10/1 J-NETWORK 後楽園ホール興行 観戦記

Mask_Takakura2006-10-01

う〜ん、今一つ盛り上がらないなぁ

本日はJ-NETWORKを観戦。


………。


えっと、なんでいきなり無言になっているかというと…ズバリ言って、今日はMACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの準決勝戦以外に、あんまり見所がないと思っているからだ。故にこの序文も何を書けばいいのかよくわからない、というか。困ったものだ。一応はグレイシャア亜紀の王座挑戦とか、全日本キックの選手が多数出場とか、ファイヤー原田とか、それなりに興味を惹く話題もなくはないんだけど…正直、あんまりピンと来ないんだよね。

とは言え、肝心なMACH GO! GO!は魂叶獅 vs 森田晃允の日本王者決戦、優勝候補のTOMONORI vs ダークホース松尾宗となかなか良いカードが揃った。僕が注目しているのは魂叶獅 vs 森田。テクニシャンの魂叶獅に森田の直線的な打撃は通用するのか?フライ級屈指の好カードだな。


チケット購入、A席を5000円で購入。J-NETWORKはあんまり立見席を出さないのか、僕が行くと必ず売り切れてしまう。悲しい。パンフレットも購入、1000円。内容はまずまず。観客の入りは約五割。今年のMACH GO! GO!は観客動員的には失敗だねぇ。

第一試合 増殖した

スーパーライト級 3分3R
○翔太(チームドラゴン)
●チャンド(POWER-X)
[判定 2−0]

両者共にデビュー戦。1Rは未観戦だったが、2Rは翔太が前に出て首相撲からのヒザ蹴りで攻める。3Rも翔太は膝蹴りでペースを握り、カウンターのストレートもヒットさせた。対するチャンドは殆ど反撃できず。

判定の結果、2−0で翔太が勝利した。一人はドローにしているって事は、1Rはチャンドが押していたのかな?


それにしても、チームドラゴンの選手はどんどん増殖していくなぁ。

第二試合 逃げ切った

ミドル級 3分3R
○茂虎(181cm/71.5kg/TARGET)
●チャーリー・ホースト(180cm/70.3kg/ギニア/チームドラゴン/J-NETWORKミドル級 五位)
[判定 2−1]

ギニア出身のチャーリー・ホースト、1Rは首相撲からの膝蹴りを連打して主導権を握る。対する茂虎は前蹴りでホーストとの距離を離してストレートで反撃、2Rにはホーストのお株を奪う首相撲からの膝蹴りを放ち、更には何度もストレートを叩き込んで主導権を握る。

一進一退の攻防、両者がスタミナを失う中で迎えた3R、茂虎は積極的に前に出てパンチとローキックを放ち、組み付けばホーストと膝蹴り合戦を展開。終盤、攻め疲れからか茂虎はバテてしまい、そこをホーストに攻め込まれてしまう。

それでも判定の結果は2−1、スプリットながらも茂虎が勝利した。


茂虎はなんとか逃げ切ったねぇ。危ない危ない。

第三試合 重かった

フェザー級 3分3R
○木村敬明(178cm/57.0kg/レグルス池袋/J-NETWORKフェザー級 十位)
水落洋祐(173cm/56.8kg/はまっこムエタイジム/全日本フェザー級 八位)
[判定 2−0]

J-NETWORKのライト級ランカーである木村敬明は23歳、全日本キックのライト級のランカーである水落洋祐は22歳。共に明日のキック界を支えるかもしれない選手だ。

ムエタイスタイルの木村は1Rから重い右ミドルキックを放って試合を優位に進める。対する水落はパンチが主体でどんどん前に出るが、前に出るタイミングを木村に見切られてしまう。2R、水落にワンツーを叩き込む木村。これで失速した水落、以降はクリンチを多用。木村は思うように打撃を振るえずにいたが、3Rはブレイクの後で必ずミドルキックを放っていた。終盤にはハイキックもヒット、対する水落は殆ど何もできなかった。

判定の結果、2−0で木村が勝利。う〜ん、だれのジャッジかはわからんが、この展開でドローはないような気がするなぁ。


それにしても、木村のミドルキックはなかなかの重さだった。この先が楽しみだな。

第四試合 妙に劇的だった

ライト級 3分3R + 延長3分1R
ファイヤー原田(170cm/60.7kg/レグルス池袋/J-NETWORKライト級 四位)
●濱島康大(173cm/61.1kg/はまっこムエタイジム/全日本ライト級)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 1−1

第四試合には「熱血ヒーロー」ファイヤー原田が登場、そして始まる『ファイヤー劇場』。リングに上がるなり四方に押忍、試合前には両腕で大袈裟にファイティングポーズ。まだまだ若手の濱島康大には刺激が強すぎるか?


