7/10 DRAGON GATE ちょっと長めの観戦記

Mask_Takakura2007-07-10

今日からまた、新しいDRAGON GATEが始まる!

本日は後楽園ホールにて、DRAGON GATEを観戦。


毎回、めまぐるしくアングルが変化するDRAGON GATEだが、今回は集大成となる神戸ワールド記念ホール興行を経た事で、すべてのアングルが一段落ついた状態となった。ってなワケで、主だったところを簡単に紹介。


まずは、新日本プロレス獣神サンダー・ライガーに奪われていた「DRAGON GATEの象徴」オープン・ザ・ドリームゲートの行方について。「王座の奪還」を公言していたCIMA大阪府立体育会館にて、シングルで連敗していたGAMMAを破り挑戦権を獲得。そして神戸では、その勢いで現王者のライガーをも撃破。ドリームゲート王座は、ついにCIMAの手によってDRAGON GATEに戻ってきたのだ。

「タッグ王座」IJタッグも、新日本プロレスの邪道&外道に奪われていたが…、こちらは斎藤了横須賀享が死闘の末に撃破。こうして新日本プロレスに奪われていたDRAGON GATEの二つの王座は、Typhoonのメンバーによって奪還に成功。う〜ん、生え抜き集団の意地やね。

「六人タッグ王座」オープン・ザ・トライアングルゲートは、王者であるNew Hazard鷹木信悟&サイバー・コング&B×Bハルク組が、MUSCLE OUTLAW'Z土井成樹吉野正人マグニチュード岸和田組を倒し、王座の防衛に成功。

「軽量級王座」オープン・ザ・ブレイブゲートは、王者の堀口元気が神田裕之に敗れて防衛に失敗。これにより、MUSCLE OUTLAW'Zは手にしていた王座をすべて失ってしまった。あらら。

と、王座を巡る闘いはこんな感じだったのだが…、この中ではやはりCIMAの王座戴冠が大きなニュースだね。CIMA vs GAMMA vs ライガーは、DRAGON GATEが半年以上も続けてきたライバル・ストーリー。そんなアングルにCIMAの勝利という一つの結論が出たのは大きいね。


ってなワケでアングルとしては、まっさらな状態で迎えた後楽園ホール興行だが、今回はCIMAの持つドリームゲート王座を巡って、ワンデイ・トーナメントが開催される事になった。

このトーナメントに出場するのはTyphoon斎藤了MUSCLE OUTLAW'Zマグニチュード岸和田New HazardのB×Bハルク、そして戸澤塾の岩佐拓の四人。僕としては、最近はジワジワと会場人気が高まってきている岩佐に優勝して欲しいところだね。


チケットは当日券、A席を4000円を購入する事ができた。観客の入りは…、満員ではあったけど、北側席や南側席にはポッカリと空いた席もチラホラ。ぬぬぅ、ジワジワとだが…あのDRAGON GATEですら、純血では後楽園ホールを埋められなくなってきているんだなぁ。

第一試合 今日は出だしから濃い目

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 横須賀享(173cm/84kg/Typhoon/IJタッグ 王者)
ドラゴン・キッド(161.8cm/70kg/Typhoon/WXWライトヘビー級 王者)
 アンソニー・W・森(171cm/70kg/Typhoon)
vs
 GAMMA(170cm/92kg/フリー/MUSCLE OUTLAW'Z)
 堀口元気(173cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
●Dr.マッスル(身長不明/体重不明/MUSCLE OUTLAW'Z)
[14分30秒 バイブル(デジャブ(二回転コルバタ)から入る横入り式十字固め)]

本日は第一試合から、MUSCLE OUTLAW'ZTyphoonが激突。掴みの試合に力を入れるのがDRAGON GATEという団体の特徴である。それにしても、今日は第一試合からメンバーが濃いなぁ。


試合はいきなりの場外乱闘からスタートし、MUSCLE OUTLAW'Zがペースを握った。GAMMAはキッドの乳首をガッチリと摘まみ、森には歯磨き&うがい付き汚水攻撃を見舞う。やりたい放題のGAMMAに対して、観客からは大きな悲鳴が上がる。

