全日本キック「Solid Fist」 オープニングファイト

オープニングファイト第一試合 キック界にも和術慧舟會の手が伸びる

フェザー級 3分3R
○永野裕典(170cm/56.6kg/和術慧舟會DUROジム)
●九島亮(170cm/56.9kg/AJジム)
[判定 2−0]

レンジャー品川ジムを取り込んで、本格的にキック界進出を開始した和術慧舟會。この試合にはDUROジムから永野裕典が出場。聞かないジム名だなぁ。

試合では永野のムエタイ式のしなる蹴りが九島を苦しめる。ムチのような蹴りの後で前進しクリンチする…という戦法を繰り返す永野、あまりのクリンチの多さに2Rにレフリーに注意されてしまったが…、この後もミドルキックや大振りなパンチで圧倒。九島も要所でカウンターのパンチをヒットさせるも、流れを引き寄せるまでには至らず。判定の結果、2−0で永野が勝利。

永野の蹴りはしなやかで美しかったなぁ。覚えておこう。

オープニングファイト第二試合 全体的には印象が薄いなぁ

フェザー級 3分3R
△上杉隼土(167cm/56.7kg/超越塾)
△甲野裕也(167cm/57.0kg/S.V.G.)
[判定 1−0]

僕が密かに注目している甲野裕也。力強いローキックを武器に持つ選手だ。

1R、前に出て得意のローキックを放つ甲野に対して、下がりながらフックを打つ上杉。静かな展開が続いたが、2Rからは両者共に打ち合う。前に出てワンツーやローキックを打つ甲野に対して、上杉もカウンターのストレートやボディブローを打ち返す。終盤、甲野は細かいワンツーで試合の主導権を握った。

迎えた3R、序盤に甲野のカウンターのストレートがヒットするも、上杉はワンツーやローキックで手数多く放って対抗。甲野は得意のローキック中心の攻撃だったが、終盤に疲れからか動きが落ちる。これを見た上杉はアッパーを叩き込み、終盤はワンツーを連発して甲野を追い込んだ。

判定。終盤の攻めを評価したジャッジの一人が上杉を勝者にするも、残り二人は全体の印象を取ってドロー裁定。全体的にハードヒットする場面が少なくて印象が薄かったけど、最後は甲野が危なかったなぁ。

オープニングファイト第三試合 JMC横浜GYM、第三の男

ライト級 3分3R
○野間一暢(170cm/60.9kg/JMC横浜GYM)
●中向居尚輝(175cm/61.1kg/S.V.G.)
[判定 3−0]

最近、大輝や佐藤皓彦の活躍により頭角を現しているJMC横浜GYM。その第三の男がこの野間一暢である。身長こそ170cmと恵まれないものの、この日も大輝や佐藤とまったく変わらない攻め方で一方的に試合を進めた。

全ラウンドを通して、野間は右ミドルキックと右ローキックで中向居を蹴り続ける。休む事なく放たれるキックを前に中向居は防戦一方、前蹴りで距離を遠ざけるのが精一杯の状態だ。特に右ローキックは早い段階から有効打となり、1R終了時には中向居の動きは落ちていた。

こうして主導権を握った野間は2R以降、首相撲からのボディへ膝蹴りを連打する。しこたま膝蹴りを喰らう中向居の体力が落ちると、今度は膝蹴りが顔面を狙うようになる。こうしてロクに反撃もできずに一方的に蹴られ続けた中向居だが、クリンチの連発でイエローカードを貰いつつも最後までダウンだけは拒み続けた。

判定の結果、3−0で野間がストレート勝ち。JMC横浜GYM・第三の男、野間の今後に期待。