7/30 K-1 真駒内アイスアリーナ興行(地上波) 簡易観戦記・改

備忘録として、第一試合と第三試合が微妙に更新されています。



久々のワンマッチ興行

「K-1 REVENGE 2006 〜アンディ・フグ七回忌追悼イベント〜」ねぇ。

1994年9月18日、K-1 WORLD GP '94の舞台でパトリック・スミス(懐かしいな)を相手に不本意な秒殺負けを喫したフグが、文字通り「復讐」をするために行われた興行、それが「K-1 REVENGE」。フグが秒殺勝利し、会場が感動につつまれたあの興行から約12年。当時はフグの七回忌としてこの興行が行われるなんて考えもしなかった…。


さてさて今日は、K-1 GPとしては久しぶりのワンマッチ興行。K-1 GP人気が落ちた原因の一つとして「ワンマッチ興行がなくなった為、選手をじっくりと見れなくなった」っていうのもあると思うから、こういう興行をもっと増やして欲しい。で、今日は世界各地で行われている予選を突破した王者達が集結。「馴染みのない選手のお披露目興行」という意味では非常に有意義。あとは彼らが少しでも地上波に映れば良いのだが…どうせ曙やボビーが優先されるんだろうな。

第一試合 こりゃ進歩したね

CHALLENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
天田ヒロミ(185cm/105.0kg/コシ トラスト)
フレディ・ケマイヨ(187cm/102.0kg/フランス/ファウコンジム)
[判定 2−0]

スポナビの記事を読む限りでは消耗戦だったようで、とりあえず日本人が勝ってなにより。で、後日フジテレビの「SRS」での数十秒のダイジェストを見たが、天田のパンチのコンビネーションがバンバン出ていて、新しいルールが天田にとって追い風になっている事を実感。


そういえば、ここしばらく天田をK-1 GP中継で見てないなぁ。久々に見てみたい気もするような…、やっぱりどうでもいいような…。今でも武蔵には勝てなさそうだしねぇ。

第二試合 こりゃ強いね

CHALLENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
ビヨン・ブレギー(202cm/114.3kg/スイス/マイクスジム/今年度 K-1 EUROPE GP 王者)
中迫強(190cm/100.7kg/ZEBRA244)
[1R 2分35秒 KO]
※3ダウン

なんていうか「順当な結果」、それ以外は何の言葉もない。「ブレギーのお披露目試合」だね。それにしても、あのヒザ蹴りはトーナメントでも脅威となるだろうね。パンチも槍みたいだしキックも鋭さがあるし、こりゃあ密かに優勝候補だな。多分、シュルトより強いぞ。


ちなみに僕は中迫が嫌いです、あしからず。

第三試合 こりゃ勝てないね

CHALLENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
ポール・スロウィンスキー(190cm/105.0 kg/オーストラリア/ファインダーズ ユニ ムエタイジム/今年度 K-1 OCEANIA GP 王者)
富平辰文(185cm/93.5kg/SQUARE)
[判定 3−0]
※富平は3Rにダウン1

折角のワンマッチ興行なのにねぇ。映してくれよぉ、OCEANIA GP 王者のスロウィンスキーを。どんな選手か、すっかり忘れちゃったよ…。スポナビの記事を読む限りでは、右のローキックで少しづつ切り崩していったみたいだけどね…って、これだけ読んでも、どんな選手か全然思い出せねぇなぁ。


…と思っていたら、後日フジテレビの「SRS」での数十秒のダイジェストが流れた。ローキックを駆使して富平を綺麗に切り崩す姿がなかなかに圧巻、地味だけど強そうな選手だった。もう少し知りたい選手だなぁ、後でビデオを見よう。

第四試合 こりゃ難しいね

CHALLENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
藤本祐介(178cm/97.8kg/MONSTER FACTORY/今年度 K-1 ASIA GP 王者)
ボビー・オロゴン(185cm/98kg/ナイジェリア/フリー)
[判定 3−0]
※ボビーは1Rにダウン1

実況は「ボビーは本能のままに闘っている」とか言っていたけど…タックルとか立ちレスリングとか、ボビーは「練習した成果」しか出てねぇじゃねぇか…って、まあ「GRABAKA」での練習の成果だけどね(笑)。スポナビのインタビューを読んだら「抱かれたらトータルマーシャルアーツと間違えてしまって、投げちゃいましたねぇ」だって。やっぱりね。

ま、フォローすると…そんなに試合の経験のない人が、いきなり「立ち技のリングで試合をする」っていうのにはかなりムリがあったと思うなぁ。1Rなんてヒヤヒヤするくらいにガチガチだったし。「足を止めて打撃を打ち合う」って慣れと勇気が必要なんだよ、きっと。ましてやK-1ルールは「組み付いての攻防が一切禁止」、それが余計にこの試合を「歪(いびつ)」にしたのだろう。そうなると、投げが許されているSBルールや掣圏道ルールならどうだったんだろ?


