11/9 DRAGON GATE 後楽園ホール興行 観戦記

Mask_Takakura2007-11-09

色々な観戦記が滞る中、なぜかDRAGON GATEだけは書いちゃうんです

今日は仕事が早く終わったので、後楽園ホールDRAGON GATEを観戦。う〜ん、DRAGON GATEを第一試合から観戦するのは久しぶりかも。


僕が最後にDRAGON GATE観戦したのは9月の大田区体育館。あれから二ヶ月が経過したが…、この間にDRAGON GATEには大きな動きがあった。台風の目となっているのはMUSCLE OUTLAW'Zだ。

MUSCLE OUTLAW'Zが誇るタッグ屋、ドイヨシこと土井成樹吉野正人の二人はオープン・ザ・ツインゲート王座の新設を発表すると、「タッグ王座は二つもいらん」と、アライワこと新井健一郎&岩佐拓が持つIJタッグ王座の封印を宣言。怒りのアライワはドイヨシとのベルト封印マッチに挑むも、結果はドイヨシの勝利。これにより、DRAGON GATEのタッグ王座はオープン・ザ・ツインゲート王座へと移行する事になった。う〜ん、ドイヨシにしてみれば「してやったり!」といったトコだな。


これと前後して、Gamma去りし後にMUSCLE OUTLAW'Zのリーダーとなった土井は、前回10月の後楽園ホール興行にて「DRAGON GATEに三つの爆弾を落とす」と予告。

早速、「第一の爆弾」が落とされた。大田区興行で離脱したハズのGammaが、アッサリとDRAGON GATEに帰ってきたのだ。復帰早々、玉岡金太をMUSCLE OUTLAW'から追放するなど「やりたい放題」のGammaは、オープン・ザ・ドリームゲート王座の挑戦権の証である「鍵」を強奪。これに怒ったのは、正当なドリームゲート挑戦権の持ち主である鷹木信悟だ。両者は今日、メインイベントで王座挑戦権を賭けて争う事になった。ふ〜む、鷹木vsGammaかぁ、なかなか新鮮なカードだな。それにしても、団体に対する不満をぶち上げつつ、たったの一ヶ月でカムバック。裏で何があったのやら…。

続く「第二の爆弾」は、今まで望月成晃ドン・フジイと一枚岩だとされてきた神田裕之の裏切り行為。トレードマークのスカジャンを着込み、ブルーボックスを片手にMUSCLE OUTLAW'Z入りを果たした神田、やはり彼はヒールの方が性に合うようだ。

そして「第三の爆弾」は今日、この後楽園ホールで発表される事になっている。う〜む、どんな爆弾かまったく予想がつかん…。


ってなワケで、突発的な観戦となった割には、なかなか面白そうなカードや仕掛けが観れるとあって、今日は観戦へのモチベーションがやや高め。だがチケット代は安めの4000円。まあプロレスの良さの中には、チケット代の安さって要素はあるよなぁ。っていうか、最近の総合格闘技のチケット代はホントに高すぎるよ…。

第一試合 試合よりも、マイクの方が力が入っております

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 B×Bハルク(178cm/78kg/New Hazard)
○サイバー・コング(178cm/120kg/New Hazard)
 YAMATO(172cm/82kg/New Hazard)
vs
 マグニチュード岸和田(175cm/105kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
 エリック・キャノン(172cm/93kg/ROH/MUSCLE OUTLAW'Z)
●Dr.マッスル(身長不明/体重不明/MUSCLE OUTLAW'Z)
[12分33秒 エビ固め]
ラストライド

YAMATO&ハルクの欠場で弱体化が進んでいたNew Hazardだが、両者ともに10月の後楽園ホール興行で復帰。今日はMUSCLE OUTLAW'Zとの対戦。試合内容はいかにもDRAGON GATEの第一試合らしい、アッサリとはしていながらもアップテンポな攻防だったが…まぁ、いつも通りと言えばいつも通り、かな。隣で観戦している女性客は絶えず関係ない話で盛り上がっている。この試合にお目当てのレスラーがいないからなのだろうが…ハッキリ言って、やかましい。そんな彼女達も、ハルクがMUSCLE OUTLAW'Zの波状攻撃を喰らう場面を観ると「痛っ!」だとさ。一応、試合は観てるのね。

そんな中、コングは同じパワーファイターの岸和田をライバル視。試合中も対抗意識剥き出しで喰ってかかり、フィニッシュは岸和田の必殺技、ラストライドを選択。こんなことをされては、岸和田は黙っていられない。


イバー・コング
どうだ岸和田っ!見たかっ、オレのパワーをっ!
岸和田っ!お前とオレっ、力と力のぶつかりあいっ!1vs1で勝負だっ!


