5/13 MARS 幕張メッセ興行 画像付き観戦記

遠いな!

本日は大森でDDTの「大森 お祭りプロレス」を観戦するつもりだったのだが…生憎、空は朝からの雨模様。「う〜ん、さすがに雨の中の屋外興行の観戦はつらいだろう」と考えた結果、興行を変更し幕張メッセで行われるMARSを観戦する事にした。「DDT → MARS」「大森 → 海浜幕張」「タダ → 数千円の出費」…我ながらなかなかの英断だ。

神奈川在住の僕にとって海浜幕張は本当に遠い。なにが遠いって、まず東京駅までが遠い。そして東京駅内の「京葉線までの道」が遠い、同じ駅の中だというのに約1kmは歩かされるのだ。そしてめでたく京葉線に乗ってからもかなり遠い、約40分は電車に揺られる事になるのだ。今こうして書いていても嫌になりそうなわけだが、電車の中から見える東京湾の光景とかは嫌いじゃない。

そして僕、それ以上に海浜幕張という街が好きなのである。高いビルが何本もそびえ立つ、生活臭が皆無の人工的で近未来的な街並み。更には、基本的に「ビジネス街」なので土日にはあまり人がいない。「近代都市に一人ぼっち」という気分、それがいい。自然に触れる事ばかりが「癒し」ではない、こういう人工建造物の中にも「癒し」は存在すると思うのだが、どうだろう?ちなみに僕は、同じような理由で国際展示場付近も好きだ。



いないな!

そろそろ本題に入ろう。いきなりだが、本来であればここで「初めて観る幕張メッセの外観」についてでも書こうと思ったのだが、その事を吹っ飛ばす程に僕を圧倒したのが…、試合開始10分前であるにも関わらず入口前に人がまったくいなかった事。「ちょっと凄いな。本当に僕以外の客なんて数十名しかいないんじゃないか?」、そう思わせるくらいに人はいなかった、本当にいなかった。



圧倒されつつもとりあえずはチケットを購入、8000円の席を5000円で売っていたのでそれを買う。ラッキーなように感じるかもしれないが、そうではない。実はここに来る前の電車の中でセイントマンブラックK(id:the_saintK)さんから電話があり、その時に「えっ!? 高倉さんMARSに行くのっ!? …なんだよ、それなら昨日、千葉方面で手に入れたタダ券があるのにっ!…あ、そうそう。今日はかなりの数のタダ券が出回っているって話だよっ!」という情報を得ていたのだ。ぬぅ、どうにもすれ違ってしまった、というか。

会場入り。幕張メッセの中の雰囲気は「奇麗で新しい横浜文化体育館」って感じ。キャパとしても多分同じくらいだろう。そして客入りについてだが、外が上記の通りなのだから「推して知るべし」の世界。一応、フォローしておくが「観客は数十人」って事はなかった。しかし千人はいなかった。そして五百人もいなかったように思う。



おお、そうだ。凄いといえば「照明」が凄かった。「スーツは七難隠す」というが、この日使用されていた妙に豪華な照明装置は、見事に客入りの寂しさを隠していた。数百人の観客だけが観るにはあまりにも勿体無い装置だった、というか。



第一試合 鮮やかだな!

キックルール(ヒジなし、組んでからのヒザ蹴りは1回のみ) 無差別級 3分3R
○松本勇三(172cm/82kg/勇三道場/佐藤塾POINT&KO全日本選手権 二連覇)
●加瀬大策(187cm/112kg/ARMS/元MAキック日本ヘビー級 二位)
[1R 2分17秒 KO]
※右ハイキック/松本は1Rにダウン1

松本は自らの名前を冠した「勇三道場」の主宰。調べてみれば、なんとこれがキックデビュー戦だという。対戦相手は、松本より二回りは大きい体格の持ち主の加瀬。松本、初陣を飾れるか?

試合開始…と同時に巨漢の加瀬が体格差にまかせて前に出て、ブンブンと大振りなパンチを振り回す。松本はこれを捌いてパンチの連打で反撃しつつローキック、キックボクシングでの「巨漢退治の基本形」を実践。これであっさりと流れを掴んだ松本は、前に出て更にストレートを繰り出したが…なんとそこへ加瀬のカウンターの右ストレートがクリーンヒット。松本はダウンを喫してしまう。

カウント8で立ち上がった松本、そこへ「ここが勝機!」と見た加瀬のワンツーのラッシュが襲う。ストレートが数発ヒットしピンチの松本、しかし…。松本が不意に放った右ハイキックがクリーンヒット。一撃で加瀬はダウン、立ち上がれず。思わぬKO劇に客席は大いに盛り上がった。

う〜ん、意外と言っては失礼だが、のっけから思わぬ「良いもの」が観れた。松本、お見事。

第二試合 差がありすぎだな!