試合内容はグダグダでありながらも劇的になるのが『ファイヤー劇場』。濱島は1Rからワンツーやローキックという正攻法。原田が接近してくれば首相撲に捕らえて膝蹴りで攻める。しかし原田は前進を止めず、距離が離れればローキック、接近すれば大振りな左ボディブローと左右フック、そして左ミドルキックで対抗。お互いに休まずに打撃を連打すれば、試合は自ずと熱いものに。2Rも1Rと同じ展開となったが、濱島のローキックが効いた原田は次第に動けなくなり、原田のフックを次々に喰らった濱島は動きが緩慢になる。いよいよ泥試合となったが、それでも両者は打撃を繰り出し続ける。『ファイヤー劇場』は今日も熱い。

原田が「勝つぞっ!絶対に勝つぞっ!」と観客を煽りながら迎えた3R。どれだけ濱島のローキックを喰らっても原田は勝利を信じて前進を続ける。対する濱島もローキックを連打して動きを止めようとするが、中盤〜終盤にかけて原田の左右のフックが次々にクリーンヒット。もはやバテバテの両者のクリンチが多くなる中で試合は終了。観客は激闘を繰り広げた両者に大きな拍手を贈った。

だが判定の結果は無常、1−1という三者三様の結果となり試合は延長戦へと突入だ。原田は再び乱舞しながら煽り、観客もまた大きな歓声を上げる。


延長R、激闘の疲労が1分のインターバルで回復するワケもなく、両者はクリンチを多用。グダグダな展開ながらも、原田は前進を止めずにフックを連打する。対する濱島もローキックで対抗するが、ここに来て原田の執念に押される場面が多くなる。終盤、濱島の右ストレートが連続ヒットするも、原田は前進を続けてストレートを叩き込む。モロに喰らった濱島は棒立ちになり、原田は尚も左ストレートを叩き込む。

延長Rも終了、試合は再判定へと委ねられ…3−0で原田が勝利。ガックリと肩を落とす濱島の横で、ルンルン気分(死語)の原田は入場曲の「ヒーロー」に合わせて酸欠になるまで小躍りしていた。

麻倉未稀「ヒーロー -Holding Out For a Hero-」


※注:大変ですっ!映像の中でイソップが死にますっ!


なんというか、相変わらず原田の試合は無意味に熱いなぁ。ハズレがないというか。で、J-NETWORK内部では意外とファンも多いのね。

第五試合 追いつけなかった

55kg契約 3分3R + 延長3分1R
○古谷繁明(164cm/54.8kg/ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKバンタム級 六位)
●大原清和(163cm/54.7kg/レグルス池袋/J-NETWORKバンタム級 二位)
[判定 2−1]

『ファイヤー劇場』の後は観ている側も気が抜ける…というか(苦笑)。で、この試合は東大卒を卒業して一流企業に勤めるも独立…というエリート人生を送る古谷繁明と、引き分けを挟んで悪夢の八連敗を喫しながらも最近は三連勝と波に乗る大原清和との対戦。階級はバンタム級全日本キックと比べてNJKFJ-NETWORKは軽い階級が充実しているな。


試合では、上位ランカーを相手にモチベーションの高い古谷が素早いパンチを連打して攻め込む。合間にローキック、ミドルキック、肘打ちといった打撃を繰り出す古谷、大原の攻めは後手に回る。2R中盤には古谷の裏拳がヒット、2R終盤には肘打ちも入った。大原もワンツーや膝蹴りを返していくが、厳しい展開が続く。

しかし3R序盤、両者の頭がバッティング。これで失速した古谷を大原がガンガン攻める。膝蹴り、ミドルキック、ローキックといった蹴り技で相手を追い込む大原、古谷は攻め疲れも手伝って動きが緩慢に。こうして大原は最後まで古谷を攻め続けた。

判定。僕は3Rに攻め続けた大原の逆転勝ちかな?と思ったが、実際の判定結果は2−1のスプリットながらも古谷が勝利。う〜ん、確かに1Rと2Rは取られていたから、この結果も已む無しかな。


