2/9 SB 後楽園ホール興行 観戦記

今日はエース級選手の試合より、中堅層の試合が楽しみ

今日は後楽園ホールシュートボクシング(以下、SB)を観戦。

今日の興行は「SB vs 総合格闘技軍団」がコンセプトなのだが、正直このアングルには全く興味がない。いかにSBが「立ち技VT」という異名を持っていても、当然ながら総合格闘技とは別物の格闘技。勝手のわからない総合格闘技系の選手は、SBルールの中でムリに投げを狙いすぎて体力がなくなったり、打撃に全く反応できずに自滅していったり…というパターンが多い為、本当に期待ができない。…とは言え、稀にではあるが海外からとんでもない強豪を発掘する事もあるSB、この総合格闘技軍団も意外と強豪だったりして。

これとは反対に充実しているのが、第三試合〜第六試合に組まれた「中堅層の潰し合い」。特に第六試合の「大野 崇 vs 菊地 浩一」は、お互いに崖っぷちに立たされての潰し合い。負けた方はしばらく上昇の芽が出てこないんじゃないか?と思わせるこの一戦、僕としては大注目である。

尚、チケット代は立見席を購入、3500円。パンフレットは1000円。観客は最終的に約7割の入り。最近のSBはちょっと観客動員に苦戦しているな。会場内では、今時珍しいレーザー光線を使っての演出が行われていた。後半の試合では入場選手の名前を南側の壁に映し出して観客の感情を煽る。いいねぇ、こういうの。UWFを思い出すよ。

第一試合(未観戦)

フレッシュマンクラスルール 57kg契約 3分3R
○センカン 大和(湘南ジム)
●岩崎 晃久(大村ジム)
[1R 2分22秒 TKO]
※3ダウンによる

観てないものは語れない、というか。

第二試合 SBの前座はバテやすい

フレッシュマンクラスルール ヘビー級 3分3R
○西脇 恵一(チームドラゴン)
●岩下 雅大(龍生塾)
[判定 3−0]

この試合の3Rから観戦。この時、既に両者バテバテの殴り合い状態。典型的なSBの前座試合。で、このラウンドを優位に進めていたのは岩下だったが…、判定では西脇が勝利。ま、前半は西脇が攻めていたんだろう。何にせよ、このラウンドだけでは語れない。

第三試合 SB軽量級次世代エース対決

エキスパートクラス特別ルール 59kg契約 3分3R
○ナグランチューンマーサ M16(166cm/58.85kg/龍生塾/SB日本スーパーフェザー級 三位)
●歌川 暁文(169cm/58.85kg/U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級 二位)
[判定 3−0]
※歌川は1Rに1ダウン、ローブローによる減点1あり

この試合はSBの次世代を担う軽量級のホープ同士による対決。SB日本スーパーフェザー級王者 及川 知浩の実弟、ナグランチューンマーサ M16(以下、ナグラ)はパンチが得意。歌川 暁文は下がりながら左ミドルキックを放つのが自分のスタイル、調子が良い時はジャーマン スープレックスを放つ事もある。ちなみに入場曲は「アバレンジャー」のテーマ。

1R、ナグラは積極的に歌川 暁文に接近、パンチを連打。歌川は下がりならがローキックを放つもガンガン近づいてくるナグラを捌ききれない。ラウンド序盤からナグラのストレートやボディブローが次々にヒット、歌川ちょっと効いたか?更にはラウンド終盤にナグラのワンツーが次々にヒット、最後はストレートで歌川がダウン。歌川、ここまでは自分の試合が全くできていない。

2R、歌川が放ったローキックがローブローとなり減点1。こうなってしまっては「勝つには相手をKOするしかない」状態の歌川。中盤からは得意の「下がりながらの蹴り」から戦略を一転、打ち合いに応じるようになる。「打ち合いは望むところ」とナグラもパンチを放つ…が、ここで主導権を握ったのは歌川。2R終盤にはワンツー、左ストレートをヒットさせた。これはナグラ、ちょっと効いたか?

