8/5 HERO’S 有明コロシアム興行(地上波) 簡易観戦記

ξ ゚皿゚)ξ能書きはいいから、早く「いい男」を見せてよっ!

散々持ち上げてきた亀田興毅が、「疑惑の判定勝利」により戴冠した事で今、一大バッシングを受けているのがTBS。そして騒動から一週間も経たないうちに放送されたのはHERO'S。テレビに映されたのは「秋山成勲の『疑惑の判定勝利』」と「桜庭和志の『幻のKO負け』」。


「泣きっ面に蜂」というか。今となっては平均視聴率が9.3%と低迷したのがTBSにとっては「良かったんじゃないかな?」と思えるくらいだね。特に桜庭の方は命に関わるような一大事。それでも亀田騒動に比べたら…世間的には「微々たる騒ぎ」。不謹慎ながらも視聴率を含めて「今の『ボクシング界』と『総合格闘技界』のパワーの差」を感じるなぁ。ま、問題の本質とは全然関係のない話だけどね。PRIDEバッシングを含め、格闘技界全体に泥を塗る事件が続くねぇ、やだやだ。

第一試合(未観戦) ξ ゚ー゚)ξあの人って、確か所くんに負けた人よね? また負けてるわよ?

ミドル級 5分2R
朴光哲(175cm/71.6kg/KILLER BEE)
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(166cm/65.0kg/ブラジル/修斗ブラジル ドージョー)
[判定 3−0]

スポナビの記事を読んだけど、どうにも小ノゲイラは打撃で泣きを見ることが多いねぇ。必殺・ギロチンチョークも今は昔の物語か?対する朴、圧勝なのに”KID”に怒られたそうな。やっぱり倒しきれなかったからかねぇ?

で、記事の最後には「修斗で石田とやりたい」との一文。KILLER BEEに対するお咎めもなくなった事だし、10月のパシフィコ横浜興行あたりで。どうでしょう?

第二試合 ξ ゚−゚)ξフーン、二人とも大きいわね。全然カッコ良くないけど。

無差別級 5分2R
セーム・シュルト(212cm/130.4kg/オランダ/正道会館)
キム・ミンス(186cm/110kg/韓国/リングス コリア)
[1R 4分46秒 三角絞め]

シュルトさんは前回K-1 GPから、なんと中6日でHERO'Sに登板。過去、これだけ酷使されたK-1 GP王者がいただろうか。あんたが本物のHEROだよ、ホントに。

で、あの長い足で三角絞めを仕掛けられたら…どんな選手でも逃げるのは難しいだろう。シュルトさんはちゃんと総合の練習もしてたんだねぇ、ホントに大したモンですよ。天晴れ。

第三試合 ξ ゚皿゚)ξ何よっ何よっ!これって所くんの勝ちじゃないのよっ!

ミドル級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 5分2R + 延長5分1R
○イヴァン・メンジヴァー(168cm/66.0kg/カナダ/トリスタージム)
所英男(170cm/66.0kg/リバーサルジム)
[判定 2−0]

ま、メンジヴァーは強いよねぇ。テレビではスープレックスばかり注目してたけど、PANCRASEでの志田戦は基本的には打撃戦だったし、この試合で見せた通りグラウンドもかなりイケるし。1Rに見せた「下から腕を取ってオモプラッタ」なんてホントにいい動きだったよなぁ。「攻める姿勢を崩さない選手」というのは観ていて飽きないよ。

目を惹いたのは2Rのパワーボム。下からの三角絞めや腕十字を切り返して…っていうのではない、強引な引っこ抜きによる一撃。決まり方は川田の「三冠パワーボム」みたいだったな。この場面は今後、紹介映像として何度も使われるだろう。そういえば彼にはプロレスの経験もあるんだっけ。


対する所だが、こちらもなかなか良かったねぇ。メンジヴァーに負けず劣らず動き続けて、攻める姿勢を崩さない。腕十字を仕掛ける場面が二回もあったし、下からメンジヴァーを崩す場面もあったし、グラウンドでは非常に良い動きを見せてたと思う。特に2R最後の腕十字、不覚にも僕は声を出しながら観戦しちまったい(笑)。

残念ながら勝負では負けてしまったが…この試合の所は持っている実力をすべて発揮していたように思う。精一杯やった結果なのだから仕方がないさ。今はゆっくり休んでくれ。

第四試合 ξ @O@)ξえっ!? 何っ!? 何っ!? 何なのっ!?

