斎藤文彦、週プロで胃ガンを告白

結構ショックなニュースだなぁ。


「悪いニュースといいニュースはだいたいいつもワンセットでいっしょにやって来るようにできているいるらしい。こんどのバッドニュースは一生のうちにそう何度もないバッドニュースで、グッドニュースはそのバッドニュースを早めに知ることができたことだった」。斎藤氏はいかにも『らしい文章』で自らのガンを告白し、執筆中の2つのコラムの休載を発表した。いつも通りの淡々とした文章ではあったけど、その端々からは本人がショックを受けている様子が読み取れた。


僕は週プロ内のアメプロの記事がまだ1ページ程度しかない頃から、彼の書く記事を喰い入るように読んでいた。文体自体は簡潔でサッパリしていながら、英語を交えた独特の言い回しでやんわりと、しかし強烈な自己主張をする「斎藤文彦節」は、毒性の強い「ターザン山本体制」のど真ん中にあった当時の週刊プロレスにおいて「一服の清涼剤」としての役割を果たしていた。僕にとっての週プロはターザン山本斎藤文彦であり、それが「今だに僕が、週プロを買ってしまう理由」にもなっている。


80年代後半〜90年代初頭に掛けて、一生懸命にアメプロを日本に普及させようと東奔西走する姿をテレビでよく見かけた。「WWFスーパープロレス」での土居壮との名コンビぶりも好きだった。著書の一つ「シーズンズ・グリーティングス」にドップリとハマッて、色々な人にこの本を紹介した。週プロでのコラム「NEW YORK NEY YORK」は、WWEがいかにして現在のWWEになっていったかを紐解く連載で、僕は「早く単行本にならないかなぁ?」と今でも楽しみにしている。そう、今でも楽しみにしているのだ。


「キメのフレーズはI will be backとしておきます。」と、ちょっと控えめにガン克服を宣言をした斎藤氏。これからの闘病生活がどのようなモノになるかは想像もできないが、ファンとしてはストレートに「まだまだ貴方の文章を読みたい!ガンになんか負けるな!」と叫びたい。