5/13 K-1 アムステルダムアリーナ興行(地上波) 簡易観戦記・改

Mask_Takakura2006-05-14

藤原紀香の衣装がキツい

まあ「試合直前にサップが逃亡」なんていう大きな事件があったけど、その事実をオブラートに包んでいたTV映像を見る限りでは…藤原紀香の衣装が大事件だったように思う。ピンクに赤ってねぇ…。「もう観戦記の出だしは、これ以外に思いつかない!」っていうくらいのインパクト。綺麗な人だとは思うけど、ちょっと若造りしすぎなんじゃないの?

いきなりの閑話休題で失礼。肝心の興行についてだけど、小粒にいい試合が続いていたとは思うけど、全体的な面白さは…イマイチだった。格闘王国・オランダでの興行という事もあって、技術を持った選手とかも次々に出現したけど、短い試合が続いたからゆっくりと見られやしない(苦笑)。いい加減、K-1もワンマッチ興行を復活させて、いい選手はもっと露出を増やして欲しいんだが…。

とりあえずTV放送のあった後半戦のみ、観戦記をば。

第七試合 イグナショフはイマイチ

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
アレクセイ・イグナショフ(196cm/116.6kg/ベラルーシ/チヌックジム)
ピーター・ボンドラチェック(186cm/97.2kg/チェコ/バカルディージム)
[2R 2分8秒 KO]
※右ストレート

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_07.html

試合の感想

「戦慄のKO劇!」…でありながら、印象に薄いねぇ。

まあ印象に薄いのは、イグナショフの攻めが基本的にカウンター待ちになっていた事と無関係ではないけどね。ボンドラチェックと比べて体格では圧倒的に優っていたし、試合中も余裕もあったように見えたし。もっと強烈な圧力を掛けていけたと思うんだがなぁ。2R序盤、ボンドラチェックが逆に左ストレートをカウンターで入れて、イグナショフがグラついた場面が一番面白かった。カウンター狙っている側がカウンター喰らってどうする?

そんなこんなで、攻めないイグナショフが圧力だけで印象点を稼いで、凡戦のまま判定勝利するのかなぁ…と思ってた。ところがフィニッシュは…一撃必殺、戦慄の右ストレート。この一撃は本当に凄かった。


佐野アナ:「藤原さん、優勝候補No.1と言われているイグナショフですが、
       どうですか?今日の動き。」

藤原紀香:「そうですね、やはりあの、飄々とした顔でですねぇ、
       グッとリングに上がってきてですねぇ、
       いつもの表情でこう、なんていうんですかねぇ、
       捕らえどころがないんですけれども、
       油断しているとバァーーーンとこう、
       キックやヒザが飛んでくるんでねぇ。
       この人の闘い方は、美学があって好きですよ」


佐野アナ:「うわ〜っ、入ったあああぁぁぁ〜っ!右、一発!」

藤原紀香:「(ボソッと低い声で)決まったね」


美学溢れる姉さんのイグナショフ評(今日の試合は全然闘い方が違ったけどね)、そしてフィニッシュを見た姉さんの第一声。肝が据わっていてカッコいい。でも今日の衣装はキツいと思う。

第八試合 マンホーフはもっと見たい

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
メルビン・マンホーフ(177cm/88.9kg/オランダ/チーム イッツ ショータイム)
富平辰文(185cm/93.5kg/日本/SQUARE)
[1R 2分10秒 KO]
※右フック

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_08.html

試合の感想

アンチも多い富平だけど、僕は結構好きなんだよね。最初はいけそうだったんだけどなぁ…、気が付けば完全に相手の圧力に呑まれてしまった。今回は身長、体重は互角程度だったし、その悔しさもひとしおだろうね。

対するマンホーフ、文句なく強かった。身体も素晴らしいし、圧力も凄いし、ボディブロー〜ローキックのコンビネーションなんて圧巻だった。でも上背がないから、巨漢化が進む今のK-1の中で生き残るのは難しいかな…。でも、また見てみたいよ。バダ・ハリあたりとの試合なんていいんじゃないの?



藤原紀香:「コンビネーション、早いですねぇ。
       さすが『リトル・タイソン』と呼ばれているだけありますけどねぇ」


月並みなコメントの姉さん。でも今日の衣装はキツいと思う。

第九試合 ブレギーはデカい

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/ボスジム)
フレディ・ケマイヨ(187cm/102.0kg/フランス/ファウコンジム)
[3R 1分10秒 KO]
※右ストレート

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_09.html

試合の感想

この試合はフィニッシュシーンの放送のみ。コーナーに追い詰めての激しいラッシュ、ブレギーの攻めはなかなか強烈だった。しかし立ち技好きとしては「いかにしてブレギーがケマイヨを追い詰めていったか?」を見たかった、というか。ま、ぶっちゃければ「もっと試合を見せろ!」って事なんだけど。

