7/1 PRIDE さいたまスーパーアリーナ興行(PPV) 簡易観戦記

Mask_Takakura2006-07-01

PRIDEどころじゃない!今日はスウィーツが最大の敵だ!

本日は龍頭亭にてPRIDEのPPVを観戦。観戦参加者は…家主・龍頭さん(http://blog.livedoor.jp/nhbnews/)、frigidstarさん(id:frigidstar)、saint_kさん(id:the_saintK)、タカハシさん(http://blog.livedoor.jp/hardcore_heaven/)、グリフォンさん(id:gryphon)さん、そして僕の計6名。


本日の「おみや」は「Sweet Oven」のパイシュー、つまりシュークリーム。ま、僕は結構甘党でこういうのは嫌いじゃないんだけど、以前無駄に20個も持っていってヒンシュクを買った事があり、それ以来は暫く買うのを自粛していた。で、今回は久々に解禁したのだが…。

我々は変な部分で以心伝心しているのか、この日は何かを示し合わせたかのように全員がスウィーツを買ってきてしまったのだ。テーブルの上に並べられたシフォンケーキ、チョコクロワッサン、どら焼き、ロールケーキ、そしてパイシュー…。正直、半分まで減った時点で全員ギブアップ。そんな中、タカハシさんが買ってきたカップ焼きそばがどれだけ救世主になった事か(笑)。


さて今回のPRIDE、フジテレビ離脱騒動後としては初の開催だ。リングの色は真っ白、入っているロゴは「格闘技通信」「GONG格闘技」「kamipro」「あっとおどろく放送局」「dwango」の五社。この中で目に留まったのは、インターネット放送局の「あっとおどろく放送局」。どうやらこPRIDEの動画を配信し始めたようだ。地上波では見れない今日の試合も、ひょっとしたら一ヶ月後にはここで見れるようになるのかな?

あっとおどろく放送局

http://odoroku.tv/


観客の入りは…高い席には空席があったし芸能人はまるでいなかったけど、しっかり満員をキープしていた。ケイ・グラント村上ショージレニー・ハートも健在で、今までのPRIDEと違和感はなかったけど…、試合の煽り映像はちょっとレベルが落ちたなぁ、とは思った。ま、これについては慣れの問題もあるだろうし、もう少し長い目で見ようと思う…が、果たしてそこまでPRIDEが持つかどうか。

第一試合 僕が予想を外したのは、煽りまくったマスメディアが悪い

ヘビー級 10分1R + 5分2R
○パウエル・ナツラ(185cm/104.8kg/ポーランド/高田道場)
エジソン・ドラゴ(190cm/104.0kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
[1R 4分33秒 腕十字固め]

戦前の予想

ドラゴが1Rにグラウンドパンチで勝利。ドラゴは見た事のない選手だけど、ナツラはそんなに強い印象もないし、割と無難にドラゴが勝利するんじゃないかなぁ…と予想。ま、ぶっちゃけナツラのファイトは全然覚えてないんだけど。

試合の感想

割と無難にナツラが勝利。ドラゴが思ったより弱かった。フリジット氏が呟いた「ドラゴって、ノゲイラのスパーリングパートナーかもしれないけど、それってノゲイラのパンチの練習相手って事だよね?」って一言で目が醒めた、というか。ドラゴ自身がノゲイラと寝技の練習をしてる、って事は一言も言ってないんだよね。ナツラは上になってからはパンチ、リバースされても下から腕十字。この試合に限って言えば磐石だね。

予想の結果

なにもかもハズレ。とにかくドラゴが喰わせ者だった、というか。

第二試合 試合よりも、中尾の常に潤んでいる瞳がインパクト大

ヘビー級 10分1R + 5分2R
○中尾 "KISS" 芳広(180cm/104.0kg/フリー)
●イ・ウンス(183cm/97.0kg/韓国/CMA KOREA)
[1R 4分16秒 TKO]
※イが左目下を負傷

戦前の予想

中尾の入場曲は「バレンタインデーキッス」と予想。ベタな感じで。試合は…二人ともあまりデータがないので、中尾が1Rにグラウンドパンチで勝利…って事で。あ、KISSの曲で入場って線もあるか。

