4/29 K-1 ラスベガス・ミラージュホテル興行(地上波) 簡易観戦記・改

久々に面白ぇ!

もう「K-1の『K』は『怪物』の『K』」というくらいの勢いで選手層の巨大化が進んでいる今のK-1。全体の技術レベルはどんどん落ちてきていて、昔からのK-1ファンとしては嘆かわしいばかりなのではないだろうか。

ところがところが、この日のK-1 USA GPは色々と大当たり。「技術戦」あり「ビッグガイの殴り合い」あり、闘い模様は選り取りみどり。KO決着も多く、何より大逆転劇が連発。このテンションとクオリティをいつでも保てれば、格闘技マニアの間でもK-1は見直されるんじゃないかなぁ?ダメかなぁ?K-1に「キックボクシング」を求めなければ、結構面白いと思うんだけどね。

オープニングファイト 見れねぇ!

K-1 USA-GP リザーブファイト 3分3R + 延長3分1R
○アレクサンダー・ピチュクノフ(194cm/95kg/ロシア/極真会館)
パトリック・バリー(180cm/105kg/アメリカ/デューク・ルーファス・キックボクシング)
[判定 2−1]

折角の極真戦士の参戦なのだが、地上波放送もスポナビの速報もねぇ。極真の影も薄くなったね。そりゃそうと、今年もやるのかなぁ…「一撃」

第一試合 あっけねぇ!

K-1 USA-GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
ゲーリー・グッドリッジ(191cm/109kg/トリニダード・トバゴ/フリー)
●謙吾(192cm/100kg/日本/Ingram&チーム・オーヤマ)
[1R 40秒 KO]
※右フック

試合の感想

なんというか…、謙吾はどこへ行っても謙吾というか。でも結構、頑張ってたんだけどね。グッドリッヂの打撃を前に、下がりながらも何とか反撃しようとしてたりしたしねぇ。一方的だったけど一方的ではない、というか。しかしまあ、剛力王はもう40歳なのにグッドシェイプを保ってるなぁ。某緑の団体の社長も見習って欲しい、というか(苦笑)。


藤原紀香:「もうガツゥーーーーンと来た!って感じでしたねぇ!」


グッドリッジの一発を力一杯表現する紀香姉さん。僕は充分イケます。

第二試合 どうにもならねぇ!

K-1 USA-GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
スコット・ライティ(187cm/102kg/アメリカ/ザ・ピット)
デューウィー・クーパー(184cm/91kg/アメリカ/ワン・キックス)
[判定 3−0]

試合の感想

「ライティのローキック一発でクーパーがコケる」。放送されたのがこのシーンだけ…という状況で、我々格闘技ファンは何をどう判断すりゃいいんだ?フジテレビさん、是非ご教授を。

第三試合 試合を見てぇ!

K-1 USA-GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
カーター・ウィリアムス(189cm/109kg/アメリカ/チーム・ブードゥーUSA)
藤本祐介(178cm/98kg/日本/モンスター・ファクトリー)
[判定 3−0]
※藤本は1Rにダウン1

試合の感想

藤本のダウンシーンしか映してねぇじゃねぇか!しかも殆ど一言で終わらせやがって!ダイジェストにもなってねぇよ!どういう事だよ!筋トレ中心のトレーニングで頂点を目指す藤本をちゃんと放送しろ!
…と、日本でも数が少ないであろう藤本ファンの僕は思うわけよ。

第四試合 わからねぇ!

K-1 USA-GP 一回戦 3分3R + 延長3分1R
○ハリッド・"ディ・ファウスト"(179cm/93kg/ドイツ/ゴールデン・グローリー)
ショーン・オヘア(196cm/120kg/アメリカ/UPW・バラーファイティング)
[1R 23秒 KO]
※右アッパー

試合の感想

体格で二回りは違うであろう相手に強烈なアッパーカット一閃!お茶の間、激震!

…というくらいの戦慄の秒殺KO劇だったのに、この試合をダイジェストで放送するフジテレビの編集意図がわからねぇ。ましてやハリッドはGP優勝者。もっとキッチリ放送した方が効果的だったんじゃないかなぁ?ホンマンの入場なんて放送してないで、この試合を全部放送して欲しかったね。

第五試合 面白れぇ!

