7/7 SB 後楽園ホール興行 やや長めの観戦記

Mask_Takakura2006-07-07

S-CUPへ向けての道、生き残るのは誰だっ!?

本日は後楽園ホールにてシュートボクシング(以下、SB)を観戦。


さて、いよいよS-CUPの開催が近付いてきたSB。その事実を踏まえ、今回のカード編成も豪華なものになった。


「SBのエース」緒形 健一は、アメリカの総合格闘技King Of The Cageの王者と対戦。緒形は「S-CUPへの出場までは一試合も負けられない」と宣言した手前、相手が誰であろうと「勝利する事」が絶対条件。前回は若手を相手に危ない場面を見せた緒形だが、今日はその「勝ち方」に注目したい。

「キラーロー」土井 広之の相手は…なんとビックリ、現役ラジャダムナンスタジアムの王者だという。なかなかの大一番だが、最近は大一番で試合をしていなかった土井がどれだけの試合ができるのかが心配である。土井には「快勝!」と言い切れるようなファイトを期待する。


豪華なのはこれだけではない。今日の興行の最大の目玉は…緒形や土井の試合より、なんといっても「元全日本ライト級 王者」の”SHINOBU”ツグト アマラの参戦だ。K-1 MAX 開幕戦でのアンディ・サワーとの激闘も記憶に新しいアマラだが、実は最近はシーザージムで練習をしており、今回はそれが縁となっての参戦。対戦相手は、このところは不調に悩む「SB・もう一人の『新エース』候補」菊池 浩一。S-CUP参戦も噂されているアマラにとっては、是非倒しておきたい相手と言えるだろう。

今日はその他にも、SBではすっかりお馴染みになった正道会館の大野 崇も参戦、「チーム・サワーの新鋭」ヤン デンデレと対戦する。更には修斗バンタム級で活躍する漆谷 康宏も前座に登場。う〜ん、今日のSBは話題に事欠かないねぇ。正直…久々だなぁ、SBのカード編成に何かを期待できるのは。


…ま、「SBの新エース」宍戸 大樹がいないのは残念だけど。まあ、このところはずっと試合が続いていたしねぇ。宍戸選手、今回はゆっくりと休養をとってくれ。S-CUP、期待してるよ。


チケットは4500円を払ってA席を購入したのだが…最近は平日開催が当たり前のSB、仕事をしていると18:00の試合開始にはどうにも間に合わない。で、会場に到着した頃には立見席も必ず売り切れている、という運命。今年は年間予定が既に決まっているから難しいとしても…来年はなんとかしてくれい、SB。

客入りは約九割の入り。立ち見を含めれば満員と言って過言ではない。前回の興行を含めて、ここに来てSBの人気が復活しつつある。いい事だ、K-1 MAXでのサワーの活躍も動員に繋がっているのかねぇ。


※試合は、僕が観戦を開始した第四試合から。

第四試合 漆谷が修斗での闘いと変わらない試合ぶりで勝利

エキスパートクラス特別ルール 56㎏契約 3分3R
○漆谷康宏(167cm/55.0kg/和術慧舟會RJW/修斗バンタム級 世界三位)
●ファントム進也(165cm/56.8kg/龍生塾)
[延長判定 3−0]
※本戦判定 1−0

バンタム級の世界ランカー、修斗にて打撃戦で勝利を重ねる漆谷 康宏がSBに登場。修斗の選手がSBで闘うのは珍しくないが、漆谷のように打撃中心の選手が試合をするのはあまり記憶にないかも。対戦相手は前回の興行でえなり のりゆきに敗れているファントム 進也。順当に行けば漆谷が勝つと思うが…。


試合はお互いに距離を保ちつつ単発の打撃が交差する…という、まるで総合格闘技の打撃戦のような内容。つまり漆谷のペースだったって事だ。


1R、漆谷は常に下がって距離を保ちながら左ミドルが中心、時折前に出て右フックやワンツーを繰り出す。対する進也は前に出てのローが中心。ローはインロー、アウトローの両方を出していた。お互いに決定打はなく試合は早くも膠着、それでも終盤、漆谷の右フック〜左ストレートがヒット。


