10/9 全日本キック 新宿FACE興行 「CUB☆KICKS」 観戦記

Mask_Takakura2006-10-09

最終日はやや尻つぼみ

全日本キック新宿FACE三連戦、最終日の今日は「CUB☆KICKS」、いわゆる通常の新宿FACE興行だ。


メインは正巳と岩切のフェザー級ホープ対決、セミは中村のムエタイへ挑戦。う〜ん、やっぱり前二日に比べたらカードはイマイチだなぁ。まあ、今日出場する選手には、僕の想像を越えるファイトを期待しよう。


チケット購入、立見3500円 + ドリンク代が500円。客入りは…さすがに前二日と比べると寂しい感じ。約八割くらいかな?


※オープニングファイトは未観戦。

第一試合 意地の張り合い!

スーパーバンタム級 3分3R
△尾田兼次(173cm/55.1kg/S.V.G.)
△リポビタンD(164cm/53.3kg/DRAGON GYM)
[判定 1−1]

その変なリングネームが目を惹き、デビュー戦は不戦勝という珍記録を持つリポビタンDだが、アイパーにタトゥーという大変いかつい姿でリングイン。あれ?前に観た時はもっと普通の見た目だったように思うんだがなぁ。


試合はお互いの打撃が休む事なく交差する壮絶な激闘となった。とにかくフォームなどお構いなしにブンブンとパンチを振って前に出るリポビタンDに対し、尾田は距離が遠い時は右ローキックを連打、リポビタンDが近づいて来ればワンツーで迎撃。お互いの打撃が激しく交差した結果、尾田はリポビタンDのパンチを喰らって流血、リポビタンDは尾田の右ローキックで左足を引きずった状態に。それでも尚、尾田は右ローキックを連打、リポビタンDはワンツーを出しながら突進。う〜ん、お互いに一歩も譲らないなぁ。意地だね。


試合は判定へともつれたが、1−1という三者三様の判定を下した為ドローとなった。

第二試合 あっという間に終わり!

女子50kg契約 2分3R
○星野久子(158cm/48.9kg/勇心館)
●林田昌子(154kg/49.9kg/藤原ジム)
[判定 3−0]

この試合は女子の試合。全日本キックの女子の試合は、強豪でない限りは2分3R制で行われるので、試合はあっという間に終わってしまった。


僅かにリーチに勝る星野は、1Rから勇心館所属選手らしく前進を続けて、ローキックとワンツーをひたすら繰り出す。対する藤原ジム所属の林田は、自らは下がりながらワンツーを返していく。1Rは林田のパンチがよく当たっていたが、2R〜3Rは星野の打撃が良くヒットしていた。

勝敗は判定へと委ねられ、3−0で林田が勝利。…ね。観戦記もあっという間に終わるでしょ?

第三試合 身長査証疑惑を吹っ飛ばせ!

バンタム級 3分3R
○小野寺絋也(165cm/53.3kg/DRAGON GYM)
●柏木吾一(167cm/52.9kg/S.V.G.)
[判定 3−0]
※柏木は1Rにダウン1

とにかく小野寺の体が小さい。発表されている身長は165cmとなっているが、恐らく実際の身長は150cm後半であろう。しかしこの選手は、豆タンクな体型を活かしてガンガン前に出て大きな選手を打ち負かしていく、大変にアグレッシブな選手でもあるのだ。僕は今日もそのファイトぶりに注目したが…。


この試合は終始、小野寺のペースで進んだ。ワンツーとローキックを繰り出しながら前に出て柏木に組み付き、強引なヒザ蹴りを連打する小野寺。小野寺は1R終盤に右ストレートでダウンを奪った。対する柏木は小野寺の勢いを前に防戦一方。3Rは下がりながらのミドルキックで蹴る場面もあったが…、有効な攻めはこれくらい。組まれるとパワー負けしてしまう柏木、これでは勝ち目がない。

判定の結果、ダウンを奪った小野寺が3−0で勝利。


う〜ん、小野寺は本当に体が小さいのに頑張るなぁ。でも正直、フライ級で活躍した方がいいと思うけどね。

第四試合 橋本のオジサン、今日も頑張った!

