4/29 JDStar 船橋オートレース場イベント 画像付き観戦記

そこにリングがある事実に違和感がありました




船橋オートレース場



オッズに群がる人々!



デッドヒート!



こりん星のお姫様!



そしてプロレス!
SMAPの某氏の事はいうな。

疑問でした

僕には前々から疑問に思っていた事がある。「たまに見かける『オートレース場でのプロレス』って、どのようなニーズがあってやっているのか?」と。

オートレースはギャンブルだ。つまりその客層は「中年のオヤジ達」が中心である事は、オートレースに詳しくない僕でも容易に想像がつく。そういった人々にプロレスを見せる事に、正直何か意味はあるのだろうか?プロレス団体は、オートレース場に顔を出すような「中年のオヤジ達」が、本気でプロレスを観戦するようになる…と思っているんだろうか?

で、GW初日の今日、それを確かめるべく東京を横断し、千葉にある『船橋オートレース場』でプロレスを観戦することにした。観戦する団体は…なんとJDStar。実に3年半ぶりとなる女子プロレス生観戦で本当に久しぶりな訳だが…、今では人気もすっかり衰えてしまった女子プロレスというジャンルが、博打目的で押し寄せている「中年のオヤジ達」の目にどう映るのか…まったく想像がつかない、というか。

無理でした

ちなみ、この日のプロレスの開始時間は11:30。僕の住んでいる駅から『武蔵野線 南船橋駅』までは電車で90分は掛かる距離にあった。ここから逆算して出した予定としては「9:00に起床、9:30に出発」というところだったが…。実際に目を覚ましたのが9:45だった、というか。鬱だ。
それでもめげずに10:10には電車に乗って移動開始。結局、オートレース場に到着したのは11:50で、見事に第一試合を見落とした。今日は全三試合しかないのに…。ちなみに入場料は100円、プロレスの観戦料はタダ。今日のプロレスはあくまで「オートレース場主催のイベント」という事らしい。

第二試合 「ウッホウッホ」でした

タッグマッチ 10分一本勝負
高橋奈苗(167cm/76kg/フリー)
木村響子(164cm/62kg/JWP)
vs
△Hikaru(170cm/66kg/フリー)
△風香(155cm/50kg)
[時間切れ]

この試合の中盤あたりから観戦。注目の「観客」についてだが…、やっぱり「マニア」っているのはいるもので、明らかにオートレース場にはいないと思われる「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」がリングサイド周辺に十数人ほど。そしてその周りを囲むように「中年のオヤジ達」が何十人も立っていた。全員で200名程度かな?で、「中年のオヤジ達」も「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」も、目の前のプロレスを淡々と観戦しており、特に大きな声が出るような事はなかった。住み分けられている、という感じだが、もっと異様な空間を期待していた僕としてはちょっと拍子抜け。

試合について。技らしい技なんて殆ど出ていない試合だったが、とにかく木村響子が「ウッホ!ウッホ!」とやたらと元気。流れとしては、風香が高橋 奈苗と木村に捕まりまくって、Hikaruが反撃に転じていた。最後は高橋と木村が底力を発揮するも、あっという間に時間は過ぎて試合終了のゴング。ドローであるにも関わらず、木村&高橋はやたらと元気で、四方に向かって「ワアァーーーッ!」と叫べば、観戦していた「中年のオヤジ達」も大笑い。木村はリング外でも「ウッホ!ウッホ!」とやたらと元気。その光景を呆れながら見る風香&Hikaru。



前から気にはなっていた選手なんだど…いいねぇ木村、全く見知らぬ人々の前でも「白けない姿勢」って大切だよ。

どうにも面白さが見い出せませんでした

試合が終わると場内にアナウンスが。「次の試合は、第六レースの後で行われます」。ふむ、そういう事であればオートレースでも見てみるか、と、リングの周りから離れようとしない「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」を横目に見ながら、オートレース場の中へと入る。

初めて見るオートレース場だが、だだっ広いオーバルコースと電光掲示板があるだけのシンプルな作りだった。観客席は満員であれば一万人以上は収容できそうな作りだったが、実際にいた観客の数は…千人は下ろうかという寂しい入り。「国営ギャンブルは競馬が断トツ人気、競艇がその後に続く」と聞いたが…、オートレースの人気はかなり寂しい感じ。「元SMAPの某氏がこの競技への転向を宣言したり、菊川怜小倉優子をイメージキャラクターにしたり、で結構人気のテコ入れに注力していた印象があるんだけどなぁ…」なんて思いながら、試しに1レースを観戦。



感想は…、ズバリ言うと、面白さは「今一つ」だなぁ。

僕はオートレースに対する知識はないし、世の中でもこの競技に対する情報は買い求めない限りは入ってこない。そんな中、僕の目に映ったオートレースは「淡々とレースが開始、バイクがオーバルコースをクルクルと廻って、コースを何週するのかもわからないままにレース終了、早々に選手が去っていく」という光景。どうにも「素人にはわからない世界」というか。ただ、モーター音はなかなかの迫力ですな。

んで、そうこうしているうちに風香のトークショーが始まりそうだったので、リングへと戻ることにした。うむ、ひょっとしたら僕が「今一つ」と感じたのは賭けてないのが原因かねぇ?じゃあ、今度は幾らか金を出してみるか。

風香のトークショーでした

やがてリング上に風香が登場、「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」の熱い視線がリング内に集中する中、トークショーが始まった。それにつられるように集まってくる「中年のオヤジ達」。どうにも噛み合わない感じが面白い。