2R、漆谷が主導権を握る。インからはワンツー、アウトからはローと右ミドルで進也にプレッシャーを与える。進也は前蹴りで漆谷の出入りを牽制するも攻めが後手に回っている。それでも漆谷が下がっている時は右ミドル、前に出た時はパンチで対抗。後半にはカウンターのフックや左ストレートをヒットさせて喰い下がる。
終了直前、漆谷はテイクダウンを奪うとハーフマウントの体勢から殴る素振りを見せる。この行為に怒ったのが進也、終了後に自コーナへと戻る漆谷をジーッと睨めば観客がドーッと沸く。


3R、怒った進也が、強引に前に出て大振りなパンチを振る。だが漆谷はあくまで冷静、これまでと変わらず下がりながら右ミドルとローを放ち、進也が前に出ればカウンターのパンチを合わせて近づけない。組み付けば足を掛けて進也を倒し、進也のフックにはローを合わせてスリップを誘う。
決定打はなくとも試合は漆谷ペース、進也の怒りは空回りするばかり。だが、それでも強引に前に出る進也、終盤に右ストレートと右ミドルがクリーンヒット。彼なりの意地だね。


試合終了。僕としては「決定打はなくとも漆谷の勝利だろう」と見ていた。だが審判団の一人は漆谷を勝者としたものの、残り二人はドローと裁定。試合は延長戦に突入。う〜ん…正直、お互いにダウンを奪える打撃を持っている選手じゃないので、これ以上この試合を観るのは辛いなぁ。


延長R、漆谷の戦術は「変わらず」。下がりながらロー、時折前に出てワンツーや右フック。進也も「変わらず」。強引に前に出て大振りなフックを一発当てようと試みる。この前進にカウンターのパンチを合わせる漆谷、進也の怒りが空回りするのも「変わらず」。試合がやや退屈なのも「変わらず」。


結局、延長戦も大きな見せ場はないままに終了。判定の結果3−0で漆谷が勝利した。


漆谷の闘い方は修斗でのそれと何にも変わらなかったような気がするな。かえって相手のタックルがない分だけ、試合はやり易かったんじゃないかな?対する進也、総合格闘技の選手に試合のペースそのものを握られてはイカンねぇ。

第五試合 歌川の新しい武器が爆発

エキスパートクラス特別ルール 60㎏契約 3分3R
○歌川暁文(169cm/60.0kg/UWFスネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級 二位)
●梅下湧暉(169cm/59.65kg/湘南ジム/元全日本キックフェザー級 一位)
[判定 3−0]
※梅下は1Rにダウン1/歌川は3Rにシュートポイント4

このところは「今一つ」な試合が続く歌川 暁文。今年はナグラチューンマーサ M16に敗北したり、デビュー戦の相手に苦戦したり。得意の左ミドルの数も減った不調の歌川、今日の対戦相手は「元全日本キックフェザー級 一位」の梅下 湧暉。肩書きは立派な梅下だが歌川にとっては格下の相手。今日はキッチリと結果を残せるか?


試合前、選手紹介時に右の拳を突き出して歌川に狙いを定める梅下に対し、歌川は中央に並んだ時、嘗めるようにメンチを切って梅下を挑発。妙に慣れたメンチの切り方だな。そういえば歌川のキャッチコピーは「今時の不良」だったっけ。


この日の歌川、試合では久々に「らしさ」が爆発。1R、開始早々からローを連発する梅下に…歌川の強烈なワンツーがヒット、いきなりダウンを奪う。観客が騒然とする中、勢いに乗った歌川はガンガン前に出て次々にワンツーと左ミドルを叩き込む。特に得意技の左ミドルは以前より重みが増している。
守勢に回った梅下、前蹴りで何とか距離を離そうとするが…歌川は構わず前に出て攻める。パンチのラッシュの中には右のボディブローも混ざっている。これは歌川の「新兵器」か?


2R、梅下は距離を離してミドルとローを放つが、この程度で歌川の勢いは止められない。歌川は左ミドルと右ボディブローをガンガン梅下に突き刺す。ボディへ打撃を集める歌川、右ボディブロー〜左ミドルなんてコンビネーションも繰り出し、終盤にはワンツースリー〜ローで攻勢。だが手負いの梅下に止めを刺す事ができない。焦れた歌川のセコンドが「このままだとお客さんが帰っちゃうよ!」と激を飛ばす。