第十試合 ナオフォールは素晴らしい

K-1 EUROPE GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
○ナオフォール・“アイアンレッグ”(196cm/106.0kg/フランス/ゴールデン グローリー)
●アティラ・カラチュ(198cm/102.0kg/ハンガリー)
[1R 2分10秒 KO]
※右ハイキック

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_10.html

試合の感想

両者ともに早いスピードの持ち主、試合は実力拮抗のいい勝負。僕好みの試合内容で「やればできるじゃないのK-1!」と思ってたら、いきなりの鮮やかな右ハイキック。再三打っていた、コンビネーションの終わり際の右ローキックが効いていたからでこそ、この一撃が入ったのだろう。いやいやナオフォール…、お見事でした。


竹下アナ:「こ、これが“アイアンレッグ”の右のハイッ!」

藤原紀香:「うわっ!? …うっっっすぉっ!?」


K-1 コメンテイター歴十年」放送席では誰より肝が据わっている姉さんの反応は結構オヤジが入ってる。でも今日の衣装はキツいと思う。

第十一試合 シュルトは休まない

スペシャルマッチ 3分3R + 延長3分1R
セーム・シュルト(212cm/117kg/オランダ/正道会館)
●ロイド・ヴァンダム(186cm/112kg/オランダ/ファイティング クラブ ロイド ヴァン ダム)
[判定 3−0]

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_11.html

試合の感想

あ〜、ヴァンダムって久しぶりに見たよ。彼の「重戦車」と呼ばれる攻撃の重さは認めるけど、技術のある選手ではないし、昔から手数が圧倒的に少ないよねぇ…。しかも身長は26cmの差で圧倒的に有利とあれば、シュルトにとっては組みし易い相手としか言いようがない、というか。

とはいえ、シュルトのモチベーションは本当に高かった。全ラウンド通して攻撃を休める場面もなかったし。しかし…試合内容は波がなくてイマイチ。負けたヴァンダム、あまりにも手数が少すぎ。


竹下アナ:「紀香さん、『チャンピオンとして来た!』という想い…、
       あるんでしょうかねぇ、セーム・シュルトには?」

藤原紀香:「(力強く)やはりもう、あの〜、気合充分でしょうっ!」


竹下アナ:「紀香さん、ここまでのシュルト、驚きますねぇ」

藤原紀香:「なかなかこういう事はないですねぇ。
       やはり母国オランダの観衆の前(である事)、
       そしてK-1チャンピオンとしての意地、を感じますねぇ」


セーム・シュルトの気合を気合充分に説明する姉さん、そして竹下アナのたった一言の振りに「K-1 コメンテイター歴十年」の意地で捲くし立てる姉さん。「小娘二人はまだまだ顔じゃない!」って感じだな。でも今日の衣装はキツいと思う。

第十二試合 サキは攻めが丁寧

スペシャルマッチ K-1 EUROPE GP 準決勝 3分3R + 延長3分1R
○ゴクハン・サキ(オランダ/ゴールデン グローリー)
アレクセイ・イグナショフ(196cm/116.6kg/ベラルーシ/チヌックジム)
[判定 3−0]
※マンホーフが左手の負傷により辞退し、第1リザーバーのサキが出場

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_12.html

試合の感想

サキは充分に距離を取ってのによるローキック攻め、立ち技での巨漢退治の基本形ですな。対するイグナショフは一回戦と同じくカウンター狙いだけど…パンチが当たらんねぇ。身体は一回り大きいんだから、1Rはもっと前に出てプレッシャー掛けても良かったんじゃないの?

それにしてもフジテレビの編集も残酷だ。1Rと3Rのイグナショフの足の効き方の違いを見るにつけ、サキが有効打を見せていたのは2Rである事は明白なんだけど、肝心なそのラウンドをカットしちゃうんだから。こんなんじゃまっとうな「立ち技ファン」は育たんよ。育てる気なんてないんだろうけどさ。



藤原紀香:「行かないと勝てないですよねぇ。完全に足が止まってますもんねぇ」


イグナショフの不甲斐なさを見て、アナウンサーに振られてもいないのにコメントを挟んでくる姉さん。でも今日の衣装はキツいと思う。

第十三試合 ブレギーの打撃がすべてを逆転

K-1 EUROPE GP 準決勝 3分3R + 延長3分1R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/ボスジム)
●ナオフォール・“アイアンレッグ”(196cm/106.0kg/フランス/ゴールデン グローリー)
[2R 1分40秒 KO]
※右膝蹴り

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_13.html

試合の感想

ナオフォール、いい選手だなぁ。コンビネーションも奇麗だしスウェーも巧い。積極的に攻めるし見ていて飽きないねぇ。1R終盤にダウンを奪った左ボディブロー〜右ハイキックなんて美しすぎるよ実際。これで勝っていれば本当に良かったんだが…。2R、すべてを逆転するブレギーの右ストレート。あんな入り方したら普通、立てませんって…。だからあそこから立ち上がっただけでも凄いよ、ホントに。



藤原紀香:「(ブレギーの右ストレートに誰よりも早く反応して)うおおぉぉうああぁぁ〜!」


K-1 コメンテイター歴十年」の顔をかなぐり捨てて、珍しく素で驚く姉さん。やっぱりここでも反応にオヤジが入っているんだよなぁ。でも今日の衣装はキツいと思う。

第十四試合 ボンヤスキーは勝ってたのか?

