2/18 全日本キック 新宿FACE興行 観戦記

新しい場所、新しい興行、新しい王座、変わらない僕

新宿の「夢民」にてカレーを食した後で、本日は全日本キックを観戦。夢民のカレーはサラサラ系で具沢山。辛さはそこそこで食べやすい。ルーがちょっと足りない気がするのが難点だが、食っとけ。


◎インド式カレー「夢民」
http://www.mumin.jp/


さて、本日の全日本キックは初となる新宿FACEでの興行という事で、初めての会場入りを果たしたのだが…、これがまあ狭い狭いっ!!椅子席だけなら正直200人程度しか座れないだろうな、という感じ。
そんな会場が今日は本当にギッシリの状態、立見席は更に乱雑になっていた。ま、狭い会場は僕は大歓迎…なんだけど、こんな事を書いちゃマズいが消防法には抵触しているだろうな。

んで今日は、新設されたSウェルター級の王座決定トーナメントが中心の興行。う〜ん、今年始めに作られたSフェザーに続いての階級新設。王座の乱造は僕としては正直あまり好きではない訳だが、それにも増して引っかかるのが、このトーナメントにキック初心者のPANCRASEの伊藤 崇文の出場。これってどうか?どうなのか?
ちなみに僕はメインに出てくる吉武 龍太郎に期待しております。

立見席のチケット代は3500円、ドリンク代が別に500円掛かった。パンフレットは100円。「100円!? 安い!!」と思っていたら、紙一枚にカードが書いているだけの代物。ま、100円だしねぇ。

オープニングファイト第一試合

ライト級 3分3R
○佐藤 翔太(173cm/60.3kg/S.V.G.)
●相馬 一仁(174cm/61.2kg/DEION GYM)
[判定 2−0]

両者デビュー戦だったが、佐藤 翔太が積極的に相馬 一仁に組み付いてヒザ蹴りを連発。相馬はパンチを中心にで対抗するも、佐藤はすぐに組み付くために有効打を打てない。で、この攻防のまま3Rを終えた。両者共にスタミナを切らす中、全ラウンドでヒザ蹴りを通した佐藤が判定で勝利。

オープニングファイト第二試合

ライト級 3分3R
△宿波 明(173cm/61.0kg/はまっこムエタイジム)
△田中 信二(172cm/61.2kg/大村道場)
[判定 1−0]

前座ながらも噛み合った展開、両者の打撃が休む事なく交差する。1Rは田中のワンツーに宿波はミドルキックで対抗、2Rから宿波はローキックやボディブローを効果的にヒットさせる。3Rは宿波が積極的にパンチを仕掛けつつ組み合う展開が続き、終盤は両者のパンチの打ち合いが見られた。僕は宿波が勝ったと思った…が判定は宿波の1−0でドロー。

第一試合 橋本のオジサン、頑張った!

フェザー級 3分3R
○遠藤 智史(174cm/57.1kg/AJジム)
●橋本 城典(168cm/56.8kg/DEION GYM)
[2R 2分49秒 KO]
※3ダウン

橋本 城典はオープニングファイトによく顔を出すオジサン、37歳。今日は初の本戦なのかな?対戦相手は6戦4勝2分と負けなしの遠藤 智史、僕の中でデビュー戦から「結構いいなぁ」と思っていた選手。実はこの二人は約一年前に試合をしており、結果はドロー。今日は決着戦だ。

試合では身長差(6cm)以上にリーチに優る遠藤 智史が試合をリード、それだけ橋本の手足が短いって事か。1R序盤からミドルキックで蹴り続ける遠藤、橋本のオジサンが前に出れば組み付いて打撃を許さない。中盤にはストレートがクリーンヒット、オジサンは一撃でダウン。尚も遠藤はボディへのヒザ蹴りでオジサンを苦しめるも、オジサンもパンチで反撃して意地を見せる。

すると2R、オジサンのパンチが遠藤にクリーンヒットし今度は一撃で遠藤がダウン、思わぬ逆転劇に客席から歓声が沸いたが、立ち上がった遠藤はパンチで猛反撃。オジサンもパンチを返す…も遠藤のストレートがモロに入ってダウン。何とか立ち上がるオジサンが尚も接近を続けてパンチを連打するも、遠藤に距離を離され何度もミドルキックを喰らってしまいパンチ連打からのヒザ蹴りで2度目のダウン。この時点で勝負あり、立ち上がったもののフラフラのオジサンに遠藤がパンチの連打を浴びせて3度目のダウンを奪った。