3R、相変わらず下がるばかり梅下、時々力のないミドルとローが放たれ、一発逆転狙いのヒジ打ちも大振りすぎて当たらず。追う歌川からはワンツー、右ボディブロー、左ミドルと打撃が出るが…KO性のある一発が出ない。歌川に逆転負けはないが、トドメも刺せない状態。どうにも煮え切らない展開だな。
そこで歌川は中盤、「ダウンがダメならこれでどうだ!」とばかりに、梅下を横抱き式のバックドロップで投げ捨てる。鮮やかに決まった一発に観客からも大歓声起こる中、歌川がシュートポイント2を獲得。気を良くした歌川は、ここから積極的にバックドロップを狙っていく。そして試合終了直前、今度はヘソで投げるバックドロップが決まり、歌川は更にシュートポイント2を獲得。そういえば「後方への投げ」は歌川の隠れた得意技だったなぁ。この投げはビル ロビンソン直伝かね?


試合終了、判定は3−0で歌川が圧勝。


う〜ん歌川、KOこそ奪えなかったけど…最近の不振を吹っ飛ばすような闘いができたのは大きいね。特に右ボディブローは今後、大きな武器になるだろう。左ミドルのキレも戻っていたし、これから先は再び大暴れする姿が観れるかな?楽しみだ。

田中秀和リングアナの紹介で「泣きのシーザー」復活!

二度目にして早くも定番、会場内に「ワールドプロレスリングのテーマ」が流れると…リング上には「ケロちゃん」こと田中 秀和リングアナが登場。「しばしの休息の後…『皇帝光臨』。シーザー武志入場!」との掛け声と共に…前回興行を病欠したシーザー武志氏がリングイン。涙ながらに挨拶を行った。

こんにちは…(涙、観客拍手)。


今日はありがとうございました(観客歓声)。子供の頃から憧れた…、格闘技のリングに…、また帰って来れるとは思いませんでした…。私を支えてくれた多くの皆様…、慕ってくる若者達…、家族に感謝したいと思います。ありがとうございました(観客拍手)。


私は…、これからも世のため人のため役に立つ若者を…、最後の最後、血の一滴を残すまで、作っていきたいと思います!全力で頑張っていきます!応援してください!


ありがとうございます!(観客拍手)

ウム、なかなかに感動的な光景…なのだが、苦言を一つ。ケロちゃん、シーザー会長を入場させるなら『皇帝光臨』じゃなく『創始光臨』だろ。SBは言葉に拘りのある団体なんだから気を使って欲しかった。

第六試合 大野が消耗戦を制する

エキスパートクラスルール(肘無し) 72kg契約 3分5R
○大野崇(180cm/71.2kg/正道会館/ISKA世界ミドル級 王者)
●ヤン・デンデレ(175cm/72.0kg/ベルギー/シーザージム オランダ・チーム サワー/WPLKベルギーミドル級 王者)
[判定 3−0]
※デンデレは3Rにダウン1

SBでは黒星先行、苦闘の日々を送る正道会館の大野 崇。前回の興行では数日後にK-1 WORLD MAXに出場するアンディ サワーの相手に選ばれ、3RKO負けの屈辱を味わった大野。今日の対戦相手は「チーム サワーの新鋭」ヤン デンデレ。前回の興行の恨みをサワーの盟友にぶつけられるか?


1R、今日の大野は積極的に前に出て前蹴り、右ロー、右ミドルを繰り出す。元々長身の大野だが、前に出ての蹴りにはリーチ以上の伸びがある。対するデンデレ、このリーチ差に苦戦。下がりながらローを放ち、時折前に出てパンチを繰り出すが…大野の顔面にはヒットしない。


2Rも1Rと展開は変わらず。早くも右ローが効いてきたデンデレは足を気にしている。それでもデンデレは何とか接近してボディブローを放つ。大野は放ったキックの戻りが遅く、デンデレにつけ入る隙を与えてしまっている。これって大野の大きな弱点だよなぁ。


3R、大野は前蹴り、右ロー、右ミドル、ボディへのヒザ蹴りを繰り出す。デンデレはローで対抗するが大野の勢いを止められない。大野のローが効いて身体が流れるデンデレが足の防御へ意識が削がれる中、大野の左ハイがクリーンヒット。思わぬ一撃に崩れるデンデレ、鮮やかなダウン劇に観客も大歓声だ。
何とか立ち上がったデンデレに対し、大野は必要以上には追わない。これまでと変わらず右ロー、ワンツー、そして一発狙いのハイ。デンデレはフグトルネードやローを放ったり抵抗。ダウンを奪った大野だが、このラウンドでは決着つかず。