スペシャルマッチ 3分3R + 延長3分1R
レミー・ボンヤスキー(192cm/103kg/オランダ/メジロジム)
ジェロム・レ・バンナ(190cm/119kg/フランス/レ・バンナ エクストリーム チーム)
[判定 2−0]

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_14.html

試合の感想

ボンヤスキーが入場に使っていた曲って、確か以前PRIDEでヒース・ヒーリングが使用して会場を微妙な空気にしていたような。抑揚のない曲だけど、こうして他の選手も入場曲として使うという事は結構有名なんだろうか?雰囲気からして何かのサントラだとは思うんだけど…。

1Rはプレッシャーを掛けるて左ミドルキックを出すバンナに対して、ボンヤスキーは右ミドルキックで対抗。ところが2Rになるとボンヤスキーは下がる一方で打撃が出ない。バンナは1Rと変わらずプレッシャーを掛けながらボディブローや左ミドルキック。3R、少し前に出たボンヤスキーが打撃を繰り出すが、バンナの再三のボディへの打撃が効いてきて終盤はまったく打撃を出せず。

…と、どうみてもバンナが30−29で勝っている試合のように思えるのだが、実際にはボンヤスキーが2−0で勝利。酷いホームタウン・ディシジョンだな。採点結果の発表の時間に随分時間が掛かっていたが、その間に打ち合わせでもしてたんじゃないか?


竹下アナ:「勝利のコールはレミー・ボンヤスキー!」

藤原紀香:「(不満そうに)え〜っ?」


思わず本音が出る姉さん。視聴者の気持ちを代弁してるな。でも今日の衣装はキツいと思う。

第十五試合 ブレギーが突然の勝利

K-1 EUROPE GP 決勝戦 3分3R + 延長3分2R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/ボスジム)
●ゴクハン・サキ(オランダ/ゴールデン グローリー)
[1R 1分44秒 KO]
※左フック

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_16.html

試合の感想

う〜ん、「試合はこれから!」ってタイミングで、意外なフィニッシュが来てしまった。サキが油断していた、としか思えないなぁ。決まった一撃自体は凄いカウンターだったけど、あのタイミングで喰らう一撃ではないような…。何にせよ、またデカい奴が地方GPを優勝しちゃったよ。K-1の長身化、肥大化が止まらないな。

第十六試合 アーツは男だ

スペシャルマッチ 3分3R + 延長3分1R
アーネスト・ホースト(189cm/107.9kg/オランダ/ボスジム)
ピーター・アーツ(192cm/108.0kg/オランダ/チーム アーツ)※ボブ サップから変更
[判定 2−0]

試合の模様(オフィシャルサイトへのリンク)

http://www.so-net.ne.jp/feg/database/060513more/20060513_15.html

試合の感想

まあ何にせよ、一時間前のオファーを快諾したアーツは本当にカッコいいよ、ホントに。生観戦していた異国のお客さんには「お気の毒に」の一言だけど。

試合については…触れようがないね。ホーストはサップを殴る為にトレーニングしていたんだし、舞台裏のドタバタ劇もすべて知っているんだろうし、自分が活躍していた舞台で母国でのメインイベントを守ろうとしたアーツの男気に触れてしまったら、本気で殴れなくなるのも当然の話。

ま、あえて言うなら、この試合は3分1Rのエキシビジョンにしても良かったんじゃないかなぁ…とは思うけど。お客さんの気質もあるだろうし、ましてやメインイベント。この手のアクシデントに対する対処って難しいよなぁ。


森アナ :「藤原紀香さん、なにしろ会場のボルテージが凄い!」

藤原紀香:「もうね、会場が一丸となっていますね。
        私もK-1最初から見てて、この二人の闘いはいぶし銀で涙が出そうですねぇ」


「ベルちゃん負けないで!」と叫びながら涙を流した日々も今は昔の物語。酸いも甘いも経験した「K-1 コメンテイター歴十年」の女の涙。思い出ぽろぽろ、でも今日の衣装はキツいと思う。

雑感

試合全体の感想は出だしに書いたので、サップの件について僕の見解をば。

解らないのは…、サップほど「金にはうるさい人間」が…つまり「『契約の重さ』を充分に承知しているはずの人間」が、目の前の試合を棄てて逃亡した「理由」。サップが試合直前、K-1にどういう条件をに突きつけたのかも知りたいけど、それ以上にK-1が提示した最初の契約条件を知りたい。「サップが示した条件は公開できない」なんて聞いてしまったら、「実はその時点で巧い事サップを乗せておきながら、実際には現場で『全然違う状況でありながら、もうその場から逃げられない環境』を作ったんじゃないの?」なんて勘ぐってしまうね。

それにしても、姉さんの今日の衣装はキツいと思う。


以上、長文失礼。