Typhoonの反撃が始まった。キッドは場外へのムーンサルト・アタックで宙を舞い、森はGAMMAのパワーボム三角絞めで切り替えす。横須賀はGAMMAを豪快な雪崩式エクスプロイダーで投げ捨て、アンソニーはウラカンラナでこれに続く。う〜ん、倍返し。

GAMMAのピンチを救うべく玉岡金太が試合に介入、いきなりキッドにバイソン・テニエルを決める。試合の流れを取り戻したMUSCLE OUTLAW'Zは、続いてGAMMAがジェラルミンケースを持ち出す。しかしその一撃は、Dr.マッスルの脳天に誤爆。観客の歓声の中、怯んだDr.マッスルをキッドがバイブルで丸め込んで3カウントを奪った。


試合終了後、怒りの収まらないMUSCLE OUTLAW'Zはセコンドも総出でTyphoonに襲いかかり、キッドのマスクを剥がし、森の髪の毛を切ってしまう。観客はブーイングの嵐を浴びせていたが…。

やがてその声が嬌声に変わる。DRAGON GATEの頂点に昇りつめたTyphoonのリーダー、CIMAの登場だ。あっという間にMUSCLE OUTLAW'Zを蹴散らしたCIMAは、そのままGAMMAが舌戦を展開。お馴染みCIMA vs GAMMA劇場の開始だが、今日はこの後、CIMAと激突する土井も絡んできた。


GAMMA
オイ、CIMAっ!
キッドはマスクを剥がされて、アンソニーは自慢のサラサラヘアを切られたなっ!
お前もまた、丸坊主にしたろうかっ!?(観客ブーイング)


CIMA
何、言うてんのやっ!
今、お前とシングルをやれば、丸坊主になるのはお前の方やろっ!(観客大歓声)
次に玉岡っ! 何や、その髪型ぁ? お前はグレート義太夫かっ!? (観客大爆笑)
そして、ドイヨシっ!。Typhoonが勢いの差を見せたるでぇ!(観客大歓声)


土井成樹
CIMAっ!今日はチーム力の差を見せたるでぇっ!
大体、俺らは(吉野正人と)二人で「ドイヨシ」やけど、お前ら何やぁ?
CIMAとマット(・サイダル)で「シーマット」ってか!? (観客爆笑)


この後、CIMAは先日のヨーロッパ遠征でキッドがWXWライトヘビー級の王座を獲得した事、但しベルトのデザインはチープである事、横須賀&斎藤がIJタッグを奪取した事、自らはオープン・ザ・ドリームゲートを手にした事、森にはベルトはないけどチャンピオン級の「ギャランドゥ」がある事を報告し、最後は「この後の試合で、ドイヨシをキッチリと黙らしますわっ!」と宣言、観客の歓声を浴びていた。


う〜ん、今日は掴みからCIMA vs GAMMA劇場かぁ。なんとも濃いねぇ。しかしまあ、CIMAの戴冠でこの劇場にも一応の決着がついたように思っていたけど…、この分だとまだまだ続きそうだな。

第二試合 シングル戦はアッサリ目の決着

オープン・ザ・ドリームゲート 次期挑戦者決定 ワンナイト・トーナメント 一回戦 20分一本勝負
マグニチュード岸和田(175cm/105kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
●岩佐拓(180cm/94kg/戸澤塾)
[6分48秒 体固め]
ラリアット

この試合は、CIMAが持つオープン・ザ・ドリームゲートの次期挑戦者決定トーナメントの一回戦。そして同時に、DRAGON GATEとしては珍しい「重量級同士の一騎打ち」でもある。試合の焦点としては、このところ会場人気が高まる一方の岩佐拓が、その勢いで「DRAGON GATEの番長」マグニチュード岸和田に勝てるか?といったところ。


しかし蓋を開ければ、岸和田は実力に劣る岩佐を完全に圧倒。

岸和田は序盤からアクセルを全開。いきなり場外ブレンバスターで岩佐にダメージを与えると、リング内では対角線スプラッシュで圧殺。岩佐は要所でラリアットを連発して反撃するも、岸和田の余裕を奪えない。