大原は惜しいねぇ、本当にあと少しで勝てたのにねぇ。延長が観たかったなぁ。

第六試合 惜しかった

52.5kg契約 3分3R + 延長3分1R
○KENT(163cm/52.1kg/湘南格闘クラブ/J-NETWORKフライ級 一位)
那須儀治(165cm/51.4kg/大誠塾)
[判定 3−0]
那須は1Rにダウン1

バンタム級以下の軽い階級が充実していない全日本キックを離脱して以来、試合の機会が増えているのが那須儀治。今年七月に行われたNJKF真王杯 55kg級のリザーバーとして試合に挑んだものの、対戦相手である美保裕介のリーチ差に泣き判定負けを喫してしまった。対するのはMACH GO! GO! 52kg級トーナメントの第一リザーバーであるKENTだ。ふむ、身長の低い那須はフライ級の方が力を発揮できるかもしれんな。


1R、素早い右ミドルキックで那須を牽制するKENT、続けて放った右ハイキックでいきなりダウンを奪う。観客は驚きの声を上げたが、立ち上がった那須はこれに怯まず前に出てパンチを繰り出す。だがKENTはこれらのパンチを捌いて前蹴りで距離を離し、ミドルキックやローキックで那須を蹴り続ける。しかし2R、那須はこれまでより手数を増やす。どんどん前に出てワンツーやローキックを放つ那須に対して、KENTは前蹴りで突き放してミドルキックやローキックを放つが、那須の打撃を前に押され気味になる。

迎えた3R、那須は尚も前に出続けてワンツーのラッシュ。対するKENTは前蹴りで突き放しつつローキックで那須の勢いを止めようとする。やや動きの落ちた那須だが1Rの失点を挽回すべくキレのあるワンツーを放ち続ける。終盤にはワンツーがクリーンヒット、怯むKENTに那須はラッシュを仕掛ける。KENTは前蹴りで那須の勢いを削いでいく。

試合は判定へと委ねられ、1Rにダウンを奪ったKENTが判定3−0で勝利した。


う〜ん、那須は惜しかったなぁ。1Rの失点がなければ勝てただろうに。全日本キック時代は前座ながらも無敗を誇った那須、他団体では苦戦が続くが…決して悪い選手ではないので、これに腐らず活躍を続けて欲しいねぇ。

第七試合 攻め続けた

63kg契約 3分3R + 延長3分1R
小宮由紀博(173cm/63.0kg/フォルティス渋谷/J-NETWORKライト級 一位)
チョンプートン・ゲニワット(172cm/60.4kg/タイ/元ラジャダムナンフライ級 王者)
[判定 3−0]

「ポスト西山誠人」を狙う小宮由紀博、前回の試合ではベテランの明日華和哉を秒殺して勢いに乗る。今日の相手は二階級下ながらも元ラジャダムナン王者、チョンプートン・ゲニワット。小宮としては勝っておきたい相手と言える。


さて試合。前に出てパンチの連打とローキックを放つ小宮に対して、チョンプートンは下がりながら重いローキックで蹴り続ける。隙あらば肘打ちを放つチョンプートン、1R序盤にはカウンターのミドルキックで小宮を蹴りつつパンチを連打。だが小宮は2Rにカウンターのストレートをヒットさせると一気にラッシュを仕掛けると、これ以降はローキックで蹴り続けてジリジリと試合のペースを握る。対するチョンプートンはマイペース、たとえ小宮にリードされても自分からは前に出ようとしない。勝つ気があるのかねぇ?

2R終盤にもラッシュで攻める小宮、対するチョンプートンはローキックが効いてきて3R頃には失速。尚も小宮は、ローキックとワンツーで攻めまくる。3R終盤には左ストレートがモロにヒット、怯むチョンプートンに対して小宮は最後まで休まず攻め続けた。

判定の結果、3−0で小宮が勝利。


まあ圧勝だったけど…正直、小宮はもっと強い相手と対戦すべきだと思うなぁ。

第八試合 なかなか強かった

54kg契約 3分3R + 延長3分1R
○牧裕三(170cm/53.8kg/アクティブJ/J-NETWORKバンタム級 王者)
●岩波祐次(172cm/53.7kg/渡辺ジム/MA日本バンタム級 王者)
[判定 3−0]
※岩波は2Rにダウン1

