9/22 DRAGON GATE 大田区体育館興行 簡易観戦記

9/30に書き直しました

長い間休んでしまいスイマセンでした、観戦記を再開します

わざわざ大田区体育館まで行ってDRAGON GATEを観戦したので、簡単な観戦記と雑感を書いておく。チケ代は3000円、安いねぇ。観客は超満員、さすがはDRAGON GATE!ってところですな。


さてさて。京浜急行梅屋敷駅という、普通に生活していれば付近の人はまず使わないであろう場所を最寄駅とする大田区体育館。「東京オリンピックを記念して建設され、1965年4月にオープンした(Wikipediaより)」というこの建物には空調というモノがまるでない。

一応、噂には聞いていたのだが、聞くのと体感するのとでは雲泥の差。生ぬるい空気と蒸し風呂のような湿度、涼しい風など期待できない状況の中…僕は約三時間、たっぷりとシュウマイの気持ちを味わう事となった。いやいや、某氏が「どんな興行であろうとも、あの体育館には二度と行かない!」と宣言していたのも頷ける話だな。真夏の西武ドームで行なわれたPRIDE 10ですら楽しめたこの僕でも、あの居心地の悪さは耐えられなかった…。


大田区体育館という建物のせいで今日は「観戦へのるモチベーション」が著しく低かったのだが、肝心の興行の方はというと…まあ盛り上がったけど、いわゆる「DRAGON GATEらしい大歓声」は発生しなかったように思う。ってなワケで、とりあえず各試合の感想を簡単に記述。

第一試合 相変わらず最初からエンジン全開

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 ドラゴン・キッド(161.8cm/70kg/Typhoon/WXWライトヘビー級 王者)
 アンソニー・W・森(171cm/70kg/Typhoon)
○PAC(175cm/78kg/ROH/Typhoon)
vs
 マグニチュード岸和田(175cm/105kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
 堀口元気(173cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
●Dr.マッスル(身長不明/体重不明/MUSCLE OUTLAW'Z)
[10分26秒 片エビ固め]
※360゚シューティングスタープレス

DRAGON GATEのオープニングは、いつもの通り「最初からアクセル全開!」って感じの内容に。最初からテンションを高くして試合を観戦できるのは、DRAGON GATEの大きな強みだな。

「マット・サイダルの意志を受けついだ男」でもある噂の天才児・PACを初めて観た。ファイヤーバード・スプラッシュ+カンクーン・トルネードって感じの超絶美麗技、360゚シューティングスタープレスには素直に驚かされたが、飛び技ではない技にはちょっと荒さを感じたかな。まあPACはこれからの選手だし、長い目で見ていこうとは思うけどね。

第二試合 この試合のオープニングテーマはスーパーマリオの音楽

オープン・ザ・お笑いゲート選手権試合 シングルマッチ 30分一本勝負
菊タロー(167cm/96kg/フリー)
●"ハリウッド" ストーカー市川(165cm/42kg/無所属)
[3分56秒 片エビ固め]
※シャイニング・菊ザード/お客さんの判定により、市川が防衛に成功

DRAGON GATEのお笑い枠に菊タローが登場、試合内容は彼の独壇場に。ネタらしいネタがなかなか出ない市川に対し、菊タローはスッポ抜けブルドッキングヘッドロック、シャイニング菊ザード等の得意技(?)を披露、一人で試合を作って観客を笑わせていく。さすがは全日本プロレス不動の前座要因だ(笑)。

ってな感じで、試合はあっさりと菊タローが勝利。観客は菊タローに心を掴まれていたが…。試合終了後、突如市川の母親がリングイン。観客に市川を応援するよう懇願し、観客の判定により市川は辛うじてお笑い王座を死守。なんだか鈍い感じのネタだが、DRAGON GATEの客層にはこれくらいが合っているのかもしれん。

そりゃそうと、市川が離婚したって噂があるが…本当なのかねぇ?