試合の感想

まず中尾の入場曲がハズれた。「サンダーバード」だったのね。試合前、「キスしてみろ」と挑発するイに接近する中尾、それを止めるヤノタク。細かい仕事っぷりがいいね。
試合は…まあこんなもんでしょ。「韓国のストリートファイト出身」って時点で、イの技術力はかなり怪しい、というか。試合がどこへ転がろうとも、アマレスのバックボーンがある中尾のタックルを切れない時点でどうにもならなかっただろう。あとは中尾がパスガードしてタコ殴り。一方的な展開でしたな。

予想の結果

勝者当たり、試合経過は…書いてないね。フィニッシュはヒザ蹴りだったようにも見えたが、グラウンドのパンチが決め手にもなっているようにも見えた。何にせよ、それなりには予想通りだったと思う。

第三試合 もはや言葉もなし、高橋義生よどこへ行く

ミドル級 10分1R + 5分2R
ビクトー・ベウフォート(183cm/92.8kg/ブラジル/フリー)
高橋義生(180cm/92.9kg/PANCRASE)
[1R 36秒 KO]
※左フック

戦前の予想

ベウフォートが1Rにスタンドパンチで勝利。最近のベウフォートの調子がどの程度なのかはサッパリ判らないんだけど、多分淡々とした打ち合いになるだろう。で、べウフォートの一発が入って高橋の電源が落ちる…ってな展開で。高橋は相変わらず「You spin me round」で入ってくるのかなぁ?ユーロビートは嫌いじゃないね、この曲が高橋のイメージに合っているとは到底思わないけど。

試合の感想

あっという間の秒殺劇。ベウフォートと真正面から打ち合える程、高橋はパンチが巧くないでしょ?イカンよねぇ、足止めて打ち合っちゃ。アゴだってあんまり強いほうじゃないんだしさ。
ちなみに高橋の入場曲は「You spin me round」だった。グリフォンさんは「この曲は高橋に合っていると思いますよ」、そうかなぁ…?

予想の結果

淡々とはしてなかったが、「べウフォートの一発が入って高橋の電源が落ちる」の部分はドンピシャ。勝者もフィニッシュも大当たり…って、この試合に関しては誰でもこういう予想になると思うけどね。でも一番この試合をビタッと当てたのは、試合前に「テーブルの上の焼きそばが欲しいんだけど、取りに行ってるうちに試合が終わりそうだからなぁ…」と呟いていたフリジット氏だろう(笑)。

第四試合 高級車は燃費が悪い

ミドル級 10分1R + 5分2R
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(191cm/94.6kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
アリスター・オーフレイム(195cm/94.9kg/オランダ/ゴールデン グローリー)
[2R 2分13秒 TKO]
※タオル投入

戦前の予想

あれ?今回の大会ってこんないいカードもあったのか。で、予想だが…またアリスターのガス欠が爆発して、ノゲイラが1Rに三角絞めなんかで勝つんじゃないなぁ…と。最初の5〜6分間を、ノゲイラがどう凌ぐかがポイントかな。

試合の感想

1Rはオーフレイムがローキックで試合をリードしていたんだが…、やっぱり今回もガス欠発生、2Rは開始早々からバテバテ状態。ノゲイラの攻撃なんて何にも貰ってないのに…。単なるガス欠ではない「何か」を感じるねぇ。最後もオーフレイムがあまりにもバテバテだからセコンドがタオルを投入。一人で勝手に負けてしまった印象だね。
それにしても、オーフレイムはあまりにもこういう事が多すぎる。一回、病院に行って精密検査をしてもらった方がいいんじゃねぇの?

予想の結果

展開は、ガス欠自体は当たりだけど…1Rに発生しなかったのでハズレかな?勝者は当たり、フィニッシュはハズレ。ま、このフィニッシュは当てるのが難しいとは思うけどね。

第五試合 好きでなくても認めなくてはならない時が来たかな?

