10/10 DEEP 後楽園ホール興行 観戦記

Mask_Takakura2006-10-10

割と本末転倒な観戦理由だが、そこは突っ込まないように

本日は後楽園ホールでDEEPを観戦。


PANCRASEはスケールダウンを余儀なくされ、修斗は所属選手がPRIDE武士道に選手を抜かれ続けている今、DEEPは数少ない「元気のある総合格闘技の舞台」となった。初期の頃のような「遊び心のあるカード編成」こそ鳴りを潜めたが、最近は観客から地熱を感じる団体の一つへと変貌を遂げているように思う。


さて今回のDEEPだが、メインイベントではフェザー級王者の「足関十段」今成正和GRABAKAの山崎剛との防衛戦に挑む。ネームバリューのある者同士の対戦という事もあり、これはなかなか楽しみだ。またセミファイナルにはDEEPウェルター級王者の中尾受太郎も登場、こちらはファブリシオ“ピットブル”モンテイロとの試合に挑むが…。

今回のDEEPだが、正直この2カード以外にはこれといった見所がないのが事実。じゃあ、何で今回生観戦するに至ったか?というと…、なんでもいいから総合格闘技を観戦したいと思ったときに「今日のDEEP」と「週末の修斗」という選択肢が現れて、選ぼうとした時に修斗の値段の高さにドン引きしたからである。いくら修斗の大一番だからといって、いくらパシフィコ横浜だからといって、一番安い席で8000円というのはありえないよなぁ。本当に総合格闘技のチケット代は、プロレスやキックボクシングと比べてベラボウに高すぎ、というか。


とはいえ、今日観戦するDEEPも決してチケット代は安くない。立見席が5000円もするのだから。んで、いつもならパンフレットを購入するのだが、今日は気乗りしなかったので未購入とした。客入りは約七割くらい。ちょっと苦戦しているな。

第一試合(未観戦) チーム太田章っていうのも、なんだかねぇ

無差別級 5分2R
○水口清吾(フリー)
●タカ・クノウ(チーム太田章)
[1R 分57秒 TKO]

「あっという間にタカがスタンドのパンチに捕まり、レフリーが試合を止めた」って内容らしい。リビング・レジェンドとして知られるタカが無名のファイターに殴り負けるのは偲びないねぇ。っていうか、柔術の試合で黒帯柔術家から一本奪った強さにはリスペクトを払うべきじゃないの?これからはグラップリングルールでどうでしょ?

第二試合 そういえばROKENの鬼木貴典って、最近試合を観てないなぁ

90kg契約 5分2R
○栗原強(178cm/88kg/チームROKEN)
●ナ・ムジン(190cm/88kg/韓国/CMA KOREA)
[2R 1分14秒 腕十字固め]

栗原の試合ってPANCRASE以外で観た事がないなぁ。本当に久しぶりだ。


1R、四肢の長いナにマウントを奪われるもすぐにリバースした栗原は足をとって膝十字を極めに行く。これはナの長い足に邪魔されて未遂に終わったが、二度目のグラウンドでも栗原はインサイドから膝十字へ移行。一瞬、ナが苦しい表情を浮かべた為に観客も反応したがこれも極まらず。ナのヒザ蹴りをかわした栗原が三度目のグラウンドへ移行したところで1Rは終了。ここまでは栗原が攻勢といえるだろう。

2R、優位に立ったのはナ。ハイキックをヒットさせたナはテイクダウンを奪いパンチを落とすと、栗原にスタンドを要求。四肢が長いだけに「スタンドの方が力を出せる」と思ったのだろう。しかし立ち上がった栗原は「そうはさせじ」とナを引き込んでてグラウンドへ移行、そのまま下から腕十字を仕掛けた。これが極まってナがタップ、栗原が見事に一本勝ち。


栗原、お見事でした。

第三試合 マッハ道場の門下生を観るのは初めてだなぁ

70kg契約 5分2R
○中野洋志(167cm/69.5kg/マッハ道場)
●BULL(171cm/69.3kg/BLUE DOG GYM)
[1R 1分55秒 TKO]

BULLの応援団の数が凄い事になっていたが、試合はあっさりと決着がついた。


試合開始から、「スタンドで打撃戦、中野が攻勢 → 中野の首投げが決まる → BULLがグラウンドを脱出 → スタンドで…」という展開が何度か続く中、BULLがあっさりと右目尻を負傷しレフリーストップ。


ちょっとレベルに差があった。BULLはフューチャーファイト(ダークマッチ)レベルだと思う。

第四試合 韓国人の総合ファイターって、意外と四肢の長い選手が多い気がするなぁ

80kg契約 5分2R
キム・ドンヒョン(189cm/79.8kg/韓国/CMA KOREA)
●窪田幸生(174cm/79.1kg/坂口道場)
[1R 2分46秒 KO]
※ヒザ蹴り/キムは1Rにイエローカード

PANCRASEを離脱して以来、流浪の格闘人生を送る窪田幸生。所属を和術慧舟會GODSに変え、フリーへ転身し、流れた先はあの坂口道場だ。今やすっかりベテランの窪田、しばらく勝ち星に見放されている印象もあるが、今日は果たして?