4R、大野に異変。元々スタミナに難のある大野はこのラウンドから失速。3Rにデンデレからダウンを奪ったのにトドメを刺そうとしなかったのはこれが原因か。大きく口を空けてローを必死に放つ大野、デンデレは接近してのストレートやボディブロー、ローで対抗するが…こちらも疲労が激しい。終盤にハイやヒザ蹴りを放つ大野だがクリーンヒットには至らず。それにしても、お互いに疲れているな。


5R、4R以上に疲労したデンデレに対し、大野はミドル、右ストレート、ローと目の前にある勝利を掴むべく必死に打撃を繰り出す。デンデレは時折はボディブローやローで反撃するも、中盤からは殆ど打撃が出ない状態。これを見た大野がラストスパートを仕掛ける。ローを中心にティーカオ、ハイ、ワンツーと気力の限り打撃を繰り出す。そして試合終了、観客は大野の頑張りに大きな拍手を贈った。


判定の結果、3−0で大野が勝利。


う〜ん、SBの観客には悪いが…僕は今日の大野は今一つ。試合終盤の執念は良かったが、その前に「5R制の試合ができるくらいのスタミナをつける」「蹴り足の戻りをもっと早くする」「ローの防御を磨く」等、課題は多いように思う。SBで闘う大野の行く先がK-1 MAXなのかS-CUPなのかは判らないが、今のままではどちらの舞台にも「顔じゃない」なぁ。頑張れ、頑張れ、もっと頑張れ大野。

第七試合 菊池が白星を上げたが…課題は多し

エキスパートクラスルール(肘無し) 68kg契約 3分5R
菊地浩一(175cm/67.9kg/寝屋川ジム/SB日本ウェルター級 二位)
●”SHINOBU”ツグト・アマラ(171cm/67.2kg/モンゴル/チーム ハードコア/前全日本キックライト級 王者)
[判定 2−0]
※アマラは5Rにダウン1

実はこの一年半はシーザージムに通って練習していた”SHINOBU”ツグト アマラ、その存在を天下に知らしめたのは今年4月5日に行われたK-1 WORLD MAXの舞台である。前年度王者であるアンディ サワーを相手にあと一歩のところまで追い詰めたアマラ、今回は「一緒に練習している人々と同じ舞台に立ちたい」という願望を実現させてのSB参戦だ。S-CUPの出場も視野に入れている以上、「SB・もう一人の『新エース』候補」菊地 浩一は絶対に倒さなくてはならない。


だが、アマラのS-CUPへの道は険しいものとなった。


1R、アマラが攻める。素早いハイで牽制、強烈な右ミドルを叩き込み、ローで足を刈れば菊池は思わず転倒。だが菊池も得意の左ミドルを連発して反撃、中盤にはフロントチョークを極めるべくアマラの首を捕らえる。これをタックルで切り抜けたアマラ、菊池の左ローを嫌って重いストレートで牽制、終了直前にはワンツースリー〜ミドルで畳み掛ける。このラウンドは互角だな。


2R、このラウンドは中距離からの蹴りが中心。菊池は下がりつつ単発の左ミドルと左ローを放ち、アマラは前に出て右ミドルと左ローで攻め、時折は距離を詰めてパンチの連打。ここまでは菊池は「いつもの菊池」だが、アマラはまだ「ラッシュモード」に突入してない。


3R、アマラが動く。強引に前に出て大振りなパンチを連発する「ラッシュモード」へと突入したのだ。序盤に近距離からワンツースリーフォーとパンチを繰り出すアマラ、中盤にはワンツーが何度かクリーンヒット、更にはボディブローも駆使する。だが菊池も下がりながらの左ローを中心に得意の左ミドルで反撃。「近距離のアマラ vs 中距離の菊池」主導権はアマラにあるが、まだまだ予断を許さない。