…う〜ん、勝てなかったかぁ、橋本のオジサン。これでまたオープニングファイト落ちかなぁ、残念。ま、会場は第一試合から打ち合いが見れて盛り上がっているけどね。

第二試合 普段はオープニングファイトで試合をしている二人です

フェザー級 3分3R
○岩切 博史(174cm/56.9kg/月心会)
●水落 洋祐(173cm/56.8kg/はまっこムエタイジム)
[1R 2分15秒 KO]

試合開始直後から威勢よくローキックやワンツーを繰り出して前に出る水落 洋祐、だが岩切 博史もこれに怯まず前に出てワンツーを打ち返す。第一試合から続く打ち合いに客席も盛り上がるが…、ラウンド中盤、岩切のワンツーがハードヒット。グラつく水落、ダメージは大きい。これを見た岩切は更なるパンチのラッシュを浴びせると、ストレートが顔面を打ち抜いた。水落はダウン、立ち上がれず。岩切がパンチで快勝を収めた。

う〜ん、普段はあんまり二人とも印象が残っていないので、これ以上の事が書けないなぁ。

第三試合 バンタム級には那須 儀治という、いい選手がいるんだけどなぁ

バンタム級 3分3R
那須 儀治(163cm/52.6kg/大誠塾)
●手塚 豊(158cm/53.2kg/JMC横浜GYM)
[判定 3−0]
那須は1Rにダウン1、手塚は2Rにダウン2

あんまり見かけない二人による対戦、やはりバンタム級ってカードを組むのが難しいのかねぇ。特に那須 儀治はもう少し知られていいと思うくらいの実力者で、5戦4勝1敗3KOと戦績も上々だ。今日の対戦相手は修斗の新人王トーナメントにも出場している手塚 豊。

試合はバンタム級ながらも迫力ある攻防となった。1R、お互いのローキックが交差する中、手塚はミドルキックを連打し、那須はワンツーで接近する。互角の展開だったがラウンド終了直前、那須のワンツーに対してミドルキックを当てた手塚がストレートをハードヒットさせて那須からダウンを奪う。

だが2R、手塚のローキックにカウンターのストレートを合わせた那須は、更に手塚のパンチにカウンターを合わせてダウンを奪い返す。更には立ち上がった手塚にヒザ蹴りをヒットさせると、右フックで2度目のダウンを奪う。尚も立つ手塚、那須は今度は右フックで手塚の顔面をカットし、得意のパンチラッシュで手塚を追い込むもゴングに逃げられる。

3R、1Rと同じお互いのローキックとパンチが交差する。ラウンド中盤、手塚の右フックがハードヒットし今度は那須が流血。手塚は尚も右フックで攻める…が、那須はワンツーを合わせると組み付いてのヒザ蹴りで反撃。この攻撃が効いて手塚の動きが鈍り…、ここで試合終了。

判定は1Rにはダウンを奪われつつも2Rに2ダウンを奪い、3Rにヒザ蹴りを効かせた那須が3−0で勝利。う〜ん、那須はあんまり見かけない選手なんだけど、僕が見る毎にいい試合をする選手なんだよなぁ。年齢的にはちょっと厳しい部分があるんだけど(31歳)、もう少し見てみたい選手ではあるよなぁ。

第四試合 スネーク、たまには試合してよ

ライト級 3分3R + 延長3分1R
○菅原 勇介(174cm/61.2kg/山木ジム/MA日本ライト級 九位)
●栗原 豊(167cm/60.3kg/光ジム/全日本ライト級 九位)
[判定 3−0]
※栗原は1Rにダウン2

今日はここから「ヒジあり」ルールになるそうだ。ありゃ、前の試合はヒジなしだったのか。で、菅原 勇介のセコンドには「スネーク」加藤 督朗の姿が。う〜ん、加藤は復帰したのはいいけど、全然試合をしてないよなぁ。もっと勇姿を見たいんだが。