キックルール(ヒジなし、組んでからのヒザ蹴りは1回のみ) 71kg契約 3分3R
守屋拓郎(181cm/70.4kg/町田金子ジム)
丸山純一(180cm/70.6kg/ザ スピリットジム)
[1R 1分24秒 KO]
※右ローキック

守屋はNJKFミドル級のランカーで、これまで4戦4勝4KOとバッチリな戦績。対戦相手は1戦1敗のグリーンボーイ、丸山。守屋としてはキッチリと勝っておきたいところ。

…と思っていたら、勝負はあっさりとついた。試合開始直後から、丸山は大振りなパンチを何発も猛連打して守屋を追い詰めていくが、一発一発が大振りでガードが甘い。守屋はキッチリとガードを固めてしのぎ、相手の攻撃フェーズが終わると重いローキックを叩き込む。これでガードの意識が下に向いた丸山に、狙い済ましたストレートがヒット。一発で丸山はダウン。

立ち上がった丸山ではあったが、直後に守屋は左ストレートを入れて二度目のダウンを奪った。こうなると試合は守屋のもの。最後は左ストレート〜右ローキック、足も効いていた丸山が崩れてしまい、三度目のダウンで試合終了。

一方的展開。昇り調子の守屋の対戦相手として、丸山は全く釣り合っていなかった。

ダメだな!

ここで会場内にアナウンスが。「選手にアクシデントが発生した為、ここで5分間の休憩を頂きます」。もちろん「5分間」と言われながらも20分くらいは休憩させられたわけだが。

今日は予定通りに決まっていれば、第三試合は佐藤光留が出場するはずだった。結局、佐藤は欠場する事になったのだが、このアクシデントは佐藤の呪いであろうか?「時を同じくして、全国にあるヒカル君人形がゼンマイも巻いてないのにカタコトと歩き始め…」とか、あったら怖いな。

第三試合 どうにもならんな!

キックルール(ヒジなし、組んでからのヒザ蹴りは1回のみ) 70kg契約 3分3R
○ブルース・マクフィー(182cm/70kg/オーストラリア/K6ジム/WMC南太平洋王者)
●小川孔久(167cm/66.7kg/空柔拳会館)
[判定 3−0]
※小川は1Rにダウン1/マクフィーは1Rに減点1

大型モニターに映されたのは「第七試合」の文字。カード変更に対して映像が間に合っていないのだ。ドタバタしてるなぁ。この試合に出場するマクフィーは、S-CUP 2004で宍戸と激闘を繰り広げた相手。弱い選手ではない上に小川との体格差は一階級分。小川は勝てるか?

1R開始早々、いきなりクライマックス。マクフィーが左ハイキックがヒットし小川がダウン。早くも大ピンチの小川はその後もマクフィーのワンツーに大苦戦。2R終盤にはハイキック、ミドルキック、組み付いてのヒザ蹴り、テンカオが立て続けにヒット。3Rはダメージの大きい小川を掴まえてヒザ蹴り、ミドルキックの連打、ワンツー。その後もテンカオ、ワンツースリー、ミドルキックが何度もヒット。う〜ん、一方的だなぁ。

対する小川は全ラウンドを通して、15cmの身長差を逆手に取ってダッキングマクフィーのワンツーを潜る場面も観られたが、その後で繰り出す一発逆転狙いの大振りなフックやストレートが当たらない。そしてマクフィーの打撃を喰らってしまう小川、応援団の声援も虚しく2R終盤から大量の鼻血を出していた。

試合終了、判定は…マクフィーには1R終了直前、スリップダウンした小川の顔面にローキックを入れて減点1があったが…「だからどうした」減点もなんのそので3−0でマクフィーが勝利。

第四試合 レベル上がったな!