4R、「ラッシュモード」に入ったアマラの強引な仕掛けが目立つ。積極的に前に出て菊池をロープ際やコーナー際へと追い詰めると右アッパー、ワンツー、ワンツー〜ボディブローと大振りなパンチをガンガン振るう。距離があけば右ミドルと右フックで牽制。今回は菊池が疲れないうちにラッシュを仕掛けるアマラだが、その圧力はハンパでない。ただでさえ下がりながらの攻めが目立つ菊池は次々に打撃を喰らって押され気味。
だが。菊池は左ミドルと左ローを放つ事を忘れず、アマラが強引に前進すればそれに合わせて左ストレートをバシバシと当てていく。
確かにラッシュを仕掛ける時のアマラはガードが甘くなる傾向があるのだが…、いつもの試合であれば圧力で押し切って反撃を許さないのだ。しかし今日は一階級上での試合である事や、菊池がダメージを負わないうちにラッシュを仕掛けている事で菊池の反撃を許してしまっている印象。アマラらしくないなぁ。


5R、ややスタミナを失った菊池だが、最終ラウンドという事もあって積極的に攻める。左ミドルと左ローの攻めは変わらないが、このラウンドは前に出てワンツーを入れたり投げを放ったり。そして…。アマラの右ミドルをキャッチした菊池、返す刀で左ストレート一閃。顔面にヒット、尻もちをつくアマラ。観客の歓声の中、これをレフリーはダウンと判断、カウントが数えられる。アマラはスリップを主張するも聞き入れられず。
これでアマラに火がついた。応援団の大声援をバックに、アマラは鬼の形相で菊池に接近してガンガンラッシュ。ワンツーの連打、右ミドル、ボディブロー、アッパーカット…ひたすら強引に攻め立てる。しかし菊池、疲れを見せながらもロー、ストレートを返してアマラを近づけない。結局、菊池はアマラのラッシュに捕まる事なく試合終了のゴングを聞いた。


判定は3−0、このところは不調が続いた菊池がアマラから『値千金』の白星をもぎとった。


ふ〜む。菊池は勝つには勝ったものの…。この試合は「菊池が勝った」というより「アマラが負けた」って感じかなぁ。

今日のアマラは…勝負を焦るあまり乱暴な仕掛けが多かったように感じる。相手に疲労が溜まる前にラッシュを仕掛けたのが『凶』と出てしまった、というか。前進するタイミングに左ストレートを合わせられたのは誤算だったんじゃないかな。技術的にはアマラが上だったとは思うけど…今日は体格差に負けてしまったな。

対する菊池も…これまでと変わらない左ミドルが中心の試合運びで、特に進歩したところはなかったように思える。アマラの打撃も結構な数を喰らっていたし、正直、僕が観た限りでは3Rと4Rはアマラに取られていたと思うのだが…。
試合終了後に体力を残していたのはアマラの方だったし、次にやったらアッサリと負けてしまう気がする。まあ、最近は不調だった菊池がアマラから白星を得たという事実は大きいとは思うけどね。これを慢心を起こさずに練習を続けて欲しい。

第八試合 土井が勝ったが…正直微妙

エキスパートクラスルール(肘無し) 70kg契約 3分5R
○土井広之(172cm/69.1kg/シーザージム/SB日本ウェルター級 王者)
●ブーヌン・サックホームシン(170cm/69.25kg/タイ/ラジャダムナン & WMCスーパーライト級 王者)
[判定 3−0]
※土井は1Rにシュートポイント1、3Rにシュートポイント1
※ブーヌンは試合前、オイルの塗りすぎでイエローカード

「キラーロー」土井広之に突然の大一番が訪れた。今日の対戦相手は…何の脈略もなく「『現役』ラジャダムナンスーパーライト級 王者」ブーヌン サックホームシンだというではないか。肘無し + SBルール + 半階級下の選手という事もあり状況的には土井が優位だと思うが…果たして?


試合前にワセリンを塗りまくったブーヌンにイエローカードが出され、観客の失笑の中で試合開始。1R、土井は「キラーロー」、インロー、アウトローと繰り出す。対するブヌーンは強烈な左ミドルで土井を蹴りまくる。この蹴りが大変に強烈。一発毎に観客から悲鳴が上がる。
それでも中盤、土井はブーヌンに組み付き首投げ一閃。鮮やかに決まった投げ、土井はシュートポイント1を獲得。そして早くもローが効いてきたブーヌンの動きが鈍る…が、ブーヌンはストレートをヒットさせて反撃。土井、気は抜けないな。


2R、序盤はブーヌンがペースを握る。重い左ミドルを連発するブーヌン、組み付けばムエタイ流の投げを放つ。苦戦する土井だが中盤から土井がキラーローを連打、意識が下に向くブーヌンに対してワンツーを次々に叩き込むと、終了直前にはカニ挟みを披露。ここまでは土井が自分のペースを保っている。勝てるかな?