1R、お互いのローキックが交差する中、菅原がまずストレートの連打でダウンを奪う。立ち上がった栗原 豊がストレートをハードヒットさせるも怯む事なく菅原がストレートを叩き込み2度目のダウンを奪う。そのままラウンド終了までパンチとローキックを浴びせまくった菅原だが、2Rになると一転し防御中心となる。怪我したのかな?栗原はパンチとローキックで攻めるも、菅原はこれらをガード、スウェー、ダッキングを駆使してのらりくらりと避けていく。そして菅原がローキックを放てば、ラウンド中盤、栗原がグラつく場面もあった。効いている様子。3Rも同じ展開、栗原のラッシュを菅原がガードとスウェーで防御しミドルキックを連打。この後も栗原のパンチをスウェーやダッキングで巧みにかわした菅原が判定3−0で勝利。

第五試合 あんまり知らない選手なのでダイジェストで

全日本スーパーウェルター級王座決定トーナメント リザーブマッチ
3分3R + 延長3分1R
○藤元 洋次(180cm/69.5kg/NSG)
●HIDETO(173cm/69.8kg/山木ジム)
[判定 3−0]
※HIDETOは3Rにダウン1

ここからは全日本スーパーウェルター級王座決定トーナメント…なのだが、まずはリザーブマッチの第一試合。あんまり知らない僕の知らない両者の対戦は、申し訳ないがダイジェストで。

1RはHIDETOがローキックとミドルキックで試合をリード、藤元 洋次は当たらない裏拳を放つばかりでロクな反撃ができない。だが2Rからは心を入れ替えた藤元がストレートと首相撲からのヒザ蹴りをコツコツ当て始める。HIDETOは1Rと同じ戦法で対抗するも旗色が悪い。3R、もはや試合は藤元ペース。特に首相撲からのヒザ蹴りは有効打になっていた。藤元は試合終了直前にHIDETOにパンチのラッシュを浴びせ、首相撲からのヒザ蹴りだダウンを奪った。このダウンがなくても判定は3−0で藤元が勝っていただろう。

第六試合 佐藤 皓彦の名前は覚えておいて損はないでしょう

全日本スーパーウェルター級王座決定トーナメント リザーブマッチ
3分3R + 延長3分1R
○佐藤 皓彦(182cm/69.4kg/JMC横浜GYM)
●小宮 隆司(177cm/67.5kg/TEAM-1)
[判定 3−0]

リザーブマッチの第二試合は、体格に恵まれている佐藤 皓彦が登場。182cmという身長の上、この人の場合足が長い。当然ながら得意技はミドルキック、戦績は6戦4勝2敗2KOと上々。しかもこの2敗は「一発による逆転負け(vs 箱崎 雄三)」と「接戦の中での苦敗(vs 中園 貴宏)」で、決して内容的に押されていた訳ではない。今年中には全日本キックのランカーとして入ってくると思われる佐藤、対戦相手はスタミナに難のある小宮 隆司。

この試合は展開が単調だったのでダイジェストで。1R、お互いに距離を取っての静かな打ち合いが続く。小宮はミドルキックとローキック、佐藤はワンツーとミドルキック。手数の上では佐藤が上か。2Rからは佐藤が組み付いてのヒザ蹴りでペースを掴む。長い足から繰り出されるヒザ蹴りはなかなか強烈、小宮は捌けずに苦戦。3Rも佐藤が組み付いてのヒザ蹴りを多用、連打を前に小宮は成す術なし。

試合は判定へと移り、3−0で佐藤が勝利した。う〜ん、今日みたいな試合ができるのから、ズバリいって佐藤はトーナメント本戦を勝ち残れるレベルにあるように感じた。4人のリザーバーの中では実力は頭一つ抜けていると思う。正直、本戦に伊藤 崇文が出すのであれば、この人を出した方が良かったんじゃないかな?

第七試合 「PANCRASE ismの道場長」、リーチ差に散る

全日本スーパーウェルター級王座決定トーナメント一回戦
3分3R + 延長3分1R
○白川 裕規(183cm/69.8kg/S.V.G./全日本ミドル級 七位)
●伊藤 崇文(176cm/69.8kg/PANCRASE ism)
[2R 32秒 KO]
※右ストレート

PANCRASE ismの道場長」として全日本キックのリングに上がり続ける伊藤 崇文…だが、今日は結果を先に書くなら「惨敗」だった。ここまで「惨敗」したのはキックでは初めてだ。