マグニチュード岸和田
この野郎っ、オレの真似ばっかりしやがってっ!
大体、1vs1だとぉ?タッグでも何でも、お前とオレがぶつかれば、
いつも1vs1になるじゃねぇかっ!(観客笑)


次にマイクを持ったのは、この試合のセコンドについていた二人。メインイベントで、ドリームゲート王座の次期挑戦権を賭けて一騎打ちを行なう、鷹木とGammaだ。


木信悟
Gammaっ!ドリームゲート王座の挑戦者になるのはオレだっ!邪魔するなっ!
今日はお前の反則をすべて、肉体一つで跳ね返してやるっ!(観客歓声)


Gamma
オイッ、グリーンボーイっ!言いたい事はそれだけか?
お前はドリームゲート王座の挑戦者になる為に試合をするらしいが…。
オレ様は、ドリームゲートの王者になる為に試合をするんだよ、グハハハハハッ!
まあ、このオレ様が帰ってきたからには、DRAGON GATEをもっともっと面白く、
そしてメチャクチャにしてやるからなっ!


そして今度はTyphoonの面々が登場。ふ〜む、今日は随分と色々と詰め込んできたなぁ。


IMA
(Gammaに向かって)オイ、ゴキブリっ!お前に話があるっ!
MUSCLE OUTLAW'Zは、今日までに『三つの爆弾』を落とすっ!」って言ってよなぁ?
一つ目の爆弾は、ゴキブリの復帰(観客笑)、二つ目の爆弾は、神田裕之のMUSCLE OUTLAW'Z加入。

そして三つ目は…今日の第五試合に出場する「X」。これが爆弾ってことでいいんだなっ?


井成樹
おうっ、その話ならオレがしたるわ。
なんなら、ここでその爆弾を発表してもええでっ!(観客騒然)

三つ目の爆弾、それは…Typhoonの中にいるっ!(観客からは「え〜っ!」「やだ〜っ!」の黄色い声)
その爆弾は…、そこにいるアンソニー・W・森だっ!


な、な、なんと三つ目の爆弾とは、アンソニー・W・森の MUSCLE OUTLAW'Z 入りだったのだっ!この発表に観客は騒然。席のあちこちから「えええぇぇぇ〜っ!」「いやだぁ〜っ!」の黄色い声が。会場に森のテーマが鳴り響く中、当の森は狼狽するばかり…って、まあこれはDRAGON GATEのお約束だったりするんだけどね。


井成樹
…やめぇ、やめぇ、やめぇっ!ウソや、ウソッ!ウソに決まってるやろっ!
「アンソニーが爆弾」なワケないやろっ!こんなの、花火にもならへんわっ!(観客爆笑)


ホンマの爆弾はこっちやっ!MUSCLE OUTLAW'Zの三つ目の爆弾。
それは…、鈴木健想やっ!(観客「えええぇぇぇ〜っ!」)


会場が騒然とする中、花道を鈴木健想がノッシノッシと歩いてきた。う〜ん、デカい。わかっていた事ではあるが、ひたすらにデカい。小さい選手が中心のDRAGON GATEの中にあると、190cmという身長が一際大きく観えるな。ってなワケで、まずはCIMAが喧嘩腰で食ってかかる。


IMA
おいっ!KENZOだか、コシノジュンコだか知らんが、このDRAGON GATEに何しに来たっ!


木健想
(平坦な口調で)DRAGON GATEが、何なのか。それを確かめに、メキシコから来た。それだけ。(観客、ポカーン)


IMA
…オイ、ホンマにコイツ、大丈夫なのか?コイツのマイクが、一番の爆弾やないかっ!(観客大爆笑)


ってなワケで、大オチがついたところで本日のガイドライン紹介は終了。こういうことをさり気なくパフォーマンスの中でやれるのが、DRAGON GATEの強みだな。

第二試合 あっさりと決着

シングルマッチ 30分一本勝負
○ホルヘ・リベラ(168cm/83kg/メキシコ)
●戸澤アキラ(170cm/80kg/戸澤塾)
[1分1秒 腕極め首固め]

