2/7 dragon door 後楽園ホール興行 観戦記

今日はミーハー、ミラノ様〜!

たまたま時間が空いたので、後楽園ホールでちょっと興味のあったdragondoorを観戦。チケット代は4000円、今日のカードでこのチケット代はやや高いな。パンフレットは1000円、結構綺麗に作っていて好印象です。

さて今日のdragondoorは「Return of the Hexagon!」と題して懐かしのT2Pを復活させる。まぁ、このイベントの中心的存在である悪冠一色の面々、その前身はイタリアン コネクションやロイヤル ブラザーズといったT2Pのキャラ六角形のリングが復活するのは必然ですな。

そしてT2Pといえば、なんといってもこの人。今日の興行には待望のミラノ コレクションA.T.がついに参戦、元々は同じイタコネのメンバーだった悪冠一色と6人タッグで対戦。う〜ん、このカードは楽しみ。…というか、このカード以外のカードは知らないんだけどさ。「とにかくミラノ vs 悪冠一色が観たい!」と思ったのが今日の観戦の動機。う〜ん、我ながらミーハーだなぁ。

観客は満員。よく入っているね。客層はDRAGON GATEと微妙にかぶっているよな、そうでないような。

ルール

基本的にはプロレスだけど、試合にロストポイント制を採用しているのがミソ。
持ち点は5点。ロープエスケープをしたり反則を犯すと減点1。UWFみたいだ。

第一試合 ジャベはいかが?

シングルマッチ 20分一本勝負
○ホルヘ・リベラ(168cm/83kg/メキシコ)
●ミラニート・コレクションa.t.(162cm/60kg)
[9分1秒 プラセンタ]

日本のレスリングにはない動きをする両者の攻防は、文章に起こしても想像がつかないと思われる。そんな中、ベテランのリベラが次々にメキシコの複合関節技「ジャベ」を展開。
不思議な動きからコブラ ツイスト、ストラングル ホールドγ、横入り式の四の字固めを極めるリベラ、ミラニートはしのぐのが精一杯、持ち点も次々に減っていく。追い込まれたミラニートが猛反撃に転じるも、これをリベラが巧く丸め込み3カウントを奪った。

ロストポイント制のおかげでプロレスの「関節技の攻防」がいつも以上に見応えがある。技術的には対極にあるハズなのに、試合の文脈が往年のUWFになっているのが面白い。「藤原 喜明 vs 若手選手」みたいな感じだな。

ただ、会場の反応は今一つ。試合内容が第一試合としてはあまりにも通好みな展開だからだろう。UWFと比べるのであれば、ミラニートからもっと気迫や若さが出ていれば良かったように思う。

第二試合 プロレスはいつの時代もオカマのウケがいい

タッグマッチ 30分一本勝負
 Gamma(170cm/92kg/フリー)
景虎(170cm/90kg/STONED)
vs
 マクシモ(170cm/80kg/メキシコ)
●清水基嗣(170cm/72kg)
[12分46秒 片エビ固め]
一騎当千

オカマキャラのマクシモがいい男に囲まれて、さあ誰に照準を絞るのか…と注目されたが、今宵のターゲットはGamma。ヒップアタックを中心に構成された技の数々、お約束のオカマムーブ。これにGammaがよく付き合い、会場は大きな笑いに包まれた。意外に器用だなGamma。だが試合の中では、実は清水基嗣の復帰戦である事を強調しようとしていたように思う。それをやるには「マクシモ vs Gamma」は濃すぎたなぁ、というか。

個人的に目が留まったのは景虎。小さい身体ながらも活きがよくて動きも大胆。容赦のない顔面への低空ドロップキックや、相手を肩に担いでからのフェースバスター。最後も丸め込みで粘る清水を一騎当千で頭から落としてピンフォール。お笑いに走りがちなこの試合を一人で締めていたように思う。もう少しじっくりと観戦したい選手だな。

そりゃそうと、試合内容が普通のプロレスになってしまっていたのは残念。折角のT2Pなんだからもっとジャベを見せて欲しい、というか。

第三試合 闘龍門Xとは何だったのか?

タッグマッチ 30分一本勝負
佐藤秀(元しゃちほこマシーン3号/169cm/73kg)
 佐藤恵(元しゃちほこマシーン4号/168cm/70kg)
vs
石森太二(163cm/70kg)
 リトル・ドラゴン(165cm/65kg)
[11分18秒 体固め]
※乱入した景虎一騎当千で石森をKOし、上に佐藤秀を被せた

…う〜ん、ハッキリいって「寒い」と思ったなぁ、この試合は。滅多にこんな事を書かない僕でも、これはズバッと書いてしまえるくらいに「寒い」。

この試合に出場した全員に言えるのだが、とにかく技が軽い(軽快なのではなく軽い)上に存在感がない。ヒール役を買った佐藤兄弟の観客の煽り方も全然ヘタクソ、リトル・ドラゴンは売りの飛び技でミスを犯す。本当に全体的に見ちゃいられなかった、というのが正直なところ。景虎乱入のオチも「何だかなぁ」って感じ。この試合は四人に落とし前をつけるべきだった。

「デカくて1000円」という単語もあるが、彼らの場合は体が小さい事がそのまま致命傷になっている。かといって「大きく見せよう」という動きも見当たらない。レスラーとして何がしたいのかわからない。ならばせめて、体をつくってこい、技をもっと磨いて来い、アピールをもっと洗練して来い、と。「もっとジャベを見せろ!」とか、それ以前の問題、というか。

佐藤兄弟が最後に「俺たち佐藤兄弟は浅井嘉浩の失敗作だ!」と叫んでいた。妙にしみじみしてしまった。

dragondoorとlivedoorの関係は?

