9/17 全日本プロレス 後楽園ホール興行 観戦記

Mask_Takakura2006-09-17

ついに待っていた、あのカードが実現!

本日は後楽園ホールにて全日本プロレスを観戦。


今回の観戦の動機は非常に単純。メインイベントの小島聡 vs 近藤修司を観戦したかったからなのだ。昨年のチャンピオン・カーニバルで実現したこのカードにて、近藤はそれまで隠されていた実力を多いに発揮し、全日本プロレスでの評価を一転させた一戦となった。再戦が実現した今日の興行は、近藤のファンである僕としては絶対に観戦しなくてはならない興行となったのだ。

他にも、セミファイナルでは長い間、抗争していた RO&DVOODOO-MURDER:S の争いに結論が出る。この試合はTAKAみちのくの提唱で「敗者チーム解散マッチ」となったのだ。「パッケージプロレス」を標榜する、現在の全日本プロレスには両チーム共に必要不可欠な存在であり、正直あまりどちらにも解散はして欲しくないのだが…。やや唐突ながらも今日、ファンの想いとは別にどちらかのチームが解散する。こちらも全日本プロレスファンであれば見逃せないところだ。


というワケでチケットを購入、立見席は2500円。相変わらず安いな。ついでにパンフレットも購入。全編カラー、かさ張らないサイズで内容はバッチリ。これで1000円なのだからこれまた安い。観客の入りは…驚きの超満員。先シリーズの両国興行の効果だろうか、今日のメインの効果だろうか。いずれにせよ、これだけの観客と一つの空間を共有できるのはそれだけで気分がいいね。

これが最後のRO&Dタイムとなるのか?

全日本のオープニングといえばRO&DタイムTAKAみちのくが慣れた口調でブキャナン、ディーロ・ブラウン太陽ケアを紹介していると、VOODOO-MURDER:STARUと"brother"YASSHIが乱入。今日はセミファイナルで解散を賭けて争う両軍、いつもに比べてちょっと雰囲気がピリピリしているのは気のせいか?


TARU:「(観客に向かって)オイお前ら、今日はオモロイ事が起こるで」


観客のブーイングを浴びながら会場を後にするTARUとYASSHI、TAKAは「関西よりお越しの多留嘉一様、辻本恭史様でした、どうもありがとうございましたぁ〜」と観客の爆笑を誘った後、いつものように観客を煽りつつ「アール、オーッ、ディーッ!ブイヤーッ!」で締めた。

第一試合 な、懐かしい曲だな!

タッグマッチ 20分一本勝負
渕正信(183cm/105kg)
 平井伸和(185cm/110kg)
vs
荒谷望誉(185cm/120kg)
 旭志織(175cm/78kg/KAIENTAI-DOJO)
[9分13秒 首固め]

全日本プロレスの第一試合と言えば「お笑いのコーナー」なのだが、今日はその主役となる菊タローが出場しない。「さて、どうするのか?」と思っていたら…、その穴を「荒谷さん劇場」が見事に埋めた。

コーナーで控えていても渕に蹴られまくる荒谷さん。対角線攻撃の際には必ずカウンターを喰らう荒谷さん。ロクに試合もしてないのにスタミナを切らす荒谷さん。渕が旭を拷問した後、最後は「お約束」、渕が首固めで荒谷を丸め込んだ。

バッタリと倒れる荒谷さんを残してリングを去る三人、一人倒れたままの荒谷さん。会場に「元祖天才バカボン」のエンディング曲「元祖天才バカボンの春」が流れる中で一人スゴスゴと退場する荒谷さんに、観客は爆笑と拍手を惜しまなかった。

元祖天才バカボンの春

http://www.youtube.com/watch?v=Pz7J-UTdhEg


ま、いつもの「荒谷さん劇場」ではあるんだけど「元祖天才バカボンの春」はズルい。思わず笑ってしまったワケだが、世代的に元ネタがわからない人も多いんじゃないのかねぇ?

第二試合 ん?どっかで見た試合内容だな?