第三試合 もっといい試合になると思っていたんだが…

オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合 シングルマッチ 60分一本勝負
吉野正人(172cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
●神田裕之(175cm/88kg/無所属/オープン・ザ・ブレイブゲート 王者)
[11分31秒 ソル・ナシエンテ]
※吉野が新王者に

まだまだ第三試合だというのに、僕が好きな選手である吉野が早くも登場。今日は神田の持つオープン・ザ・ブレイブゲート選手権に挑戦する。

という事で、その試合内容には大いに期待していたのだが…、試合は一進一退の攻防とはなったものの、大きな盛り上がりを見せないまま吉野がソル・ナシエンテを極めて新王者となった。…え?いつもに比べて略しすぎ?まあ、これだけ略してもまったく問題がない内容だと思っていただければ。いや、つまんなかったワケではないんだけど、「普通の試合」だったモンでね。

この試合では、神田も吉野もやや力をセーブして試合をしていたように見えた。ま、いかに王座戦といえど第三試合というポジションだしねぇ。客のテンションの維持などを考えたら、これはこれで仕方がないのかもしれんなぁ。

第四試合 大きなアクションが起きなかったのにはワケがある

敗者MUSCLE OUTLAW'Z追放マッチ シングルマッチ 時間無制限一本勝負
○玉岡金太(169cm/77kg/MUSCLE OUTLAW'Z/レフェリー)
●Gamma(170cm/92kg/フリー/MUSCLE OUTLAW'Z)
[10分24秒 エビ固め]
※スタイルズ・クラッシュ/GammaがMUSCLE OUTLAW'Zを離脱

今シリーズで因縁を深めていたGammaと玉岡による「敗者MUSCLE OUTLAW'Z追放マッチ」。この抗争、突然勃発したイメージがあるのだが…、これがGammaのDRAGON GATE離脱に繋がっていくとは考えていなかったなぁ。

試合の展開を簡単に書くと「レフェリーの玉岡が奮戦 → 自力に勝るGammaが圧倒 → Gammaの味方だった他のMUSCLE OUTLAW'ZMUSCLE OUTLAW'Z勢が玉岡に突如加勢 → Gamma敗北、MUSCLE OUTLAW'Z追放」ってな感じ。なかなかのベタベタぶりですな。

ちなみに僕は、この試合の結果がメインイベントの伏線になるだろう、と考えていた。僕が思い描いていたストーリーは「Gamma敗北、MUSCLE OUTLAW'Zにボコボコにされる → メインでは土井を勝たせるべくMUSCLE OUTLAW'Zが乱入 → GammaがMUSCLE OUTLAW'Zを蹴散らし、CIMAと結託」。これもまた、我ながら恥ずかしいくらいにベタベタな展開なワケだが…実はこの試合、今後のDRAGON GATEにとって重要な意味を持った試合だったらしい。

何故なら…この試合の後、GAMMAはDRAGON GATEからの撤退を宣言したらからだ。いや〜っ、これはまったく読めなかった。フリーとはいえ、GAMMAとDRAGON GATEとの関係は蜜月だと思っていたのだが…。

第五試合 このカードがハズれるワケがない

IJタッグ選手権試合 タッグマッチ 60分一本勝負
新井健一郎(176cm/85kg/戸澤塾)
 岩佐拓(180cm/94kg/戸澤塾)
vs
横須賀享(173cm/84kg/Typhoon/IJタッグ 王者)
 斎藤了(170cm/80kg/Typhoon/IJタッグ 王者)
[19分18秒 片エビ固め]
※ファイヤーバード・スプラッシュ

今、DRAGON GATEの観客に一番信頼されているのは、恐らく『新岩』の二人だろう。もともと両者共に会場人気の高い選手ではあったものの、戸澤塾でタッグを結成してからはその人気も更に上に行ったように思う。そしてその彼らが、これまた人気の高い『リョウスス』の持つIJタッグ王座に挑戦。う〜ん、この時点で試合内容は保障されたモノだな。

そして実際、試合内容は今日一番の内容となった。両チームの合体技や必殺技が次々に飛び出すジェットコースターマッチ。あらゆる形で合体式フェースバスターを繰り出す『リョウスス』、惜しげもなく戸澤塾秘伝の技を連発する『新岩』。「これぞDRAGON GATEの試合!」という展開の中、最後は新井が意外にもファイヤーバード・スプラッシュで華麗に宙を舞い(約四年ぶりに解禁したそうな)、横須賀から3カウントを奪取。観客は大歓声でこれを祝福していた。