この試合、両者のリーチ差が凄い。タダでさえ身長で窪田を上回るキムだが、その数値以上に手足が長いのだ。手足の短い窪田とのリーチ差は歴然で、実際窪田はこのリーチ差に泣かされる事になる。窪田の間合いの外からパンチをバシバシと当ててくるキムに対し、窪田はパンチをブンブン振り回すがキムには届かない。

タックルは切られ、組み付いてもコーナー際で粘られ脱出される等で打つ手がない窪田、バランスを崩して転倒したところにキックを入れられる(DEEPでは解禁ルールではない限り反則。キムにイエローカード)。最後はモロにヒザ蹴りを喰らった窪田がダウン、キムが尚もパンチを入れたところでレフリーが試合を止めた。

勝ったキムは、マイクで中尾受太郎との対戦をアピール。


う〜ん、今日の窪田はあまりにもいいところがなさ過ぎて、掛ける言葉も見つからんなぁ。

第五試合 結局、中台がPANCRASEを辞めた理由ってウヤムヤになっているなぁ

78kg契約 5分2R
○中台戦(178cm/77.5kg/PRB)
●THE NOBO-ROCK(175cm/77.6kg/チームROKEN)
[1R 1分57秒 KO]
※飛びヒザ蹴り

窪田とは違ってPANCRASEを解雇されたのが中台戦。しかしPANCRASEでは負け続きだった彼も、DEEP初参戦の試合では白星を飾っている。今日の相手はムクムクと体の大きいTHE NOBO-ROCKだ。


試合はスタンドでの打撃戦となった。お見合いが続く中でNOBO-ROCKのタックルを切った中台は、尚もブンブンとパンチを振り回すNOBO-ROCKに飛びヒザ蹴り。一発でNOBO-ROCKが倒れる中、パンチで追撃する中台をレフリーが止めた。


う〜ん、いくらPANCRASEで負け続きだったとはいえ、中台はプロの選手なのだから、もう少しネームバリューのある選手とやらせてあげないとねぇ。

第六試合 R-BLOODといえば、佐藤隆平がMARSのMARS WORLD FIGHTING GPに残っているなぁ

70kg契約 5分2R
上小園琢大(179cm/69.7kg/木口道場レスリング教室)
●梅田恒介(175cm/69.5kg/R-BLOOD)
[1R 43秒 ヒールホールド]

二人ともあんまり知らない選手なので前口上はなし。


試合ではお見合いの後、梅田がロープ際でテイクダウンを奪ったが、上小園は倒れる際に足を取ってあっという間にヒールホールドを極めた。1分を待たずに試合は終了、梅田は足を引きずったまま退場していった。


梅田はこの試合でシューズを履いていたのだが、それが上小園に足を捕られる原因になったように思う。次回は裸足で。

第七試合 SKアブソリュートPANCRASEを離脱するのも時間の問題かなぁ

76kg契約 5分2R
長谷川秀彦(176cm/75.8kg/SKアブソリュート)
●濱村健(178cm/75.9kg/CMA京都成蹊館)
[1R 3分22秒 スリーパーホールド]

SKアブソリュート所属選手の中では唯一、一本勝ちを期待できる選手なのが長谷川秀彦。積み上げた実績は充分なものなので、そろそろ上の舞台での活躍が見たい。


試合開始、まずは接近した長谷川、しかし濱村のストレートがヒット。それでも組み付く長谷川、腕を掴みながらコーナー際へと押し込みテイクダウンを狙うも濱村は倒れない。ならばと片足タックルでテイクダウンを奪うが、両腕を下から掴まれる。引っこ抜こうする長谷川だが、濱村はその動きに合わせて立ち上がってしまった。長谷川、てこずってるなぁ。

しかしスタンドでバックを奪った長谷川は、濱村に飛び乗ってのスリーパーホールドを極める。振りほどこうと後ろに倒れた濱村だが長谷川はスリーパーを放さない。やがて濱村がタップし試合は終了。

