全日本キック タイ遠征についての感想

珍しく、こんな文章を書いてみます

僕にしては珍しく、観てもいない試合の事をいくつか書いて見ますわい。まずは全日本キックのタイ遠征について。とりあえず、GBRに記載されていた各試合の観戦記を元にコメントしてみますわい。

全日本キック】6・17明暗が分かれたラジャ決戦!

http://gbring.com/sokuho/result/result2007_06/0617_ajkick_03.htm

6/17 スッグ・ラジャダムナン・チューチャルーン タイ・ラジャダムナンスタジアム 第一部

第二試合 130ポンド(58.97kg)契約 3分5R
石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級 王者)
●チャーンヴィットノーイ・シットチャーンヴィット(タイ/シットチャーンヴィットジム)
[3R 2分6秒 TKO]
※右ストレート


第四試合 137ポンド(62.14kg)契約 3分5R
○グーピー・ウォー・スティラー(タイ/ギャットチャーンシンジム)
大月晴明(AJKF/WPKCムエタイライト級 王者)
[判定 3−0]


第六試合 119ポンド(53.98kg)契約 3分5R
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級 王者)
●ルークゲーオ・ギャットトーボーウボン(タイ/ポータワッチャイジム)
[4R 2分22秒 TKO]
※左ボディブロー

まずは全日本スーパーフェザー級王者の石川直生の試合から。今回の石川は、相手の首相撲に真っ向から対抗。1Rは膝蹴りを叩き込み、2Rは半身になってやり過ごし、右ストレートを要所で叩き込み、フィニッシュも右ストレートだったらしい。いや〜っ、今年始めのワンロップ・ウィラサクレック戦でも精神力の強さを発揮した石川だけど、今回もムエタイに真っ向勝負を挑んで劇勝ですかい。イヤイヤ、本当に強くなったねぇ。こうなると、一度負けた大宮司進へのリベンジ戦とかも観たくなるなぁ。


で、石川とは反対に負けちゃったのは「格闘科学の探求者」大月晴明。しかも前回の増田博正戦に続いて、人生初となる連敗だ。試合内容自体は、なんだかムエタイの魔術にハマッて負けたという感じ。一発入ればKO勝利は必至の大月だけど、肝心なその一発を完封された上、ミドルでポイントを稼がせてしまったらしい。ぬぅ、復帰してから「不調」が囁かれている大月だけど、ここにきて連敗かぁ、厳しいね。増田博正戦といい、この試合といい、相手のペースにハマると抜け出せない…という大きな弱点を露呈しちゃったね。ま、とりあえずはホームの地で、自らの闘い方を立て直すしかないね。


そして全日本バンタム級王者の藤原あらしは、見事な逆転勝利を修めたようで。いつも通りに左ミドルを放ち続けて試合のペースを握った藤原だが、3R終盤で相手の右ハイを喰らって動きが止まり、4Rにはカウンターの右フックを喰らってダウンを喫してしまう。だが、ここから藤原は奮起。パンチのラッシュを仕掛けると、右フック〜左アッパーがヒットし、最後は左ボディブローで相手をKOしてしまった。う〜ん、文章を読む限りでは、僕が知っている藤原とはまるで別人みたいだなぁ(笑)。とはいえ、ピンチからの逆転勝利は本当にお見事。来たるべき寺戸伸近戦、そして米田貴志戦に向けて、いい勝ち方をしたと言えるだろうね。

6/17 スッグ・ラジャダムナン・チューチャルーン タイ・ラジャダムナンスタジアム 第二部

第二試合 128ポンド(58.06kg)契約 3分5R
前田尚紀(藤原ジム/全日本フェザー級 二位 & 元王者)
●モンコントーン・ポンソンクラーム(タイ/チューワッタナジム)
[1R 2分12秒 TKO]
※パンチの連打


第三試合 128ポンド(58.06kg)契約 3分5R
○ウィーラチャイ・チューワッタナ(タイ/チューワッタナジム)
山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級 王者)
[4R 53秒 TKO]
※レフェリーストップ:膝蹴り連打

前田は序盤からアクセル全開、パンチの連打で相手を押し込んで見事な秒殺勝利…だそうで。欠場明けの試合では、曲者である赤羽秀一に圧勝した前田だけど…この試合も圧勝ですか、そうですか。さすがというか、なんというかねぇ…強いなぁ。この調子なら、年内にフェザー級四天王との対戦も観てみたいね。とりあえず、去年の正月に闘って、中途半端な試合内容となった石川直生との対戦なんて、どうでしょ?


んで、同門の前田尚紀とは明暗を分けてしまったのが、現在の全日本フェザー級王者である山本真弘。前回の試合では、連敗が続いていた対ムエタイ戦でようやく一勝を上げた山本だけど、この一敗でまた振り出しに戻っちゃったなぁ…。序盤は回転の速いパンチを連打して「らしさ」を発揮した山本だが、段々と相手の右ミドルと首相撲からの膝蹴りに捕まり、最後は首相撲の前に無抵抗な山本の様子を見たレフェリーが試合を止めた…って展開らしい。う〜ん、なんというか…山本は相手がパンチ主体の選手には強いけど、ミドル主体の選手にはとことん弱いよなぁ。これからは、対ムエタイを念頭に置いて、自らのスタイルを変更しなけりゃ、ずっと「山本真弘ムエタイに弱い」という看板を背負う事になるだろうなぁ。

雑感

とりあずは5戦3勝2敗で勝ち越した、今回の全日本キックのタイ遠征だが…ま、その内容を見る限りでは、それぞれに一喜一憂があるようで。いいところなく敗れた大月、ムエタイが苦手である事をハッキリと露呈した山本は、なんともイヤな負け方をしちゃったなぁ、という感じだね。自分の闘い方を貫いてKO勝利した石川と前田は、次の闘いに繋がる勝ち方をした、という印象。そして、追い詰められながらも逆転勝利を果たした藤原は、精神力の強さを発揮したね。


んで…、今年の全日本キックは「日本 vs タイ 五対五マッチ」はやらんのかな?やるとしたら、発表はそろそろだと思うんだけどなぁ。イヤイヤ、GBRの文章を読んでいて、すっかりスイッチが入っちゃったよ。ゲンナロン・ウィラサクレックや、ワンロップ・ウィラサクレックの牙城に迫る全日本キック勢の姿が早く観たいね。