フラフラと観戦したDRAGON GATEで、リベラ先生の試合を観ることができたのは幸いだったが…。お笑い枠である「DRAGON GATEの第二試合」&対戦相手は戸澤アキラ。ま、この状況では…コッテリとジャベを堪能、というワケにもいかないか。残念だ。試合中、ハツラツとしながらチョコマカ動くリベラ先生を観た隣の女性客曰く「カワイイ!超カワイイ!」だとさ。パッと見は冴えないハゲオヤジのリベラ先生にこんな声がかかるのだから、プロレスラーは人気商売だ。

そんな中、リベラ先生はわずか1分で戸澤をアッサリと丸め込んでカウント3。不甲斐ない戸澤の姿に、観客は「え〜っ!」と不満の声を上げる。

第二試合(再試合) あっさりと再決着

シングルマッチ 30分一本勝負
○ホルヘ・リベラ(168cm/83kg/メキシコ)
●戸澤アキラ(170cm/80kg/戸澤塾)
[0分30秒 エスカルゴ]

意気揚々と花道を引き上げるリベラ先生に、戸澤が「泣きの一回」を入れ、再試合が決定。で、リベラ先生、今度はインディアンデスロックと片逆エビ固めの複合技をガッチリ極める。後楽園ホールに、戸澤の「ギ、ギブアップッ!」の声が響き渡る。観客、今度は大爆笑。

第二試合(再々試合) あっさりと再々決着

シングルマッチ 30分一本勝負
○ホルヘ・リベラ(168cm/83kg/メキシコ)
●戸澤アキラ(170cm/80kg/戸澤塾)
[0分30秒 ソレイ(逆さ吊り式カンパーナ)]

意気揚々と花道を引き上げるリベラ先生に、戸澤が「泣きのもう一回」を入れ、再々試合が決定。で、リベラ先生、今度は逆さ吊りのカンパーナをガッチリ極めた。再び後楽園ホールに、戸澤の「ギ、ギブアップッ!」の声が響き渡る。観客、またまた大爆笑。

で、今度はリベラ先生が「モウ一回!モウ一回!」と再々々試合を申し込むも…、次々に関節技を極められて精魂尽き果てた戸澤は、マイクを持って「参りましたあああぁぁぁ〜っ!」と絶叫。観客の「えええぇぇぇ〜っ!」の声を無視しつつ、這う這うの体(ほうほうのてい)で花道へと消えていった。


う〜ん、たまにはリベラ先生のこってりした試合も観てみたいなぁ。まあ、DRAGON GATEだと丁度いい相手もいないのかなぁ?K-ness.あたりとやったら、いい試合をしそうなんだけどなぁ。

第三試合 王者なのに影の薄い三人衆が、素人をイジッて存在感を示す

六人タッグマッチ 30分一本勝負
望月成晃(175cm/90kg/無所属/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
 ドン・フジイ(175cm/105kg/無所属/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
 K−ness.(174cm/83kg/現場監督/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
vs
 新井健一郎(176cm/85kg/戸澤塾)
 スペル・シーサー(169cm/77kg/Seesaas)
●ルパン松谷(172cm/75kg/DRAGON GATE NEX)
[6分50秒 片エビ固め]
※ツイスターII

ベテラン勢に囲まれた若手の松谷だが、今日もバルコニーから縄梯子を掛けて颯爽と登場。最前列に熱烈なファンが陣取り「ルパん〜っ!」と黄色い声援を贈っている。この勢いの乗って大物喰いを狙いたいところ。

だが、そうは問屋が卸さない。この松谷への声援に気分を害したフジイは、これ見よがしに松谷にチョップを入れ、松谷ファンに向かって挑発。必要以上に松谷の顔面を攻め立て、またまた松谷ファンを睨み付けて挑発。フジイによる松谷ファンいじりに観客が爆笑する中、当の松谷はフジイのノド輪落としを喰らい、望月に蹴られまくりながらも、シーサーとの合体押さえ込みで「あわや」の場面も作る。

だが、ベテラン勢の壁は厚い。K-ness.のレッグラリアット、望月のツイスターをカウント2でクリアした松谷だったが…、精根尽き果てた松谷に、望月のツイスターIIを返す力は残されていなかった。

