1/4 新日本プロレス 東京ドーム興行(地上波) 簡易観戦記

昔は1.4といえば新日本プロレスの東京ドーム興行の事を指していた

しかしまあ、まさか今年も新日本プロレスが1月4日に東京ドーム興行を打つとは想像もしていなかった、というかねぇ。とりあえず地上波で見た感想をばつらつらと記述しますわい。新日本プロレスを録画したのって何年ぶりだろ?

それにしても「新日本 vs 全日本」を謳ってはいるけど…、80年代からボヤボヤとプロレスを見ている身としては、どっからどう見ても「新日本 vs 新日本」にしか見えないんだけどねぇ…。

まず、オープニングに一言

古澤アナウンサー曰く「日本全国、プロレスファンの皆さん、あけましておめでとうございます」。そうかぁ、今の時代で「日本全国、三千万人のプロレスファンの皆さん…」とは言えないよなぁ。昭和は遠くになりにけり。

この日の対戦カードが発表された後、ゲストの高山が白々しく「さすが新日本プロレス、注目ですっ!」だとさ。露骨に興味がなさそうな口調で面白かった。

第六試合 中邑のバックドロップって抱え式なのね、今時珍しい

シングルマッチ 60分一本勝負
川田利明(183cm/110kg/フリー)
中邑真輔(188cm/122kg)
[19分2秒 体固め]
※ミドルキック

試合自体は一進一退の攻防となったが、あんまりプロレスが巧くない中邑を相手にそこそこ面白い試合を作っちゃうのだから、川田は巧いと思う。さすがは元四天王。対する中邑、テレビで見る限りでは今日は飛び技を封印。それとも、体重を増やしてからは飛ばなくなったのかな?ま、中邑の場合はその方がいいと思うね。


密かにバックドロップの名手である川田、試合途中で放っていたバックドロップの曲線が美しかった。40歳を過ぎてあの曲線を作れるのだから素晴らしい。すっかり太っちゃったNOAHの三沢とはエライ違いというかねぇ。

第七試合 福の神、ついに光臨

三冠ヘビー級選手権試合 シングルマッチ 60分一本勝負
鈴木みのる(178cm/102kg/PANCRASE MISSION/三冠ヘビー級 王者)
永田裕志(183cm/108kg)
[17分22秒 レフェリーストップ]
※スリーパーホールド

この試合は攻防がどうのって事ではない。永田さんは面白いという事実、それがすべてだと思う。



怒った顔で人を笑わせるのだから、ひょっとしたら永田さんは「福の神の化身」なのかもしれない。こいつは春から縁起がいいやぁ。



最後もみのるのスリーパーで、面白い顔のまま失神しました。ありがたや、ありがたや。

第八試合 この試合は黄色い声が、たくさん飛んでいた

IWGPヘビー級選手権試合 シングルマッチ 60分一本勝負
棚橋弘至(181cm/103kg/IWGPヘビー級 王者)
太陽ケア(185cm/106kg/アメリカ/全日本プロレス)
[17分9秒 片エビ固め]
※ハイフライフロー

棚橋はいい体してるけど、体格的にはジュニアなのね。正直、ケアとやるより…NOAHの丸藤との試合の方が見てみたい。


試合の組み立て方として面白かったのが、序盤の細かい攻防を殆どやらないまま、中盤がスタートした事かな。テレビで見る分にはあんまり違和感はなかった。昔からのプロレスファンとかは拒否反応を示すだろうけど、ひょっとしたらテレビで放送される事を念頭に置いたプロレスは、こういう風に試合を組み立てる方がいいのかもしれないねぇ。

解説の山崎が「新日本プロレスのファンはねぇ、声がないんですよ」なんてガチな事を言っているうちに、試合は大技による攻防へ。波乗りスープレックスの連発で一気に追い込まれる棚橋、ケアの必殺技であるTKO34thが決まったあたりで、観客の歓声は最高潮に。でもフィニッシュ攻防は…なんとも新日本らしい、というか。散々ケアの大技攻勢を耐え続けた棚橋、クロスアーム式ジャーマンスープレックスドラゴンスープレックスと繋いで、最後はハイフライフローでケアをピンフォール


う〜ん、たった三つの技で大逆転勝利を許すようなプロレスばっかりやっているから、コッテリとプロレスを見たがるファンはNOAHに行っちゃったと思うんだけどね。

第九試合 闘魂三銃士よ永遠に

タッグマッチ 60分一本勝負
蝶野正洋(186cm/108kg)
 武藤敬司(188cm/110kg/全日本プロレス)
vs
天山広吉(183cm/115kg/GBH)
 小島聡(183cm/112kg/全日本プロレス)
[18分43秒 クロス式STF]

テンコジが攻めているとドームが沸かない。それがこのタッグ戦のすべてのような気がするねぇ。高山も実況から再三に渡るダメ出し。曰く、合体技がダメ、技の正確さがない…etc。ま、高山の事だから東京ドームの空気を察しながらコメントしているんだろうけど。

とは言え、テンコジに追い込まれて大ピンチの蝶野&武藤。咄嗟に出したのは…なんと袈裟切りチョップとDDT。鬼籍に入った橋本の力を借りて逆転すると、あっという間に4の字固めとクロス式STFの競演で勝利を得た。高山曰く「結局、あのオッサン達(蝶野&武藤)がいなければ、何もないって事だよ、今の新日本には」。随分とガチな事を言うなぁ。


試合後、橋本が愛用していた白いハチマキを頭に巻く蝶野&武藤、ドームには橋本の入場曲「爆勝宣言」が流れ、巨大ビジョンには橋本の姿が。橋本づくしの東京ドームは、裏返せば彼らの手で追悼興行が打てない事に対する悔しさが滲み出ていた、というかねぇ。

まあ、この演出が始まった瞬間に嫌になって解説席を離れた、という高山の気持ちもわからなくはないが…(テレビではこの瞬間がカットされていたっぽい)。闘魂三銃士として同じ釜の飯を食べた蝶野&武藤がやった事だし、大目に見て欲しいんだけどね。

雑感

新日本の東京ドーム興行、そしてスペシャル番組だというのに…。今日は即日放送ではあったけど、放送時間は七十分程度。さすがに「短いっ!」と感じたなぁ。昔は本放送自体が一時間だったのに。昭和は遠くなりにけり。

試合内容については、メインイベント(第九試合)以外のシングル戦はそこそこ面白かったと思うんだけど、放送全体を見ると同じようなシングルが三試合…って感じちょっと飽きてしまった。間にタッグ戦とか挟めばよかったのになぁ。

ま、興行的に苦戦を強いられている新日本プロレスだけど、ドームの観客があれだけ声を出しているのを久々に耳にした。今年は再浮上の年になるといいんじゃないかねぇ。


以上、長文失礼。

ちなみに

試合の詳細な経過はこちらを参照して下さいな。

2006/1/4 東京ドーム 試合結果(新日本プロレス・オフィシャルHPより)

http://www.njpw.co.jp/result/2007/0104/0104_01.html