Q:「お休みの日は何をしてますか?」
A:「家で寝ています。引きこもりですね(笑)」
Q:「プロレスだけではなく格闘技もやる風香さんですが、一日どれくらい練習してますか?」
A:「プロレスは毎日4時間、格闘技は毎日3時間くらい練習しますね」


…月並みな質問に終始したトークショーは終了。控えに戻る風香…だったが、このチャンスを「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」が黙って見逃す訳がない。あっという間に十名程度の『熱心な青年』に囲まれた風香は、それでも笑顔でサインや記念撮影に応じていた。

ま、ぶっちゃけ「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」の中には、カメラではなく携帯電話を構えた僕もいたわけだが。だって、やることないんだもん。



やっぱりダメでした

失礼、やる事があった。ここはオートレース場、今度はいくらかお金を賭けてレースを見る事にした。…といっても、二連複で一番人気〜三番人気の投票券をボックス買いする、という何とも手堅い買い方。しかも全部あわせても1000円購入していないという甲斐性のなさである。とはいえ、僕は儲ける事が目的ではない。「ま、少しでも賭ければドキドキして観戦できるかな?」と思いつつ、再びオートレース場へと足を運ぶ。


…う〜ん、やっぱり「今一つ」だなぁ。何ていうか、やっぱり「バイクがただただ廻っているだけ」にしか見えないんだよなぁ。競輪のような「二人一組ならではの攻防」みたいなのもないし、競馬のように知識が一般に浸透しているわけでもないし…。とにかく目の前で行われている光景が「わからない」のだ。競技をしている選手やバイクがあまり大きくないのも原因かねぇ?見ている人も熱狂的に応援している雰囲気はなかったし、そういう外的要素も「今一つ」な原因かな。

さて僕が購入した投票券だが…、見事大当たり。ま、一番人気〜三番人気しか買ってないのだから単純に当たる確立は高いし、当たったところで儲けは少ないのはわかっているんだが…。それでもやっぱり嬉しいのは事実。早速、自動換金機へ。その結果は…、9枚購入した投票券うちの3枚が大当たり、配当は390円。投票券代が900円って事は…。

390×3-900、従って儲けは270円。おいおい、売店で売っているうどん代にもならねぇよ…。

第三試合 みんな頑張ってました

バトルロイヤル 10分1本勝負
渋谷シュウ(158cm/53kg)
木村響子(164cm/62kg/JWP) ※最初に退場
高橋奈苗(167cm/76kg/フリー) ※二番目に退場
●ボリショイキッド(150cm/50kg/JWP) ※三番目に退場
●Hikaru(170cm/66kg/フリー) ※四番目に退場
●風香(155cm/50kg) ※五番目に退場
米山香織(150cm/56kg/JWP) ※六番目に退場
前村早紀(152.6cm/51kg/フリー) ※七番目に退場
[5分18秒 (最後に残った前村を)オーバー ザ トップロープ]

最後に行われたのは、未観戦の第一試合と、観戦した第二試合に出場した全選手によるバトルロイヤル。「カメラをぶらさげた『熱心な青年』達」はトークショーから微動だにせずリングに張り付いていて、後から「中年のオヤジ達」がゾロゾロと集まって来た。う〜む、この二つの層は「水と油」というか、住み分けができすぎていてつまらんなぁ。



試合開始、まずは団子になって争う八人。木村が落とされそうになったり、首四の字が数珠繋ぎになっていたり。大騒ぎしていたのは木村と高橋、慣れたやりとりで結託したり裏切ったり。周りの選手より一回りは大きいこの二人が騒ぐとリング上が華やぐね。…しかしリングからは、この二人が真っ先に姿を消す事になった。特に高橋はトップロープに登った時にボリショイにカンチョーされてリング外へ。その哀れな姿に観客は爆笑。



ボリショイの綱渡り(この技を「オールドスクール」っていうのは嫌)、全員で手を繋いでのウェーブ等で観客を笑わせたりしていたが、やがて選手が次々に脱落していく。残ったのは渋谷と前村。渋谷は前村をエプロンまで追い込むと、最後はドロップキックで場外へと追い出した。勝った渋谷はマイクで「この勝利は皆さんのおかげです!」…と叫んではみたが、観客は苦笑、選手達も一斉にツッコミを入れていた。あんまり声援とか飛んでいなかったしね。



とはいえ、ホームともアウェーとも言えない場所で、プロレスに興味のない人々を相手に試合をした事は彼女達の大きな糧になるだろう、と信じたい。

雑感

最初の僕の疑問には、明確な答えがでた。

「たまに見かける『オートレース場でのプロレス』って、どのようなニーズがあってやっているのか?」については…、会場の雰囲気から察するに「オートレース場が新規の客を開拓する為に『プロレス』を呼び込んでいる」って事なんでしょう。別な日のイベントして「戦隊物のヒーローショー」が準備されている事実を見ても、これは明白。オイオイ、博打の会場に子供達を呼んでどうするんだ(苦笑)。僕としては、思っていたより空間が「いびつ」でなくってちょっと拍子抜け。

で、女子プロレスの方は…、風香が大人気だったみたいだけど、僕の目に留まったのは木村と高橋。とにかく観客を盛り上げる事に対して、すごく一生懸命だったのが好印象。特に木村はハジけた感じが全然嫌味じゃなくて良かったなぁ。もう少し彼女の試合が見たくなった、というか。今度は格闘美かな?



以上、長文失礼。