スーパーファイト 3分3R + 延長3分1R
ルスラン・カラエフ(188cm/95kg/ロシア/マルプロジム)
●ステファン・"ブリッツ"・レコ(187cm/98kg/ドイツ/ゴールデン・グローリー)
[判定 3−0]
※レコは2Rにダウン1、3Rにダウン1/カラエフは3Rにダウン1

試合の感想

イヤイヤ、いい試合だったねぇ。

二人ともローキックもコンビネーションもいいものを持っているし、それが結構噛み合っていたように感じる。2R、カラエフはレコのコンビネーションを掻い潜って逆にコンビネーション。3R、レコの突き放してのローキック。これらもかなり良かったんだけど…、やっぱり3Rのレコの右ストレートが凄かった。カラエフもあんなの喰らってよく立ち上がったなぁ。あと1Rあれば勝敗は逆転していただろうさ。やっぱりレコはK−1の方が向いてるね。

でも、このレベルの試合になると…、僕としては「ヒジありルール」で試合を見たくなるんだよなぁ。


長坂アナ:「紀香さん!俳優仲間が来てますよ!」
藤原紀香:「ブルースさんですね!」


ブルース・ウィルスをこう呼ぶ紀香姉さん、僕は充分イケます。ブルームーン探偵社を一度見たいなぁ。

第六試合 早ぇ!

K-1 USA-GP 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
ゲーリー・グッドリッジ(191cm/109kg/トリニダード・トバゴ/フリー)
スコット・ライティ(187cm/102kg/アメリカ/ザ・ピット)
[1R 34秒 KO]
※2ダウンによる

試合の感想

あっという間の秒殺劇。グッドリッジがラッシュラッシュで決勝進出。しかし40歳なのに、よくもまああれだけ大振りなパンチを連発し続けられるなぁ、スタミナ切らさずにねぇ。ホントに「これが私の生きる道」って感じだな。



藤原紀香:「いやぁもう、本当にあのぉ、
       彼のねぇ、前へ前へ前へって、
       とにかくねぇ、もう『勝ちたい』気持ちというんですかねぇ、
       ハート?みたいなものを感じられましたけどねぇ」


34秒の秒殺劇を魂を燃やして表現する紀香姉さん。僕は充分イケます。

第七試合 もっと見てぇ!

K-1 USA-GP 準決勝戦 3分3R + 延長3分1R
カーター・ウィリアムス(189cm/109kg/アメリカ/チーム・ブードゥーUSA)
●ハリッド・"ディ・ファウスト"(179cm/93kg/ドイツ/ゴールデン・グローリー)
[判定 2−1]
※ハリッドは2Rにダウン1、3Rにダウン1/ウィリアムスは3Rに減点1

試合の感想

ダイジェストだったので試合全体の流れはよくわからないんだけど、かなりいい試合だった…っぽいんだけどなぁ。特に3Rにパンチをまとめ打ちしてハリッドが逆転していくあたりは、これぞ格闘技の醍醐味!って感じなんだが…。まあ3Rまで伸びた展開だし、試合を全て放送するのは難しいだろうけど…、もうちょっと見たかった。

第八試合 勝てねぇ!

スーパーファイト 3分3R + 延長3分1R
セーム・シュルト(212cm/130kg/オランダ/正道会館)
●武蔵(185cm/102kg/日本/正道会館)
[判定 3−0]
※武蔵は2Rに減点1(クリンチを連発)、

試合の感想

武蔵の1Rの闘いぶりはなかなか良い。「勝つ!」という姿勢も見えた。欲を言えばもう少しミドルキックとローキックが欲しいけどね。

でも2Rからはシュルトが積極的に前に出るようになったから、掛け逃げ狙いのクリンチが増えてしまった。客へのウケは兎も角、闘い方はまあアレでOKだと思うんだけど…「勝てる!」と思わせるシーンがなかったのも事実。「ヒジあり」のルールなら兎も角、この闘い方では武蔵は現行のルールじゃ10回やっても10回負けると思う。


で、魔裟斗がゲストで来ていると、なんで紀香姉さんは出番がなくなるの?