GAMMAの竹刀攻撃のアシストを得た岸和田はジャーマンスープレックスラリアット、イス攻撃と畳み掛ける。それでも必死にフォールをクリアし続けた岩佐だったが、岸和田は二度目の強烈なラリアットで粘る岩佐を退けた。


あれま、随分とアッサリとした決着だな。僕はてっきり、このトーナメントは岩佐が制すると思っていたのに。う〜ん、いざ試合をすれば、岩佐は岸和田を相手に10分も持たないですか、そうですか。う〜ん、会場人気と実力は比例しないモンなんだなぁ…。


と、この時点では思っておりました。この時点では。

第三試合 これまた、アッサリ目の決着

オープン・ザ・ドリームゲート 次期挑戦者決定 ワンナイト・トーナメント 一回戦 20分一本勝負
○B×Bハルク(178cm/78kg/New Hazard/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
斎藤了(170cm/80kg/Typhoon/IJタッグ 王者)
[8分1秒 片エビ固め]
※変形E.V.O

この試合も、次期挑戦者決定トーナメントの一回戦。この試合は先日、新日本プロレスの「ジュニアの祭典」Best of the SUPER Jr.への出場を果たしたB×Bハルクが、神戸ワールド記念ホールでIJタッグ王座を奪取した斎藤了と激突。そして…どうでもいいが、僕の近くに座っているドスコイなお姉さんが、さっきから「斎了〜っ!斎了〜っ!」とやたらとうるさい。


試合では若手のハルクが、DRAGON GATEではベテランの域に入りつつある斎藤を相手に堂々と渡り合った。

試合開始早々から斎藤は、先輩の意地を剥き出してハルクに厳しい攻撃を仕掛ける。強烈な張り手やエルボーを連発すれば、ハルクの口からおびただしい量の血が流れてしまう。

だがハルクも負けていない。斎藤を激しく睨みつけながら、ソバット、ミサイルキック、そしてサマーソルトキックといった蹴り技を連発すると、すかさずフランケンシュタイナーで宙を舞う。観客はハルクの頑張りに声援を贈り、ドスコイなお姉さんは「斎了〜っ!」と声援を贈る。

試合終盤、斎藤はラリアットでハルクに傾きかけた試合の流れを断ち切ると、必殺技のドラゴンスープレックスを連発。だがハルクはこれをクリアすると、逆に変形のE.V.O.を連発。斎藤は一度目、二度目を必死にクリアするも、ハルクは三度目のE.V.O.を決めて先輩の斎藤から3カウントを奪った。


う〜ん、ぶっちゃけ、この試合の結果は僕にとってはどうでも良かったかな。その理由は簡単で、前の試合で優勝候補と睨んでいた岩佐が負けちゃったから。正直、彼が負けた時点で「もうDRAGON GATEは、どうでもいいや」とまで思っていましたよ、ええ。どれだけ「岩佐好き」よ自分。

まあ僕の今の気持ちは…、ひいきの斎藤が負けて心底ガッカリしているドスコイなお姉さんだけは分かってくれるのだろう(笑)。はぁ〜、ドスコイぃ〜、ドスコイぃ〜

第四試合 WRESTLE JAMに向けて、一足先にメキシコから来日しました

六人タッグマッチ 30分一本勝負
 ドン・フジイ(175cm/105kg/無所属)
○スペル・シーサー(169cm/77kg/Seesaas)
 シーサーBOY(168cm/75kg/Seesaas)
vs
 新井健一郎(176cm/85kg/戸澤塾)
 ホルヘ・リベラ(168cm/83kg/メキシコ)
●ザ・ターボマン(162cm/70kg/メキシコ)
[9分9秒 アレハンド・ロック]

この試合は、次期シリーズに開催される、日本・アメリカ・メキシコの三カ国によるオールスター戦 WRESTLE JAM に向け、先に来日したメキシコ勢を歓迎する試合である。う〜ん、以前はdragon door(現El Dorado)で観戦したリベラ先生を、このDRAGON GATEで観戦できるとは思わなかったなぁ。


試合では、リベラ先生が鮮やかなジャベ(メキシコ流の関節技)を連発、日本のプロレスには存在しない関節技が次々に繰り出されるも、残念ながら文章では説明不能なので省略(嘆)。そして小柄なターボマンも華麗な飛び技を披露、フライング・ヘッドシザースやトペ・コンヒーロを繰り出す。うん、こちらは説明可能だな(笑)。