勝った長谷川は、中尾受太郎の持つ王座への挑戦を表明。中尾は人気者だなぁ。


中尾との対戦は誰もが納得するところであろう。というか、僕としては海外の強豪との対戦も観てみたいね。

第八試合 ルタ・リーブレがベースの選手って、今時珍しいなぁ

85kg契約 5分2R
○フラービオ・モウラ(180cm/84.2kg/ブラジル/グレイシーバッハ コンバットチーム)
松井大二郎(177cm/83.9kg/フリー)
[判定 3−0]

PANCRASEでは近藤有己との対戦に破れ、SBでの森谷吉博の引退式ではネームバリューの割にはまったく拍手が起きなかった上、ニュースサイトには名前が出ていなかった松井大二郎高田道場を離脱して以来、流浪の格闘人生を送る松井だが、誰が相手でも判定にまで持ち込める実力ぶりはマニアの間で密かに定評がある。最近は英国の総合格闘技団体、CAGE RAGEでの活躍が目立つ松井。今年二度目の日本での試合で勝利する事ができるか?


試合は単調な展開となったので、観戦記はダイジェストで。

全体的にモウラが力で松井を押さえつけた。パンチを繰り出しながら組み付いてくる松井を、モウラは首相撲に捕らえてヒザ蹴りを入れたり、カウンターのタックルを合わせてテイクダウンを奪ったり。モウラはこの試合で1Rに二回、2Rにも二回ほど上になったが…。いざグラウンドで上になってもモウラはコツコツとパンチを落とすのみ、それ以上の攻めがない。対する松井もクロスガードで防御するばかりで、試合はどうにも膠着。

モウラは1R終盤、松井は2R中盤にそれぞれ引き込んで、フロントスリーパーに捕らえる場面もあったが、目だった攻めはこれくらいか?松井のフロントスリーパーから首を抜いたモウラが、亀になる松井のバックを奪ってスリーパーを仕掛ける中で試合は終了。

判定の結果は3−0、全体的に試合を優位に進めていたモウラが勝利。


今日の松井の「誰が相手でも判定になる」は悪い方に転がったなぁ。ま、良い方に転がる回数は圧倒的に少ないんだけどね。

第九試合 GRABAKAの大将の菊田早苗は、本当に試合をしないなぁ

71kg契約 5分3R
横田一則(172cm/70.9kg/GRABAKA)
小見川道大(168cm/69.7kg/吉田道場)
[判定 2−0]

この試合は、GRABAKA主宰の菊田早苗が一時期提唱していた「GRABAKA vs 吉田道場」の一戦となった。が、正直DEEPでの活躍が目覚しい横田一則と、柔道での実績は輝かしくも総合格闘技の経験はまだまだの小見川道大とでは釣り合いが取れない気がするんだがなぁ…。ちなみに小見川のセコンドには前述の菊田はもちろん、郷野聡寛三崎和雄といった面々もセコンドについていた。


さてこの試合、意外に小見川が頑張った。

1R、横田に飛びついた小見川は、引き込んで下から腕を捕り、これを横田に抜かれても今度は足を捕る。意外にしつこい小見川に手こずる横田だがなんとか脱出、上半身を起こしてパンチを落とすが、今度はその腕をキャッチされた。腕を抜くと…また足を捕まれる横田、パスガードを狙っても阻止されて、どうにもやりにくそうだ。そこで横田はヒット&アウェイを実行。一度立ち上がって猪木アリ状態からパンチを一発落とし、再びインサイドに戻る…という事を繰り返す。


2R、1R終盤と同じく横田は「体を浴びせてテイクダウン〜立ち上がって猪木アリ状態からパンチを一発落とす〜再びインサイド…」で展開なくブレイク。どうにもグラウンドは膠着しがちだ。

その後、暫しの打撃勝負が展開され、終盤に差し掛かる頃にテイクダウンを奪ったのは小見川だ。パスガードに成功しマウントを奪った小見川、腕を捕って技を仕掛けようとしたが…これは横田が未然に脱出、スタンドに戻ってからはフックやヒザ蹴りで逆襲。譲らないねぇ。


3R、横田のバックを奪い飛びついた小見川だが、横田は屈んで振り落とす。グラウンドで上になった横田はパンチを落としつつ立ち上がってのパスガードを試みるも、小見川がそれをさせない。

ブレイク後、小見川のフックがヒットするも、タックルでテイクダウンを奪ったのは…またしても横田。立ち上がってのパスガードを狙う横田、小見川は足をバタつかせて防御。横田が立ち上がってパンチを入れ、試合は終了。