ミドル級 10分1R + 5分2R
中村和裕(178cm/92.9kg/吉田道場)
エヴァンゲリスタ・サイボーグ(178cm/91.7kg/ブラジル/シュートボクセ アカデミー)
[1R 4分49秒 V1アームロック]

戦前の予想

中村が判定勝利。ガチガチ戦術の中村、サイボーグには終始押し気味の展開で勝てるとは思うんだが…、フィニッシュまでには至らない、と予想。いずれにせよ面白い試合にはならないだろう。

試合の感想

龍頭氏曰く「中村の実力は、この階級なら国内最高峰ですよ。相手はサイボーグですし、さすがに極めれるでしょ?」。試合前は「そんなワケねぇよ」と思っていたが…、圧勝だったなぁ。近藤がガチガチの試合運びで勝利をもぎ取ったサイボーグを相手に、何もさせずに簡単にパスガードして、簡単に極めての圧勝。さすがにその実力を認めざるを得ない、というか。

予想の結果

押し気味…とかいうレベルではない一方的展開。展開についてはハズレですな。勝者は当たり、フィニッシュはハズレ。まさか一本取れるとは思わなかった。…とはいえ、やっぱりどこか好きになれないんだよなぁ、中村は。

第六試合 得意な部分が互角なら、残った部分で勝負するしかないんだよね

PRIDE無差別級GP 二回戦 無差別級 10分1R + 5分2R
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(191cm/111.0kg/ブラジル/ブラジリアン トップチーム)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(193cm/105.0kg/ブラジル/チーム クロコップ)
[判定 3−0]

戦前の予想

ノゲイラが判定勝利。寝技勝負にはならんだろうと考え、スタンドでの打撃でノゲイラが若干有利になって勝つんじゃないかなぁ…と予想。ヴェウドゥムはあんまり打撃は巧くないしね。相性的に、あんまり面白い試合にはならなさそうな気がするな。

試合の感想

寝技が互角ならば、残った部分の技術で勝負していくしかないワケで、二人は主に打撃で勝負したのだが…その技術に歴然とした差があった。1Rにストレートで何度もフラッシュダウンを奪ったノゲイラ、段々とスタミナを消耗するヴェウドゥム。2R、3Rにグラウンドに移行する場面はあったけど、二人の動きを見るにつけ寝技で決着をつける気はなかったように思う(特にノゲイラ)。ま、何にせよピッタリと僕の予想通り。

予想の結果

感想にも書いたけど、全部予想通り。ま、思ったよりは面白い試合になったとは思うけどね。

第七試合 進化しない野獣は永遠に真価を発揮できない

PRIDE無差別級GP 二回戦 無差別級 10分1R + 5分2R
ヴァンダレイ・シウバ(182cm/99.7kg/ブラジル/シュートボクセ アカデミー/PRIDEミドル級 王者)
藤田和之(183cm/107.0kg/フリー)
[1R 9分21秒 TKO]
※タオル投入

戦前の予想

シウバが1Rにグラウンドパンチで勝利。スタンドの打撃でジワジワと体力を奪われた藤田が段々と棒立ちになって、そこへシウバの打撃がヒット…ってな感じ。藤田はあんまりいいところなく負けると思う。体重差は問題にならないだろう。

試合の感想

シウバの入場曲である「Sand Storm」は、どうやらPRIDEファンの脳裏に深く焼き付けられているらしく、この曲が掛かっただけで大観衆はドカーンとテンションが上がっていた。ここまで会場の盛り上がりは今一つだったしね。
で、藤田は奇麗なタックルでシウバをテイクダウンした場面こそ良かったものの…インサイドで上になっても何もできないんじゃ最初から勝ちはないわな。判っていた結果ではあるんだけど、あそこまで何もできないとねぇ…。反対にシウバ、明らかに体格に優る藤田を相手に打撃で突っ込むところはさすが、というか。フィニッシュの非常な打撃のラッシュも「らしさ爆発」って感じ。これならミルコとの再戦とかも見てみたいねぇ。

予想の結果

グラウンドパンチが決め手になったかどうかは微妙なところだが、まあ展開と勝者は大当たりだね。とはいえ、藤田にはこの予想を覆すようなファイトを望んでいたんだけど…ダメだった。