休憩前にlivedoor sportsのマネージャー、小島克典氏が登場、
livedoor的には色々あったが、これからもdragondoorをバックアップする事を約束。
大丈夫かね?livedoorもdragondoorも。

第四試合 黄色と黒は勇気のしるし

シングルマッチ 45分一本勝負
川田利明(183cm/105kg)
大鷲透(180cm/120kg/元悪冠一色)
[16分38秒 片エビ固め]
※顔面ローキック

闘龍門の中では最巨漢のパワーファイター 大鷲透も、元全日本の四天王 川田利明の前では苦闘の連続。チョップやキックでヘロヘロするばかりで反撃に出れない大鷲。露骨に技の引き出しの差が出てしまった。大鷲の動きで驚いたのはプランチャくらいかな?身体は大きいんだから、もっと強気でいればいいのに。

最後は川田が垂直落下式のブレンバスターから倒れた大鷲の顔面にローキック。試合後に川田は健闘を称えていたが、個人的には皮肉に聞こえてしまった。試合自体が苦闘…に見せかけた圧勝劇だったしねぇ。

第五試合 この一試合が全て

6人タッグマッチ 61分一本勝負
○ミラノ・コレクションA.T.(183cm/92kg)
 IBUSHINO(飯伏 幸太/181cm/75kg/DDT)
 ベルリネッタ・ボクサー(高木 "JET" 省吾/173cm/82kg/元悪冠一色)
vs

近藤修司(173cm/103kg/元悪冠一色)
●"brother" YASSHI(173cm/80kg/元悪冠一色)
 菅原拓也(178cm/93kg/元悪冠一色)
[27分1秒 片エビ固め]
※IRⅡ

さすがに役者が揃ったメインは、安心して楽しめた。試合も長めだし、今日はこの試合で一気に元がとれた、というか。

普段はあまり見ない高木 "JET" 省吾、いやベルリネッタ・ボクサーの小ネタが結構面白かった。近藤を怖がるあまり、ちょっと出てきただけでロープを掴んでしまい持ち点を失点したり、合体攻撃の際、六角形のコーナーを間違えて誰もいないところへ走っていったり。なんかマスク越しにオロオロしている表情が観ている側にも伝わる、というか。

飯伏幸太、いやIBUSHINOは白いコスチュームで登場。厳しいキックを連発、長身から放たれるムーンサルト プレスやフェニックス スプラッシュは華麗の一言。それにしてもやっている事はいつもの飯伏だが、ミラノのパートナーとして全く違和感がない。また機会があればタッグを組んで欲しい。女性ファンにはそれを望んでいる人も多いはず。

対する悪漢一色勢は相変わらずの安定した仕事ぶり。受け身をバンバンとりまくるYASSHI、小さい身体なのに本当にパワーがある近藤修司、要所要所で巧くヒールの味を出す菅原拓也。この辺の事は今更、書く必要もない、というか。…いや手抜きではない(苦笑)。そんな中、近藤 修司が珍しくキングコング ロックを使っていたのが印象に残った。

で、肝心要のミラノ コレクションA.T.。序盤はvs YASSHIとじっくりと腕の取り合いを展開。得意技としてはエンポリオ アルマニッシュ、パラダイス ロック、三角絞め、ATロックなんかが出ていた。試合後、本人はにかなり自分にダメ出ししていたが、個人的にはあまりそういうところは感じなかった。その抜群の存在感がこまかいミスを打ち消していたと思う。何をしても絵になる…というか。

最後は主役のミラノがYASSHIにシャイニング 延髄斬りを決めた後、両腕を極めてのフェースバスター「IRⅡ」でピンフォールを奪った。

試合後、近藤がマイクを持ってアピール…するのだが、そこにはいたのはヒールの近藤ではなく、同期に熱いエールを送る素顔の近藤がいた。

「ミラノ…、お帰り(観客拍手)。今日の試合は…、100点中、10点だな。でもよ、俺とお前でシングルやったら、それが100点になるんじゃねーのか。(観客歓声)今度、俺とやる時はベルト懸けてやってもいいからよ。その代わり、条件がある。お前もどこの団体でもいいからベルト持てよ。(観客歓声)」

う〜ん熱い、熱いなぁ。いつもと違う近藤もいい感じだな。今日はもう少しこの二人の直接対決が観たかったけど、いつか行われるであろうシングル戦は楽しみだ。いつの日になるかはわからないが、ミラノが自分が納得する形で帰国したならすぐにカードを組んで欲しい。

全興行終了後の「ウルティモ劇場」

全試合後、ミラノに誘われてウルティモ・ドラゴンが登場。そのドラゴンは、元WWEのタジリとケンゾーの2名を呼び込む。会場が華やぐ中、彼等は次回4月のウルティモ興行に参戦する事を約束。しかし悪漢一色は「もっと後輩達に活躍の場を与えたい」と、ウルティモ興行には不参加を表明。ミラノは再び修行すべくアメリカへ、次はメキシコの闘龍門興行に参戦するようだ。

雑感

実際観戦してみて、もう少しジャベが観たかった気はするんですが…、今日はメインだけを楽しみに来たので、とりあえずは満足しております。そして試合後の「ウルティモ劇場」も元WWE勢が絡むことで随分と厚みがでたなぁ、と。正直、ストーリー展開はDRAGON GATEよりこっちの方が好きだなぁ。外に広がっていく感じが、ね。

惜しむらくは選手の陣容の薄さ、特に前座の寒さ…なんだけど、これも2〜3年後、今のメキシコ闘龍門(プロレス学校)の選手が次々に日本に来れば穴も埋まるでしょう。ここはウルティモ・ドラゴンの逆襲に期待したいところですな。


以上、長文失礼。