTの準決勝戦。その第一試合は…一回戦は辛勝だった裕樹と、一回戦は余裕の勝利だった尾崎圭司が対戦。祐樹は左足のダメージが心配だ。


試合では、尾崎が非情の攻めを見せた。

1Rから尾崎は右のアウトロー、左のインローを連発、内から外から裕樹の左足を攻める。次々に打ち込まれるローキックを前に裕樹は大苦戦、得意の右ローキックも段々と数が減ってしまう。

2R、勢いに乗った尾崎はこのラウンドも左のインローを連発、そして突然の飛び膝蹴りで裕樹からダウンを奪う。チームドラゴン応援団の歓声の中、尾崎は裕樹にトドメを刺すべく大回転。ソバット、裏拳、飛び膝蹴りといった派手な攻撃を連発する尾崎、対する裕樹もハイキックやアッパーで反撃する。

しかし尾崎は止まらない。左のインローを連発しながらアッパーやフックを叩き込むと、最後は左のインロー。喰らった裕樹の体勢が崩れたところでレフリーが試合を止めた。


それにしても尾崎は良く動く。あれだけ派手に動いてスタミナを切らさないんだから、本当によく練習しているのだろう。それにしても…この人、こんなに強いのになんで須藤信充に負けたんだろ?事故としか思えん。

第八試合 一回戦がノーダメージでも準決勝戦でボコボコにされては意味がない

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
寒川直喜(183cm/70.0kg/バンゲリングベイ/J-NETWORKミドル級 王者)
●川端健司(180cm/69.9kg/チームドラゴン)
[判定 3−0]

DEAD OR ALIVE TOURNAMENTの準決勝戦、第二試合は…一回戦で逆転勝利を得た川端健司と、一回戦は圧勝だった寒川直喜が対戦。川端の顔面はボコボコの状態、一回戦のダメージは抜け切っていないようだ。対する寒川はノーダメージ。これなら圧勝できるかな?


1R、寒川は徹底したアウトボクシングで川端を牽制、リングを回りながら左ジャブや右ストレートで徐々にダメージを与えていく。対する川端は寒川を追いかけてワンツーや右ローキックを連打するも、寒川はダッキングやスウェーを駆使して川端のパンチをかわす。巧いな。

2R、相変わらずアウトボクシングを展開する寒川、川端が接近すると首相撲に捉えて膝蹴りや投げを放っていく。こうして中盤まではガッチリと自分のペースを守っていたが…。終盤、ワンツーやローキックが徐々にヒットし始める。寒川はガチガチにガードを固める場面が増えてきた。う〜ん、川端が脅威の粘りを見せているなぁ。

3R、チームドラゴン応援団の歓声を背に受けた川端はガンガン前に出てパンチとローキックを連打。対する寒川は後ろに下がりながらワンツーや右ローキックを連打。川端の顔面からは流血が見られたが、それでも川端は前進を止めない。

迎えた終盤、川端は組み付いた状態でショートアッパーを連打。何発も喰らった寒川は大きく後退、これを見た川端がワンツー〜ハイキックで一気に攻める。チームドラゴン応援団からは大歓声が沸いたが、寒川はワンツーで巻き返しを図る。ワンツーの打ち合いの中で試合は終了。


判定。僕としては「1Rは寒川としても、2Rはイーブン、3Rは川端でドローかな?」と思っていた。だが判定の結果は3−0のストレートで寒川が勝利。う〜ん、ドローだと思うんだけど…なんかキナ臭いなぁ。


それにしても寒川、一回戦はノーダメージだったのに、この試合で一気に消耗しちゃったねぇ。こりゃあ勢いの差で尾崎が優勝しちゃうかも。

第九試合 日韓イケメン対決でも内容がなければ意味がない

70kg契約 3分3R
○HAYATΦ(180cm/70.0kg/FUTURE_TRIBE/UKF世界スーパーウェルター級 王者)
●K.MAX(180cm/69.7kg/韓国/STARMAX BADBOYS)
[判定 3−0]

ここからはワンマッチが二試合。

この試合にはかつては「IKUSAのエース」と呼ばれたHAYATΦが出場。最近はK-1 MAXでの活躍の方が有名になったHAYATΦだが、実は「初物に弱い」という一面も持ち合わせているようだ。となると、今日の対戦相手であるK.MAXには要注意しなくてはならない。ベビーフェイス&マッチョボディ、アマチュアボクシングでソウル選手権で優勝しているK.MAX、HAYATΦを倒してのK-1 MAX進出は果たせるのか?