シングルマッチ 30分一本勝負
HII(身長不明/体重不明)
●ブードゥーマスク(身長不明/体重不明)
[4分34秒 スワンダイブ式高速ウラカンラナ]

両国の興行で正式にデビューを果たした「ハバネロ戦士」AHIIは、今日もダンサーを引き連れて入場。う〜ん、開始前のスキットといい、このダンスといい…全日本プロレスはますますDRAGON GATE化してきたなぁ。

試合内容は両国でのAHII vs ブードゥーマスクとまったく同じなので割愛。相変わらずAHIIが華麗に飛びまくりなワケだが…。技を出したり受けたりする毎に何故か「HIII!!」と裏声を出すAHII、観客は困惑。一部の客は面白がり、AHIIが何か技を出す度に「HIII!!」と声を出していた。

最後はスワンダイブしてからの高速ウラカンラナ。フィニッシュも両国と一緒だな。


正直、現在の全日本プロレスが標榜する「パッケージプロレス」に異物が入ってきた、というか。今のところ観客はAHIIを受け入れる気配は薄いように感じたが、全日本プロレス側としてはスポンサーが付いているこのキャラクターを捨てるワケにも負けさせるワケにも行かない、という。マジでこの先、どう転がしていくのかなぁ?

第三試合 なかなか面白い試合になりました

タッグマッチ 30分一本勝負
カズ・ハヤシ(173cm/83kg)
 中嶋勝彦(175cm/82kg/フリー)
vs
 土方隆司(175cm/95kg)
雷陣明(183cm/105kg)
[17分45秒 片エビ固め]
ファイナルカット

休憩前という事もあり「息抜き半分、マジ半分」な試合になるのかなぁ…と思っていたが、雷陣が意地を見せたため、試合は思わぬ熱い展開に。


序盤からハヤシをタックルで吹き飛ばす雷陣、中嶋のキックには得意の頭突きで対抗。妙に意地になって相手に向かっていく雷陣を観客は声援で後押し、土方もキックで援護射撃。それにしても今日の雷陣は気合が入っているねぇ、いつもならヘッドバットお茶を濁すのに。

その雷陣の気迫に応えるように、ハヤシ&中嶋が厳しい反撃を開始。ハヤシはバックドロップ、ツームストン・パイルドライバー、クロスフェース、中嶋はシャチコホ固め、フロント・ネックチャンスリー・ホールド。相手の大技攻勢の前に雷陣は青息吐息。中嶋にスピアーを決めて蟻地獄から脱出した雷陣だったが、続く土方は中嶋とキック合戦を展開した後、ハヤシのキレのある攻撃を前に防戦一方に。

「やはり俺しかいない!」とばかりに雷陣が再出陣する。まずは得意のヘッドバット連打でハヤシと中嶋を攻め込むと、更にジャックハマーでハヤシを追撃。雷陣の獅子奮迅の活躍に観客も歓声を惜しまなかったが…。雷陣はハヤシのWA4(CIMAのシュバインと同形)で動きを止められると、続くフライング・ボディプレスはクリアしたものの、最後は必殺・ファイナルカットの前に力尽きた。


イヤイヤ、意外といっては失礼だが…熱くて面白い試合になったな。今日の試合に限って言えば、ハヤシが引き出したとかそういう事ではなく、雷陣が度胸よく向かっていったのがよかった。もちろん、その気持ちに応えたハヤシと中嶋も良かったんだけどね。

それにしても中嶋は若いのに、もう色々な選手に胸を貸しているんだなぁ。デビュー戦の姿を観た者としては感慨深いねぇ。

第四試合 伝統の三冠王者になっても、性格の悪さは変わらない

タッグマッチ 30分一本勝負
鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION/みのる軍団(仮)/三冠ヘビー級 王者)
 MAZADA(172cm/87kg/フリー/みのる軍団(仮))
vs
 武藤敬司(188cm/110kg)
●ブルート一生(194cm/140kg)
[19分18秒 KO]
※一生が右肩を負傷

先シリーズの最終戦三冠ヘビー級王者だった太陽ケアを下し、気がつけば全日本プロレスの頂点に立ってしまった鈴木みのる。だが、伝統の三冠王者になったからといって、その振る舞いや態度が変わるワケもない。