3R、歌川は得意の左ミドルキックを連続でヒットさせると、ややスタミナを失いつつも要所要所で打撃を打ち込む。中盤には右ストレートを叩き込み、終盤は右ストレート、アッパー、ヒザ蹴り、ミドルキックと単発ながらも次々にヒットさせる。対するナグラ、序盤こそヒジを入れたり首投げを放ったりして応戦したが、終盤は歌川の攻勢を前に手数が減っていた。明らかにガス欠。

…が、やはりダウンと減点による失点は大きく、判定は3−0でナグラが勝利。ナグラは前々から「そこそこ強いなぁ」思っていたが、歌川を下すとは思わなかった。反対に歌川、今日は得意の中距離を保てなかったのが痛かったか?

第四試合 じわじわと上がってきた「R.I.S.E.からの刺客」

エキスパートクラス特別ルール 68kg契約 3分3R
○尾崎 圭司(169cm/67.8kg/チームドラゴン)
●関本 宏(170cm/66.9kg/寝屋川ジム/SB日本スーパーウェルター級四位)
[判定 3−0]
※尾崎は3Rに、後方への投げでシュートポイント2を獲得

「宍戸 大樹と闘うため」にR.I.S.Eからやってきた刺客、尾崎 圭司。この選手、正直その知名度(失礼!)と比べてかなり強い。宍戸と死闘を繰り広げた裕樹は2RにTKOで下した後、宍戸に挑戦状を叩き付けた尾崎。昨年12月にはMA日本暫定ウェルター級王者の水野 浩を2Rに…バックブロー、パンチのラッシュ、そして上段後ろ回し蹴りで3ダウンを奪いTKO勝利。テコンドー仕込みの回転する打撃でここまで11戦10勝1敗4KO、戦績は文句なし。念願の宍戸戦を実現させる為にはこんなところでは負けられない。

1R、37歳のベテラン 関本 宏はしつこいまでのローキックで尾崎を崩そうとする。これに付き合った尾崎もローキックを連打。時折お互いのワンツーが交差、裏拳やソバットも混じる。両者の打撃には勢いがあり、試合は我慢比べの様相を呈してきた。

が、2R。やはりローキックを中心とした攻防は続いたが、先に効いたのは関本の方だった。動きが鈍ってきた関本を尾崎はワンツーで攻め込む。終盤、関本の裏拳がヒットするも焼け石に水、尾崎はどんどん前に出て関本に強烈なパンチを打ち込む。

3R、尾崎の勢いが止まらない。もはや反撃もままならない関本にワンツーをバシバシ打ち込むと…、おもむろにバックに回り超高速のジャーマン スープレックス!観客が騒然とする中、「後方への投げ」によりシュートポイント2を獲得した尾崎は、後ろ回し蹴り、ワンツー〜ローキック、アッパーと最後まで攻撃を手を緩めずに攻め続けた。

判定は3−0で尾崎が勝利。いやいや…、前から尾崎が強いのは知っていた。パンチには破壊力があるし、決め技として回転系の打撃も持っている。しかし今日は…、まさかジャーマン スープレックスが飛び出すとは。また一つ宍戸戦へと確実に近づいた尾崎。実現の舞台はS-CUPかっ!?

第五試合 ドロドロトンコツファイター、SBルールに泣く

エキスパートクラス特別ルール 59kg契約 3分3R
○石川 剛司(170cm/58.85kg/シーザージム/SB日本フェザー級 一位)
●KAWASAKI(170cm/58.8kg/リアルディール/IKUSA GP-U60 2005 三位)
[判定 3−0]
※石川は1Rと2Rに、前方への投げでそれぞれ1ポイントを獲得

KAWASAKIと言えば昨年のIKUSA GP-U60の一回戦にて、第三試合に出場した歌川 暁文を相手に一貫したストレート連打で攻め続けて勝利。自ら"ドロドロトンコツスタイル"と名付けているこのスタイルで、同トーナメントの準決勝では全日本キックの山本 真弘を相手に、敗れたものの互角の打ち合いを演じた。今日の相手はSBフェザー級のダーティーエース 石川 剛司。得意の"ドロドロトンコツスタイル"は発揮できるか?

