4/23 PRO-WRESTLING NOAH 日本武道館興行 簡易観戦記

Mask_Takakura2006-04-23

何げに、日本武道館は初めてだったりする

本日、本当はDRAGON GATEを観戦する予定だったが…。大田区体育館が見つからずに観戦失敗。その腹いせに日本武道館にてPRO-WRESTLING NOAHを観戦。我が事ながらこういう観戦動機は好きじゃないんだが、どうしても心の隙間を埋めたかったのよねぇ。チケットは二階席を購入、3000円。日本最高峰の一角であるNOAHのプロレスをこの値段で見れるのは大きな魅力だな。

で、当然ながら興行の対戦カードとかは全くわからない状態。それでも僕の中では「まあNOAHなら大きくハズレるような事はないだろう」とタカをくくり会場入り、そして「あっ!」とビックリ。今日の武道館はガラガラで、2階席の最後列は数える程しか人がおらず、他の場所も空席が多い。「『プロレス界の盟主』たるNOAHがこの入り…、いよいよプロレスも苦しいのか?」と最初は動揺したが、購入したパンフレット(2000円、高!)を見て「あぁ…」と納得。

今日は「小橋健太 vs 丸藤正道」以外に良いカードがないのだ。しかもメインは「秋山準 vs 井上雅央」。いくらなんでも、そりゃ入らんわ。そういえば「頑張れ春の中年トーナメント」とかやってたっけなぁ…スッカリ忘れてたよ。…正直、ハズレ確定というか(嘆)。

ちなみに

本日の試合の小見出しは、パンフレットに書いていた各試合の売り文句をそのまま書いております。

第一試合 ここは夢舞台か!? 魔宮の城か!? 伊藤・太田が武道館のリングに立つ!

タッグマッチ 20分一本勝負
○リッキー・マルビン(169cm/79kg/メキシコ)
 太田圭則(172cm/84kg)
vs
 百田光雄(173cm/92kg)
●伊藤旭彦(177cm/90kg)
[8分21秒 ラ・マヒストラル]

試合の感想

えっと、観戦しておりません。今日は「第一試合には間に合わなくてもいい」と思ってたので。伊藤・太田が武道館のリングに立つ!か…、若手の試合はちゃんと見ておけばよかったかなぁ。

第二試合 個性派揃いの六人タッグ より輝きを放つのは誰だ!?

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 金丸義信(173cm/85kg)
○杉浦貴(178cm/95kg)
 谷口周平(183cm/105kg)
vs
 泉田純至(185cm/125kg)
 志賀賢太郎(187cm/100kg)
青木篤志(170cm/82kg)
[15分59秒 片エビ固め]
※オリンピック予選スラム

試合の感想

個性派揃いの六人タッグ…「個性派」って便利な単語だな。で、「パンチパーマの志賀が、くしを隠し持っていた」とか「泉田の『ヘッドドロップ劇場』」とかがウケていたこの試合に、特に書くべき点は見つからない、というか。「より輝きを放つのは誰だ!?」…誰も輝かいてないねぇ。

第三試合 BURNING vs DARK AGENT 2つのイデオロギーがここに交錯!

タッグマッチ 30分一本勝負
本田多聞(188cm/138kg)
 菊地毅(175cm/99kg)
vs
 斎藤彰俊(177cm/117kg)
川畑輝鎮(180cm/110kg)
[11分28秒 体固め]
※デッドエンド

試合の感想

秋山が主催した「頑張れ春の中年(GHC)トーナメント」にも出場していたメンバーが三名もいる試合なのだが、その中年軍団の意地が爆発とか、2つのイデオロギーがここに交錯!とか、そういう事はまったくなく、普通に試合をしていた。ただ、本人達は一生懸命やっているのに、声援よりも笑い声の方が多かったのは気になった。いとあはれ。

第四試合 巻き返しを狙う男たち その道は崇高なる王位へとつづく…

タッグマッチ 30分一本勝負
 田上明(192cm/120kg)
佐野巧真(180cm/110kg)
vs
 スコーピオ(185cm/105kg/アメリカ)
●エディ・エドワーズ(180cm/95kg/アメリカ)
[3分59秒 体固め]
ノーザンライトボム

試合の感想

エディが軽やかなムーブで観客を沸かせたが、結局は田上の「やっつけ仕事」殺法が爆発。「その道は崇高なる王位へとつづく…はずが、ごく僅かに噴火した『田上火山』の噴煙によって見えなくなった」って感じ。今日も田上は汗をかく前に仕事を終えていたが、ファンには相変わらずの大人気。NOAHは今日も平和だ。