判定。僕は決定打がないからドローかな?と思っていて、実際ジャッジの一人がドローとした。しかし残り二名は横田を支持。まあ上になるシーンが多かった事や、パンチを落としていたのを評価したのだろう。でもそんなに有効な攻めには見えなかったけどね。

勝った横田はマイクで「そろそろ自分の顔を覚えてもらおうと思って、あまりカッコよくないですけど」と言うと、自らの顔を突き出して「覚えてください!」とリングを一周。メインイベントでタイトルマッチに挑む先輩、山崎剛への声援を要求、「山崎さんの試合の時はいつも黄色い声援ばかりなので、野太い声援もお願いします!」。


もっと横田が圧勝するもんだと思っていたけど、小見川が意外に頑張ったお蔭で…やや退屈な内容になっちゃったかな?決め手になるものなかったしねぇ。まあ無敗記録を守った事だし、そろそろ大きな舞台での活躍も観れるかな?

第十試合 グレイシーバッハって単語を久々に聞いた気がする

76kg契約 5分3R
ファブリシオ“ピットブル”モンテイロ(175cm/75.8kg/ブラジル/グレイシーバッハ コンバットチーム)
中尾受太郎(177cm/76.0kg/フリー/DEEPウェルター級 王者)
[判定 3−0]
モンテイロは2Rにイエローカード

三角絞めでお馴染み、DEEPウェルター級王者の中尾受太郎だが、今日は難敵に挑む。ファブリシオ“ピットブル”モンテイロは前回、契約体重を大幅にオーバーしたまま試合に挑み、アベ兄ィこと阿部裕幸から快勝を奪ったのだ。スポナビで前回の試合の経過を読む限りではなかなかの強豪のように思えるし、今回は彼の適正体重なので計量オーバーはない。今日は本来の実力を発揮するであろうモンテイロに、中尾は勝つ事ができるのか?


…とは書いたものの、この試合は終始モンテイロが圧倒。中尾にいいところはなかった。

1R、中尾をコーナー際へ押し込むモンテイロ、テイクダウンを奪って上になり中尾を持ち上げてバスター。ブレイクが掛かりスタンドになっても、モンテイロは中尾を二度、力任せにコーナー際へと押し込んでテイクダウンを狙う。これはいずれも未遂に終わったが、ラウンド終了前にはタックルでテイクダウンを奪う。この間、中尾はまったく反撃できていない上、スタンドでは左ローキックを蹴られ続けた。苦しいねぇ。


2R、相変わらず中尾をコーナー際へと押し込むモンテイロ、ヒザ蹴りをコツコツ。この展開が二度繰り返される。どうにも苦しい中尾だったが、右ストレートを三連発でヒットさせる。千載一遇のチャンスに観客から歓声が沸く中、勢いで倒れたモンテイロの上になる中尾。いよいよ反撃かっ!?

だが、モンテイロはあっさりとリバース、立ち上がって猪木アリ状態からパンチ&踏み付け連発。ロープを掴んで攻撃した為にイエローカードを貰ったが、勢いを取り戻したモンテイロはローキックやミドルキックで中尾を蹴り、タックルで中尾からテイクダウンを奪う。中尾、今日は負けたな。


3R、もはやモンテイロに傾いた勢いは止まらない。このラウンドで計四回タックルでテイクダウンを奪ったモンテイロは、その度にパンチを落としたり、立ち上がってローキックを放ったり。もはや一方的な展開、中尾はスタンドで打撃を繰り出すも…モンテイロはカウンターのタックルで中尾を倒し続けた。どうもならんな。


試合終了、判定の結果は3−0でモンテイロが勝利。勝ったモンテイロはマイクで仲間や吉田道場に感謝を示し、ベルトへの挑戦をブチ上げていた。まあ今日は、チャンピオンに勝ったワケだしねぇ。


あまりにも一方的な展開すぎてコメントが難しい、というかねぇ。何せ今日の中尾は何もできなかったし。2R序盤、パンチでモンテイロを倒したのが唯一のチャンスだったが、そのパンチを3Rにも出したところ、今度はカウンターのタックルを喰らいまくっちゃったしねぇ。今の中尾では、何をしても勝てない気がするなぁ。

かと言って、あんまり試合ぶりが面白くないこのモンテイロが王者になっても困っちゃうんだけどね。

第十一試合 長らく修斗で活躍していたGRABAKAの選手を初めて観たなぁ

DEEPフェザー級 タイトルマッチ 5分3R
今成正和(165cm/64.9kg/チームROKEN/DEEPフェザー級 王者)
●山崎剛(174cm/64.8kg/GRABAKA)
[3R 1分49秒 KO]
※下からの蹴り上げ/今成が王座防衛に成功