第八試合 PRIDEヘビー級は「三強」から「四強」へ

PRIDE無差別級GP 二回戦 無差別級 10分1R + 5分2R
ジョシュ・バーネット(191cm/112.0kg/アメリカ/AMCパンクレイション/PANCRASE無差別級 王者)
マーク・ハント(178cm/126.5kg/ニュージーランド/オシアナ スーパーファイタージム)
[1R 2分02秒 ダブルリストロック]

戦前の予想

どちらも好きな選手なので感情が右往左往してしまい、どうにも気持ちが定まらない。色々考えた結果、バーネットが1Rに腕十字で勝利すると予想。まあスタンドで2Rにハントが勝利する可能性もあるけど、ハントのグラウンドにはまだまだ穴がある…と考え、この結論に至る。しかしまあ、ジョシュはちょっと絞りすぎじゃないかなぁ?

試合の感想

戦前に噂されたほどには腹筋は割れてなかったけど、試合は一から十までバーネットの試合。まあこうもアッサリとハントからタップを奪えちゃう人は、世界にもなかなかいないだろう。この試合でバーネットはいよいよトップファイターとして認識されたんじゃないかな?それにしてもハントのタップは早かった。
あ、そうそう。この試合の煽り映像はやたらと「北斗の拳」を意識した作りになっていて、バーネットのインタビューのアテレコを神谷 明がやっていたんだけど、その声がどう聞いても冴場 僚だったのは悲しかった。あんなにテンション高くないよ、ケンシロウの声は。

予想の結果

腕十字はハズレ、だけど勝者と展開は当たり。ちなみにこの試合、K氏はフロントチョークによる勝利を予想。それはナイでしょ、ハントには首がないもん(苦笑)。

第九試合 PRIDEのガキ大将、ローキックの前に散る

PRIDE無差別級GP 二回戦 無差別級 10分1R + 5分2R
ミルコ・クロコップ(188cm/101.5 kg/クロアチア/チーム クロコップ)
吉田秀彦(180cm/102.0kg/吉田道場)
[1R 7分38秒 TKO]
※タオル投入

戦前の予想

ミルコップが1Rに頭部への蹴りで勝利。吉田の組み付きにミルコップが耐えてしまって、ジワジワと打撃で体力を奪って、焦った吉田が捨て身の組み付きを見せ、これを突き放したミルコップがグラウンドでキック…ってイメージ。なんかベタな予想だな。それにしても、ミルコの方が軽いのは意外な感じ。

試合の感想

う〜ん、ローキックがフィニッシュっていうのは、総合格闘技界ではちょっと聞かない話ではあるな。パンチに対する対策とかは練習しているのかもしれないけど、ローキックには何も反応できていなかったな。あれじゃ勝てんわい。パンチも虚しく空を切っていたし、組みに行っても突き放されてたし、今日の吉田は完敗ですな。それにしてもミルコップ、そんなにコンディションが良かったようには見えなかったんだが、それでも無難に勝利を修めるという。判っていた事ではあるけど強いねぇ。

予想の結果

勝者と展開は当たり、フィニッシュは外れたけど…まあ予想通りって感じかな?

雑感

戦前、発表されたカードにPRIDEファンは大喜びしていたが、イザ蓋を開けみると「………。」って感じの低調な興行でしたな。
今日の龍頭亭の面々の予想は、タカハシさんを除いて全員勝者が同じで、しかも第一試合を除いて勝者は全部当たり。タカハシさんは「僕は、勝って欲しい選手を勝者にしてます」というポリシーを貫いているから皆と違っていただけであって…。つまりまあ、「一杯喰わせ者」だったナツラを除けば、全体的に試合展開とか勝敗が予想の範疇を超えなかった、って事なんだよなぁ。で、それは会場も同じ想いだったらしく、大観衆の盛り上がりも今一つだったように感じる。
あと、PPVを見る限りでは、やはり映像のグレードは一枚落ちちゃったなぁ、とは素直に思った。この辺は慣れの問題もある気がするけどね。長い目で見て行きますか、PRIDEが長く続くのであればの話だけど。
もっとも、龍頭亭の面々が盛り上がらなかったのは…目の前にあるスウィーツの山に「やられた」とか、異様に高かったこの日の湿度に「やられた」とか、他にも要因は色々とありそうだけどね。


以上、長文失礼。