三冠ベルトを手にしている事を除けば、みのるはいつも通りに入場し、いつも通りに試合をし、いつも通りに傍若無人である。相変わらずエプロンに控える武藤にイチイチ蹴りを入れたり、MAZADAに押さえさせた武藤の顔面を足蹴にしたり。そして負傷している一生の右腕を、関節技と反則技を交えて徹底的に破壊していく。エゲツない攻撃を前にイスを持ち出して怒る武藤、みのるは和田京平レフリーに向かって「社長なら何をしてもいいのかっ!?」とアピールする。

ついに武藤がブチ切れた。青息吐息の一生からタッチを受けた武藤、まずはMAZADAとみのるに低空ドロップキックとドラゴンスクリューの洗礼、MAZADAに対しては4の字固めで追撃。そして「武藤とみのるの一騎打ち」が開戦、武藤はシャイニング・ウィザード、みのるはスリーパーホールドとお互いに得意技を披露する。観客も声を出して両者を応援したが…、これ以上は発展する事はなかった。武藤とタッチした一生は果敢にみのるに向かっていったが…。

一生は再び、みのるの右腕攻めに捕まった。王道を挑発するかのような卍固め、師匠譲りの裏技・腹固め、そしてアームバーがガッチリ極まった。声を上げて苦しむ一生、これ見た和田京平レフリーが慌てて試合をストップした。だが勝敗が決しても、みのるはアームバーを外そうとしない。これを見た武藤は怒りのリングイン、だがみのるはスルリと場外へ。三冠ベルトを手にアカンベーをしながら退場するみのるを、武藤がリング上から憎々しげに見つめていた。


まあ「武藤とみのるの因縁が勃発!」というところだな。それにしても武藤が三冠王座に絡むのって本当に久しぶりな気がするなぁ。正直「いつものみのる、いつもの武藤」だったの特に感想らしい感想もないのだが、この二人の絡みについてはちょっと興味があるかな?

第五試合 誰も望んでいない解散劇

RO&D vs VOODOO-MURDER:S 敗者チーム解散マッチ 〜
八人タッグマッチ 時間無制限一本勝負
 TARU(185cm/100kg/フリー/VOODOO-MURDER:S)
 諏訪魔(188cm/120kg/VOODOO-MURDER:S)
○RO’Z(196cm/163kg/アメリカ/VOODOO-MURDER:S)
 “brother”YASSHI(173cm/80kg/フリー/VOODOO-MURDER:S)
vs
 TAKAみちのく(175cm/90kg/RO&D/KAIENTAI-DOJO)
太陽ケア(185cm/106kg/アメリカ/RO&D/世界タッグ 王者(パートナーはジャマール))
 ディーロ・ブラウン(185cm/138kg/アメリカ/RO&D
 ブキャナン(197cm/140kg/カナダ/RO&D
[19分01秒 片エビ固め]
※ランニング・ボディプレス/ディーロとブキャナンが造反、VOODOO-MURDER:Sに加入

この試合は「RO&D vs VOODOO-MURDER:S 敗者チーム解散マッチ」となった。前シリーズの終盤から突然、こんな話が出てきたらしいのだが…正直「『パッケージプロレス』の信頼の象徴」であるRO&Dと、「『パッケージプロレス』の悪役全般担当」であるVOODOO-MURDER:Sは、どちらも今の全日本プロレスに必要な存在であり、ファンの心理としては「どちらも解散して欲しくない」というのが本音だろう。どうして突然、こんな展開になったんだろうか?何となく裏に大きな理由がある気がするんだが…。


先制したのはVOODOO-MURDER:STARUが「面白いモン、見せたるわ!」といって引き連れてきたのは…ジャマールのコスプレをしたRO'Z。裏切り者の悪質な悪戯を前にTAKAとケアは激高、試合は大乱闘からスタート。

で、この試合にとって経過は重要ではないので大幅に省略。

YASSHIやTAKAが捕まったりしながら、試合はいよいよ終盤へ。それぞれの選手が得意技を繰り出していたが…。倒れたYASSHIに向けてトドメを刺すべくコーナーに登るディーロ、誰もがRO&Dの勝利を予感した、その時。ディーロは突如、ケアに向かって攻撃開始。慌ててカットに入るTAKAを今度はブキャナンが襲撃。予告なしの裏切り劇に観客がポカーンとする中、RO'Zがランニング・ボディプレスで元三冠王者ケアから3カウントを奪った。