本日のメインイベントはDEEPフェザー級のタイトルマッチ。王者「足関十段」今成正和に挑むのは「GRABAKA軽量級の強豪」山崎剛なのだが、今成はこれに不満を示した。曰く、昨年十月に行われた王座決定トーナメントの一回戦で、後に今成が破る事になるマイク・ブラウンに敗北しているから、らしい。「俺がトーナメントで勝った相手に負けた選手が、なんで『飛び級』して王座に挑戦できるんだっ!?」って事だな。更には「DEEPフェザー級王者になってから、体調を悪くしたり負けたりで良い事がない。ベルトに触ったら不幸になる」等、もう言いたい放題。ここまで言われては、山崎も黙っているワケにはいかないだろう。試合での奮起に期待。


1R、構えてストレートを繰り出す山崎に対して、ノーガードの今成は強烈なローキックやミドルキックで応戦。今成は自ら組み付いて引き込むと、下から積極的にパンチやカカト蹴りを繰り出す。山崎もパンチで対抗するが、手数は今成が上。嫌がる山崎が体を起こせば、今成は下からの蹴り上げを連発。

攻め込まれている山崎だが一度はパスガードに成功、上四方の体勢になるも…、今成はこれをハーフガードに戻す。ボディへパンチを落とす山崎に対して、今成は下から三角絞めの体勢を作りつつ山崎の顔面を殴る。1R終了、ここまでは今成が山崎を凌駕している。


2R、今成は相変わらずのノーガード。ジャンピングキックで観客を驚かせると、蟹挟みで山崎を引き込んでグラウンドへ。インサイドで上になっている山崎も、下になっている今成もパンチを繰り出したが展開なくブレイク。スタンドで今成は重いミドルキックを放つも…これが山崎の股間を襲撃、インターバルが置かれる。試合再開、今成の更なるミドルキックをキャッチした山崎、テイクダウンに成功し一瞬はパスガードに成功したが…すぐ今成に戻される。

両者は立ち上がっての打撃戦となったが、ここで山崎の右ストレートがヒット。山崎のチャンスにGRABAKA応援団の黄色い声援が飛んだが、今成は接近して引き込むと一瞬にして足を捕ってアンクルホールドへ。「足関十段」の名に恥じない動きに観客から驚きの声が上がるが…山崎は必死に逃げた。亀の体勢になる山崎に今成は側面についてボディへヒザ蹴り。更に背後に回る今成だが、山崎は振り落として上になる。今成が下からヒザ蹴りや蹴り上げを連発する中で2R終了。下になる事が多いのに、試合は完全に今成のペースだ。


3R、ノーガードから重いローキックを連発して牽制する今成。山崎は起死回生の飛びヒザ蹴り一閃、今成はこれをしゃがんでかわし、倒れた山崎の上になろうとする。山崎は立ち上がってこれを拒否、スタンドでワンツーを放って今成を牽制。今成はミドルキックやローキックを放ちつつ、低空の蟹挟みで山崎を転ばせようとする。これを捌いた山崎だったが、今成は続いて下から蹴り上げ。これがモロにヒット。失神したのか前のめりに倒れる山崎に今成はサッカーボールキックで追撃。観客の大歓声の中、レフリーが試合を止めた。


劇的な勝利を飾った今成、しかし本人はマイクを渡されても「道場にチャンピオンの技術を習いに来てください」と淡々としたものだった。う〜ん、こりゃ本当に「DEEPの王座なんて、どうでもいい」って感じだなぁ。


それにしてもフィニッシュは「『足関』を知る者は、寝技での足の使い方も知っている」という感じで鮮やかだった。試合も全体を通して今成が圧倒していたし、そろそろもう一度、PRIDE武士道での活躍が観てみたいねぇ。

雑感

客入りこそやや苦戦した今回のDEEPだが、内容は上々と言えるだろう。前半の一本勝ちの連発も見ていて気持ちが良かったし。まあ松井の試合で集中力が切れそうになったけど、メインイベントは熱戦になったし「終わりよければすべて良し」ってトコロかな。


さて次回以降についてだが、今年十二月の大会では中尾のDEEPウェルター級王座の防衛戦を予定しているそうだ。その対戦相手は…、今日勝ったモンテイロではなく長谷川である可能性が高いとの事。確かにその方が客足も伸びそうだな。更には帯谷信弘の持つDEEPライト級王座の防衛戦も来年二月に予定しているらしい。こりゃあ、暫くDEEPは話題に事欠かなさそうだな。


以上、長文失礼。