…と威勢よく書いたはいいが、タイトルにもある通り今日のKAWASAKIはSBルールに泣いた。1Rは石川は打撃では圧力のあるパンチで攻め、KAWASAKIが近づけば首投げで投げ捨てる…という事を繰り返した。中盤にはシュートポイント1を獲得、KAWASAKIはフロントチョークで反撃するも石川は引き込んでブレイクを誘う。

2R、KAWASAKIがいよいよドロドロトンコツファイトを仕掛けると、序盤はこれに応戦しワンツースリーとパンチをヒットさせた石川も、KAWASAKIのストレートがヒットしてからは失速。バテ気味の石川、ここからは積極的にKAWASAKIに組み付く…のだが、これが曲者。ご承知の通り、SBルールでは組み付いてからの投げが認められている。これはつまりクリンチ狙いで積極的に組み付く事が反則にならない、という事でもあるのだ。こうしてKAWASAKIのいいところをルールで潰した石川、終盤に首投げでシュートポイント1を獲得。

3R、すっかりペースを乱されたKAWASAKI、2Rのダメージが残ってバテバテの石川に対して頑固にドロドロトンコツファイトを仕掛ける…も、石川にタックルを連発されて逃げられ続ける。それでも終盤はワンツーをヒットさせたりフロントチョークを仕掛けたりで攻勢となる…が、時は既に遅し。

試合は判定となり、シュートポイントを奪っていた石川が3−0で勝利。石川はいつもの「何気なく反則」は今日はなし。良い事だ…が、今回も課題であるスタミナ不足を露呈した印象。これからはフェザー級のエースとして他団体での試合とかもあるのかもしれないが、今のままでは勝てないだろうなぁ…。

第六試合 SB中量級次世代エース、敗れる

エキスパートクラス 70kg契約 3分5R
○大野 崇(180cm/70.15kg/正道会館/ISKA世界ミドル級 王者)
●菊地 浩一(175cm/70.05kg/寝屋川ジム/SB日本ウェルター級 一位)
[4R 1分45秒 KO]
※顔面へのヒザ蹴り

SB中量級の次世代のエース 菊地 浩一(15戦13勝2敗11KO)と、正道会館の大野 崇の対戦。昨年の菊池は宍戸 大樹との次世代エース対決で初黒星。その後、地元の大阪では伏兵 龍二を相手にまさかの敗戦、一気にスランプに陥る。対する大野、SBでは宍戸や土井 広之といった日本人エースと対戦、いずれも敗れている。両者共に実力は認められていながら白星に恵まれない者同士、この一戦は大事な試合となるだろう。

試合では1Rから菊地がしつこくしつこく左ローキックを放ち続ける。大野もローキックで対抗するも押され気味、崩れたところに菊池がワンツーをヒットさせてリードをとる。2Rも同じ戦法で大野を攻める菊池、中盤からはスタミナを失いガードが甘くなる大野に対して何度もワンツーを叩き込む。なんどもグラつき棒立ち状態になる大野だが、ダウンは喫しない。

3R、やはりローキックを放ち続ける菊池…だが、バテ気味の大野がこれに合わせて丁寧に左ストレートを入れ始める。セコンドの入れ知恵と思われるがこの作戦が見事にはまった。菊池はこのカウンターを捌く事ができずに次々に喰らってしまい大苦戦。徐々に大野の打撃の手数が増え始めた、ローキックとストレートで攻める大野。菊池は先程までの元気が一転、疲れが見え始めたがローキックを放つ事はやめない。

4R、観客の歓声の中でバテ気味の二人がワンツーとローキックの打ち合いを展開。お世辞にも力が入っているとは言えない打撃がドロドロに交差、「これは我慢比べになるか?」という流れの中、大野の左ストレートがクリーンヒット。怯む菊池、大野はこれを掴まえて顔面へヒザ蹴り一閃。モロに顔面に喰らった菊池は一撃でダウン、立つ気配なし。思わぬ一発で勝利を手にした大野を、武蔵を始めとした正道会館応援団が祝福。

う〜ん菊池、前半は押していて「勝利も時間の問題か?」と思わせていただけに、こういう負け方をしてしまうのは本当に痛いな。後でTVでこの試合を観ていたニゴウ氏(高倉仮面のキック観戦仲間)も「なんだって、あんなにカウンター喰らうんでしょ?」と、その負け方を情けなく感じていた。今回の敗北は菊池の貯金(DoAトーナメント優勝、等)を減らしてしまった印象。エースとしての素質は充分なのだから再起を期待したいところだ。