んで、試合はあっという間に終盤へ。新井&リベラ先生はフットスタンプ+セントーンの連携でフジイを追い込むも、スペル・シーサーはSAITOスペシャル(逆立ちしながらのレッグロック)でターボマンを絞め上げれば、フジイも同じ技で続く(但し、逆立ちはシーサーBOYの補助つき)。これで気持ちが高揚したフジイは、のど輪落としでターボマンを投げ捨てると、プランチャで場外へと飛んでいった。

奥の手を出すフジイに観客が大いに驚く中、スペル・シーサーは丸め込み技を連発して粘るターボマンにアレハンド・ロックを極める。もはや脱出は不可能、やがてターボマンがタップして試合は終了した。


試合後、フジイはマイクを握り「高いトコロから、失礼いたしますぅ(観客爆笑)」とお約束をかました後、遠いメキシコから来日したターボマンとリベラ先生を歓迎。続いて神戸ワールド記念ホール黒田哲広に勝利した事を報告し、次回の後楽園ホールにザ・ターボやんが来日する事を発表、観客の歓声を浴びた。


ああ。ターボやんかぁ。いたねぇ、そんなのも…って感じだが、僕としては、もう少しリベラ先生のジャベを堪能したかった。っていうか、今日は試合数が多いせいか、全体的に巻きが入っているなぁ。

DRAGON GATEは、ファンに息つく暇を与えません

10分の休憩時間の後、リング上には菊地直人リングアナが登場し、DRAGON GATEの今後の予定を矢繋ぎに発表。


・9月22日(土):大田区体育館で興行を開催。関東では久々の大箱での興行。
・7月19日(木):後楽園ホールで興行を開催。WRESTLE JAMの開幕戦。
・8月のシリーズ、THE GATE OF ADVENTUREでは、タッグリーグ戦を開催。参加チームは以下の通り。

CIMA & ドラゴン・キッド(Typhoon)
横須賀享斎藤了(Typhoon)
土井成樹吉野正人(MUSCLE OUTLAW'Z)
GAMMA & 堀口元気(MUSCLE OUTLAW'Z)
鷹木信悟 & サイバー・コング(New Hazard)
YAMATO & B×Bハルク(New Hazard) ルパン松谷 & m.c.KZ(DRAGON GATE NEX)が代打出場
新井健一郎 & 岩佐拓(戸澤塾)
スペル・シーサー & シーサーBOY(Seesaas)
望月成晃 & 神田裕之(無所属)
ドン・フジイ & X(無所属)

う〜ん、神戸ワールド記念ホールでの興行ですべてのアングルが終了した分だけ、今回は発表事項が多いねぇ。最近は後楽園ホールでの観客動員数がジリジリと下がってきているDRAGON GATEだけど、起死回生の策はあるのかな?

緊急決定試合 異様なまでのアッサリ目の決着

オープン・ザ・ドリームゲート 次期挑戦者決定 ワンナイト・トーナメント 敗者復活戦 20分一本勝負
○岩佐拓(180cm/94kg/戸澤塾)
斎藤了(170cm/80kg/Typhoon/IJタッグ 王者)
[3分9秒 体固め]
戸澤塾最終奥義其ノ弐 熨斗紙

ここで突然、現場監督のK-ness.が登場し、思わぬ事故が発生した事を報告。

第三試合で斎藤を下したハルクが、なんと顎の骨を折っていたのだ。当然、ハルクは決勝戦を辞退。観客が騒然とする中、K-ness.はトーナメントの敗者同士による復活戦を行なう事を発表。思わぬボーナス・トラックに観客は大歓声を上げる。そしてドスコイなお姉さんの声が一際大きかった事は言うまでもない。はぁ〜、ドスコイぃ〜、ドスコイぃ〜


ってなワケで試合。これが二試合目、勝てば決勝戦が控えている…という事もあり、両者ともに短期決戦を挑んだ。ドスコイなお姉さんの大声援を受けた斎藤は、序盤からドラゴンスープレックスを連発し、雪崩式フィッシャーマンズスープレックスで追い討ち。岩佐はこれらをクリアするも、斎藤は尚もドラゴンスープレックスを繰り出した。だが、岩佐はこれもクリア。観客の大歓声、そしてドスコイなお姉さんの声にならない絶叫が観客席に響き渡る。