1R、K.MAXが隠れた実力を発揮。K.MAXは素早いパンチの連打で牽制すれば、HAYATΦは距離を離しての闘いを余儀なくされる。だがHAYATΦはパンチの間合いの外から左ミドルキック、右ローキックを放ってK.MAXにダメージを与えると、終了直前頃には接近してのワンツーも多用するようになった。K.MAXのパンチに慣れたのかな?

2R、お互いのパンチが交差する展開の中、HAYATΦは首相撲からの膝蹴りでK.MAXにダメージを与える。そしてこの攻撃を境に、HAYATΦは一気に攻勢に出る。ワンツー、左ボディブロー、左ミドルキック、膝蹴りといった打撃が次々にヒット、K.MAXの動きがやや緩慢になる。

3R、HAYATΦはKOを狙うべくガンガン前に出てワンツーを繰り出し、接近すれば膝蹴りを放つ。だがK.MAXはリングを回って逃げ回り、クリンチを使ってHAYATΦの勢いを削ぐ。観客からは「HAYATΦ、KOしろよっ!」という声が飛んだが、終盤になってHAYATΦのアッパーがヒット。怯んだK.MAXにパンチの連打を叩き込むHAYATΦ、だがダウンを奪うまでには至らず。

観客からは「つまんない試合すんな!」という厳しいヤジが飛ぶ中で試合は判定となり、3−0でHAYATΦが勝利。だがその結果を聞いても、HAYATΦの表情が冴える事はなかった。




う〜ん、僕は今日のHAYATΦは健闘したと思うけどねぇ。あの素早いパンチを前によく正面から闘ったよ、ホントに。

第十試合 素早いパンチもクリーンヒットが出なければ意味がない

70kg契約 3分3R
○TATSUJI(174cm/70.0kg/アイアンアックス/R.I.S.E. DEAD OR ALIVE TOURNAMENT '05 優勝)
●チェ・ジョンユン(176cm/69.5kg/韓国/金海ジョンイジム)
[2R 2分52秒 KO]
※3ダウン

この試合には、昨年のDEAD OR ALIVEで優勝を果たしたTATSUJIが登場、応援団からは「尻でかい!」「さっさと終わらせて飲みにいこう!」といった声援が飛んでいる。今年はK-1 MAX日本代表決定トーナメントで準優勝を果たしたTATSUJI、そのパンチの技術には定評がある。対戦相手は韓国内で五つのタイトルを保持する強豪、チェ・ジョンユン。難敵を相手にTATSUJIは勝利なるか?


1R、いきなりスピードの速いパンチを連打するチェ。そのスピードの観客が驚きの声を上げる中、チェはパンチをドカドカと連打してTATSUJIを追い込み、中盤にはカウンターのストレートを叩き込む。対するTATSUJIは自分の打撃を出せずに苦戦したものの、終盤に入るとワンツーを叩き込んで反撃すると、更にはワンツースリーフォーとパンチを猛連打。チェもこれに応戦、両者のパンチの打ち合いの中で1Rは終了。熱い試合だなぁ、それにしてもチェのパンチはなかなか激しい。TATSUJIは大丈夫かな?

2R、チェは1R終盤の流れを断ち切るべくワンツーを連打して前進、だがそこへTATSUJIのカウンターのワンツーがヒット。TATSUJI応援団の歓声の中、TATSUJIは怯んだチェにワンツーや膝蹴り、左ボディブローを織り交ぜて攻める。ボディに連続で打撃を喰らったチェの動きが止まると、TATSUJIは一気にボディブローを連打して最初のダウンを奪った。

そして試合はここから、一方的な展開となった。立ち上がったチェに対してTATSUJIはボディブローを猛連打、チェもパンチで反撃したが、勝ったのはTATSUJIのボディブロー。二度目のダウンを喫するチェ、何とか立ち上がったものの…TATSUJIは更なるボディブローの連打。チェが崩れ落ちて試合は終了。

快勝を手にしたTATSUJIはマイクは「来年はK-1 MAXのベルトをR.I.S.E.に持ち帰りたいと思います」と宣言、観客の喝采を浴びた。




う〜ん、TATSUJIは本当に強かったなぁ。相手のチェもかなり強かっただけに、逆にその強さは際立ったというかねぇ。それにしても3ダウンを奪ったボディブローの連打は強烈だった。K-1 MAXでもこういうKOが出ればもっと人気も出るんだろうけどねぇ。

第十一試合 激闘は嘘をつかない

DEAD OR ALIVE TOURNAMENT勝戦 3分3R + 延長3分2R
尾崎圭司(170cm/69.6kg/チームドラゴン)
寒川直喜(183cm/70.0kg/バンゲリングベイ/J-NETWORKミドル級 王者)
[判定 3−0]
※尾崎がDEAD OR ALIVE TOURNAMENTを優勝

