10/22 PRIDE ラスベガス トーマス&マックセンター興行 簡易観戦記

Mask_Takakura2006-10-22

予想前に一言

前日までカードが固まらないって…、どういうグダグダぶりだよ!で、藤田和之の対戦カード発表はマダー?

観戦当日に一言

本日は龍頭亭にてPRIDE武士道のPPV観戦。観戦参加者は…家主・龍頭さん(http://blog.livedoor.jp/nhbnews/)、フリジッドスターさん(id:frigidstar)、zenさん(http://zenzen.jugem.jp/)、ミオリンさん(http://blog.livedoor.jp/mio6919/)、タカハシさん(http://blog.livedoor.jp/hardcore_heaven/)、そして僕の計6名。大所帯だねぇ。


本日の「おみや」は…、ナシ。というのも、今回は10:00からの観戦という事もあり、「今回はお店もやっていないだろうから、持ち寄る形式は中止にして宅配ピザでも注文しよう」という事になったのだ。モチロン注文をピザにしたのは、今回のPRIDEがアメリカで開催される事にちなんでの事。仮に日本の興行で同じ状況ならば寿司が並ぶ事になるのだろうし、中国なら餃子か点心か満漢全席が並ぶ事になるのだろう。ええ、満漢全席は並びません。

程なくして簡易テーブルの上に並べられたのは、Lサイズの宅配ピザ三枚。とりあえず全員で1ピースずつ食べ始めたが…、やはり我々は朝は食の細い日本人、二枚食べた時点でグッタリする者が続出。結局、目の前のピザは減る事なく残り続ける事になるのだった。イヤ、今考えると勿体ない話ではあるけど…、この時点では本当にキツかったんだってばさ。ま、僕の場合、前日に飲み会で食事した後で乗換駅にあった家系のラーメン屋でしこたまラーメンを食ったのがそもそもの敗因なんだけど。


それにしても、起きぬけにピザを食べながら人様の殴り合いを見るのはキツイ。今回観戦したメンバーが全体的に無口だったのは、みんなこの状況に『やられた』のだろう。無論、僕も『やられた』んだけどさ。

第一試合 予習は大事 in USA

ワンマッチ 5分3R
○ロビー・ローラー(180cm/84.0kg/アメリカ/ミレティッチ マーシャルアーツ)
●ジョーイ・ヴィラセニョール(183cm/84.0kg/アメリカ/ジャクソンズ サブミッション ファイティング)
[1R 22秒 KO]
※飛び膝蹴り

戦前の予想

ヴィラセニョールが1R、グラウンドでのパンチで勝利。長南亮との試合でもいい試合をしていたので、ヴィラセニョールがその時の力を発揮すれば勝てるかなぁ、と。対戦相手の情報はあんまりないんだけど、ボクシングがベースのようなのでグラウンドは弱点なんじゃないかな?全然わからんけどさ。

試合の感想

出会い頭の飛び膝蹴り一発でメデタシメデタシ。まったくもって想像していかなった展開でしたとさ、♪チャンチャン。

予想の結果

大ハズレ。フリジッドさんのブログ曰く「まあくすぶっていてもかつては天才と呼ばれたローラー。白井とか長南と同レベルのジョーイに負ける訳ないつーか」。成程ねぇ、それぐらいには強い人だったのね。まったくもって調査不足だな。反省。


…と、いうよりは。


僕がもっと反省しなきゃイカンのは、今回はPRIDEがアメリカ興行用の特別ルール、通称:PRIDEネバダ州ルールで行なわれる事をまったく考慮せずに予想した事だろう。「5分3R制」とか「四点ポジションからの頭部へのヒザ蹴りはなし」とか「グラウンドへの顔面の踏みつけはなし」とか、これはもうまったくの別ルールである。

正直、この時点で予想はかなりガタガタなのだが、ほかの人もPRIDEネバダ州ルールを考慮していない予想が多かったので一安心。特に第七試合はショーグンの試合という事もあり、フィニッシュに「踏みつけ」「四点ヒザ」と記述する人が続出。所詮はそんなものらしい。

第二試合 やればできる in USA

ワンマッチ 5分3R
中村和裕(178cm/93.0kg/日本/吉田道場)
●トラヴィスガルブレイス(183cm/93.0kg/カナダ/PGファイトクラブ)
[2R 1分16秒 KO]
※グラウンドパンチ

戦前の予想

中村が判定で勝利。ガルブレイスについての調査はまったくしていないけど、まあ中村が塩漬けにしちゃうんじゃないかなぁ、と。

試合の感想

相手のガルブレイスが戦法がキッチリと固まっているタイプの選手であり、1Rは明らかにガルブレイスのミルコ戦法に捕まった中村だが、2Rはスタミナ切れで失速したガルブレイスからキッチリ一本。