総合格闘技ルール(グラウンドの相手の頭部への蹴りはなし) 59kg契約 5分2R
○漆谷康宏(160cm/58.6kg/和術慧舟會RJW/修斗バンタム級 世界三位)
●ダニエル・リマ(160cm/58.8kg/オーストラリア/ファイブ リングス ドージョー/修斗フェザー級 世界四位)
[判定 3−0]

ここからは総合格闘技ルールの試合、選手のレベルもいきなり上がる。この試合では、修斗バンタム級の実力者である漆谷と、修斗フェザー級世界ランカーのリマが激突。結構凄いカードが唐突に組まれている気がする。

1R、開始早々いきなり漆谷がダッシュ、HERO'Sでの山本"KID"徳郁ばりに飛びヒザ蹴りを決めた…が、当たりは浅く逆にリマはスタンドでバックを奪い執拗にテイクダウンを狙う。ここは漆谷が粘って倒れず、試合はスタンドの状態に戻る。その後もリマは漆谷のバックを奪い上から乗ったり、片足タックルを仕掛けたりでしつこく倒そうとするが、漆谷は倒れない。

中盤からはスタンドでの打撃戦に突入。漆谷は単発のローキックとフックを刻み、ジワジワとリマの体力を奪う。特にローキックは強烈で、蹴られたリマの足が流れる。苦しむリマが組み付けば、漆谷はボディへのヒザ蹴りで迎撃。試合は完全に漆谷ペース、再び飛びヒザ蹴りを仕掛けて思わずリマを飛び越えたのはご愛嬌。

2R、漆谷のしつこいローキックがリマの動きを封じていく。リマもローキックで対抗しながら漆谷に組み付いてテイクダウンを狙うが、ここでも漆谷は倒される事なくキッチリと対処。リマが足を止めてパンチを連打すれば漆谷もパンチで応戦。度胸の面でも優位に立った漆谷は試合終了前に飛びヒザ蹴りを放つ…が、相変わらず当たりは浅い。

試合終了、再三繰り出した飛びヒザ蹴りこそ不発だったが、判定3−0で漆谷が勝利。

今までの試合より攻防のレベルが一段上の試合内容。お互いが拘っている部分がハッキリとわかる選手同士の試合は面白いね。

第五試合 頑張ってたな!

プロレスルール タッグマッチ 20分一本勝負
石川雄規(178cm/95kg/バトラーツ)
 澤宗紀(173cm/80kg/バトラーツ)
vs
 関本大介(175cm/110kg/大日本プロレス)
井上勝正(170cm/80kg/大日本プロレス)
[16分18秒 グラウンド卍固め]

石川の入場曲はCozy Powellの「Theme One」。全体が電子音で構成されている割にはプロレスラーらしい曲で僕は結構好きだ。でもCozy Powellなら、Rainbow時代のLight in the Blackが好きだねぇ。

この試合は格闘技の興行にポツンと組まれたプロレスの試合。どういう経緯で彼らがリングに上がる事になったのかはサッパリわからないが、彼らはキッチリとプロレスの試合を展開。

特に頑張っていたのは井上勝正澤宗紀。井上は要所で「ウォーッ!」と叫んで観客を煽り、相手の技は正面から受けまくり「わかりやすいプロレス」に徹した。澤はランジェリー武藤の時とは全くの別人、小気味良く掌打とキックを連発し「音」でプロレスを演出。わかりやすい攻防に観客は声援を贈る。

反面、ここはいつもとは勝手の違うリング、苦労も色々。格闘技用の堅いリングのせいで投げ技を使えなかったり、普段とは勝手の違う4本のロープのせいで関本がコーナーでバランスを崩したり。試合の魅せどころで観せた石川の腕十字も…総合格闘技を見慣れたファンの前では虚しく映る。反面、張り手合戦やドロップキック、場外乱闘といった「プロレスらしい光景」には観客から素直に声援が集まっていた。

井上の必殺技・腕サソリ固めに笑いと歓声が起きたりしていたこの試合、最後は関本と澤が場外乱闘している間に、石川が井上にグラウンド卍固めを極めてをタップを奪った。また、えらく渋い技がフィニッシュだなぁ。

今日の客はこの試合を非常に「柔らかい視線」で見守っていた。前の試合が非常に「硬い攻防」だったと思うので、この試合はちょうど良いガス抜きになったんじゃないかな。でも16分は長いよ、10分でいいね。

第六試合 前回MARSとはエラい違いだな!