激戦を重ねたDEAD OR ALIVE TOURNAMENTもいよいよ決勝戦。ここまで勝ち上がったのは…テコンドー殺法で勢いよく勝ちあがった尾崎圭司と、一回戦は無傷で勝利しながらも準決勝戦でダメージを負った寒川直喜。う〜ん、二人とも好きな選手なのだが…どちらかというと寒川に勝ってもらいたいね。我龍との激闘を制した実力が本物である事を証明して欲しいんだよねぇ。


1R、尾崎は勢い良く前に出てワンツー、右アウトロー、左インローを連発。対する寒川は準決勝戦と同じくアウトボクシング、下がりながらのワンツーと右ボディブローが攻撃の中心。両者の手数は互角、優劣はつけられない状態だ。寒川は思ったよりスタミナを残しているようだな。

だが2R、徐々に尾崎がペースを握り始める。1Rと同じく前に出てワンツーとイン・アウトのローキックを連打する尾崎を前に、寒川の手数が徐々に減っていく。頼みの綱である首相撲も尾崎に何度も突き放されてしまった。終盤には左フックがクリーンヒット、更にはソバットで寒川を追撃する。

3R、前に出てワンツーやローキックを連打する尾崎に、寒川は右ローキック、左ハイキック、首相撲からの膝蹴りで反撃。だが尾崎の勢いは止まらない。真正面から打撃を放つ尾崎は中盤から、得意の大回転殺法を爆発させる。次々にソバットや裏拳を繰り出してグルグル回る尾崎にチームドラゴン応援団が歓声を贈る中、寒川は要所で首相撲やワンツーで逆襲を図るも、尾崎を止めるまでには至らなかった。


試合終了。判定の結果、手数で優った尾崎が3−0で勝利、今年のDEAD OR ALIVE TOURNAMENTの優勝者となった。

ロープに座りながらうな垂れる寒川を背に、マイクを握った尾崎は「R.I.S.E.でデビューして約3年、K-1 MAXの試合を見て『K-1に出たいなぁ』と思ってデビューして…、同じディファで『日本 vs 世界 五対五マッチ』とか、色々な事があったのを思い出します」と感慨深げにコメント。仲間からの「泣け!」の声に「泣かねぇよ!」と返して観客の笑いを誘うと「寒川選手は強い選手です。正直、この試合で決着はついてないと思います。僕は高いところに上がっていきたいと思うので、そこで寒川選手とまた試合ができればと思います」と、K-1 MAXでの再戦を約束した。


う〜ん、今日の寒川は一回戦こそ強さを発揮したものの、準決勝戦や決勝戦では今一つ実力が発揮できていなかったと思う。どこか怪我でもしたのかな?と思ったら、実は減量の影響でお腹を壊してしまい、一週間前に入院していたらしい。しかも激闘だった我龍戦以来、燃え尽き症候群にも襲われていたようだ。う〜ん、そもそもあの激闘から一ヶ月後に試合…という状況にムリがあったかなぁ。




対する尾崎については「ようやく表舞台に躍り出たな」って印象。SBでは宍戸大樹の首を狙っていた尾崎だが、この一戦で両者の立場は逆転しただろう。ブアカーオ・ポー・プラムックに惨敗し、S-CUPで敗北を喫した宍戸に比べれば、尾崎のDOA優勝という肩書きは大きな差。いよいよ両者の対戦は実現するのか?いや、尾崎は宍戸を飛び越えて世界の強豪と激突するのか?そしてその時、宍戸は?両者の運命に注目したい。それにしても…この人、こんなに強いのになんで須藤信充に負けたんだろ?事故としか思えん。



雑感

今回は観戦記を短くまとめるために触れてはいなかったのだが…、とにかく演出面の充実にはメチャメチャ驚かされた。会場には美しいレーザー光線が飛び交い、大型モニターにはセンスのよい選手紹介の映像が映し出される。



試合以外の場面では常に音楽が鳴り止まず、優勝者が決まれば金銀の紙テープを射出、エンディングでは会場に雪が降る(ちいさい泡)、オマケにカラーボールによるクリスマスプレゼント抽選会。



会場内のゴージャス感は半端ではなかった。ディファ有明を知り尽くした演出というかねぇ。この雰囲気がそのまま後楽園でいきれば、他団体にとっては本当に驚異となるだろう。


今日は高いお金を払わされたけど…試合も激闘続きだったし、満足度は非常に高い。マジな話、メジャー団体にも引けを取らない程の完成度の高い興行だったね。R.I.S.E.、オススメです。


以上、長文失礼。