第五試合 "ヘビー級ならではのド迫力を見せつけろ!" それぞれが個性を磨き、勝負をかける大一番

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 森嶋猛(190cm/140kg)
 モハメド・ヨネ(185cm/100kg)
力皇猛(191cm/125kg)
vs
 タグ・ウイリアムス(183cm/105kg/イギリス)
 ナイジェル・マッギネス(185cm/103kg/イギリス)
●キース・ウォーカー(187cm/117kg/アメリカ)
[11分48秒 片エビ固め]
※無双

パンフレットの口上

時の勢いは今、軽量ながらも階級の壁をブチ破らんと果敢に挑んでいる丸藤やKENTAらの背中を後押ししているように見られている。しかし、この男たちがそんな現状に甘んじているはずがない。軽量の選手には軽量の選手にしか出せない持ち味があるように、重量級には重量級の選手にしか出せない持ち味があるのだ。ならばそれを証明していけば、必ずや時の勢いというものを味方にすることができるはず。次世代のヘビー級戦士といわれる男たちが今、本気で時代を獲りにきた―。

試合の感想

試合内容をロクに覚えていない…が、客がやたらと笑っていたのはハッキリと覚えている。NOAHの場合、若手がヘビー級ならではのド迫力を見せつけると笑いが起こるらしい。そういうものなのか?ただ運動神経は高くないと思っていた森嶋の側転ボディアタックには素直に驚かされた。彼の動きにあっているかどうかは別としてだが。最後は力皇の無双、僕はこの技は好き。この試合の後、森嶋とヨネはヨーロッパ遠征。最近のNOAHの海外遠征ぶりは凄い。

第六試合 刺激ある戦いを望む男たち、極上の獲物に何を仕掛ける!?

タッグマッチ 45分一本勝負
三沢光晴(185cm/110kg)
 小川良成(180cm/90kg)
vs
 鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION)
●SUWA(180cm/95kg)
[11分45秒 片エビ固め]
※エメラルドフロウジョン

パンフレットの口上

想像しただけで身震いする刺激的な戦い、この男たちはそれを欲している。だからこそ、自分たちが歩んできた道を踏み越えてまで、この方舟で戦うことを選択した。強い相手との戦い、ドキドキする戦い、背筋の凍るような張り詰めた戦い、男たちの望むものはときとしてその姿を変える。しかしそんな戦いをするために、彼らはまた緑のマットへ歩を進める。そこに待ち受ける戦いがどんなものか、まるでプレゼントの箱をあける間際の少年のように、己の瞳をランランと輝かせ、また今日も戦いに挑んでいく…。

試合の感想

刺激ある戦いを望む男たちねぇ…。「三沢 vs 鈴木」から生まれてきたのは笑いばかりだった気がするなぁ。まあ、みのる絡みの試合は笑いの要素を避けられない部分はあるけど、最近のみのるは色々な団体で色々とやりすぎちゃったせいで「独特さ」がなくなった、というか。「みのる〜っ、風になれ〜っ」とか言われて笑われる事が、PANCRASE MISSIONの「使命」なのか…?そして三沢の体…、もうみちゃおれん。

第七試合 "夢を現実に変える男" 丸藤正道、小橋の壁に挑む!

シングルマッチ 60分一本勝負
小橋建太(186cm/115kg)
丸藤正道(176cm/85kg)
[25分30秒 体固め]
※リアルブレーンバスター

パンフレットの口上

まだ誰もその大いなる野望をハッキリと口にしていなかった頃、先陣をきって「打倒三沢、小橋、秋山、田上!」とトップ4を相手に敢然と牙を剥いた男・丸藤正道。ところが、当時の彼は"ジュニアの天才"と呼ばれてはいたが、それはあくまで"ジュニアの"といった前フリがあってのもの。誰も本当にその4人の牙城に迫る存在にまでなろうとは、思いもしなかっただろう。しかし現実に、丸藤はこの4人を追い詰める存在にまでなりえた。もし今日この一戦に勝利すれば―。

試合の感想

なんというか、乗り損ねた…。

いや、丸藤は本当に色々なアイデアを盛り込んでいたと思うし、小橋の大技を受けまくっていたとも思う。だけど今日は、あまりにも正面から試合をしちゃった気がするなぁ。見ていて「これなら、小橋を倒せる!」と思う瞬間が殆どなかった、というか。まあ唯一、オースイスープレックスで小橋を丸め込んだ瞬間だけは「おっ!?」と思ったけどね。

それと試合のテンポが「四天王プロレス」だったのがキツかった。最近は闘龍門系のプロレスが好きな僕としては、四天王プロレスはテンポが悪いから嫌いなんだよなぁ。それにこのテンポでは小橋の良さは出ても丸藤の良さは出ないと思う。もっとテンポよく攻めていかないと、"夢を現実に変える男"になれるとは思えん。