他団体選手との対抗戦では白星を献上する事が多い悩める王者、牧裕三。昨年のMACH 55 1stでは準決勝で真二に敗北し、今年三月には国崇に秒殺負け。そして真王杯 55kg級では一回戦で米田貴志に敗北。NJKFの上位ランカーに次々に敗北する牧だが、J-NETWORKでは王座を保持し続けている。今日の対戦相手は、こちらも真王杯 55kg級で藤原あらしに敗北して一回戦で姿を消した岩波祐次。お互いに真王杯で敗北した者同士、この試合は共に捲土重来を賭けた一戦となる。


1R、牧は右ローキックで岩波の動きを止めに掛かる。対する岩波は前進を続けてワンツーを放つも、下がる牧を追いきれない。ストレートや肘打ちを織り交ぜて攻める牧、この試合に対する意気込みを感じる。

2R、開始早々に岩波はワンツーのラッシュを仕掛けるも、牧は左ハイキックでダウンを奪う。観客の歓声の中、岩波はダウンにもめげずに肘打ちでガンガン攻め込むが、牧はワンツーやローキックで対抗。岩波の勢いに押されている牧だが健闘しているねぇ。

3R、牧はローキックで蹴り続けるも、岩波はワンツーで攻め続ける。中盤にはストレートをヒットさせる岩波は終盤前にもストレートを叩き込んで攻勢。だが牧は終盤に組み付いての膝蹴りを猛連打、岩波に傾きかけた試合の流れを取り戻す。

試合は終了。判定の結果、2Rにダウンを奪った牧が3−0で勝利を手にした。


今日の牧は強かった。岩波のワンツーやや手を焼いたものの、2Rの左ハイキックは美しかったし、3R終盤の首相撲からの膝蹴り連打は鬼気迫るものがあった。惜しむらくは、NJKFの選手との試合でも、これくらいの強さを発揮できればねぇ…。

第九試合 小さくても頑張った

WMCインターコンチネンタル女子Sフライ級 王座決定戦 2分5R
グレイシャア亜紀(155cm/50.2kg/ソーチタラダ渋谷/J-GIRLS 一位)
●ウェンディー・ミランダ(166cm/51.95kg/オーストラリア/WMCオセアニア女子Sフライ級 王者 & WMCオーストラリア女子バンタム級 王者)
[判定 3−0]
※亜紀が新王者に/ラウンドマスト判定方式を採用

この試合は新設されたWMCインターコンチネンタル女子Sフライ級の王座決定戦。タイトルに挑むのは「女子キック八冠王」早千予と大激闘を繰り広げた経験を持つグレイシャア亜紀と、WMCの二冠王のウェンディー・ミランダだ。身長差は11cmと俄然不利なグレイシャアだが、初タイトルを身に付ける為には負けられない。ダンサー軍団を従えて入場してくるグレイシャア、う〜ん派手だねぇ。


試合の序盤ではグレイシャアはミランダとのリーチ差に苦戦。1Rからグレイシャアのリーチの外から力強いワンツーとローキックで攻め込むミランダ、2Rでは組み付いての膝蹴りを多用。苦戦するグレイシャアだが根気強く右のローキックの連打で反撃。

すると3R、ミランダは左足を気にし始める。これを見たグレイシャアは尚もローキックを連打、更には組み付いての膝蹴りも連打。4Rも同じくローキックと膝蹴りで攻め込むグレイシャア、もはや勢いは完全にグレイシャアだ。ローキックで崩れるミランダ、これを見たグレイシャア応援団が大歓声を上げる。

5R、完全に流れを掴んだグレイシャア、KOを狙ってワンツーとミドルキックを猛連打。ハイキックがヒットして崩れるミランダを見たグレイシャア応援団は更なる大歓声だ。グレイシャアは更には飛び膝蹴りを披露、最後までミランダをガンガン攻め続けた。

試合終了、判定の結果3−0でグレイシャアが初戴冠に成功。新チャンプとなったグレイシャアは涙に暮れながらも「グレイシャア亜紀は今からスタートですっ!」と力強く宣言、観客の歓声を浴びた。


今日のグレイシャア、最後までダウンを取る姿勢を崩さなかったのが素晴らしかった。体の大きい相手を前に臆する事なく前進し続けた姿勢も見事。まだまだ戦績は浅いグレイシャアだが、このベルトを糧に更なる活躍をする事を期待したい。

あの大一番の再戦が決定っ!