今日の伊藤、身長で7cm負けている関係上、「ヒット&アウェイ」で攻めようとしていたと思われるのだが…、対戦相手の白川 裕規が問答無用に距離を詰めてきたのは誤算だったのではないか?そして、それ以上に白川は伊藤を素人扱いしていた、ナメまくり。白川は全く臆する事なくガンガン前に出てワンツー、離ればミドルキックとローキック。間合いの外から次々に繰り出される打撃を前に、伊藤は手も足も出ない状態。

「動くサンドバック」と化した伊藤、1Rにストレートであっさりとダウンを奪われる。このラウンドは凌いだものの…。2R、玉砕覚悟の打ち合いの中で右ストレートを貰ってKO負け。

いや〜伊藤、本当に何もできなかったなぁ。 懐に飛び込もうにもパンチで邪魔されて潜れず、中間距離からローキックを放てば一気に距離を詰められてパンチをもらってしまう、という。キック修行中の伊藤に秘策がある訳でもなく…まさに「成す術なし」。やっぱりこのトーナメントに出る事自体が「無理」だったんじゃないかなぁ。あとは、今日の会場に白川応援団が大量に押し掛けていたから全く声援が集まらなかったのも敗因かね。

第八試合 好勝負に水を差した結末、だが悪いのは二人ではない

全日本スーパーウェルター級王座決定トーナメント一回戦
3分3R + 延長3分1R
○吉武 龍太郎(175cm/69.6kg/アイアンアックス/全日本ミドル級 五位)
●望月 竜介(178cm/69.8kg/U.W.F.スネークピットジャパン/2003 R.I.S.E. DoAトーナメント準優勝)
[延長R 33秒 TKO]
※望月が額をカット
※本戦判定 1−0

吉武 龍太郎は2004年の新空手全日本中量級の王者。K-1 WORLD MAX 日本トーナメントを準優勝したTATSUJIも所属するアイアンアックスの所属で、パンチの連打を得意とする選手だ。対する望月 竜介は2003年のR.I.S.E. DoAトーナメントの準優勝者。両者共に実績を残している実力者、これはなかなかの好カードだな。

1R、ローキックをガンガン蹴りまくり、間にワンツーを挟む望月に対し、吉武はワンツーでバンバン前に出て、時折ローキックを繰り出していく。ガンガンやりあう両者、手数やダメージ性は共に五分五分。2Rも同じような展開、望月はこの攻防に組み付いてのヒザ蹴りをプラスした…が、やはり両者に差が生まれない。

しかし3R、突然のアクシデントが。バッティングが発生し望月が流血。これを見た吉武、ここまでのラウンド以上にワンツーで前に出るようになる。望月も要所要所で吉武にストレートを当てて出足を止めるも、ラウンド終盤には流血が激しくなった為か押される場面が多くなる。それでも最後は打ち合いに応じる望月、意地を見せた。

判定。僕は3Rの攻勢が決め手になって吉武の勝ちかな…と思っていたら、判定は吉武の1−0で2ポイント差がつかず。

だが延長Rはあっさりと終わってしまう。序盤から両者のパンチが交差する激しい展開だったが、望月の流血が止まらないのだ。ドクターチェックが入り、レフリーが両手を振った。う〜ん、なかなかいい試合だっただけに残念な結果だな、望月も悔しそうだ。バッティングが勝敗を分けたとなると尚更だな。

雑感

狭い会場で程よくKOが出たので盛り上がった。新しい会場での興行としては、次もGOサインが出せるだけの出来だと思う。

今日は選手の印象をば。まずは第六試合の佐藤 皓彦。面構えを含めて前々からいい選手だと思っていたが、今日は選手としてのレベルの高さも見せたと思う。続いてはお目当ての第八試合の吉武 龍太郎。パンチ自体は良かったのだが、もう少し重さがあればワンランク上に行けると思う。トーナメント以外では、第三試合の那須 儀治が良かった。もっともこの人の試合にハズレはないんだけどね。

おまけ

帰りはもうやんでカレーを食った。もうやんはボンディ系のカレーでルーがフルーティー。大盛りがご飯が500gもあるので軽い気持ちで注文すると大苦戦する事になる。辛さは20段階で調整可能だけど、間違っても10なんて頼まない事。5でも充分に辛口。食っとけ。


もうやんカレー
http://home.att.ne.jp/sea/moyancurry/


以上、長文失礼。