3R、序盤はブーヌンは積極的に前に出てストレート、ワンツー、ヒザ蹴り、右ミドルと繰り出す。組み付けば裏投げ風の投げを披露。SBルールへの順応を見せるブーヌンだが…、やはりSBルールなら土井が一枚上手。中盤、組み付いての腰投げで再びシュートポイント1を獲得した土井、終盤にはボディブローを連発する。
ダメージを負ったブーヌンだが、中盤からムエタイ戦士らしい首相撲からのヒザ蹴りを多用、土井に確実にダメージを与えようとする。しかし土井は、身体を逸らしたりピッタリくっつけたりでヒザ蹴りから逃れる。うむ、これなら土井が勝ちそうだな。


4R、右ミドルを放ちながら前に出てストレートを放つブーヌン。だが足が効いてしまい動きは鈍っている。これに対して土井はキラーローで蹴り続けると、回転胴廻し蹴り、カニ挟みといった大技も繰り出せば、観客も勝利を確信しての大歓声だ。
だが中盤以降、試合を支配するのはブーヌン。前ラウンド以上に首相撲からのボディへのヒザ蹴りを多用する。土井は徐々にスタミナを失ったが、それでもブーヌンが接近すればボディブローを放って反撃、首相撲に対しては前ラウンドと同じ戦法で逃れる。残り1R、残った体力はブーヌンが上。奪ったポイントは土井が上。土井、逃げ切れるか?


5R、ブーヌンが猛チャージを仕掛ける。ダメージの残る足に無理を強いながら積極的に前に出ると、ボディブローと首相撲からのヒザ蹴りを連発、土井のスタミナを削っていく。この猛攻を前に口が半開きになっている土井。残ったスタミナは少なかったが、首投げやストレートを繰り出して反撃すると、中盤にワンツーの連打をヒットさせてリードを奪う。
だがこれ以降、ブーヌンはしつこいほどに首相撲からのヒザ蹴りを連発。これを捌けない土井は身体を寄せてクリンチに逃れるのが精一杯。試合終了直前、土井のクリンチ多用に対してイエローカードが出されたが、結局そのまま試合終了。奪ったシュートポイントは2、土井の勝利を確信している観客が歓声と拍手を贈った。


判定の結果は3−0で土井が勝利。観客が土井に拍手を贈る中、土井は四方に礼をしてリングを降りた。


う〜ん。今日の土井、現役ムエタイ王者に勝利した事実は大きいんだけど…、やっぱりSBルールに助けられている部分があまりにも多かった。投げでシュートポイントを稼いで勝利したけど、ルールは肘無しだし、残りの体力等では明らかにブーヌンが上だったし…。まあSBルール自体に文句を言う気はないんだけど、やっぱり土井にはキラーローでダウンを奪った上で勝ち名乗りを受けて欲しかったなぁ。

第九試合 緒形が難敵を制する

エキスパートクラスルール(肘無し) 70kg契約 3分5R
○緒形健一(172cm/70.0kg/シーザージム/SB日本Sウェルター級 王者)
●ライアン・ディアス(167cm/69.2kg/アメリカ/ギブソン パンクレイション/元King Of The Cageライト級 王者)
[判定 3−0]
※ディアスは4Rにダウン1

「SBのエース」緒形 健一、このところは宍戸 大樹やアンディ サワーにメインの座を譲る事が多かった緒形だが、まだまだその活躍を期待する声は多い。今日は久々にSBのメインイベントの舞台に立った緒形、対戦相手は…キックボクシングをベースに、総合格闘技King Of The Cageのライト級王者にも君臨していたライアン ディアス。前回興行では宍戸が強敵イアン シャファーに勝利している。緒形としても、S-CUP出場の為にもこんなところで負けたくないところだ。


さてこの試合、ディアスが思いのほか「立ち技慣れ」していた為、緒形は苦戦を強いられる事に。


1R、リングを左に回りながら緒形を警戒しつつ、遠距離からローを放つディアス。緒形はリング中央に陣取りローで牽制するが…。距離を詰めようと前に出ても、ディアスはリングを廻って逃げてしまう。そして時折ワンツー、ボディブロー、ミドルといった打撃を繰り出してくる。緒形はどうにもやりにくそうだ。


2R、相変わらずリングを左回りしつつインアウトを繰り返すディアス。インからは単発ながらもワンツー、ロー、フック、ボディブローといった打撃が次々に飛び出す。対する緒形、ここまで攻めが完全に後手に回っている。終盤には左ストレートをヒットさせたが…試合のペースはディアスにある。緒形、どうする?