ミドル級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 5分2R + 延長5分1R
○J.Z.カルバン(173cm/70.0kg/ブラジル/アメリカン トップチーム)
高谷裕之(167cm/65.0kg/チーム ハードコア)
[1R 30秒 KO]
※飛びヒザ蹴り

不良時代…なんて「生易しい表現」をしてたけどアンタ、高谷さんの不良時代って…(以下自粛)。

しかしまあ、今回の「ケンカ番長」は壮絶に散ったなぁ。僕としてはイケメン揃いのHERO'Sの中にあっての「超異端児」なので大暴れして欲しかったんだけどね。一撃必殺じゃあ仕方がない…というか、ホントにどうにもならんわな。


それにしても…トンでもない飛びヒザ蹴りだったな。前回のHERO'Sの観戦記にも書いたけど、僕はこのカルバンがミドル級の方の優勝候補だと思っております。強すぎです。…っていうか、誰だよっ!こんなの呼んできたのはっ!

第五試合 ξ @O@)ξ今度は何っ!? 何なのっ!? あの技って何なのっ!?

ミドル級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 5分2R + 延長5分1R
ハニ・ヤヒーラ(169cm/66.0kg/ブラジル/アタイジ ジュニア柔術)
安廣一哉(170cm/70.0kg/正道会館)
[1R 1分8秒 ヒースチョーク]

ま、こんな人を総合二戦目の安廣が相手にしちゃいけないよねぇ。慣れない寝技ながらも彼なりに頑張ってたと思うんだけどねぇ…。


イヤイヤ、今時ここまで寝技に拘って、そしてそのまま極めてしまう選手って珍しい。「技術だけで銭の取れる選手」というか。振り返ると、MARSで闘ったヤノタクはよくもまあこんな化け物を相手にいい試合をしていたな。最後のヒースチョークも「お見事!」の一言。…っていうか、誰だよっ!こんなの呼んできたのはっ!

第六試合 ξ ゚∀゚)ξ私のカオルッ!私のカオルッ!キャーーーーーーーーーーーーッ!

ミドル級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 5分2R + 延長5分1R
宇野薫(172cm/70.0kg/和術慧舟會東京本部)
●ブラックマンバ(183cm/70.0kg/インド/フリー)
[2R 3分30秒 スリーパーホールド]

1Rでは前に出たところにカウンターのミドルキック、さらには上からの打撃で右の瞼から出血。宇野は本当に危なかったな。ブラックマンバがそこまでは寝技慣れしていなかったから助かったけれど、もう少し「総合格闘技の闘い方」を心得ていたら…勝敗は逆転してたかもね。所を一撃で仕留めたのが偶然ではなかった事を証明したね。この先がなかなか楽しみだ、また来日してくれい。


対する宇野。苦戦しながらも最後に一本奪うのは…さすがにこの世界のパイオニアなだけはあるね。1Rに極まる気配のなかったスリーパーを2Rにも仕掛け、それをとうとう極めてしまう。勝利への執念というか意地というかね。谷川Pも、実力が信頼できる日本人が一人でも残ってくれてホッと一安心…ってところかな?よかったのぉ。

第七試合 ξ ゚⊿゚)ξそれでいいわ、興味のない試合はさっさと終わってね。

ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 1R10R + 5分1R + 延長5分1R
秋山成勲(177cm/81.0kg/フリー)
金泰泳(180cm/96.1kg/正道会館)
[1R 2分1秒 判定]
※一度は「秋山の腕十字固めによる勝利」とされたが、レフリーがミスジャッジを認めたため、そこまでの時間の判定となった