ここでリング上には寒川直喜我龍真吾が登場。今年七月に行われた寒川が持つJ-NETWORKミドル級王座防衛戦での大激闘も記憶に新しいが、不透明決着で終わったこの試合の再戦が来月に決定したのだ。MACH GO! GO! 52kg級トーナメントの決勝戦と合わせて行われるこの興行は必見である。


寒川直喜
ファイヤー原田さんが熱い試合を繰り広げてましたが、僕らの試合は原田さんが二人いるような激闘になると思います。この試合に勝った後は、(会場にいたアーネスト・ホーストの方を向いて)大晦日にホーストさんと試合をしようと思います(笑)。…ウソです(笑)。


我龍真吾
まずは前回、自分が大人気ない態度を取ってしまった事を謝りたいと思います。あの時は不甲斐ない試合をしてしまいましたが、今回は寒川選手と白黒を付けたいと思います。この試合に勝って、自分は大晦日に曙さんと試合をしたいと思います(笑)。


う〜ん、あの激闘から四ヶ月でもう再戦かぁ…。来月のJ-NETWORKは残念ながら平日開催だけど、こりゃ何がなんでも観戦しなきゃならんなっ!

第十試合 不透明だった

MACH GO! GO! '06 52kg級トーナメント 準決勝戦 3分5R
○TOMONORI(OGUNI-GYM/NJKFフライ級 王者)
●松尾宗(POWER-X/J-NETWORKフライ級 二位)
[1R終了時判定 3−0]
※松尾は1R終了後にTOMONORIの攻撃でダウン、事故と見なされ1Rの試合内容を判定

いよいよここからはMACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの準決勝戦。フライ級というなかなか注目を浴びない階級にスポットを当てたこのトーナメントだが、一回戦はその気合が空回りする場面が多かったように感じる。今日は熱戦を期待したいね。

テーマソング「MACH GO! GO! GO!」


MACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの準決勝戦の第一試合には、トーナメントの優勝候補であるTOMONORIが登場。一回戦ではMAキックの飛燕野嶋のローキックの連打に大苦戦しながらも、多彩な打撃でリードを奪い返して延長判定の末に勝利を手にした。苦しい試合を制したTOMONORIと対戦するのは、一回戦ではNJKFの強豪である高橋拓也を破る金星を手にした松尾宗、下がりながらローキックを放つのが彼のスタイルである。一回戦で苦戦した野嶋と同じローキックを得意とする対戦相手に、TOMONORIは勝利する事ができるか?


1R、まずはTOMONORIが攻める。重いローキックとミドルキックで松尾を蹴りまくる。対する松尾もワンツーやローキックを返すが…TOMONORIとの破壊力の差は歴然。試合のペースを握ったTOMONORIは終盤に右ストレートを叩き込む。TOMONORI応援団の歓声の中、TOMONORIは尚もキックで松尾を蹴り続けたが…。

1Rが終了した直後、TOMONORIが放った右ハイキックが松尾にモロにヒット。一撃で松尾はダウンしてしまった。観客は騒然となり松尾応援団からは怒号が飛んだが、松尾のダメージはかなり大きく立ち上がる気配がない。一応、松尾の回復を待つ形で一分間のインターバルが置かれたが…松尾は立ち上がってもフラフラしていて試合ができる気配がない。

結局、ここで試合は終了。1R終了後のハイキックについては「流れの中の出来事」という判断がなされてTOMONORIに反則負けが採用される事はなかった。1Rでの判定の結果、TOMONORIが3−0で勝利したが…この間、松尾応援団の野次と罵声が止む事はなかった。


う〜ん、不透明決着になっちゃったなぁ。正直、1Rの試合内容を見るにつけTOMONORIの勝利は動かないとは思うが…なんとも後味が悪いねぇ。まあ今となってはTOMONORIの決勝戦での活躍を期待するしかないねぇ。

第十一試合 大激闘だった

MACH GO! GO! '06 52kg級トーナメント 準決勝戦 3分5R
○魂叶獅(161cm/52.0kgqwはまっこムエタイジム/J-NETWORKフライ級 王者)
●森田晃允(165cm/51.9kg/士道館橋本道場/MA日本フライ級 王者)
[判定 2−1]

本日のメインイベントはMACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの準決勝戦の第二試合。この試合で対戦するのは…J-NETWORKフライ級の王者でありトーナメント一回戦では唯一KO勝利を決めた魂叶獅と、MA日本フライ級の王者であり一回戦では剛直な打撃で山野寛之を下した森田晃允が対戦。森田はこのトーナメントを最後にバンタム級へ転向する為、自身の持つMA日本フライ級の王座を返上する事を宣言、背水の陣でこの試合に挑む。ムエタイスタイルの魂叶獅に対して、空手をベースに重い打撃を放つ森田、日本王者同士による対戦が激戦となる事は必至だろう。