フェザー級 3分3R
△橋本城典(168cm/56.8kg/DEION GYM)
△藤井基文(178cm/57.0kg/月心会)
[判定 1−0]

山本元気と同じDEION GYMの所属、橋本城典は当年とって37歳。こう聞くと大ベテランのように思えるが、実はまだ8戦のルーキーである。今日の相手は身長が10cmも高い藤井基文、橋本のオジサンにとっては難敵か?


試合は意外にも、橋本の巧さが光る内容となった。1R、遠距離から切れ味の鋭いミドルキックを連発する藤井。だが橋本はスウェーでかわしたり、蹴り足をキャッチしたりしながら打撃を入れていく。ストレート、ボディブロー、ローキックと上中下に打撃を分ける橋本、藤井は接近戦では首相撲からのヒザ蹴りを使い、距離が開けばローキックを多用するが、ラウンドが進むごとに橋本のストレートが何発も藤井の顔面を捉えるようになる。打撃を警戒する藤井は踏み込めなくなり、橋本は自分のペースで試合を進めた。3R終盤頃には展開は一方的なものとなり、橋本のボディストレートやワンツーが何発も藤井を襲っていた。

試合終了、勝負の行方は判定へと委ねられた。結果は橋本の1−0でドロー。


う〜ん、確かに橋本の打撃に有効打はなかったからドローと見る事もできるかもしれんが、後半の一方的展開を見れば橋本の勝ちで問題がないと思うんだけどなぁ…。なんとも厳しい判定基準、というかねぇ。

第五試合 古豪の強さが光る一戦!

ライト級 3分3R + 延長3分1R
○上杉武信(167cm/61.1kg/藤原ジム/全日本ライト級 八位)
●HIROAKI(180cm/61.0cm/峯心会)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 0−1

藤原ジムの上杉武信は年齢は33歳と若くないが、パンチのコンビネーションが魅力の選手。しかし今日の相手はかなりの難敵、HIROAKIは身長180cmの巨漢である。上杉はどう攻略するのか?


この試合、上杉の巧さが冴えた。1Rから前に出て、ワンツーやボディブローを繰り出す上杉、距離があけば右のローキックを繰り出す。対するHIROAKIは長身を活かした首相撲からのヒザ蹴りで対抗、更には中距離でワンツーを、遠距離ではミドルキックで上杉を迎撃する。特に首相撲は要所で上杉を大いに苦しめ、2Rにはカウンターのストレートもヒット。しかしHIROAKIも、上杉のローキックのダメージで2R終盤あたりから左足を気にし始める。3R序盤には壮絶な殴り合いも展開されたこの試合、3R中盤頃には両者共に鼻血が噴き出していた。このラウンドで手数で勝っていたのは上杉、前に出てのワンツーやフックの後で放たれるローキックがHIROAKIを苦しめた。

試合終了、判定はHIROAKIがジャッジ一人の支持を得るも、残り二人はドローで延長戦に突入。ふ〜む、上杉の勝ちでいいと思うんだけど…、HIROAKIは2Rに有効打を出していたのがデカいな。


延長R、序盤はHIROAKIが前に出てラッシュを仕掛けたが、これ以降は上杉が圧倒。若くない選手だが休む事なく前に出てワンツーや右フック、ローキックを次々にヒットさせる。押され気味のHIROAKIは距離が開くとミドルキックで蹴るのが精一杯の状態、終盤には上杉のワンツーがクリーンヒットしグラついてしまう。対する上杉は、最後まで打撃を連続で当て続けたが、試合終了直前はHIROAKIも殴り合いに応戦。そして試合はそのまま終了、観客はこの光景に大きな拍手を贈った。

延長判定の結果は3−0で上杉が勝利。


う〜ん、HIROAKIは得意のヒザ蹴りが終盤にもっと出ていればなぁ…と思うが、それをさせなかった上杉が巧いのだろう。それにしても13cmもの身長差を苦にせず近距離戦に持ち込む上杉の姿は良かった。

来月は大変な事に!好カード続出の全日本キックを見逃すな!