やがて岩佐が反撃を開始。ラリアットを連発して斎藤を追い込むと、必殺技である熨斗紙(「いとかみ」と読む。ゴリースペシャルの状態から、背面で決めるフェースバスター)が炸裂。この一撃で斎藤はグッタリ。観客の大歓声の中、岩佐が斎藤をガッチリとフォールして3カウントを奪った。


ふ〜む、岩佐が勝った事は僕にとっても喜ばしい事だが…。今日の斎藤は随分アッサリと二連敗したなぁ。しかも…どちらの試合も、相手に力負けしての敗北。一時はオープン・ザ・ドリームゲート王者だった斎藤がこうも簡単に負けちゃうと、団体内のパワーバランスが崩れちゃうんじゃないの?大丈夫なのかねぇ?

そりゃそうと、さっきから斎藤の二連敗を見たドスコイなお姉さんの恨み節が耳にうるさいワケだが。はぁ〜、ドスコイぃ〜、ドスコイぃ〜

第五試合 このカードがセミ前とはもったいない

タッグマッチ 45分一本勝負
 CIMA(173cm/83kg/Typhoon/オープン・ザ・ドリームゲート 王者)
●マット・サイダル(172cm/78kg/アメリカ/ROH/Typhoon)
vs
土井成樹(172cm/80kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
 吉野正人(172cm/75kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
[15分26秒 片エビ固め]
※バカタレ・スライディングキック

ついにDRAGON GATEの頂点に君臨したCIMAが、今日は東京でのお披露目試合に挑む。入場曲が掛かった瞬間から観客の大歓声を浴びたCIMAは、リング上ではGAMMAにイヤミっぽくドリームゲートのベルトを見せつける。う〜ん、CIMAは王者になってもCIMAなんだねぇ。今日のCIMAのパートナーはマット・サイダル、かって知ったる仲間だ。対戦相手は土井成樹吉野正人、いわゆるドイヨシである。タッグ屋を相手に、CIMAは実力差を見せ付ける事ができるか?


試合では、やはりCIMAが随所で充実ぶりをアピール。土井にミドルキックを連発したCIMAは、続いて高速のアームドラッグで土井を投げ捨て、吉野にはスワンダイブ式のフットスタンプを決める。う〜ん、試合はまだ序盤だというのに、今日はCIMAに対する歓声が凄いねぇ。そしてサイダルも、これに続く。CIMAと合体してのスーパードロルで吉野にダメージを与えると、その場飛びのムーンサルト・プレスで更なる追撃。相変わらずサイダルの身体能力は高いねぇ。

だがドイヨシも、やられてばかりではない。サイダルに合体ストマック・バスター 〜 サンドイッチ顔面ドロップキックを決めると、土井はカットに入ったCIMAの脳天が垂直に突き刺さる程の直下型DDTで大ダメージを与える。吉野はフットスタンプでサイダルを踏みつけ、土井はサイダルを高々と持ち上げてスパイン・バスター。更には吉野のサマーソルト・ドロップも決まった。こうしてサイダルはピンチを迎えたが…、続いての吉野のミサイルキックは、サイダルがドロップキックで迎撃。


タッチを受けたCIMAが猛反撃を開始する。リングに入るなり吉野にスーパードロルを決めると、倒れた吉野の股間に、土井の頭をでツームストン・パイルドライバーで落とす。悶絶して場外へ逃げるドイヨシ、CIMA&サイダルはトペ・スイシーダムーンサルト・アタックの競演ですかさず追撃。リングに戻ってからも、吉野にヴィーナス&雪崩式フランケン・シュタイナーを決めるCIMA&サイダル。CIMAの容赦のない攻撃の嵐に、観客から大歓声が沸く。

ドイヨシは、なんとか土井のパワーボム&吉野のトルベジーノで反撃したが…。CIMA&サイダルは、吉野にシュバイン&シューティング・サイダル・プレスという奥の手を決めた。観客の誰もがCIMA&サイダルの勝利を確信したが…、CIMAのフォールは土井が見事にカット。思わぬ展開に観客から大歓声が沸く。