総合格闘技ルール(グラウンドの相手の頭部への蹴りはなし) 68kg契約 5分2R
○ソン・オンシク(179cm/66kg/韓国/テグ異種格闘技アカデミー)
矢野卓見(171cm/67.7kg/烏合会)
[判定 3−0]

前回のMARSでは、ハニ・ヤヒーラを相手に敗れはしたが、スタミナが切れるまでは互角の攻防を観せて観客の歓声を浴びたヤノタク。今日の相手は韓国の格闘家ソンなのだが…これが思いの他、ガッシリとした体型。おかげでうっすらとパワーアップしたハズのヤノタクの身体が貧相に観える。



試合は…、今回のヤノタクは前回と違って「悪いときのヤノタク」だったのでダイジェストで。全ラウンドを通してソンは遠距離から単発のローキックを放っていた。1Rと2Rに一回づつ、ヤノタクはグラウンドへ持ち込むべくタックルを仕掛けるも…あっさりと切られる。1R、ソンの放ったミドルキックをキャッチしてテイクダウン、足を取ってアキレス腱を極めようとした…のが、この試合唯一の勝機。逃れたソンはグラウンドでバックを奪ってパンチを連打。2Rにもソンはマウントを奪ってパンチを浴びせた。

試合は判定になり、判定3−0でソンが勝利。

う〜ん、今日の相手はあまりにも手堅い勝ち方をしてきた、というか。こりゃヤノタクがどうの…ではなく、マッチメイクが悪かったように思えるなぁ。

第七試合 じっくり仕留めたな!

総合格闘技ルール(グラウンドの相手の頭部への蹴りはなし) 75kg契約 5分3R
井上克也(175cm/74.6kg/和術慧舟會RJW/PANCRASEウェルター暫定王者)
●キム・ヘンギ(174cm/78kg/韓国/チーム タックル)
[3R 4分20秒 TKO]
※マウントパンチ

この試合には、何故だかいまだにPANCRASEウェルター級の「暫定王者」のままの井上が出場。「和製カレリン」と呼ばれたのも昔の話、最近は打撃中心の攻めが多い。そしてこの試合も、スタンドでの打撃戦が中心の展開となった。



1R、上半身にビッシリと刺青を入れたキムが、非常に気の強そうな表情を浮かべつつ前に出て、ワンツーとローキックを振り回す。荒削りではあるが打撃は時折ヒット、井上は押され気味。しかし終盤は度胸よくパンチ合戦を展開、その後で左ストレートをクリーンヒットさせる。

すると2R、これまでの攻め疲れも手伝ってかキムの動きが鈍る。これを見た井上、序盤は徹底してローキックで蹴り続け、後半は動けなくなったキムの顔面にワンツーを何発も叩き込む。すっかりスタミナを失ったキムの口が大きく開く。

3R、井上はワンツーの連打で突進しその勢いでキムを倒すと、そのままサイドを奪って鉄槌を落とし、その体勢のまま相手を跨いでパンチを入れる。亀の体勢に逃げるキムだが、井上はバックを奪ってパンチの手を休めない。キムの起死回生の一策、亀の体勢から一回転して足関節を極めようとするが失敗。結局、井上はそのまま上の体勢をキープし、マウントを奪ってパンチを連打。しこたま喰らったキムがグッタリしたところでレフリーが試合を止めた。

キムは最初は勢いがあったけど、最後は地力の差が如実に現われた。そりゃそうと井上は、暫定王者になってからもう一年にもなるんだから、ここらで正式に王者にしてあげてもいいんじゃないの?

第八試合 ガッツリやられたな!

キックルール(ヒジとヒザの連打あり) 無差別級 3分3R
アレックス・ロバーツ(194cm/102.9kg/アメリカ/空柔拳会館/R.I.S.E. G-BAZOOKAトーナメント2006 優勝)
●ネイサン・コーベット(185cm/92.6kg/オーストラリア/ファイブ リングス ドージョー/WBCムエタイ世界86kg級 王者)
[2R 1分51秒 KO]
※右ハイキック

この試合は唯一の「ムエタイルール」での試合(ヒジとヒザの連打あり)。イイネ。

かつてはSBのリングで活躍し、ボクシングの世界協会であるWBCが最近新設した「ムエタイ部門」の86kg級王者にもなったコーベット。S-CUP2004の舞台ではニルソン・デ・カストロを相手に、強烈なパンチと鬼のようなヒジ打ちでKO勝利を修めている。対戦相手は、R.I.S.E.で行われたヘビー級トーナメント「G-BAZOOKA」で優勝した「最強の英語教師」ロバーツ。体格で一回り上の相手をコーベットはどう攻略するのか?