んで、試合は今大会屈指の好勝負となった。

1R、序盤から森田は剛直に前進を続けて打撃を繰り出す。徹底したローキックの連打を放つ森田に対して、魂叶獅は左の前蹴りで距離を離してワンツー、ミドルキック、ローキックといった打撃で攻める。中盤、森田の左フックがモロにヒットするも、終盤には魂叶獅が右の肘打ちで森田の左のまぶたをカットする。更にはローキックを効かせた魂叶獅、森田の勢いは衰えていく。

2R、魂叶獅は1Rとは一転して前進を続ける。序盤に右ストレートを叩き込んだ魂叶獅、怯む森田に前蹴り、ミドルキック、膝蹴りを叩き込む。フラフラになる森田、魂叶獅は尚もローキック、前蹴り、膝蹴り、ワンツーの連打でガンガン攻める。

このまま試合は魂叶獅ペースになる…と思われた。


しかし3R、森田は前に出てローキックを放ちつつ魂叶獅のフックにストレートを合わせる。魂叶獅はこれにめげずにローキック、ワンツー、肘打ち、ミドルキックといった打撃で攻めるも、森田はローキックや組み付いての膝蹴りで応戦。両者の打撃はまったくの互角だったが、中盤には森田の右フックがヒット。ふ〜む、徐々に森田が盛り返しているな。

4Rは完全に森田のペースとなった。ローキックや組み付いての膝蹴りを連打する森田、魂叶獅はローキックで対抗するも、ここまで森田に押され気味。肘打ちや右フックを魂叶獅に決める森田、森田応援団は大歓声を上げる。序盤とは打って変わって押され気味の魂叶獅だが、さてどうする?


5R、魂叶獅は前蹴りで森田を突き放してローキック、飛び膝蹴り、ワンツーを繰り出して前進。しかし森田もローキックやパンチの連打で対抗し、こちらも一歩も退かない。終盤は壮絶なパンチの打ち合いに発展するも、ここでもリードを奪ったのは森田。ワンツーやフックが次々にヒットして魂叶獅はフラフラに。森田はダウンを奪うべくガンガン攻め込んだが、魂叶獅も最後までワンツーを返し続ける。両者応援団の大歓声がこだまする中で試合は終了。


さて判定。僕は…1Rと2Rは魂叶獅が取ったとしても、4Rと5Rは森田のラウンド。これはドローか、5Rの圧倒的な攻勢を評価して森田の勝利かなぁ…と思っていた。で、実際の判定は2−1のスプリットながらも魂叶獅が勝利…という事になった。

この裁定に森田応援団からは怒号が飛ぶ。まあ5Rの攻勢は圧倒的だったしねぇ。ただ前半は魂叶獅が取っていたのも事実、判定するのは非常に難しい試合ではあるよなぁ。とはいえ、魂叶獅の勝利に当たってどこが決定的になったかはわからないけどね。


この試合の終了後には魂叶獅とTOMONORIがリング上で並び、MACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの決勝戦に向けて観客に意気込みを語った。


魂叶獅
激しい試合でした。森田選手は強かったです。絶対に優勝します。


TOMONORI
今日は不透明な決着となりましたが、決勝ではガンガン前に出ます。必ずKOで勝利して、K-1に出場したいと思います。


それにしても熱い試合だった、そして森田は本当に惜しかった。5R終盤のワンツーのラッシュは、もう少しで魂叶獅からダウンを奪うくらいの勢いだったしねぇ。あれだけ試合を圧倒しても、判定では魂叶獅の勝利になるとは…。確かに前半は魂叶獅のラウンドが続いたけどねぇ。試合の判定って難しいなぁ。

雑感

女子キックの新王者の誕生、メインイベントの魂叶獅 vs 森田の死闘、そして『ファイヤー劇場』など、いい試合はあるにはあったと思う。しかし正直、全体的にはイマイチかなぁ。試合数が多かった割にはダウンが少ないのが痛かったねぇ。

ま、次回の興行ではMACH GO! GO! '06 52kg級トーナメントの決勝戦、寒川直喜 vs 我龍真吾の再戦、そして新田明臣による『新田劇場』と話題は豊富だし、とりあえずは次回の興行に期待したいね。


以上、長文失礼。