3R、ようやく緒形が動く。リングを回るディアスに対して左ミドルを連打、得意のボディへのストレートも放つ。ディアスはワンツー〜ティーカオで対抗、再び距離をとってストレート、ロー、ミドルと打撃をガンガン繰り出す。ならばと緒形、打撃をガードしつつ前に出てプレッシャーを掛けるとローでディアスの動きを牽制。
終盤、ディアスは攻め疲れたのか…コーナー際へと追い詰められる場面が増え、緒形は右ミドル、ワンツー、フック、ボディブロー〜ストレートと打撃を上下に叩き込んでいく。


4R、序盤はディアスが攻める。インアウトを繰り返しボディブロー、アッパー、ティーカオ、ロー、ミドルを繰り出す。特にティーカオはなかなかの鋭さだ。緒形は左ミドルを放ちながらディアスの動きを警戒。中盤、ディアスはタックルで緒形からテイクダウンを奪う。
だが中盤、またしても攻め疲れたディアスに緒形がプレッシャーを掛ける。ジリジリと前に出てディアスをコーナーへと追い詰めるとワンツースリーとパンチを放つ。その後もボディブローを連続でヒットさせ、焦るディアスに掴まれれば、そのままの状態からボディブローを連打する。そして終了直前、またしてもコーナー際へとディアスを追い込んだ緒形は、ワンツーのラッシュから右のヒザ蹴り一閃。モロに喰らったディアスはついにダウン。観客は大歓声で緒形の攻勢を支持。


5R、ダメージの残るディアスはこれまでとは一転、自らは攻めず、ひたすらリングを左に回って逃げる。緒形は前に出て相手を追い詰めてボディブローでダメージを与えるが…ディアスは膝十字固めで難を逃れるが、SBのルールではグラウンドの関節技は反則。レフリーが口頭でディアスを注意。
試合再開、緒形は逃げ回るディアスに対して一方的にダメージを与える。ロープ際やコーナー際へと追い詰めて、ワンツー、ボディブロー、右ミドル。特にボディへの打撃は有効打で、次第にディアスの表情が曇っていった。終盤、緒形のボディブロー連打〜右ミドルを喰らったディアスがダウン…を逃れるため、緒形に捨て身のタックルを仕掛ける場面も。終了直前にストレートのラッシュをディアスに浴びせる緒形、試合が終われば観客は大歓声で緒形の勝利を称えた。


判定は3−0で緒形が勝利。メインで勝利を飾った緒形は「僕は既に二度、ドクターストップが掛かっていますが…最後まで、S-CUPで優勝できると思っているうちは全身全霊をかけます!」とコメント。これは「S-CUPで引退します」宣言だと思った方がいいのかな。まあ年齢も31歳だし、そういう話が出てもおかしくはないとは思うが…。


まあ今日の緒形は「よく勝った!」と思う。ディアスはティーカオ以外にはKO性のある打撃は持っていなかったが、立ち技の闘い方を良く知る選手だったと思う。そういう相手を少しづつ切り崩して最後には勝利を掴む…これぞベテラン緒形の闘い方、というか。欲を言えばKO勝利が欲しかったが…まあ今日の相手は難敵だったし、いい闘いができたんじゃないかな?

雑感

今日はとにかく判定続きで、全体的に興行がダレてしまった、というか。

僕が観戦していない試合を含めて全試合の結果が判定な上、試合内容が消耗戦の連続…という、観ている側にはなんとも疲れる内容。そして興行の時間もしっかりと四時間を越えた。ま、僕はもう慣れっこだけど、一見さんとかは辛かったんじゃないかなぁ…。緒形、土井、菊池、歌川、そして未観戦のえなりを含めてSB勢が全勝しても尚、煮え切らないなぁ…と言わずにいられない試合内容だった、というか。ま、緒形は頑張ったと思うけどさ。

僕の好きなSBだからこそ…今日は厳しい事を言いたい。「もっと頑張れ、SB勢!」。


以上、長文失礼。