1R、ロバーツは得意技である首相撲からのヒザ蹴りとヒジ打ちを連発、離れればローキックを連打。単調ながらも力強い打撃に苦戦するコーベットだが、細かいワンツーの連打で相手の動きを固めてボディブロー、ローキック、ヒジ打ちを打ち込んでいく。このラウンドは互角の展開、身体の小さいコーベットが良く頑張っている。特にロバーツ得意の首相撲に捕まっても頭を下に向けずに堪えて、相手の思うように打撃を出させないところは「さすが」だ。

2R、やはり1Rと同じ展開。ロバーツは首相撲からの打撃と強烈なローキック、コーベットは細かいコンビネーションで動きを止めてボディブローやストレートを繰り出す。中盤、コーベットがフックやボディブローをテンポ良く繰り出して試合のペースを握りかけたが…。

全く予期せぬ出来事が。不意にロバーツが放った右ハイキックがコーベットの頭にヒット。「丸太」のような足がテンプルを打ち抜きコーベットは一撃でダウン、立ち上がろうとはしたが…足元が定まらない。この様子を見たレフリーが試合を止めた。

くあ〜っ、勝てなかったかぁコーベット。昔からちょこちょこ観ている選手なので応援してたんだけどなぁ。まあ、これにめげずにまた日本に来て欲しいんだが…。勝ったロバーツについては…、最後のハイキックは読めなかった。それまで一回も使ってなかったし。不意打ちにも程がある、というか。

第九試合 声がデカいな!

総合格闘技ルール(グラウンドの相手の頭部への蹴りはなし) 82kg契約 5分3R
岡見勇信(187cm/82.6kg/和術慧舟會東京本部)
●バン・ジウォン(173cm/88.0kg/韓国/テグ異種格闘技アカデミー)
[1R 4分38秒 TKO]
※バックマウントパンチによるレフリーストップ

「日本ライトヘビー級 最強の男」の呼び声も高い岡見、その戦績は18戦15勝3敗7KO1Sと立派なものだが、何故だか総合格闘技の表舞台にはなかなか顔を出さない存在だ。もっと海外の強豪との対戦も観てみたいのだが、それは今回のように「無名の韓国人選手とやって欲しい」という意味ではない。

というわけで、今一つ狙いがズレているこの試合が、今日のメインイベント。岡見を引っ張り出したのなら、もっといいカード組めなかったのかねぇ?ちなみに岡見のセコンドには…なんとあの曙がついていた。正直、ボーノさんの巨体は岡見よりも目立っていた、というか。



試合開始、程なくしてストレートを出しながら突進するバン、これをかわす岡見。だがバンは、暫く岡見の様子を見た後、再びストレートを出しながら突進。どうもこの「猛牛」のような闘い方がバンのスタイルらしい。岡見とは14cmの身長差があるので、掛け逃げができるこの戦法はそれなりに有効か?だが岡見は、打撃を出す事もないのにじりじりとプレッシャーを掛け、バンをコーナー際へと追い詰めると、組み付いて難なくテイクダウンを奪う。

こうなると岡見は強い。グラウンドでパンチを落としつつじっくりとパスガード、マウントを奪って更にパンチを連打。グッタリするバン。勝利目前の岡見以上にセコンドのボーノさんが「いけえええぇぇぇっ!やれえええぇぇぇっ!」と会場中に響くような大声を上げて興奮する中、動けないバンの様子を見たレフリーが試合を止めた。

試合後にはリングアナが「曙選手の圧倒的にパワフルな声援を受けて、今、岡見選手が勝利しました!」とナイスなアナウンス。曙の声援のおかげで勝ったような言いっぷりだなぁ。



メインイベントとしてはどうにもアッサリとした内容、というか。この試合の前書きにも書いたが、岡見はこんなところで闘う選手じゃないと思うんだがなぁ。早くHERO'Sでの勇姿が観たい、というか。

雑感

「どうにも中途半端」というのが素直な感想。

全体的に「アッサリテイスト」で非常に淡々としていたというか、引っかかる部分がないというか…。興行として愛せる要素があれば良かったように思うのだが。「面白かった!」という事もなく、「つまらなかった!」という事もない。客入りはかなり悪かったけど、これを「プレミアム・チャレンジ」「UFO LEGEND」「WJ X-1」等の「伝説の興行」と並べるには…あまりにも「癖」がない、というか。

ま、つまり「試合内容はそれなり、興行としては面白みがない」って事かな。一応、次回大会が存在するようなのでまた観ようとは思うけど…、その時もこんな感じなら、もう金を払って観たりはしないだろうなぁ。

海浜幕張の夜景がやけに虚しく見える、というか。




以上、長文失礼。

ちなみに

この日、僕が見損ねたDDTの「大森 お祭りプロレス」はPON君(id:pon-taro)が観戦しに行っていた。

DDT 大森・お祭りプロレス
http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060513


また彼は、先日行われた「マッスル」についても観戦記を書いている。


●マッスルハウス2
http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060507 (前編)
http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060508 (後編:その1)
http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060509 (後編:その2)
http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060510 (感想)


興味がある方はチェック。