今日の中村、スタンドの攻防はまだまだ危なっかしい部分が多い事を露呈したが、グラウンドでは安定した強さを発揮し、最後はキッチリと一本勝ちしたのでヨシとしよう。ただ、これで彼を見直すまでには至らないなぁ。待つタイプを相手にした時に、ちゃんと攻めて勝つ事ができるかどうか、だね。それにしてもガルブレイスは意外に強かったなぁ。ミルコ戦法もしっかりしてたしね。これでスタミナがついてくれば、もっと強くなる可能性もあるね。

予想の結果

勝者当たり、展開とフィニッシュはハズレ。全然、塩漬けにならなかったなぁ。う〜ん、僕はどうも中村の実力を過小評価しているらしい。そこはちょっと反省しよう。

第三試合 なかなか勝てない in USA

ワンマッチ 5分3R
フィル・バローニ(180cm/88.1kg/アメリカ/ハンマーハウス)
西島洋介(180cm/88.5kg/日本/高田道場)
[1R 3分20秒 アームロック]

戦前の予想

バローニが1R、スタンドでのパンチで勝利。ボクシングと総合の打撃の間合いは違う、というのをバローニの圧力が証明する展開になるかなぁ、と。西島は間合いを潰され続けて、自分の試合すらできないのでは?って感じで。もちろん西島には、僕の予想を覆すファイトを期待している。

試合の感想

アメリカに響く尾藤イサオの声。日本のああいう曲って、向こうではどういう風に聴こえるんだろうか?

バローニはいつもの様にスタンドでの殴り合いを所望するのかなぁ…と思ったら、いきなりタックル決めてテイクダウン。あとはグラウンドがまったくできない西島を殴って極めて、♪ハイそれま〜で〜よ〜ぉ。

西島のグラウンド技術が一向に進歩しないのは仕方ないにせよ、タックルへの対処方法くらいはもう少し学習しないと、総合格闘技では絶対に勝てないだろう。

予想の結果

勝者は当たったものの、展開もフィニッシュもハズレ。「バローニは打ち合いに来ない美濃輪を罵倒しながら、自分が不利な西島との打ち合いからは逃げるんかい!」なんて話もあるけど、そこを含めて予想しなきゃイカンのが難しいところだね。

第四試合 スタミナ不足 in USA

ワンマッチ 5分3R
ダン・ヘンダーソン(180cm/89.0kg/アメリカ/チーム クエスト/PRIDEウェルター級 王者)
ビクトー・ベウフォート(183cm/93.0kg/ブラジル/フリー)
[判定 3−0]

戦前の予想

ベウフォートが判定勝利。ヘンダーソンは今回のウェルター級トーナメントで露呈したスタミナ不足っぷりがこの試合でも出てしまうんじゃないかな?アレは年齢からも来る症状のようにも思うし。ただ、ベウフォートはムラっ気があるからその点はかなり心配。

試合の感想

う〜ん、技術力は双方共に高いけど…、結果的には凡戦になったなぁ。その要因は両者のスタミナ不足にあると思うんだけど、体の大きいベウフォートが力負けする展開が多いのは意外だった。それにしても、ほとんどグラウンドでの攻防になるとは思わなかった。

予想の結果

勝者はハズレ、フィニッシュもハズレ。展開については「スタミナ不足っぷりを露呈」って部分は当たり。ま、ヘンダーソンよりもベウフォートの方がスタミナ切れが早いのは、よくよく考えれば容易に予想できたような気もするなぁ。思慮が浅かった。

第五試合 メガトンファイト in USA

ワンマッチ 5分3R
バタービーン(180cm/180.7kg/アメリカ/チーム バタービーン)
ショーン・オヘア(198cm/124.8kg/ニュージーランド/オシアナ スーパーファイタージム)
[1R 29秒 KO]
※右フック

戦前の予想

オヘアが判定で勝利。そうか、ハントは噂通りにビザの発給問題で欠場かぁ。オマヌケだねぇ。んでこの試合、バタービーンの経験不足 vs テクニックのないオヘアって図式でグダグダな展開になって、どちらかって言うとオヘアが押していたからオヘアの勝ち!って感じになると思う。

試合の感想

胴タックルに来たオヘアに、史上最強の四回戦ボーイのフックが連続でヒット、ズルズルと倒れるオヘア。成程ねぇ、片足タックルならこういう事もないのかもしれないけど、実は彼に接近するのって結構危険な行為なのね。正直、僕の中でバタービーンの評価は低かったけど、この一戦でちょっと見直す気になった。

