S-CUP準決勝戦 第二試合

第八試合 SB・新旧外国人エース対決は互角の展開

S-CUP 2006 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
アンディ・サワー(173cm/62.95kg/オランダ/シーザージム オランダ/チーム サワー/S-CUP 2002 & 2004 覇者)
●ダニエル・ドーソン(176cm/70.0kg/オーストラリア/SBオーストラリア ファイブリングス/PABAスーパーウェルター級 王者)
[判定 3−0]

幻の対決、ついに実現

2003年2月2日。本来この二人、つまりアンディ・サワーとダニエル・ドーソンは対決するはずだった。しかしこの時はサワーが負傷し欠場、外国人同士による強豪決戦はお流れに。この日、ドーソンはサワーの代役に圧勝した後でマイクを握り「皆さんは、サワーと闘う僕の姿が観たいですか?観たい人は拍手をお願いします!」と観客を煽った。これを受けたサワーは「次回はドーソンと闘います!」と宣言。二人を見たシーザー会長は同年6月1日に二人の対決を実現する事を即決。観客はこの英断に惜しみない拍手を贈った。


あれから三年半以上の月日が流れた。サワーはS-CUPK-1 MAXを制覇し、ドーソンはボクシングで世界王座挑戦に手が届くところまで来た。肩書きに磨きをかけた両者の初対決は、SB・新旧外国人エース対決でもある。お互いにパンチを得意とする者同士、勝つのはどちらか?


…え?「2003年6月1日の対戦はどうなった!」って?…ここはSBの晴れ舞台、S-CUP。そんな無粋な疑問は水に流して、目の前の試合を楽しもう。楽しもうってば。

試合の内容

1R、お互いのローキックが交差する中、ドーソンは序盤からワンツーの連打でサワーにプレッシャーをかける。対するサワーはいつも通りに1Rは様子見モード、ガードを固めて相手の出方を伺う。どんどん前に出るドーソンは尚もパンチのコンビネーションを繰り出すが、サワーも中盤には飛び膝蹴り、終盤にはワンツー〜ボディブローを浴びせる。これとは別にサワーは要所で投げを狙ったが、ドーソンは腰を落として堪える。


2R、いよいよサワーは前に出たが、運悪くドーソンからローブローを貰ってしまう。再開後もドーソンのワンツー〜ローキックを前に苦戦する。他にもドーソンは、サワーが前に出るタイミングで前蹴りを出したり、ローキックをキャッチして倒したりでペースを握る。機先を制される格好となったサワー、ここまではまったく自分の試合ができていない。反対にドーソンはワンツースリーのコンビネーションを連発して攻める。だがサワーしっかりと防御しつつ時折ワンツースリーのコンビネーションで反撃、中盤には巻き投げも披露。このラウンド、ペース自体はドーソンが握ったがお互いに有効打が出ない状態。試合はまだまだ互角だ。


3R、打撃を捌く巧さを見せるドーソンがワンツースリーとコンビネーションを繰り出す。ドーソンは中盤前にもワンツーの連打でどんどんサワーを押し込む。だがサワーは苦戦しつつも、ワンツースリー〜ハイキックでドーソンに対抗。

すると、これまで巧さを見せていたドーソンに異変が。カラコダ戦の終盤と同じく、この試合でもスタミナが切れて失速したのだ。手数が減るドーソン、サワーはチャンスとばかりにワンツー、フック、テンカオ、ボディブローを一方的に浴びせる。あっという間に防戦一方となったドーソンに対し、サワーは試合終了までラッシュを続けて攻勢を奪った。


結局、3R中盤以降の展開が勝敗の分かれ目となり、判定の結果3−0でサワーが勝利、決勝戦へと進出した。

ダニエル・ドーソンについての総括

う〜ん、敗れてもなお「ドーソン強し!」というか。

ボクシング出身のカラコダをボクシングで凌駕し、このサワー戦では相手にペースを握らせない闘いぶりを発揮。止まらないパンチのコンビネーション、卓越した試合運びはこの日会場に来ていたマニア達を唸らせた。もう一度キック用の練習を積んで、今回課題となったスタミナさえ解決すれば、サワーを凌駕する実力を持つかもしれない。今日のドーソンはそう思わせるくらいの強さがあった。

ただ、流れるように繰り出されるパンチのコンビネーションとは裏腹に、全体的にクリーンヒットが少なかったのは気になるところ。ボクシング界では結構KO勝利しているんだけどねぇ。

再びボクシング界へと戻るだろうドーソン、しかし僕は彼がまたシュートボクサーとして再来日する日を待っている。