試合終了後、マイクを握ったTARUは「だからお前ら、『オモロイ事が起こる』って言ったやろ!」と高笑い、一気にパワーアップしたVOODOO-MURDER:Sの私刑はまだまだ続く。もはやボロボロのTAKA & ケア、裏切り者となったディーロとブキャナンはRO&Dの旗を真っ二つに。

RO&Dの終焉を象徴するシーンに誰もがブーイングを贈る中、怒った武藤とカズが乱入。あっという間にVOODOO-MURDER:Sを蹴散らした後、まずは盟友カズが「TAKA、こんな事で絶対解散すんなよ。絶対ダメだよ」と励まし、続いて武藤社長が「TAKA、ケア。VOODOOを一緒にやっつけようぜ!」と助け舟。両軍はガッチリ握手を交わし、リング上にはTAKA & ケアが残った。

TAKAは二人の突然の裏切り行為に混乱しつつも、涙ながらに「負けは負け」と強調。観客から「やめるな!」の声が交差する中、「たった三年間の歴史しかないけど、みんなの記憶の隅に、心の隅に…『RO&D』というものを、ほんのちょっとでいいから覚えておいてほしい…」と締めの言葉を絞り出すと、最後の軍団名コールを観客から引き出す。


TAKA:「最後に…。全日本プロレス最強チーム、オレたちの名前を言ってくれ!」
観客:「アール、オーッ、ディーッ!ブイヤーッ!」


TAKAは泣きながらその場を後にした。


う〜ん、誰からも望まれない、何とも一方的な解散劇だったというか。普通、長く続いたグループの解散劇っていうと、それだけで一シリーズ引っ張れるくらいの話題だと思うんだが…。しかしまあ、なんとも唐突な裏切りだった。試合中に「同士打ち」のような伏線になるものが何にもなかったしね。ま、RO&DタイムでのTARUの発言が伏線って事になるんだろうけど、何とも弱い伏線だねぇ。そりゃ、観客もポカーンとするわ。

そしてそれ以上に、今の全日本プロレスが標榜する「パッケージプロレス」には、試合開始前のRO&Dタイムはもの凄く重要な位置を占めている事は、ファンなら誰もが知っている事実。これが無くなるのはかなり痛い。ま、この先はVOODOO-MURDER:Sタイムになるんだろうけど、YASSHIのマイクが巧くなったとはいえ、まだまだTAKAの歯切れの良さまでは達していないしなぁ…。どうするんだろ?

第六試合 全日本プロレスが揺れた!

シングルマッチ 60分一本勝負
小島聡(183cm/112kg)
近藤修司(173cm/103kg/フリー/VOODOO-MURDER:S/世界ジュニアヘビー級 王者)
[23分42秒 片エビ固め]
ラリアット

今日のメインイベントは、昨年のチャンピオン・カーニバル中の一戦で実現し、観客に大好評だったカードの再戦である。元四冠(三冠 + IWGP)ヘビー級王者である小島聡に、ジュニア屈指のパワーファイターである近藤修司が挑む。全日本プロレスファンの中に「近藤修司」の名前が大きく刻まれた一戦の再試合、待ちに待っていた人は多いハズだ。ライバル団体のNOAHでは先日、丸藤正道秋山準を下してGHCヘビー級王者となったばかり。近藤が丸藤に続く気は毛頭ないだろうが、元四冠王者を相手にプロレス界に吹き荒れる「ジュニア維新」の風に乗れるか?


試合は戦前の期待通り、正統派のパワー対決となった。

試合開始、まずはタックル合戦、これは近藤の勝ち。観客は近藤の姿に大歓声を贈っていたが…そのハンパでない歓声の大きさが、今日の試合に対する観客の期待感を物語っている。

続くブレンバスター合戦でも勝利した近藤、一気にリフトアップを狙うがこれは小島が阻止。お返しのブレンバスター、サンセットフリップと繋いだ小島だが、ここで近藤の右ヒザ攻めが始まる。低空ドロップキックの連発からレッグロックと繋ぐ。小島のチョップによる反撃も「来いよ!」と挑発する近藤、逆片エビ固め、得意のゴリラ・クラッチは胴締め式で繰り出す。