予想の結果

本日二回目の大ハズレ。WWEのオヘアのファイトに期待しすぎた僕がバカでした。ええ、本当にバカでした。

第六試合 大ピンチ in USA

ワンマッチ 5分3R
ジョシュ・バーネット(191cm/110.3kg/アメリカ/フリー/PANCRASE無差別級 王者)
●パウエル・ナツラ(185cm/106.7kg/ポーランド/高田道場)
[2R 3分4秒 アンクルホールド]

戦前の予想

バーネットが1R、腕十字で勝利。今回はあんまりアメリカ人が勝つ事を予想していないんだけど、この試合は問題なくバーネットが勝つだろうね。ナツラも決して弱い選手だとは思わないけど、これまたバタービーンと同じく経験不足を露呈するんじゃないかなぁ。グラウンドではナツラが有利になる場面もあるかもしれないけど、一瞬のミスをバーネットが突いて逆転してしまうと思うし。

試合の感想

アメリカに響くクリスタルキングの高い声。日本のああいう曲って、向こうではどういう風に聴こえるんだろうか?

全体的に動きに精細を欠くバーネット、グラウンドでナツラに大苦戦。1Rはグラウンドでサイドに移行したナツラが完全に優勢、さてどうなる事やら…と思っていたら、2Rもグラウンドで下になってしまう。いよいよバーネット、大ピンチかと思ったら…一気にリバース、足を捕りに行っての一気にアンクルホールドで大逆転。

う〜ん、ナツラが足関節技の対処方法を知らなかったから良かったようなモノをねぇ。本当に危なっかしい事、この上ない。グリフォンさん(id:gryphon)がテレビの前でヒヤヒヤしていた姿が容易に想像できるなぁ。

予想の結果

勝者は当たり、フィニッシュはハズレ、展開については…よくよく見れば当たってない事もない(笑)。とはいえ、ここまでバーネットが調整不足だとは思わなかった。帰国予定を変更して、風香のセコンドについちゃったのがマズかったんじゃないの(苦笑)。あ、そういえばセコンドにアベ兄ィがいたなぁ。

第七試合 意外や意外 in USA

ワンマッチ 5分3R
マウリシオ・ショーグン(182cm/93.5 kg/ブラジル/シュート ボクセ アカデミー/PRIDEミドル級GP 2005 覇者)
ケビン・ランデルマン(178cm/92.2kg/アメリカ/ハンマーハウス)
[1R 2分35秒 膝十字固め]

戦前の予想

ショーグンが1R、踏みつけで勝利。番狂わせが起きる可能性があるカードだと思うけど、僕は今回の興行ではそういう事は起きない事を想像しております。で、この試合も何の問題もなくショーグンが勝ってしまうんじゃないかなぁ、と。テイクダウンされてもスルッと立ち上がるショーグンを相手に、ランデルマンは手を焼き続けるんじゃないかなぁ?

試合の感想

モチベーションが高そうなランデルマン、最初にタックルでテイクダウンを奪ったまでは良かったけれど…。下からショーグンに足を捕られて、あとは足関節地獄がひたすら続いた。右足をアンクル&ヒールホールドで絞め上げるショーグン、特にアンクルを極めてランデルマンが悶絶するシーンは、まるでカート・アングルがアンクルホールドを極めているかのようだった(笑)。

最後はショーグンが、極める足を左足にスイッチしての膝十字。ランデルマンの足は完全に伸びきっていて、いつ靭帯が切れてもおかしくないように見えた。もっと早めにストップしてあげないと怪我するぞ、マジで。

ちなみに僕は、この試合をあとでジックリと振り返ってみようと思っている。ランデルマンはどこでミスしてショーグンに足を捕られたのかが、生で観ていた時はサッパリわからなかったので、ね。

予想の結果

勝者当たり、展開はハズレ、フィニッシュはお話にならない状態(嘆)。だからさぁ、PRIDEネバダ州ルールには踏みつけはないんだっつーの!