勝ったベテラントリオは「『爆弾だ』『花火だ』と派手な話題もあるようですが、その陰でオープン・ザ・トアイアングルゲート王者をやらせてもらっている三人です」と挨拶し観客の爆笑を誘うと、試合後も松谷ファンに食ってかかるフジイを制しつつ挑戦者を募集していた。


どうでもいいが、DRAGON GATEの第三試合って「若手が健闘」ってパターンが多いなぁ。今更ながらに気付いたよ。まあ、今日の松谷は頑張ったと思うけどね。

第四試合 存在感の薄い試合だったが、終わってみれば意外な結末

タッグマッチ 30分一本勝負
 アンソニー・W・森(171cm/70kg/Typhoon)
横須賀享(173cm/84kg/Typhoon)
vs
土井成樹(173cm/80kg/MUSCLE OUTLAW'Z/オープン・ザ・ツインゲート 王者)
 吉野正人(172cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z/オープン・ザ・ツインゲート 王者 & オープン・ザ・ドリームゲート王者)
[12分28秒 エビ固め]
※エビ固め合戦を制して

新井健一郎&岩佐拓を破ってIJタッグ王座を封印し、オープン・ザ・ツインゲート王座を新設する事に成功した土井成樹吉野正人(通称:ドイヨシ)。今、タッグの中では一番、脂の乗っている二人がTyphoonを相手にその強さを披露する…かに思われたが、試合は意外にも実力拮抗の好勝負に。そんな中、隣の女性客は「吉野って、性格が顔に出てるよね」「やっぱり森くんって、ちょっと頼りないよねぇ」など、相変わらずロクに試合も観ないままペチャクチャとお喋り。やかましいなぁ。

試合はグッと進んで、終盤へ。森のエレガントーンを、膝を立ててカットする吉野。後頭部に膝が突き刺さった森は悶絶、観客の誰もが引き気味になる中、ドイヨシは吉野のライトニング・スパイラル&トルベジーノ 〜 土井のバカタレ・スライディングキックという黄金連携を見せる。観客の誰もが森の敗北を確信する中、土井のフォールは横須賀がカット。

今度は土井と横須賀が真っ向勝負。土井のドイ555(高角度フェースバスター)、横須賀のジャンボの勝ち!(ラリアット)が決まる中、最後はエビ固め合戦を制した横須賀が勝利。横須賀は「オレ達が、第二代オープン・ザ・ツインゲートの王者ですっ!」と宣言すると(この試合はノンタイトル戦)、11月25日の大阪府立体育館に向け(斎藤了と共に、ドイヨシの持つ王座に挑む)「凄い合体技を披露する」と予告していた。


この試合、今日の興行の対戦カードの中では「やや浮いているなぁ」と思っていたんだけど…、「新王者の敗北」というインパクトによって、大阪の興行の布石になったか。成程ねぇ、考えてるわ。

第五試合 ただでさえデカい選手が、更にデカく見える試合

六人タッグマッチ 45分一本勝負
 CIMA(174cm/82kg/Typhoon/オープン・ザ・ドリームゲート 王者)
 斎藤了(170cm/80kg/Typhoon)
ドラゴン・キッド(161.8cm/70kg/Typhoon)
vs
 堀口元気(173cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
●神田裕之(175cm/88kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
 鈴木健想(193cm/110kg/フリー/MUSCLE OUTLAW'Z)
[15分9秒 反則]
※リング解体&ロープによる首絞め&マスク剥ぎ&レフェリー暴行

いよいよ「MUSCLE OUTLAW'Z、第三の爆弾」こと鈴木健想が登場。新日本プロレスに所属していた頃から、その体格の大きさは際立っていた健想だが、ジュニア王国であるDRAGON GATEの中にいるとその大きさは一層、際立つな。特にドラゴン・キッドとの体格差は絶望的ですらあり、水平チョップを一発放つだけで、そしてボディスラムを一発放つだけで観客席は騒然。




もはや「存在自体が凶器」の健想。キッドのフライング・ボディアタックをガッチリとキャッチしてブレンバスターで投げ飛ばす。キッドを高々とリフトアップし、後ろに投げ捨てる。悶絶するキッドの後頭部を、二階から落ちるようなニードロップで追い討ち。