すっかり捕まった小島だがいよいよ反撃開始。近藤のパワーボムフランケンシュタイナーで切り替えすと、コーナー際でのチョップ連打から「いっちゃうぞエルボー」へと繋ごうとする。これは立ち上がった近藤にコーナー際で阻止されたが、ならばと小島はエプロン際でDDTを敢行。小島の攻勢が続いたが、場外では近藤がブレンバスターを決めて五分の展開に戻す。


試合は中盤へ。リングに戻った両者だが共にフラフラの状態、先に立ち上がった小島はローリングエルボー、ダイビングエルボーと繋いで攻勢をキープしたが…続いての突進は近藤が切り替えしてアバランシュホールドを決める。勢いの乗った近藤はついに小島の体をリフトアップ。ナチュラルなパワーに観客から大歓声が沸いたが、小島はコジコジカッターや垂直落下式ブレンバスターで反撃。互角の展開に観客の歓声が鳴り止まない。

この試合最大の見せ場が訪れた。トップロープに登った近藤の動きを止めた小島、そのまま近藤を雪崩式フランケンシュタイナーで投げ捨てようとしたが…小島の体が真っ直ぐに伸びた状態でピタッと止めてしまった近藤は、そのまま小島を雪崩式パワーボムで投げ捨てた。そのパワーに観客が驚きながら「近藤コール」を飛ばす中、近藤は隠し技であるムーンサルトプレスを狙ってトップロープに登る。しかし今度は小島が近藤の顔面にラリアットを敢行。一回転しながらリングに落ちる近藤の姿に観客から悲鳴が起こる。そして倒れた近藤をCCDで追撃する小島、しかし近藤はランサルセで反撃。試合は完全に互角のまま終盤を迎えた。


ここで両者は隠していた「必殺の豪腕」を使い始めた。お互いラリアットを必殺技に持つ者同士ゆえ、相手のラリアットにも警戒する両者。あの手この手で相手のラリアットをブロックする両者、右腕同士がぶつかる場面もあったが…、結局最初に決めたのは近藤だった。更にもう一発キングコングラリアットを決めれば、小島の体は一回転。ジュニア離れしたそのパワーに観客の誰もが大金星を予感したが…、小島はこれをカウント2で返す。

今度は小島のラリアットが近藤に決まった。強烈な一発を前に誰もが近藤の敗北を覚悟したが…、近藤はこれをカウント2でクリア。再び「近藤コール」が後楽園ホールを包む中、小島は近藤をロープに振ってからの「元祖」ラリアットをヒットさせる。スタン・ハンセンから継承したこの技の前に、ついに近藤が力尽きた。


勝った小島は疲労を隠せない様子だったが、やがて控え目にガッツポーズを取り会場を後にした。残された近藤はダウンしたままの状態だったが、会場は「大・近藤コール」で近藤の健闘を称えていた。


いや〜っ、久々にひいきのレスラーである近藤が大活躍して気分がいいね。全日本プロレスでは隠れファンが多いにも関わらず、何かと脇役に徹する事の多い彼の活躍は素直に嬉しい。

そして今日は小島の懐の深さも見直した。ジャマールが小島のラリアットで何度も一回転していたけど、今日は近藤のラリアットで自身が一回転。「ラリアット輪廻」とでもいうべき光景、というか。最後のラリアットの打ち方を含めて、彼なりのラリアットに対するリスペクトを感じたね。

いや〜、本当に凄いプロレスだったなぁ。

雑感

とにかく、メインイベントが凄すぎた。勝った小島も、負けた近藤も傷がつかない一戦、というか。ここまでガッチリと歯車の噛み合ったプロレスを生で観たのは久しぶりかもしれないなぁ。最後の豪腕合戦も、ただの「ラリアットの打ち合い」ではない工夫に満ちたものだったし。この一戦だけでお腹一杯、いやいや本当にいい試合でした。ありがとう。

んで、気になるのは…、やはり今後の「前説」がどうなるかだなぁ。RO&Dタイムは観客に声を出してもらう意味で、全日本プロレスの中でかなり重要な位置を占めていたと思うんだけどなぁ。本当にどうするんだろ?「覆水、盆に返らず」なんて事にならなきゃいいけどね。


以上、長文失礼。