10分の休憩を挟んで、次回11月12日の後楽園ホール興行の対戦カードの第二弾が発表された。

68kg契約 3分5R
大輝(JMC横浜GYM/ラジャダムナンウェルター級 八位 & 全日本ウェルター級 王者)
ゲーンカート・チューワッタナ(タイ/ラジャダムナンウェルター級 三位 & プロムエタイ協会ウェルター級 三位)


61kg契約 3分3R + 延長3分1R
増田博正(スクランブル渋谷/全日本ライト級 王者)
チューティン・シットクヴォンイム(タイ/元ラジャダムナンバンタム級 王者 & 元ラジャダムナンフェザー級 王者)


ライト級 3分3R + 延長3分1R
大月晴明(AJジム/WPKC世界ムエタイライト級 王者)
山本雅美(北流会君津ジム/NJKFライト級 一位)

どれも目を惹くカードだが、やはり注目は「格闘科学の探求者」大月晴明の試合だろう。対戦相手の山本”パンティ”雅美は、かつてサトルヴァシコバの額を切り裂いて完勝した経験を持っている。決して舐めては掛かれない相手に、大月はいつもの「大月スタイル」を通す事ができるか?


尚、第一弾のカードとして発表された、

62kg契約 3分5R制
小林聡(藤原ジム/WKA世界ムエタイライト級 王者)
ジャルンチャイ・ケーサージム(ムエタイライト級 現役四冠王(ラジャダムナン王座を含む))

についてだが、その後の調べで小林にも充分に勝つチャンスがある事が判明した。


というのも、この選手は元々ミドルキックの連打でポイントを稼ぐ選手なのだ。彼は昨年八月に新日本キックで行われた「TITANS」で石井宏樹と対戦し、一方的にボコボコにされている経歴を持っている。試合はムエタイルールだったので、ミドルキックでポイントを稼いだジャルンチャイが判定勝利しているが、今回は純キックルールで行われるので、このルールなら小林でも勝てるのではないかと思われる。


まあ、僕も石井の鬼のような強さは知っているので、その強さを小林も出せれば、という話ではあるけどね。

参考資料 ジャルンチャイ・ジョー・ラチャダーゴン vs 石井宏樹(スポナビへのリンク)

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200508/22/a12.html

第六試合 気がつけば、またしても頭にタオルを巻いている中村!

ミドル級 3分3R + 延長3分1R
○プラーブスックレック・シッサンタット(175cm/72.4kg/タイ)
●中村高明(188cm/72.5kg/藤原ジム/全日本フェザー級 一位)
[3R 1分32秒 KO]
※中村が額をカット

本日のセミファイナルは、M-1でのゲンナロン・ウィラサクレック戦での壮絶な試合も記憶に新しい中村高明による、今年二度目もムエタイ挑戦。ゲンナロン戦では気迫を全面に押し出してのファイトが素晴らしかった中村、あの時の気迫があれば今日は勝てるような気がするのだが…。


1R、中村は左のパンチでプラーブスックレックの動きを牽制しながら前に出て、首相撲からのヒジ打ちやヒザ蹴りを狙うが…、シッサンは距離があけばローキックを放ち、組み付けばヒジ打ちを強打。中村の首相撲ではどうしてもプラーブスックレックに力負けしてしまう。さすがはムエタイ戦士。