どうにもならない体格差に観客は溜息をつくばかりだが、キッドも健想の背中に飛びついてスリーパーを極めて反撃。観客からは歓声が沸いたが…、健想はすかさず得意技のジャンピング・ニーパットを真正面からブチ当てる。悶絶するキッド、仁王立ちする健想。そんな中、隣の女性客は「なんか、ジャイアント馬場みたい」。お前らっ!馬場さんの試合なんか観た事ないだろっ!!(激怒)

やられてばかりではいられない、キッドをフォローすべくTyphoon の面々が立ち上がる。斎藤は気合一発、フィッシャーマンズ・スープレックスで健想を投げ捨てると、続いてキッド&斎藤のセントーン、CIMAのマッド・スプラッシュが決まる。更にはCIMAは健想にシュバインを決めようとしたが、その大きな身体は持ち上がらない。仕方なくCIMAは堀口にシュバインを決めたが…。

ここで神田がCIMAにブルーボックスで一撃。息を吹き返した健想は、ラリアットで斎藤を吹っ飛ばし、キッドに垂直落下式ブレンバスターを決めると…健想はいきなりリングを解体し、ロープでキッドの首を絞める。隣の女性客が「最悪っ!」と叫ぶ中、キッドのマスクにまで手を掛ける健想。止めに入るレフェリーには暴行を加える。もはや収拾がつかない状態に、MUSCLE OUTLAW'Z の反則負けを告げるゴングが鳴る。


怒ったキッドは、CIMAに気を取られる健想の後頭部にミサイルキックを決めると「健想、テメーッ!こいや、オラっ!お前は世界を渡り歩いているらしいが…、オレは『世界のDK』って言われてんだっ!」と物凄い剣幕で凄みまくる。これに応じた健想は、大阪で一騎打ちを行なう事を約束。観客がキッドの無謀な挑戦に唖然とする中、キッドはCIMAに肩車をしてもらいつつ「『世界のDK』が、クソケンゾーをぶっ潰す!」と高らかに宣言。


ってな感じで、この観戦記では健想のことばかり書いてみたが…。僕がこの試合で目を奪われたのは、ヒールターンを果たした神田だったりする。なんというか、DRAGON GATEはなんで今までこの人をベビーフェイスにしていたのか判らないくらいに、チンピラぶりが板についていた。正直、あれだけスカジャンの似合うレスラーを、僕は見た事がない、というかねぇ。

あと、WWE時代と比べると筋肉が落ちているように見えた健想ではあるものの…。その素晴らしい肉体は、筋肉美には定評のあるDRAGON GATEの中でも、まったく見劣りしなかったと思う。今のプロレス界は「デカい選手=アンコ型」が定番なだけに、あの身体の美しさは非常に貴重というかねぇ。あれでもうちょっと、動きがキビキビしていると本当に文句がないんだけどね。

第六試合 反則技の中に、Gammaの意地を見たっ!!

オープン・ザ・ドリームゲート王座 次期挑戦者決定戦 シングルマッチ
鷹木信悟(178cm/88kg/New Hazard)
●Gamma(170cm/92kg/フリー/MUSCLE OUTLAW'Z)
[17分48秒 片エビ固め]
※ラスト・ファルコンリー

今日のDRAGON GATEのメインイベントは、CIMAの持つオープン・ザ・ドリームゲート王座の次期挑戦者決定戦。対戦するのは、New Hazard のリーダーである鷹木信悟と、「自称、DRAGON GATEのエース」ことGamma。う〜ん、Gammaは今までCIMAに絡むシーンばかりを観てきたので、鷹木との対戦は新鮮ではあるなぁ。

んで、どんな試合になるかちょっと想像がつかなかったのだが、蓋を開ければ…。第一試合でのマイク合戦における鷹木の「今日はお前の反則をすべて、肉体一つで跳ね返してやるっ!」という言葉を受けて、Gammaは鷹木にハードコアマッチを仕掛けたのだ。


先制攻撃を仕掛けてきた鷹木に対して、Gammaは唾を飛ばして視界を奪うと、続いて椅子で殴りつけ、場外では机の上でのパイルドライバーを敢行、更にはMUSCLE OUTLAW'Zの面々が乱入して鷹木に暴行を加え、Gammaは有刺鉄線のついた竹刀で鷹木を滅多打ちに。やりたい放題のGammaに対して、隣の女性客も「Gammaってマジで最低っ!」と声を上げる。う〜ん、やっぱりGammaはいいねぇ。