これで流れを手にしたドイヨシが、一気に勝負に出る。吉野はサイダルにスリング・ブレイドを決めると、続いてトペ・スイシーダで場外のCIMAを攻撃。この間に土井が、サイダルに高角度の裏DDTを決めれば、吉野はすかさずライトニング・スパイラルで追い討ち。間髪入れず、土井がバカタレ・スライディングキックを決めてフォールの体勢へ。CIMAのカットも間に合わずに3カウントが数えられると、観客からは大歓声が沸き起こった。う〜ん、フィニッシュムーブは素晴らしい畳み掛けだったなぁ。


試合後、土井はCIMAに向かって堂々と勝利をアピールし、「優勝はこの『スピード・マッスル』がいただくぞっ!楽しみにしとけっ!」と、8月に開催されるタッグリーグ戦の制覇を宣言、観客の大歓声を浴びた。ドイヨシも人気者だねぇ。


正直、このタッグ戦はもう少し長めに観戦していたかったなぁ。ドイヨシのコンビネーションもさる事ながら、CIMA&サイダルの連携もなかなか良かったしねぇ。まあ、今日は試合数が多いから、すべての試合が短めになってしまうのは仕方がないのかなぁ…って、なんか今日はこればっかりだな。

第六試合 闘龍門を知らない鷹木と、闘龍門ができる前から闘い続ける望月が真っ向勝負

六人タッグマッチ 45分一本勝負
 望月成晃(175cm/90kg/無所属(旧M2K))
 神田裕之(175cm/88kg/無所属(旧M2K)/オープン・ザ・ブレイブゲート 王者)
○K−ness.(174cm/83kg/現場監督(旧M2K))
vs
 鷹木信悟(178cm/88kg/New Hazard/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
●サイバー・コング(178cm/120kg/New Hazard/オープン・ザ・トリプルゲート 王者)
 ジャック・エバンス(173cm/75kg/アメリカ/ROH/New Hazard)
[16分50秒 ダイヤル固め(連続式エビ固め)]

セミファイナルは、若手軍団のNew Hazardが、ベテラン勢の壁に挑む。そして、この中で因縁を深めているのが望月と鷹木。望月が「キャリアを積んだ選手にしかできない闘い方があるっ!」と宣言すれば、鷹木は「30代の後半なんてアスリートの落ち目」と挑発。う〜ん、これは「鷹木のパワー vs 望月の蹴りの破壊力」という真っ向勝負が期待できそうだな。ま、他のメンバーもバラエティに富んでいるし、いいカードだと思うよコレ。


試合は、予想通りの激闘となった。

先発は観客の期待通りに鷹木と望月。観客の大歓声の中、鷹木は強烈な張り手で望月を挑発すると、望月は重いサッカーボールキックで応える。会場に響く鈍い音に歓声が沸く中、鷹木は力任せのラリアットで望月を吹っ飛ばす。「鷹木 vs 望月」の第一ラウンドは引き分けだ。

試合は場外乱闘を挟み、まず神田がNew Hazardに捕まった。コングのベイダーハンマー&対角線スプラッシュ、エバンスのその場飛びでのスターダストプレス(これは凄い!)、鷹木のアトミックドロップ&ラリアット。そしてコングのマフラーホールドがガッチリと決まるも、神田はキックを連発して窮地を脱出。


そして試合は、鷹木&コングの規格外のパワー&エバンスの華麗な飛び技に、望月の重い蹴り&神田の活きの良さ&K-ness.のテクニックが衝突する好勝負へ発展。

鷹木はK-ness.を軽々と持ち上げてジャンピング・ブレンバスターを決めれば、K-ness.は正調パロ・スペシャル(「キン肉マン二世」でいうところのOLAP)で反撃。望月はサッカーボールキックを連発し、神田はパワースラムでエバンスを投げ捨てる。エバンスはムーンサルトプレスで華麗に宙を舞い、コングはK-ness.を高々と持ち上げてサイバーカッターを決める。