第九試合 凄ぇ!

スーパーファイト 3分3R + 延長3分1R
チェ・ホンマン(218cm/160kg/韓国/フリー)
ザ・プレデター(197cm/139kg/アメリカ/UPW)
[判定 3−0]
プレデターは1Rにダウン1、2Rにダウン1

試合の感想

平成の「アンドレ vs ブロディ」と呼んで遜色のないド迫力ファイト。まあ「アンドレとブロディが何でプロレスではなくK-1で闘っているんだ?」っていう疑問は多少残るけど…技術とかそんなのはどうでもいいんです、ええ。

自分より巨大な相手にも一歩も引かないプレデターの魂。ホンマンがダメージで動けなくなり、段々と下がっていく姿は圧巻だった。っていうか、プレデターってそもそもがデカいのね、レミー・ボンヤスキーも苦戦するわけだよ。プレデターの選手紹介時は「Two times ZERO-ONE USA Heavyweight Champion」とコール。今はなきゼロ中達よ、泣け。今日は思う存分、泣け。技術レベルは低くても、泣け。

反対にホンマンはボロが出たねぇ。1Rにラッシュ仕掛けただけでスタミナ切らして、プレデターのローキックで前に出れない、という。確かにカウンターが入っていたのは事実だけど…2Rのプレデターのダウンはスリップ扱いでもいいと思うし、3Rのホンマンのスリップは、明らかにプレデターのローキックの影響なんだからダウンでもいいと思うんだけどね。



藤原紀香:「本っ当に気持ちの強い二人ですねぇ!」

谷川貞治:「紀香さんが全身に力が入ってます(笑)」
長坂アナ:「紀香さんはもう、中腰ですからねぇ既に」

藤原紀香:「………ハイ!」


西岡アナ:「長坂さん、ブルース・ウィルスも大騒ぎしてますよ」

藤原紀香:「ワアァ〜!(パチパチパチ)」


熱い試合に熱くなる紀香姉さん、「他人が喜ぶ事」を自分の事のように喜ぶ紀香姉さん、僕は充分イケます。

第十試合 もの凄ぇ!

K-1 USA-GP 決勝戦 3分3R + 延長3分1R
○ハリッド・"ディ・ファウスト"(179cm/93kg/ドイツ/ゴールデン・グローリー)
ゲーリー・グッドリッジ(191cm/109kg/トリニダード・トバゴ/フリー)
[3R 1分00秒 KO]
※右フック/ハリッドは2Rにダウン1

試合の感想

ハリッドに勝ったウィリアムスの足には骨折の疑いがあり、無念のリタイア。で、試合はハリッド vs グッドリッジとなったわけだが…。

いいねぇ、この試合も!二人ともよく打ち合った、というか。K−1はこういう試合を連発したくてルールを常に変えているんだろうなぁ、と思わずにはいられないような激闘だった、というか。敗れたグッドリッジも良かったが、ハリッドのトーナメント三戦通して「パンチ一発で流れを引き寄せる」試合ぶりは見事。

それにしても強烈な打ち合いの中から生まれたフィニッシュシーンは本当に凄い!右フック一閃、グッドリッヂ失神KO!ラスベガス大会はいつも「戦慄のKOシーン」があるね。正直痺れたよ。


竹下アナ:「紀香さん!大変な闘いでしたねぇ!」

藤原紀香:「これはもう…『The Vegas!』って闘いですよねぇ!」


この試合を一言で「ピシャッ!」と表現する紀香姉さん、僕は充分イケます。

雑感

兎に角、久しぶりにK-1を「面白い!」と感じたのは僕の中で大きいな。欲を言えば、地上波放送では武蔵の試合を最後にしていたけど、これはこの試合の順番に放送されていた方が面白かったんじゃないかなぁ?…となると、こりゃCS放送版の方がより楽しめたんだろうなぁ。素直に羨ましい、というか。


P.S.
試合後にはあのブロック・レスナーがHERO'Sへの参戦を表明したらしい。どれだけ敏腕なのよ谷川は。それにしても去年のエイプリル・フールに誰かがネタにしていた事が本当に現実になるとはねぇ。


以上、長文失礼。