第八試合 お父さんは勝ったのだ!( by 北斗の拳 ) in USA

ワンマッチ 5分3R
エメリヤーエンコ・ヒョードル(182cm/101.7kg/ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級 王者)
マーク・コールマン(185cm/101.7kg/アメリカ/ハンマーハウス/PRIDE GP 2000 覇者)
[2R 1分15秒 腕十字固め]

戦前の予想

ヒョードルが1R、グラウンドでのパンチで勝利。まあブランクが長いヒョードルだけど、さすがに勝つでしょうなぁ。コールマンのオヤジパワーは爆発して判定までもつれてしまう可能性はあるけれど、それでもヒョードルの勝利は動かないと思う。

試合の感想

試合は単調な図式だったし、凡戦だったとも思う。でも、そういう言葉でこの試合は片付けられないだろう。

「オレには、これしかないんだ!」とばかりにヒョードルの片足にタックルを仕掛けて倒そうとするコールマン、そしていつもの通りのバランス感覚でまったく倒れないヒョードル。正直、1R中盤頃には「今のコールマンのテイクダウン技術では、絶対にヒョードルは倒れないだろうなぁ」というのは分かっちゃったんだけど、それでもいじらしくタックルに拘るコールマンの執念は胸を打つものがあった。

だが現実は非情。苔の一念が岩を通し、2Rにコールマンがついにテイクダウンを奪う。だが、待っていたのはヒョードルの下からの腕十字。あっという間に極められてコールマンは無念のタップ。イヤイヤ、本当にヒョードルは打撃にも関節技にも隙がないね。完璧ですよ!完璧!(親指を立てながら)


で、それはそれとして。


試合後、娘二人をリングに上げたのは本当にコールマンの意思だったのだろうか?あれが、どこぞのバカディレクターの見え透いたディレクションでない事を祈りたいところだ。あの時のヒョードルのやりづらそうな顔といったらなかったよな、彼女たちにしてみれば「お父さんを殴った悪者」だしね。そりゃ号泣もするわ。正直、この光景はちょっと引いちゃったなぁ。

予想の結果

勝者は当たり、フィニッシュはハズレ、展開は予想ナシ。それにしても今回はハズシまくったなぁ、お蔭で予想大会では今年度では初となる最下位になっちゃったよ。こりゃ、次回はもっと本気で予想する必要がありそうだなぁ。

雑感

今回は試合の他にも「高田延彦統括本部長による、見事なカタカナ英語スピーチ」とか「ヴァンダレイ・シウバによるチャック・リデルへの対戦アピール、でもちょっと待てお前がUFCに行くんじゃなかったのかよ」とか、色々と話題は多かったように思う。


でも全体的にはなんとも大味というか、スカスカというかねぇ。まあ今回は一発目のアメリカ大会という事で、現地での真の評価はこの後ジワジワと伝わってくるとは思うんだけど、少なくともいつもPRIDEを見ている日本人の意見としては「イマイチ」と言わざるを得ないなぁ。そう考えると、名勝負製造機と化しているハントが欠場したのはデカイと思うなぁ。


ま、どっちにしても言える事は…、やっぱり「朝から殴り合いは見たくない」って事だな(笑)。で、マイク・タイソンの挨拶マダー?

これは残しておきたい

以下、スポナビの記事より。このやりとりは、ヒョードル勝利者インタビューの最中に起きた出来事。

聞き手:
通常、リングの上に子どもが上がるようなことはない。今回、コールマンの子どもたちがリングに上がって泣いていたことに、何か居心地の悪さを感じなかったか?


ヒョードル
確かに、居心地が悪かった。自分の妻も、私の試合のときはいつも泣いていますから。コールマンの子どもにとって、父親のあのような姿を見ることはショックだったと思います。


(ここで、会見を聞いていたバローニが意見を挟む)


バローニ:
コールマンにとって、子どもが彼の試合を見るのは、とても意義のあることだったんだ。コールマンはずっと日本にいたから、子どもたちは自分の父親が何をやっているのかよく分かっていなかった。今回ようやく、子どもたちに自分の戦う姿を見せる機会が得られたので、そうしただけだ。確かに、不運にして彼は負けてしまったが、それでも子どもたちにとって自分の父親がファンからの歓声を受けてリングに上がる姿を見たのは、とても意味があったと思う。コールマンにとって、子どもはすべてなんだ。その子どもと、この貴重な瞬間を分かち合いたいと思うのは当然だろ。だからオレは、そもそもどうしてそんな質問が出るのかすら分からない。


確かに子どもにとって、自分の父親が殴られている姿を見るのはつらいだろう。だが、人生ってのはつらいもんなんだ。それに自分だったら、あれだけ殴られながらもちゃんと生きてリングから降りてきた姿を見たら、絶対にそのことを誇りに思い、尊敬すると思う。しかも相手は、世界最強の男だったんだぜ。コールマンの子どもたちも、将来父親の凄さを理解し、自分たちも強く生きていこうと思えるはずだ。オレはそんなコールマンの決断を、心から尊敬している。

バローニの言う事は正しい。僕もちょっと反省しなきゃいけないねぇ。ま、それでも、あのシーンは誰かのディレクションだと思っているけどね。


以上、長文失礼。