そして「鷹木 vs 望月」の第二ラウンドが始まった。鷹木はターボドロップIIで望月を軽々と振り回し、望月は三角蹴り&最強ハイキックと、必殺技を連発。鷹木はフラフラになりながらもラスト・ファルコンリーで望月を頭から落とせば、両者は同時にダウンする。全力で闘う両者に、観客の歓声が鳴り止まない。

そんな名勝負を締めたのは、伏兵のK-ness.だ。巨漢のコングのボディプレスやラリアットを喰らいながらも、自力でクリアする姿に歓声が集まる中、K-ness.はしつこく回転エビ固めを決め続ける「ダイアル固め」を披露。コングは必死にクリアし続けたが…、ついにK-ness.が3カウントを奪えば、観客からは一際大きい大歓声が沸き起こった。


試合終了後、K-ness.New Hazardに向かって「プロレスは強い奴が勝つんじゃない、勝った奴が強いんだっ!」と勝ち誇ると、「ところで。見ての通り、最近の俺はかなり調子がいいよ」と自身の好調をアピール。そして昨年末に退いた「第一線」への復帰を宣言すると、タッグリーグ戦に参戦するドン・フジイのパートナーとして名乗りを上げる。観客の大歓声の中、これを聞いたフジイは「感動したっ!」と二つ返事で承諾、「若いモンには負けへんでぇ!」と息巻いた。

最後にマイクを締めたのは望月。「アイツら、人をロートル扱いしやがってっ!」とNew Hazardにケチをつけると、最後は「タッグリーグでは、キャリアの違いを見せつける闘いをみせますっ!」と力強くアピール、観客の歓声を浴びた。


うん、これはいい試合になったな。今日はこの一戦で、かなりモトが取れたね。

…ってなところで、ふと気がついた。そうか、ボカァ今日のDRAGON GATEに不満を持っていたのか。今日は全体的に、なんか喰い足りない展開が多いんだよなぁ。今日の興行の軸である「オープン・ザ・ドリームゲート 次期挑戦者決定 ワンナイト・トーナメント」にしても、正直ちょっと唐突だしねぇ。今日のDRAGON GATEからは、妙に粗さを感じるんだよね。らしくないねぇ。

第七試合 元フロリダ・ブラザーズとは思えない大活躍

オープン・ザ・ドリームゲート 次期挑戦者決定 ワンナイト・トーナメント 決勝戦 時間無制限一本勝負
○岩佐拓(180cm/94kg/戸澤塾)
マグニチュード岸和田(175cm/105kg/MUSCLE OUTLAW'Z)
[10分57秒 首固め]

本日のメインイベントは、オープン・ザ・ドリームゲートの次期挑戦者決定トーナメントの決勝戦。勝ち上がったのは、一回戦では岩佐を相手に圧勝したマグニチュード岸和田と、敗れながらも敗者復活戦で見事な勝利を上げた岩佐拓の二人。

戦力を分析すると、実力では岸和田が上だけど、今の岩佐には勢いと観客の後押しがある。本日二度目の重量級対決を制し、CIMAへの挑戦権を得るのは果たしてどちらか?


この試合では、岸和田は第二試合では見せなかったハードコア殺法で岩佐を痛めつけた。

まずは岸和田は岩佐を場外へと連れ出すと、机の上に寝かせてボディプレスを敢行。机が真っ二つになる程の衝撃を受けた岩佐は悶絶、岸和田は鉄柵攻撃でこれを追撃。これが三戦目となる岩佐のダメージは大きく、20カウントギリギリでリングに戻るのがやっとの状態だ。大丈夫かねぇ?

岸和田の猛攻は続く。岩佐を強烈なスリーパーで絞め上げると、奇声を発しながらストンピングを浴びせ、対角線ラリアットを叩き込む。岩佐はラリアットで必死に反撃し、岸和田とのジャーマンスープレックス合戦を展開するが、続いてのラリアット合戦は岸和田の勝ち。グッタリする岩佐にトドメを刺すべく、岸和田はリング内に大量のイスを投入。観客の誰もが岩佐の行く末を心配したが…。