アンディ サワーの挨拶

休憩後、来日していたアンディ サワーがリング上で挨拶。

「(日本語で)コンバンワ。僕は次のK-1 MAXに出場する事が決まりました。ベストを尽くします。S-CUPでもK-1 MAXでも優勝しますので、皆さんのサポートをお願いします」

シーザー会長の挨拶

「♪シィ〜ザァ〜、シィ〜ザァ〜」とお馴染みの曲が流れ、シュートボクシング創始・シーザー武士会長がリングイン、挨拶を行った。

「今年初のSBの興行となりましたが…。
 本当にお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございますっ!(観客歓声)

 昨年は皆さんのお陰で二十周年を迎える事ができました。
 今年は若い奴らと力を合わせて、全力で恩返しをしたいと思います。
 私は格闘技で人生を学びました。
 そんな格闘技界に、お金は残せなくても人材は残していきたいと思います(観客拍手)。

〜 (中略) 〜

 あと…今年はS-CUPを11月3日、両国国技館で開催する事が決定しましたっ!(観客歓声)」

おおっ!? 両国で開催とは大きくでたなぁ。…大丈夫かなぁ、満員になるかなぁ。

この後、漫画『ミナミの帝王』の原作者 天王寺 大氏が登場。シーザー会長が出演する『ミナミの帝王』のVシネマの宣伝を行った。天王寺氏曰く「萬田 銀次郎はシーザー会長に鍛えられて強くなりました」との事。相変わらずシーザー会長の人脈は濃いねぇ。

第七試合 中止

エキスパートクラス 70kg契約 3分5R
−緒形 健一(シーザージム/SB日本Sウェルター級 王者)
−ジョニー エドゥアウド(ブラジル/ボクセタイ チーム ミノタウロ)
[試合中止]

緒形 健一の対戦相手であったジョニー エドゥアウド、計量の後で倒れてしまい病院に運ばれたそうな。診断の結果は「意識消失発作」、試合出場不能と判断された為に第七試合は中止になった。試合が浮いてしまった緒形はサワーとエキシビジョンマッチを行う事に。機転の利いた演出に観客も歓声を揚げる。

試合についてはエキシビジョン故に省略とするが、観客からは「本気で潰しに行けっ!!」だの「倒せっ!!倒せっ!!」だのとムチャな声援が飛び交っていた。最後は緒形のワンツースリーのコンビネーションを喰らったサワーがゴロリとダウンするサービス、観客からは笑いと拍手が起きていた。

マイクを持った緒形は「言葉が見つからないのですが…、本日は試合ができずに申し訳ありません。この悔しさはS-CUPにぶつけますっ! それまでは絶対に負けませんっ! 次にサワーと闘う時は必ず倒しますっ!」と宣言、観客からは歓声が起きた。

第八試合 まあ予想通り、というか

エキスパートクラス 70kg契約 3分5R
○土井 広之(172cm/69.8kg/シーザージム/前SB世界ウェルター級 王者)
●ダスティン ジョンソン(172cm/69.8kg/アメリカ/チーム ブードゥー)
[1R 1分44秒 KO]
※左ローキック

ジェームス ブラウンの「リビング イン アメリカ」に乗って土井 広之が入場。S-CUP2002での負傷以来、「キラーロー」の破壊力が落ちてしまった感のある土井ではあるが、昨年9月には大野 崇をキラーローの連打で痛めつけて判定で下し、11月にはムエタイ戦士をキラーローで破壊。ここにきて上昇気流に乗っている土井、今日の対戦相手は18戦17勝1敗11KOと戦績自体は上々のダスティン ジョンソン…。

なのだがこのジョンソン、パンフレットを見る限り「第一回ZST GP準優勝のリッチ クレメンティが…」とか「UFCライト級王者のイーブス エドワースとも…」だの、どうにも総合格闘技の選手の名前がちらつく。「ひょっとしてこの戦績も総合格闘技での戦績か?総合の選手はSBでは水が合わずに自滅していく選手が多いんだよなぁ…」と思っていたら、やっぱり予感は的中。