対する藤本は、なんともやりにくそうだったね。あれだけセオリー無視で投げられたんじゃ、どうにも対処のしようがないだろう。ただ、日本人離れしたパワーが売り物の選手なのに「最強の素人」に力負けしていたのは残念。1R、ボビーの足の揃ったところに巧くパンチを合わせてダウンを奪ったけど、これがなかったら精神的に危なかったんじゃないかなぁ?ま、試合の途中で見せた「小手返し」風の投げは美しかったけど(笑)。


■おまけ
ボビーの入場曲 ↑THE HIGH-LOWS↓「日曜日よりの使者」
http://www.youtube.com/watch?v=b-sbqWzgdEI&search=HIGH%20LOWS


藤本の入場曲 Ace Of Base「beautiful life」
http://www.youtube.com/watch?v=T_cwJbsHH-4&search=ACE%20OF%20BASE%20%20BEAUTIFUL%20LIFE


第五試合 こりゃベテランらしくないね

REVENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
ピーター・アーツ(192cm/108.0kg/オランダ/チーム アーツ)
ゲーリー・グッドリッジ(191cm/108.9kg/トリニダード トバゴ/フリー)
[判定 3−0]

往年のキレこそなかったけれど、あのアーツにハイキックが戻ってきたのは喜ばしい。だがこの試合に限っていえば…ハイキックに拘ったがあまり、KO勝ちを逃したように見えた。ローキックとかヒザ蹴りとかも駆使して、打撃を上・中・下に散らせば、ハイキックがもう少しクリーンヒットしたんじゃないなぁ。KOに拘る姿勢が、かえってアーツからKO勝利を遠ざけた。なんともベテランらしくない試合運び、というか。


対するグッドリッジだけど、40歳過ぎなのによくもあれだけ動けるなぁ。ボディブローを駆使してプレッシャーをかける場面もあったし、ハイキックを喰らっても倒れなかったし。タフだねぇ。その丈夫さを少し武田幸三に分けてやってくれよ、いやマジで。

第六試合 こりゃガチガチだったね

REVENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
レミー・ボンヤスキー(192cm/103.2kg/オランダ/チーム ボンヤスキー)
マイティ・モー(185cm/127.0kg/アメリカ/シャークタンクジム)
[判定 3−0]

オープニング映像でボンヤスキーの人生について触れていたが、まあ「人生、いい時ばかりは続かない」って事かねぇ。元々、彼は銀行員で、モデルで、美人の妻がいて、K-1戦士だったのだから、結構転落してるよね。


この試合は典型的な「キック vs パンチ」。打撃を上下に意識を散らすボンヤスキー、「巨漢退治」のセオリー。ボンヤスキーの蹴りにパンチを合わせるモー、「ブルファイター」のセオリー。なんというか、こういう試合5R制で見ていたい。4Rあたりからローキックが効いてきたモーが動けなくなってからがこの試合の「本番」、というか。モーは動きは落ちてもパンチ力は落ちないから「一発逆転」って事もあるだろうし。


それにしてもモーはタイプはマーク・ハントと同じタイプなのに、今一つ人気が出ないね。もっと顔に愛嬌があればねぇ。

第七試合 こりゃダメだね

REVENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
チェ・ホンマン(218cm/160kg/韓国/フリー)
●曙(203cm/219.7kg/チーム ヨコヅナ)
[2R 57秒 KO]
※右ストレート

今回は減量に取り組み、どうにか健康的に痩せた曙だけど…別にK-1はダイエットを競うわけじゃないしねぇ。パンチもマトモに出せない、ガードもマトモにできない…っていうんじゃ、ただ単にサンドバックが砂を抜いただけ、というか。頼むからK-1に出るなら、もっと打撃の練習をしてくれ。

…とか書いていたら、こんな記事が目に入った。「曙は27日の時点で194kgまで体重を落としたが、実はわずか33日で202kgにリバウンドしていたことが発覚」だとさ。ダイエットすらダメだったのね、ダメボノ。で、負けた後でも「K-1/総合/プロレス/相撲/シルム」の五競技のミックスルールを提案。ヤケボノ「5R制で、このルールで勝負したい」って、その前にまず3Rに耐えうる体力をつけてくれ、マケボノ


ホンマンは…、いつも通りで特に書く事なし。

第八試合 こりゃ熱いね

REVENGE MATCH 3分3R + 延長3分1R
グラウベ・フェイトーザ(193cm/100.0kg/ブラジル/極真会館)
●武蔵(185cm/102.2kg/正道会館)
[判定 3−0]
※武蔵は3Rにダウン1

オープニング映像で武蔵曰く「やられたら、やり返さなきゃいけない」。これを聞いたPON君(id:pon-taro)曰く「『やられたら、判定でやり返さなきゃいけない』の間違いでしょ?」。グリフォンさん(id:gryphon)、拾いどころです。


試合に関しては…今日の武蔵は闘志あふれる試合をしてたね。「前に出てコンビネーションを繰り出す武蔵」なんて初めて見たぞ。だがそれ以上に、グラウベのコンディションが良かった。キックのフォームとか抜群に綺麗だし、これで序盤にコンビネーションがもっと出れば、もっといい選手になるんだけどね。

ま、その序盤はともかく、3Rにおけるグラウベの怒涛のラッシュは凄かった。今までのグラウベにはない迫力があったと思う。これに真っ向から立ち向かった武蔵の最後のダウンは「前に出ようとする姿勢」から生まれたものだから「名誉の負傷」ってところなんだけど…「玉砕覚悟で前に出てのダウン」っていうのは「武蔵流」にあってはならないダウン。本人はこういうのは嫌だろうな。

雑感

突出して面白い試合もなかったし、視聴率の稼ぎの曙&ボビーの試合がバカみたいにつまんなかったし…厳しいねぇ。興行の中から「アンディ・フグの魂」を感じる事もなかったし、「REVENGE」ってテーマも…正直、影も形もなかったし、今日はイマイチ、イマニ、イマサン。

それでも、視聴率だけはそこそこの数字が出るんだよねぇ。瞬間最高視聴率を記録したのも、あのいびつな「藤本 vs ボビー」の判定結果が出る時らしいし。つくづくに今のK-1 GPは「テレビの広告塔」にしかなっていないというか。まあ興行自体をテレビ主体でやっている以上は仕方がないんだろうけど…。


以上、長文失礼。