岩佐は息を吹き返し、イスの山めがけて岸和田に垂直落下式ブレンバスターを決め、更にはイスの上でのバックドロップを敢行。観客の大歓声の中、岩佐は岸和田が手にした竹刀をラリアットで吹き飛ばす。観客からは大歓声が起こったが、自力に勝る岸和田はラリアット、ボディプレスといった得意技を連発して勝負に出る。しかし岩佐はこれらを自力でクリア、岸和田のパワーボムをリバーススープレックスで切り返す。観客の大歓声は大きくなる一方だ。

ここで突如、岸和田の思わぬ苦戦に業を煮やしたMUSCLE OUTLAW'Zの面々が試合に介入、岩佐に対して対角線攻撃を連発する。観客からはブーイングが飛んだが、それは次の瞬間には歓声に変わっていた。今度は戸澤塾のメンバーが岸和田に連続攻撃を浴びせたからだ。

この予期せぬ反撃を前に、ついにGAMMAの堪忍袋の緒が切れた。奥の手であるプロテインを手にすると、岩佐の顔面めがけて投げつけたが…、これは岸和田に誤爆。チャンスと見た岩佐はすかさず首固めを決めると、なんとこれが3カウント。岩佐の金星に、観客からは今日一番の大歓声が沸いた。


試合終了後、ドリームゲート王座の挑戦権を得た岩佐はマイクで自らの想いを告白。重度のヘルニア持ちである岩佐は、自らの体を「生まれつき『五体満足』ではない体」と表現。友達に誘われて観戦したDRAGON GATEで、体を自由に動かして闘うCIMAに嫉妬を覚えた事を赤裸々に語る。

DRAGON GATEに入団し、目標としていた「CIMAとのシングル戦」についに辿り着いた岩佐は「タイトルマッチとか…、ハルクの怪我とか…、そんな事は関係ないんですっ! 僕は『今まで生きていた人生のすべて』を賭けてCIMAに挑みます。絶対に恥ずかしくない試合をしますので、応援よろしくお願いしますっ!」と絶叫、観客の大きな拍手を受けた。


う〜ん、またまた興行のオチが「諦めなければ、夢は叶うっ!」ってヤツだなぁ。まあ、今日は内容がややヘビーだった気もするけど、どうも僕はこのオチが苦手でねぇ。岩佐には申し訳ないけど、なんだかちょっと白けちゃったなぁ。

…とはいえ、岩佐がトーナメントを制した事は素直に嬉しいね。このところの会場人気の高さを見るにつけ、このタイミングで王座挑戦が実現するのは『旬』だと思うしね。そりゃそうと、この王座戦ってちゃんと東京でやってくれるのかなぁ?ま、大田区体育館で実現して欲しい、というのが本音だけど…どうなる事やら。


ちなみにこの試合では、あのドスコイなお姉さんも岩佐を応援。岩佐が勝った瞬間の歓声は、誰よりも大きかったとさ。はぁ〜、ドスコイぃ〜、ドスコイぃ〜

雑感

今日の全八試合という、DRAGON GATEにしては試合数の多い興行となったが、興行の時間はしっかりと三時間にまとめてきた。う〜ん、流石だねぇ。いつも進行がグダグダなシュートボクシング(SB)あたりには、DRAGON GATEの爪の垢を煎じて飲んで欲しいよ(苦笑)。反面、試合のボルテージが最高潮になる瞬間は、いつもに比べて少なかった。う〜ん、どの試合でも「巻きが入っているなぁ」と感じさせてしまうのはどうか?どうなのか?


んで、それ以上に気になったのが…、次回興行へ繋がる要素がかなり薄かった事だねぇ。一応、タッグリーグの開催とか、次期シリーズのWRESTLE JAMへの伏線とかもあったけど…、DRAGON GATEお得意の「観客の心の琴線に触れる伏線」が存在しなかったのがねぇ。う〜ん、らしくないなぁ。


今月は19日にも、この後楽園で興行を行なうDRAGON GATEだけど…、なんとなく観客動員数が今日より落ちる気がするね。9月の大田区体育館興行を含めて、大丈夫なのかねぇ。ま、DRAGON GATEの事だから、意外なところから新しいアングルを生み出すとは思うけどね。


以上、長文失礼。はぁ〜、ドスコイぃ〜、ドスコイぃ〜