中村はワンツーをヒットさせる等で互角に闘っていたが…この時、プラーブスックレックの右のヒジ打ちで既に額は赤くなっていた。

2Rにはジャンプしてのヒジ打ちをヒットさせたプラーブスックレック、距離が離れればミドルキックとローキックを強打し、接近戦では首相撲からのヒジ打ちやヒザ蹴りを連打。これらの打撃を前に段々と手数が少なくなる中村、開始直後に放った飛びヒザ蹴りも、中盤に放ったソバットも焼け石に水。特にパンチの数が減っているのが苦しいなぁ。

3R、中村の額はすっかり赤くなっており、そこをプラーブスックレックの打撃が襲う。ストレート、ヒザ蹴り、そしてヒジ打ち。中村の流血は激しくなる一方、ここでドクターチェックが入る。

一回目のチェックはクリアした中村だが、もはや後がない事は誰の目にも明白。中村はワンツーを連発しながら前進してプラーブスックレックに勝負を挑むも…。プラーブスックレックのヒザ蹴りやヒジ打ちが再びヒットすると、再び中村は流血。二度目のドクターチェックが入り、やがてレフリーが手を振った。


う〜ん、今日の中村はゲンナロン戦に比べて、ちょっと気迫が足りなかったように感じるなぁ。追い込まれてからワンツーで前に出るくらいなら、最初からそのスタイルを通して欲しかったなぁ。この試合のタイトルにも書いたけど、試合終了後に「頭にタオルを巻く姿が似合うなぁ」なんて思われても悔しいだけでしょうに。ガンバレよっ!

第七試合 世の中、なかなか上手くいきません!

フェザー級 3分3R + 延長3分1R
○岩切博史(174cm/57.0kg/月心会/全日本フェザー級 六位)
●正巳(167cm/56.9kg/勇心館/全日本フェザー級 五位)
[2R 2分32秒 KO]
※3ダウン

本日のメインイベントはフェザー級ホープ同士の対決。岩切博史も正巳もパンチのラッシュを得意とする選手なだけにKO決着は必至だろう。特に正巳は、今年七月に行われた石川直生のSフェザー級王座防衛戦で秒殺負けしたばかり。再び王座戦へ辿り着く為にも、こんなところでは負けられない。


1R、今日の正巳はいつもよりも慎重。前回の試合でラッシュを仕掛けて逆に秒殺負けしたのを反省したのか、距離を取りながらワンツーやボディストレートを放っていく。対する岩切は積極的に接近して首相撲からのヒザ蹴りを連打、終盤にはヒジ打ちを放つ。う〜ん、岩切ってこんなスタイルだったっけ?

2R、岩切は首相撲からのヒザ蹴りやコーナー際へ追い詰めてのワンツーで正巳を攻めると、中盤には正巳に組み付いて右ストレートを放つ。倒れる正巳、投げのような形になったのでノーダウンとなったが…、正巳のダメージは大きそうだ。

そして、ここからは一方的な展開となった。岩切はダメージの残る正巳に右ストレートをヒットさせて最初のダウンを奪うと、立ち上がってきた正巳にワンツーの連打を浴びせてスタンディングダウンを奪う。それでもファイティングポーズをとる正巳だったが、岩切はパンチの連打を浴びせてあっさりと三度目のダウンを奪った。


う〜ん、今日の正巳はまったくいいところがなかったなぁ。今日はスタミナ配分を気にして序盤でのラッシュを避けたと思われるが、それが逆に岩切のペースを引き出しちゃったかなぁ?まあスタミナには大きな難を持つ選手なので、このスタイルが悪いわけではないんだけど…。上手くいかないねぇ。

雑感

セミファイナルとメインイベントが、KO決着ながらも今一つの内容に終わったのは残念である。しかし第三試合〜第五試合までは身長の低い選手の頑張った為、会場はそこそこ盛り上がったように思う。特に上杉の気迫のこもったパンチは会場を大いに沸かせていた。ベテランの選手だが、もう一花咲かせて欲しいね。

さ、来月はいよいよ全日本キックの大一番だ。期待して待とう。


以上、長文失礼。