と、まあ僕は丸藤には結構期待しております、ええ。

第八試合 再出発に踏み出す貴重な始めの一歩、天国か地獄か!? KENTAに待つ試練

GHCジュニアヘビー級選手権試合 60分一本勝負
○KENTA(174cm/81kg/王者)
●石森太ニ(163cm/75kg/エルドラド/挑戦者)
[21分4秒 片エビ固め]
※go 2 sleep
※KENTAが6度目の防衛に成功

パンフレットの口上

3月5日、日本武道館。階級の壁、時代の壁、すべてを超越しようと敢然と小橋に挑んだKENTAは、その圧倒的な力の前に跳ね返されてしまった。とはいえ、そんな悲観的にばかりならなければいけないほど、惨めな負け方を喫した訳ではない。それでも、その一戦を振り返ったKENTAは、「危うく自信を失いかけるくらい、本当にショックなんですけどね…」と言った。その後、今ツアーの開幕前には海外へも遠征したKENTAだが、そんな彼のパートナーを務めた男が、新たなるチャレンジャーとなって新記録を阻止するべく、その眼前に立ち塞がった!

試合の感想

KENTAに待つ試練って、石森との試合で観客を沸かせる事が出来るか?という事だったのかな?」…って感じだなぁ。

石森を見ていて「格闘技ゲームに弱い奴って、大技とか必殺技ばっかり出すんだよなぁ」って事を思い出していた。さすがに飛び技は華麗なんだけど…。なんというか、石森の試合って「点」としてはインパクトが強いんだけど「線」としてはなんとも弱いんだよなぁ。こんな線では「面」にも「立体」にもなっていかんよ、また近藤にダメ出しされるぞ。

対するKENTA、今日はもっと非情さを出して石森を潰してしまっても良かったんじゃないかな?観客も如実に石森の実力不足を感じていたわけだし、いっそ拒否し続けたスーパースターエルボーを決めさせちゃって、その上で叩き潰した方が良かったと思うんだが、どうでしょ?

第九試合 同じ時代を生きながら、正反対の道を歩んだ2人 井上の信ずる哲学は崇高な選手権で通じるのか!?

GHCヘビー級選手権試合 60分一本勝負
秋山準(188cm/110kg/王者)
井上雅央(180cm/106kg/挑戦者)
[23分14秒 体固め]
※リストクラッチ式ジャンピングエクスプロイダー
※秋山が2度目の防衛に成功

パンフレットの口上

今ツアーの開幕戦があった2日後の4月4日、井上はレスラー・デビュー満15周年を迎えた。他の選手が破壊力やインパクトのある技を習得しようと鍛錬する中、いかにすればよりダメージを少なく、それでいて相手の攻撃が完璧に決まっているように見えるかを必死に研究した。もはや勝利は目前と思わせて、相手の心に隙が出来たところをついて逆転する、それが井上にとっての勝利への方程式だった。今宵の日本武道館という舞台で、初めて頂点のGHCヘビー級王座に挑むことになったこの男は、一体、どんな輝きを見せてくれるのか!?

試合の感想

う〜ん。観客はハナから「井上が勝つ」なんて思ってないんだから、そこを逆手に取った試合運びが出来れば、井上の信ずる哲学も評価されていたと思うんだが…。折角の状況にも関わらず、今日の井上はあまりにも無策だった、というか。「ラリアットコブラクラッチスープレックスで奇襲」「花道でのカウント17までの4の字固め」くらいかな。ま、これらの秘策にしたってインパクトとしては微弱なんだけどさ。

それにしても、ここまで笑われバカにされた崇高な選手権ってあっただろうか?「井上頑張れ、もう少しで10分だ!」だの「すげぇぞ井上!15分持ったぞ!」だの、僕の周りではクソミソに言われてたなぁ。崇高な選手権で通じるのか!?という謳い文句にしたって、そもそも観客が「通じる事を拒否」して観戦しているんだからねぇ。

秋山も、そういうヌルい空気を締める為にも、最後は打撃技を連発するんじゃなくて、インパクトのある技一発で終わらせた方が良かったんじゃないかなぁ。まあこれは結果論だけどね。

試合終了後の秋山のマイク中、どうにも見た目のキツいプロレスファンが「秋山、しょっぱい防衛戦を続けるくらいならベルトを返上しろ!」だって。お〜っ、怖。

雑感

面白かった?つまんなかった?で言えば…まぁ、つまんなかった。とはいえ、今日はカード的に「しょうがない」部分が大きいので、これ以上の言及はする気はないッス。

僕としては、事実上のメインである「小橋健太 vs 丸藤正道」に今一つ乗れなかったのが痛かった、というか。ま、今度は素直にちゃんと下調べしてDRAGON GATEに行くようにしよう(苦笑)。もちろん、もっといい時のNOAHも観たいけどね。


以上、長文失礼。