開始直後に放ったハイキックのスピードこそ速かったジョンソンだったが、あっという間に土井のキラーローに捕まった。露骨に足を引きずるジョンソン、土井は首投げでシュートポイントを獲得し、キラーローをガンガン叩き込んで次々にダウンを奪う。一回目は立ち上がったジョンソンだったが二回目はダメ。こうして土井は全く労する事なく勝利を手にした。

う〜ん、ダニエル ドーソンを始めとしたオーストラリア勢の人脈を失ったSBは外国人の発掘に苦労しているよなぁ。サワー以外にももう一人くらいは強い外国人が欲しいねぇ。ま、サワーは中々SB本戦に出場できない存在になったから、やっぱり二人は欲しいかなぁ…。

第九試合 SB新エースの「死角」

エキスパートクラス 70kg契約 3分5R
○宍戸 大樹(シーザージム/SB日本ウェルター級 王者 S-cup 2004準優勝)
アンドレイ ジダ(ブラジル/シュートボクセ アカデミー)
[判定 3−0]
※宍戸は4Rに、前方への投げで1ポイントを獲得

すっかりSBの新エースとして定着した宍戸 大樹、昨年はオーレ ローセン、菊池 浩一、大野 崇、イム チビン、バダムガラフ バルジンニカムと、外に内にと強豪を撃破し続けた。今日の相手はシュート ボクセからの刺客 アンドレイ ジダ。…また総合格闘技系の選手か。SBに出場する総合格闘技系の選手は今一つ信用ならない、というか。

で、試合。1Rからフルスイングで打撃を放つジダ。フックやボディブローをブンブン振り回し、ソバットも放つ。宍戸はこれらをガードしつつローキックをコツコツと当てていく。で、2Rにはジダはガス欠、見る見るうちに動きが落ちる。宍戸は変わらずローキックをコツコツ、これが効いてきたジダは後ろを向いたりで既に弱気の虫が鳴いている状態。

3R、もはや宍戸のペース。ローキックをガンガン放ちつつ蟹ばさみを披露する等で余裕の展開。ジダは宍戸に組み付いて難を逃れるのが精一杯。4R、逃げ回るジダに宍戸はローキックを打ち込んでいき、中盤には首投げでシュートポイント1を奪う。


だが、観客にはこの頃からある思いが浮かんでいた。
「宍戸、倒してくれ!」


いいだけローキックを当て続けながらもジダからダウンを奪えない宍戸。思えばオーレ ローセンを倒したハイキックも、イム チビンをダウンさせた打撃も、「乱戦」の中から生まれたものだった。「前に出てくる相手」はキッチリ倒せる宍戸だが、このように「下がり続ける相手」にトドメの一発を入れるのは苦手としているのではないだろうか?

ともあれ5R、なにがなんでも倒したい宍戸はローキックをベースにミドルキック、ヒザ蹴り、ソバット、裏拳とあらゆる打撃を繰り出す…も、ジダはフラフラになりながらものらりくらりと逃げ回り続け…、やがて鳴らされた試合終了のゴング。観客から拍手と溜息が同時に発生する。

判定は3−0で宍戸が勝利。マイクを持った宍戸は「今年初めての興行のメインなのに…こんな結果になってしまってスイマセン。次はもっと進化した姿を見せてKOで勝ちますっ!!」と宣言。う〜ん、今日は是非倒して欲しかったんだが…残念。何となく今日の宍戸は、倒すことに焦ってしまい何をしていいのかわからなくなってしまったように見えた。思えば宍戸は「何でもできる選手」、悪く言えば「器用貧乏」な選手なのだ。今日みたいな展開では「コレ」という決め技があれば自信を持って倒せたと思うんだが…。こりゃ、今後の課題かな?

雑感

正直、今一つでしたねぇ。SBらしい「観客の一体感」が出なかったのが原因かな?ぶっちゃけ、外国人はもっと強豪を呼んで欲しいところですね。
注目していた中盤戦ですが…、菊地は今日の敗戦はつくづく痛い。ここは早い段階での再起を期待したいところですが、どうなる事やら。あとは「R.I.S.E.からの刺客」尾崎の存在が不気味ですね、前座扱いでは収まらないところまで来てしまった印象があります。宍戸との対決はいつになるのかっ!?


以上、長文失礼。