やがてGammaは、リング内に机を持ち込んでコーナーに立て掛ける。グッタリしている鷹木の脳天を打ち据えようという算段だったが、鷹木はこれを未然に防ぎ、逆にパワーボムでGammaを机に叩き付けた。観客の大歓声の中、鷹木はラリアットエクスプロイダー、そしてラスト・ファルコニーと得意技を連発して一気にGammaを追い込む。


だがGammaも延髄斬りやバックドロップで反撃すると、これを機に両軍のセコンドが試合に介入、試合は混線模様に。そんな中、鷹木はターボドロップII、ラリアットと畳み掛け、フィニッシュのラスト・ファルコンリーを完璧に決める。観客の歓声が最高潮になる中、ここで MUSCLE OUTLAW'Z の堀口がレフェリーの邪魔をする。観客の歓声が罵声へと変わる中、勝機を得たGammaはリング内に椅子の山を築き、雪崩式ブレンバスターで鷹木を投げ捨てる。観客からは悲鳴が上がったが…鷹木は歯を食いしばりながら、すぐに立ち上がる。

観客の大歓声の中、Gammaスペシャルをも跳ね返す鷹木。Gammaはツバ攻撃、股間打ち、プロテイン攻撃といった反則技の波状攻撃を仕掛けるも、鷹木はこれらを真っ向から受けつつもGammaのフォールを跳ね返す。観客の歓声が爆発する中、鷹木はパワーボムでGammaを投げ捨てると、堀口のプロテイン攻撃をGammaに誤爆させ、ラリアットから完璧なラスト・ファルコンリーを決める。観客が大歓声を上げる中、ついにGammaが3カウントを許せば、再び歓声は大歓声へと変わった。


木信悟
Gamma、よく聞けっ!!
ドリームゲートの挑戦者に相応しいのは、このオレだっ!! (観客大歓声)


(Gamma、悪態を突きつつ退場)


よ〜しっ!!Gammaに勝ったぞっ!! (観客拍手)
次はCIMA、あんただっ!! (観客歓声)
オレは望月も、Gammaも倒した。文句ないでしょ? (観客歓声)


IMA
鷹木、お前…最高だっ!! (観客歓声)
他の奴には一切ジャマさせない、大阪で「運命の闘い」をやろうやないかっ!!
オレはお前に負けるなら本望や。だが、このCIMAの壁は厚いぞ。(観客歓声)


木信悟
最近は骨のある奴らを片っ端からやってきたが…、本当にやりたいのはCIMA、あんただ。
大阪では、オレは絶対の自信を持ってアンタからベルトを獲る。

ハルク、コング、YAMATO。俺達四人で、DRAGON GATEの新しい扉を開いていく。
俺達がDRAGON GATEを面白くしていくぞっ!! (観客大歓声)


本日のDRAGON GATEは、11月25日の大阪府立体育館での興行で一騎打ちを行なうCIMAと鷹木がエールの交換を行なうという、爽やかな雰囲気の中で幕を閉じた。


…のだが、僕が目を奪われたのは、さり気なくハードコアマッチを器用にこなしていたGammaの方だったりする。DRAGON GATEファンの罵声を一身の浴びつつ、普段はまったくやらない形式の試合を仕掛けていったGammaは「本当に何でもこなせる器用な選手」だという事を改めて実感したというかねぇ。そういった事をまったく誇るでもなく、ただただヒールに徹するGammaという選手は本当にプロだなぁ。

雑感

正直に言うと、セミファイナルまでは「今日はハズレかなぁ」なんて思ってた。一つ一つの試合の印象が淡白過ぎる、というかねぇ。第二試合を除く、すべての試合が「11月25日の大阪府立体育館興行の前哨戦」という今日の興行の構成だが、すべての試合が「To Be Continue」で終わるというのもどうか?どうなのか?

反面、メインイベントは同じ前哨戦でありながらも、キッチリと完結しているところが良かったなぁ。試合の中のテーマがハッキリしていて、両者がそのテーマに沿って真っ向から激突する、という。団体としては「大河ドラマ」を打ち立てていても、生観戦者の立場からすれば、一回の観戦は「一話完結」。そういう意味では、罵声を浴びながらも試合を組み立て、鷹木をリードしていったGammaというレスラーは、いつ観戦してもハズレがない。これって、なかなか凄いことだと思う。


うん。今、気がついた。
僕はGammaを観る為にDRAGON GATEを観戦していたんだな。


以上、長文失礼。