う〜ん、いい勝負だった。いい勝負だったんだけど…、思ったより『新岩』の二人が合体技を連発しなかったのはちょっと残念だったかなぁ。まあ満足度は高いけどね。

第六試合 外様の独壇場となるのは予想外だった

オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合 六人タッグマッチ 60分一本勝負
望月成晃(175cm/90kg/無所属/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
 ドン・フジイ(175cm/105kg/無所属/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
 K−ness.(174cm/83kg/現場監督/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
vs
 鷹木信悟(178cm/88kg/New Hazard)
●サイバー・コング(178cm/120kg/New Hazard)
 飯伏幸太(181cm/82kg/DDT)
[19分18秒 片エビ固め]
※真・最強ハイキック/望月組が防衛に成功

最近、因縁を深めている新世代軍のNew Hazardと、DRAGON GATEでのベテラン勢。今日はオープン・ザ・トライアングルゲート選手権を賭けて真っ向から激突!今夜、DRAGON GATEの世代闘争に一つの結論が出る!…という図式だったが。

いざ蓋を開ければ、試合は外様である飯伏の独壇場となった。ラ・ケプラーダ、ムーンムーンサルトサルトといった技で華麗に宙を舞えば、その美しい動きを観た観客の歓声は最高潮に。勝負処では得意のフェニックススプラッシュも披露し、望月とは絡みこそ薄かったが、見応えのあるキック合戦を展開。他人のマットで観客の目を釘付けにするあたりはさすがはインディーの雄!といったところだが…。

他の五人の攻防が飯伏の影に隠れてしまったのは、彼の放つ光が強すぎるのか?他の選手が彼を立てたのか?それとも、試合内容では高いクオリティーを保ち続けるDRAGON GATEですら、飯伏の足元には及ばないのか?

第七試合 意外な凡戦にちょっとガッカリ

オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合 シングルマッチ 60分一本勝負
○CIMA(173cm/83kg/Typhoon/オープン・ザ・ドリームゲート 王者)
土井成樹(172cm/80kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
[25分49秒 片エビ固め]
※シュバイン・レッドライン/CIMAが防衛に成功

メインイベントは、CIMAがライガーから奪還したオープン・ザ・ドリームゲートを賭けた一戦。大舞台での一戦という事もあり、実力伯仲の好勝負を期待したのだが…。

第四試合のところにも書いたけど、僕は試合展開を「CIMAと土井が真っ向勝負 → 実力に優るCIMAの勝利が目前 → MUSCLE OUTLAW'Zが乱入、土井をフォロー → 第四試合で追放されたGammaがCIMAを助ける、観客大歓声」と予想していたのだけど、実際にはMUSCLE OUTLAW'Zの乱入がない真っ向勝負になるとは思わなかった。まあ、それで試合内容が面白ければ文句もないのだが…結果的には凡戦となってしまった。正直、常に団体を背負って闘い続けているCIMAに対して、土井の実力や格が追いついていなかったように感じたなぁ。

なんて思っていたら…実はCIMA、試合中に土井の技で頭を打ってしまい、意識が朦朧する中で必死に試合をしていたらしい。危ないなぁ、お客を喜ばせることも大事だけど、すべては命あっての物種、というかねぇ。あと、Gammaの突然のDRAGON GATE離脱も、メインの展開に大きな変化を与えた可能性もありそうだな。

雑感

正直、今日の試合は全体を通して淡白な印象を受けたんだけど…、「ひょっとしたら主催者側が、体育館の蒸し暑さを考慮して、興行を短めにしたのかもなぁ」と思ったり。あと、試合後に発覚したGammaの突然のDRAGON GATE離脱も、興行に影響したのかもね。いずれにせよ、どこか喰い足りない興行だったなぁ。なんともDRAGON GATEらしくない、というかねぇ。

それにしても、ここに来てDRAGON GATEファンの憎悪を一身に集めていたGammaの離脱は痛いなぁ。いいヒールがいないとベビーフェイスも光らないだろうて。マグナムTOKYOの突然の退団も含め、最近のDRAGON GATEは主力選手の謎の離脱が続くなぁ。


GAMMA
去年の3月から1年半上がってきたけど、約束が違いすぎるっ! プロレス界は信頼関係だろっ!!


う〜ん、内部で何があったのやら…。


以上、長文失礼。