既に色々なところで語られ尽くしているけど…、やっぱり極まってないのに勝手に止めるのはマズいよね。「見込み一本」って単語もあるけど、そういう感じでもなかったし。ま、これに関しては「ミスジャッジだった」と運営サイドが認めている事だし、今後は二度と起こらないようにしていただくしかないんだけど…。

それ以上に問題なのが、この試合の勝敗の決定方法だろう。ワンマッチなら間違いなく「無効試合」となるだろうが、トーナメント戦なもんだからどっちかを勝者にしなきゃならない。で、FEGがとったのは「1R2分1秒の時点での判定」という訳のわからん方法。主催者側のミスで規定時間に満たない時間での決着を余儀なくされたのに、この扱いだよ。何がわかるんだよっつーんだよ、たったあれだけの時間で。ムチャを言うようだが、DEMOLITIONとかのリングで再戦とかできないのか?勿論、主催者側のミスだからギャラはHERO'Sと同じ額でね。


しかしまあ、ここにきて金ちゃん(not ボヤキング)の復活というのもねぇ…。安廣といい、そして何故だかシュルトさんといい…。正道会館の所属選手は本当に便利に使われるな。可愛想に。

第八試合 ξ ゚⊿゚)ξだからぁ、興味のない試合はさっさと終わってってばっ!

ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 1R10R + 5分1R + 延長5分1R
○メルヴィン・マンホーフ(177cm/90.0kg/オランダ/ショータイム/ケージレイジライトヘビー級 世界王者)
●クラウスレイ・グレイシー(180cm/82.0kg/ブラジル/クラウスレイ グレイシー柔術)
[1R 9分12秒 TKO]
※グラウンドパンチの連打

う〜ん、なんとも語りにくい。何せダイジェストでちょっと映っただけだからなぁ…。

とはいえ、映像を見る限りではマンホーフの完勝だったようで。「リトル タイソン」の看板に偽りなしだな。大振りな打撃とか見てるとまだまだ粗も多そうだけど、それを強力な体のバネでカバーしちゃいそうな選手、というか。まだグラウンドでの試合ぶりとかを見ていないので何とも言えないけど、今のところはライトヘビー級の優勝候補かな?

第九試合 ξ ゚皿゚)ξちょっと何コレっ!私は「いい男」を観に来たのよっ!

無差別級 5分2R
ドン・フライ(185cm/104.9kg/アメリカ/フリー)
山本宜久(190cm/104kg/リングス ジャパン)
[1R 4分52秒 スリーパーホールド]

なんていうか、なんでこのタイミングにこの試合なんだろ?お互いに第一線を離れて久しいんだから、ああいうスローモーな試合になる事は目に見えていたと思うんだが…。それにしてもぬるい試合内容だったなぁ。「PRIDE男塾」も今は昔の物語。フライのお腹はもう戻らないんだろうなぁ。まあ四十路だし、多くは期待してはいないけど、それでもねぇ…。


ヤマヨシは進歩なし。「『リングス ジャパン』再興の夢」はどうしたぃ(鼻糞をほじりながら)。

第十試合 ξ ゚〜゚)ξあの大山って人、「いい男」だけど…なんか「受け付けない」のよねぇ。

ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 1R10R + 5分1R + 延長5分1R
大山峻護(178cm/86kg/フリー)
ホドリゴ・グレイシー(183cm/85kg/ブラジル/チーム ホイス グレイシー)
[判定 2−0]

ダイジェスト放送を見る限りでは、退屈そうな試合に見えたなぁ。なんとも煮え切らない展開が続いていたのが画面から伝わってきたねぇ。


で、ホドリゴのダメッぷりは今年2月のMARSでの門馬戦で散々思い知らされたのでノー問題…なのだが、それとは別に。今年5月のUFC、ヒューズ戦におけるホイス・グレイシーの惨敗で「グレイシー幻想は完全崩壊した」印象がある。それを踏まえた上で、今回のHERO'Sにおける二人のグレイシーの敗北。ここにもいたよ、泣きっ面を刺しに来た蜂が。もうグレイシーブランドでは商売はできない、って事かねぇ。


PRIDEの舞台では活躍できなかった大山がHERO'Sでコツコツと勝利を重ねているのは、ちょっとだけ嬉しいね。だが…。谷川Pが中継中にさりげなく「ヘンゾ グレイシーに勝った男」として大山を紹介してたなぁ。う〜ん、あの試合はマストでなければ「ドロー」だろ。明確に記録に残る事でこういう誇張が横行するから「マストシステム」って好きになれないんだよ。

第十一試合 ξ ;∀;)ξあの桜庭ってオジサン、頑張ったわね!感動しちゃったっ!

ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント 準々決勝 1R10R + 5分1R + 延長5分1R
桜庭和志(180cm/92.8kg/フリー)
●ケスタティス・スミルノヴァス(178cm/90.0kg/リトアニア/リングス リトアニア/修斗クルーザー級 欧州王者)
[1R 6分41秒 腕十字固め]

地上波放送はまさに「桜庭祭り」。一体何度、桜庭のパチンコのCMが流れた事か。でも正直、ラオウのイメージとは正反対の桜庭に…あのポーズは「ムリ」、絶対「ムリ」。大体、あのポーズは「ラオウの最期」の姿だから験が悪いだろうが。で、今回の入場は…完全にハズしたね。テレビ的にもハズしたな。ま、被り物だけで「パフォーマンス」を自称する方がおかしいんだけどさ。

対する「リトアニアの高田 延彦」スミルノヴァスの入場曲は、あの「トレーニンモンタージュ」。HERO'S主催者側もなかなかにやる事がエゲツないわけだが…。


その「高田」が右ストレートで最強を証明してしまったのは誤算も誤算、大誤算だっただろう。いやいや、桜庭の言う通り「記憶に残る試合」になってしまったねぇ…もちろん悪い意味で。既に語られ尽くしているけど、あんな「電源の切れた倒れ方」をしたら、普通のレフリーなら止めるだろ!

…と言いたいところだが、実は「一回目のシウバ戦」とか「アローナ戦」とか、最後には勝ったけど「ジャクソン戦」とか、パッと思いつくだけでも「桜庭の電源が切れているのに、試合が続いている光景」っていうのは意外に何度も目にしているかもなぁ。実はこれって、リングに上げれば集客が望める選手の宿命なのだろう。

とはいえ…、格闘技ブームの立役者がこういう形で命を削られる姿は見ていて辛いねぇ。


んで、桜庭はシュートボクセで打撃の練習をしているのが悪い方に作用している気がする。そんなに巧くない打撃をムキになってブンブン振り回す姿を、我々は一回目のシウバ戦から何度見てきた事かねぇ。あそこまで拘るのは「打ち合い」という行為そのものにコンプレックスがあるんだろう。でもねぇ、やっぱり「餅は餅屋」というか、磨くならパウンドとかを練習した方が、自身の持つアマレスの技術とかがより活かせる気がするんだけどね。

まあ何にせよ、半分死人と化した桜庭といつまでも試合をさせられたスミルノヴァスには「お気の毒」としか言いようがない。あんな試合をさせられたら気持ちも折れるわな。それでも最後まで試合を続けたスミルノヴァス、お前は男だ!

…ま、あの失速は攻め疲れとか、桜庭のカウンターを喰らったとか、他にも色々と要因がありそうだけど。


最後に。前田 日明曰く「観客の皆さん、理解して欲しいです。U.W.F.は殺し合いではございません!」。

雑感、ξ ゚Д゚)ξところで私の”KID”って、マダー?

ミドル級世界最強王者決定トーナメントの内容が出色の出来だったのに対し、問題が起こった二試合はどちらもライトヘビー級世界最強王者決定トーナメントというのが、なんとも皮肉な話になっている、というか。選手が揃わない中で、無理してトーナメントを開催したのが悪い方にしか転がっていないねぇ。

とはいえ、既に賽は投げられた訳で。大山峻護桜庭和志秋山成勲、メルヴィン・マンホーフというピンと来ない面々を使って、HERO'Sがどういう話題を作るかは見物だね。


ξ ゚皿゚)ξ以上、長文失礼…って、私の”KID”がいないじゃないっ!? どういう事っ!?